シヨン SXIYONさんのとこでのコラボシナリオに雪兎が出張したりもしていましたので良ければそちらもご覧下さい。
少しの休憩と整備時間を設けてその時は訪れた。
『いや〜、長かったトーナメントもこれで最後ですね』
『ほんの数日が長く感じるな………約1年くらいに*1感じたな』
『試合内容濃かったですもんねぇ』
『てなわけで1年の部決勝戦だ』
決勝戦はここまで何とか勝ち上がったパープルラビッツに対し圧倒的な存在感を持つダークマテリアルズ。
その2チームによる決勝戦が始まろうとしていた。
「よくぞここまで辿り着いた!」
「うん。きたよ、王様」
「紫音他も良い表情をしておる」
「そりゃな、ここまで来たらやれるとこまでってな」
「お〜レオもやる気〜」
「私も楽しみです」
「今度は私も出るわよ」
今回はダークマテリアルズもフルメンバーのようで、ユーリやイリスもスピリットフレアとアスタリアを纏っている。
『長ったらしい前説や紹介も要らんだろ?お互いに存分にやれ』
『決勝戦、ダークマテリアルズVSパープルラビッツ………試合開始!』
「いくよ、皆!」
紫音達パープルラビッツが一斉に動き出す一方でダークマテリアルズは動かず待ち構える。
どうやら先手を紫音達に譲るようだ。
『先に仕掛けたのパープルラビッツ!狙いはユーリちゃんね』
『まあ、機能限定してるとはいえ、ユーリのスピリットフレアが厄介な事に変わりはねぇからな』
紫音達もそれでユーリを落とせるとは思ってはいなかったものの、彼らの放った射撃攻撃はユーリのフローターシールドから発生したバリアフィールドによって掻き消されてしまう。
「堅いのは知ってたけど、今のが一発も通らないって理不尽よね」
「反撃来ます!」
そこへ先手は譲ったダークマテリアルズの反撃………無数のパイロシューターとそれを縫って前に出るレヴィ、さらにはパイロシューターを掻い潜ってもイリスのガンスラッシャーのウィップモードが襲い掛かるという鬼仕様。
「あの弾幕の中を何で突っ込んでこれんだよ!?」
「このソードウィップも生き物みたいに変幻自在です!」
このコンビネーション攻撃に紫音、レオン、飛鳥の三人は乱数回避、イクスと日向は防御を選択。
前衛三人は散らされ、防御力の低いイクスを日向がカバーしてはいるものの身動きが取れない状態へと追い込む。
『うっわ、初手からエグいじゃないですかぁ………』
『あのフォーメーションはほんと厄介だからな………まだ後ろにディアーチェとユーリ控えてるし』
『………ちなみに雪兎君ならどう突破します?』
『同じく弾幕で返すか、レヴィひっ捕まえて盾にしながらシュテルへ突撃して弾幕止めにいくかな?カロリナならブレイクフィールド展開しながら強引に突破出来そうだが………』
『トーナメントでも暴れてたもんね、あの娘………あの二人のフルバースト耐えきるとか堅いにも程があるわよ』
元々センスがあったのか、カロリナとリリコンバージュの相性が良かったらしく、体育祭以降に兎一味に加わったメンバーで2トップの成長率を誇っている。
ちなみにもう一人はエリカで、長距離狙撃に関しては既に兎一味で右に出る者がいないレベルに達している。
それはさておき、シュテルはパイロシューターの制御と並行してディザスターヒートを放ち始め、レヴィは狙撃手であるイクスを守る盾役の日向を引き剥がす為に強襲を仕掛け、それを何とかしようとする紫音、レオン、飛鳥の三人はシュテルのパイロシューターやディザスターヒート、イリスのソードウィップ、ディアーチェやユーリの放つ砲撃に阻まれ完全に封殺されていた。
『あっと!ここで日向ちゃんが落ちた!』
『そのままシアハートも刈られたか………こりゃ全滅も時間の問題………あっ、ディアーチェがグラビティブラストの構えに入った』
『パープルラビッツの三人も阻止しようと攻撃するけど、ユーリちゃんにブロックされて初手の二の舞いだ』
『うわ、ただのグラビティブラストじゃなくて拡散グラビティブラストかよ………神城を庇って進藤が落ちて、その神城は直後にディザスターヒートでノックアウトか』
『残った弟君は………イリスちゃんが落としておしまいね』
『もう少し善戦するかと思ったが、やっぱマテリアルズ相手はキツかったかぁ………』
やはり経験が違い過ぎたようでダークマテリアルズの勝利に終わった決勝戦。
まあ、最初の弾幕で落とされた者がいないので善戦はしている。
そして、その後に行われた2年生のトーナメントでは兎一味が上位をほぼ独占しており、今回は2人掛かりで挑んだ一夏と簪を返り討ちにした雪兎が優勝して観戦に来ていた各国の要人達は改めて「絶対にアレとは敵対したくない」と兎一味のヤバさを実感した。
3年生?ほぼ楯無の独壇場だったとだけ言っておこう。
こうしてチームトーナメントは何のトラブルもなく終了したのだが………
***
ー衛星軌道上・特別留置所ー
そこは危険度SS級の犯罪者を地上と隔離しておく為に建造された宇宙の監獄。
その管理は徹底されており、数名の職員しかおらず、囚人のいる区画とは隔絶し機械的に管理する程。
脱獄するには牢を抜け出して宇宙服を纏い物理的に離れた管理区画に月一しか来ない定期船に乗り込むか、IS等の宇宙空間で活動可能なパワードスーツを着て脱出するか、ではあるが、そもそも囚人区画には宇宙服は置かれておらず、ましてやISなんて置かれているはずもない。
そんな場所にオータムは囚われていた。
過去に護送中に逃亡、厳重な留置所からの脱獄にネビュラガスを注入された副作用か異常な身体能力の強化と通常の留置所では拘束が不可能と判断されたが故に彼女はここに収容されている。
「………クソ」
しかも食事は必要最低限の栄養素を詰めたレーションに宇宙空間という点を利用して牢内は無重力となっており、身体を鍛えるのが難しいのも脱獄をより難しくしている。
「………あの兎共め……次こそは………」
そんな環境にあってもオータムの心は折れていなかった。
ネビュラガスによる好戦的な性格への変貌もあるが、それだけ雪兎やシャルロットへの憎悪が強いのだろう。
『ほう、この環境下で未だに折れぬ憎悪………ヤツが目を付けていただけはあるようだ』
オータムしかいないはずの牢内にいつの間にか銀色のパワードスーツのようなものを身に着けた何者かがいた。
「てめぇ、あの
その姿はかつてオータムをスマッシュに変えて脱獄させたブラッドスタークによく似ていた。
『同じ変身システムを使用してはいるが、仲間ではない。彼は取引相手の一人ではあるが、それはキミの知るスタークとは異なるスタークだろうな』
「?」
『今重要なのはそこではない………キミはここから出たくはないかい?』
「なん、だと?」
いきなり現れたソイツはそうオータムに囁く。
『キミは天野雪兎………世間一般には兎一味と呼ばれる彼等に恨みがあるのだろう?私は彼の師である篠ノ之束に恨みがあってね。キミを同志として勧誘に来たのさ』
警報装置も何も作動してはおらず、悠長に話し続けるソイツにとってここへの侵入やオータムを脱獄させる事等容易い事なのだろう。
そして何よりも篠ノ之束に恨みがあるというのはボイスチェンジャー越しにもハッキリと判る憎悪の感情が乗っていた。
故にオータムはソイツの言葉に乗った。
「いいぜ………アイツラに復讐出来るなら、悪魔の誘いだろうと乗ってやるよ」
『クフフフ………いいですね。それと私の事はこの姿でいる際はこう呼んで下さい』
オータムの言葉に気を良くしたソイツはやっと名乗りをあげる。
『“ウィスパーデビル”と』
「はっ、テキトーに言ったつもりがほんとに
こうして裏で
最後が不穏だって?そこは今後のお楽しみって事で。
ウィスパーデビルのデザインは白いナイトローグをイメージしてもらえるとよいかと。
次回からはまた通常の学園でのお話となります。