ISー兎協奏曲ー第二楽章   作:ミストラル0

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今回は短い閑話のようなものと思って下さい


17話 兆し

1年生の部の一回戦が終わり、残ったチームは9組。

一回戦と二回戦はシード扱いで試合に出ていないが、前評判から優勝候補と名高いダークマテリアルズ。

ブルー・アクシスのみの編成で弓道同好会を下したブルースカイ。

機体数のハンデを物ともせず圧勝した妹分同盟。

シャルロット信者のチームであるジャンヌ。

相手の作戦を逆に利用してみせた紫音率いるパープルラビッツ。

個性派メンバーを揃えた神龍。

未だ奥の手を残した専用機のいるキャット。

同じ出身の国同士でも格の違いを見せつけたルークとアリスのいるシルバーファング。

一見ネタにも見えるが、かなりの実力を持っていたニチアサ風チームを下したクインテット。

どのチームも例年よりも数段高い実力を有しているのが判る。

その原因はやはりあの兎師弟であった。

まず、全新入生が入学して間もない頃からISを扱える環境があったことと、それに合わせてアリーナの混雑を予期して導入されたVRポッドの存在だ。

このVRポッド、以前に一夏達がサイバー攻撃の迎撃に使用したのものの改良型で、ISをリンクさせる事で実戦稼働に近いシミュレーションを行う事が可能なのである。

これを利用する事でアリーナの待ち期間をVRシミュレーションで補う事が可能となり、1年生だけでなく2、3年生のレベルアップにも繋がったのである。

尚、その仮想敵データとしてテスターを務めた兎一味の戦闘データも存在しており、データとはいえ恐ろしい難易度となっている。

しかも、その兎一味本人達が「良い訓練になる」ミラーマッチを続けており、常日頃にアップデート版が増えている始末である。

中でも雪兎は本人に極めて近い思考をしており、繰り返し戦闘を行うと動きを覚えて対策してくるとかいう鬼畜仕様である。

話を戻して今回のチームトーナメントはそんな背景もあってこのような激戦となったのだ。

 

「う〜、僕も早く試合したい!」

 

「仕方なかろう、参加チーム数が半端になってしまってどうしても決勝以外は試合をしないチームが出来てしまうのだ」

 

「三回戦からは別のチームがシードになるそうなのでそれまで我慢しましょう」

 

そんな中、早く試合がしたくてウズウズしているレヴィをディアーチェとシュテルが宥めていた。

 

「でも、今回のトーナメントといい、設備やISの拡充といい、“地下のアレ”といい、マスター達は何に備えてるのかしら?」

 

「ここ最近は大人しくなった亡国機業やマスター達に敵意を持つ人達はまだいますからね」

 

「それに異世界や並行世界等からマスターやその技術を狙った者もいましたからね」

 

「なんばじゅーこー、だっけ?あとブラッドスタークとかいう蛇野郎!」

 

「………その異世界で拾われた私が言うのもアレだけど、この世界も相当よね」

 

「何れにせよ我らの方針は『立ち塞がるならば蹴散らすのみ!』であるからな」

 

***

 

一方、雪兎はアリーナの上で空を見上げていた。

 

「どうみても何かあるとしか思えないよな、あれ………」

 

その視線の先にあるのは数週間前から空に瞬き続ける彗星。

雪兎や束も調査はしているものの、判っているのはあの彗星は“自然発生したものではない人工物の可能性が高い”という事だ。

 

「まさか“デューオの彗星”みたいなもんじゃねぇよな?」

 

以前に電脳空間モドキを再現した事を思い出してそんな事を考えたりもするが、真相はわからない。

 

「何か忘れてる気もするが………このまま何事もなきゃいいんだがな」




短いですが、それなりに伏線仕込んでますのでお楽しみに
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