そして、ついにニチアサチームことチーム・IS5がベールを脱ぐ
『さてさて、一回戦も最後の試合となりました!』
『第八試合はチーム・IS5VSチーム・クインテットだったな』
『今回は更識簪ちゃんにゲストとして来てもらったわ』
『よろしく………ところでフィールドにはクインテットの五人しかいないけど』
『あれ?係の人にはもう控室は出たって聞いたんだけどなぁ』
そう、既にクインテットの五人はアリーナにいるのだが、対戦相手のIS5の姿は見えない。
「敵前逃亡?」
「いや、それは流石にないでしょ………ないよね?」
「私に聞くなし」
「あっ、出てきた」
弱視故の鋭いその他の感覚と弱視をISのハイパーセンサーで補う事で高い空間把握能力を持つキャロルが反対側のゲートから相手が入場してくるのを感知しチームメイトに伝えると、ゲートから眩い五色のISが飛び出してくる。
「ISピンク!」
最初に飛び出してきたのはピンクと白にカラーリングされたブルー・アクシスを纏った桜色のツインテールの少女・
「あっ、ISブルー!」
続いて少し恥ずかしそうに出てきたのは青にカラーリングされたリヴァイヴⅡに乗るポニーテールの
「ISイエロ〜」
ゆったりとした口調で現れたのは黄色にカラーリングされた鋼に乗るお団子ヘアーの
「ISレッド!」
見た目から熱血タイプなショートカットの
「………ISブラック」
元から黒ではあるが、ほとんどのパーツを黒一色に染め直したハイゼに乗る
「「五人揃ってISファイブ!」」
最後に五人揃って決めポーズを取ると、五人の後ろに五色のスモークが出て戦隊ヒーローやプリ○ュアのようなド派手な登場シーンを演出する。
『チーム名からしてやると思ってたけど、ほんとにやるバカいるんだな………』
『往年の戦隊ヒーローのカラー煙幕………わかってる』
『簪、ちょっと落ち着こうなぁ………というか、やるならやるって申請しとけや!知ってたらもっとちゃんとした演出や音響もやってやれたのに!』
そんな演出に目を輝かせる簪だったが、雪兎はどうせやるなら自分も演出やりたかったと悔しがっていた。
「次があればお願いしま〜す」
リーダーの希望はそんな雪兎に笑顔でそう返事をする。
「フェルト、私達もアレやろ」
「嫌よ!恥ずかしいじゃない、あんなの!」
「フェルト、それは言わないであげて」
「何で………あっ」
美乃里の言葉でフェルトは顔を真っ赤にして恥ずかしがっている静華に気付き、非常に申し訳ない気持ちになる。
「なんかごめん」
「………ううん、気にしないで」
ちなみに希望と静華は幼馴染みらしく、静華は常に希望に振り回される関係にあったようだ。
そんな静華にフェルトはシンパシーを感じずにはいられなかった。
『さて、色々ありましたが一回戦最終第八試合!試合開始!』
試合が始まると、IS5の五人はそれぞれパーソナルカラーにカラーリングされた武器を取り出す。
「パステルフェンサー!」
「オ、オーシャンブレイカー」
「ブリッツアローだよ〜」
「バーニンググレイブ!」
「インパクトアックス」
『うん?あの武器は………』
『知ってるんですか?』
『雪兎はオプション装備は全部一通り目を通してるから全部覚えてるはず』
『えっ?あの膨大なリスト全部覚えてるの!?』
『それは技術者だからな。あの武器、あんな名前じゃなかったはずなんだが………あと何か忘れてるような………』
雪兎が引っ掛かりを覚えている間にも両チームが激突する。
「やぁっ!」
希望がパステルフェンサーでキャロルが操る専用機【アズラエル】に突きを放つが、キャロルは素早くアズラエルの第三世代装備である液体金属制御で盾を作ってブロックする。
「むっ、今のを防ぐなんて………流石は代表候補生!」
「貴女の突きも速い………
「エヘヘ………」
「だから私も本気出す」
「え?」
すると、キャロルの両手に液状金属が集まり腕部と一体化した二振りのブレードとなる。
「ちょっ!?」
「いくよ」
驚きはしているものの、希望はきっちりキャロルの攻撃を防ぎつつ、隙きあらば突きでの反撃を繰り返す。
***
「セイセイセイセイセイッ!」
「速いけど対応出来ない速さじゃない!」
羞恥心から半ばヤケクソになってはいるが、両手のブレードトンファーから鋭い連撃を繰り出す静華と、それに対しヴェルデ・グリフォーネの標準装備であるアームブレードやレオーネパックのレッグブレードで打ち払うフェルトの二人。
「首輪付きって事で色々噂は聞いてたけど、噂は噂ね」
「そう?私は命欲しさに組織を裏切った裏切り者の悪党よ?」
「本当の悪党ならあの娘はあんなに貴女に懐かないと思うのだけれども?」
「それはあのド天然な娘が放っておけなかっただけよ!」
距離が開けばトンファーに仕込まれたマシンガンと双銃剣の撃ち合いとなり、お互いに一歩も引かない戦いが続く。
どうやらチームでの立ち位置だけでなく、戦闘スタイルも似ているようだ。
***
「せいやっ!」
「くっ」
一方、美乃里はバーニンググレイブを持つ光子との戦いを繰り広げていた。
美乃里のハイゼはヘイズルパックにブレードバレルを装備したライフル二刀流で対抗しているが、光子は量産機の中ではパワーに優れた鉄竜で尚且接近戦仕様の雷爪装備にオプション装備のバーニンググレイブという特化仕様だ。
セッティングも近接戦闘に重点を置いたセッティングがされているようで、押し込まれかけている。
「そんなパワーじゃコイツは止められないぞ!」
「わかってるわよ!」
「うおっ!?」
鍔迫り合いは不利なのはわかっていた美乃里は更に力を加えると見せかけて力を抜いて受け流し、光子がバランスを崩したタイミングを利用してパックをフライルーに換装。
バックパックに残したシールドウエポンブースターと左右の大型版からミサイルをバラ撒き、レールガンとブレードライフルを連射して美乃里は反撃に出た。
***
「シッ!」
「おっと………それ」
此花は同じ鋼を使う翔子と弓同士の戦いをしていた。
だが、翔子の使うブリッツアローは通常鋼のオプションとして存在する和弓タイプの飛梅とは違い洋弓のリムと呼ばれる部位に近接戦闘用の刃が取り付けられたもので、此花が翔子の矢を避けながら射っているのに対し翔子はブレードの部分を使って此花の矢を切り払いながら矢を射ってくる。
「やっ」
「ほんとその弓厄介ね!」
弓は両手で使わねばならず、ブリッツアローのように近接戦闘で使えない飛梅を使う此花のSEは少しずつではあるが、確実に削られていく。
「(こうなったら………)」
そこで此花は一度回避に専念し、装備を変更する。
「えっ?それって!?」
「元弓道部だからって弓しか使えない訳じゃないわ!」
それは此花がオプション装備として選んだ装備の一つであるビームサイズ。
実は此花はとあるMMORPGにて鎌を愛用しており、そんな中オプションリストからこのビームサイズを見つけ出していたのだ。
パックもいつの間にか隼に変更しており、一気に距離を詰めてビームサイズを振るう此花に翔子はブリッツアローのブレードで防御するが、ビームサイズの方が大きく次第に押され気味となる。
「弓の時より強っ!?」
「弓道は実家が道場やってたからやってただけだもの!」
***
残る真白と沙月は同じハイゼでありながらカラーリングが白と黒という真逆のカラーリングをしており、沙月はヘイズルにフライルーの肩のマウントを追加した複合装備仕様とオプション装備のインパクトアックスを用いた近接戦闘向けカスタムを施している。
それに対して真白はハイザの大型レールガンを左右に装備した重砲撃形態で、両腕部にヒートチャクラムカッターをつけるとかいうカスタムをしており、ベースが同じ機体のはずなのに全く別のISに見える程であった。
「そこまでの重武装でよく動ける」
「そっちこそその斧での一撃に特化させてるよね?」
お互いにキメラじみたセッティングを施している為か相手の装備特性も理解しており、だからこそその装備で対等にやり合える事を賞賛する。
「よっ、はっ」
「むっ!ぜやっ!」
左右の大型レールガンを撃ちながら腕を動かしワイヤーでチャクラムを操作する真白と弾丸を躱しながらチャクラムをインパクトアックスで弾きつつ、隙きあらば真白に向かって接近してアックスを振るう沙月。
そんな沙月をレーザーワイヤーで妨害してミサイルを放つ真白。
「随分と手慣れているな?」
「ゲームで後衛をやってるとよく狙われるからね〜、その対策と同じ事をしてるだけだよ〜」
此花だけでなく、美乃里や真白も同じゲームをプレイしており、フェルトとキャロルの二人にも「連携の練習に丁度いいから」と言ってプレイさせていたりする。
そこからは各々膠着状態が続き、SE上では若干クインテットが優勢で、このままタイムアップになってしまうとIS5の敗北が決まってしまう。
そこで希望はある賭けに出る事にした。
「皆!アレをやるよ!」
「わかったわ!」
「りょ」
「おう!」
「ああ」
すると、四人はそれぞれの相手から多少のダメージは無視して振り切り希望の元へと集まった。
「一体何を………」
パステルフェンサーの柄をインパクトアックスの先端に繋ぎ、インパクトアックスの柄の左右にオーシャンブレイカーを、柄の下に変形させたブリッツアロー、石突きを上にしたバーニンググレイブという順で連結していき一本の大剣へと変貌させる。
『あー!!そいつはクロスキャリバー!?』
『それって確か前に戦隊ヒーローの武器を見て作った試作品じゃなかったっけ?』
『バラしてオプションに混ぜといたんだが………チームメンバーで揃えて合体機構までアンロックするとは………』
希望の賭けとは合体剣クロスキャリバーでの必殺攻撃で大逆転をしようというものだったのだ。
「面白そう………なら私も」
それに対抗してかキャロルがクロスキャリバーを構える希望の前に立つ。
「このクロスキャリバーなら!」
「えい」
キャロルは左肩に装備されていたアーマーの一部を分離させ、そこに拡張領域から取り出した柄を連結して液体金属を全て注入して巨大なブレードへと変貌させる。
『ちょっと待て!?そっちはスレードゲルミルかよ!?』
そのブレードの仕組みは雪兎が言うようにスレードゲルミルというメカが使用する斬艦刀に酷似していたが、これは千冬が使う打鉄・参式の斬艦刀から着想を得たキャロルが本国に連絡して付けてもらったオプションだったりするのである意味似ていて当然であった。
「そ、そんな大っきいだけの剣には負けないもん!」
「イザジンジョウニ勝負」
そのあまりの大きさにビビる希望と若干片言なキャロル。
「クロスキャリバー!!」
「ちぇすと〜」
両者が剣を振るうが、質量が圧倒的なキャロルの液体金属ブレードが勝り、一箇所に集まっていたIS5はたった一撃で残りのSEを失いクインテットの勝利が決まってしまった。
「ぶい」
『………うん、アイツらは相手が悪かった』
『ある意味ロマン武器対決でしたね………』
『開幕にアレ使われてたら普通に終わってたかも』
こうして1年生の部の一回戦の全試合が終わったのであった。
IS5の武器はガオレンジャーの破邪百獣剣を参考にライオンファングをソニックアローっぽいファルコンサモナーに置き換えたものになっております。
キャロルの大型ブレードはスレードゲルミルの斬艦刀まんまです。
アズラエルのアイデアもらった時からやろうと思ってたネタです。