ISー兎協奏曲ー第二楽章   作:ミストラル0

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書けたので投稿………
まずは最初なので一話目はほぼ通しでやることにしました。
そしたら少し長くなりそうだったので2話に分ける事に………
早速兎がやらかします。


スパロボ30②厄ネタ拾った

ジェガンカスタムが完成して活動を開始した雪兎達だが、その完成前にとあるものを入手しており、その扱いに困っていた。

 

「どうみても厄ネタの臭いしかしねぇ………」

 

それは転移された廃墟を探索していた際に発見した水晶片型データ端末。

雪兎は辛うじてそれが何なのか知っていた。

 

「何でリリカルなのはのアイテムがスパロボ時空にあんだよ」

 

そう、それはリリカルなのはの劇場版作品である【リリカルなのはREFLECTION】に登場した【イリス】という存在が入っていた端末にそっくりだったのだ。

実を言えばこのREFLECTIONが雪兎が転生前に見た最後の劇場版作品で、続編のDetonationは見る前に事故に遭い転生してしまっているので地味に続きが気になっていたのだが、転生後の世界にもリリカルなのはシリーズが放映されていた事があってその存在を知った直後に視聴している。

その為、イリスやその内に眠る真の黒幕についても知っており、それ故にこの端末がどれだけ危険なものか判っているのだ。

どうも雪兎達と同時期に跳ばされてきたらしく、その衝撃で機能不全になっていたのは幸いである。

 

「とりあえず外部との接続してない端末で調べてみるか」

 

そうして調べてみたところ、この端末はイリス本体に何かあった際のバックアップとして作られたもので、量産型の姉妹とは違いほぼイリスと遜色ないイリスが保存されていた。

おそらくイリスの中に仕込まれた黒幕のバックアップがいざという時の為に用意したもののようだが、まさか異世界に吹っ飛ばされるとは想定していなかっただろう。

しかも転移の際に端末の機能不全が起こった影響でイリスのデータもかなり損傷してしまっており、特に記憶に関するデータが9割失われていた。

これに関しては雪兎が作ったマテリアルズ………特にユーリを見て暴走される危険が無いので一安心ではある。

しかし、黒幕ことフィル=マクスウェルのデータはかなり深部に保管されていたせいかほぼ無事で、放っておくと厄ネタにしかならないと判断した雪兎は一部の技術データ*1のみ吸い出して黒幕に関するデータは削除してしまった。

 

「茅場といい、大尉*2といい、山寺ボイスのボスキャラは大抵理不尽だからさっさと始末するに限る」

 

「すごい実感籠もってる………」

 

「で、この娘はどうするの?」

 

「流石にイリスも問答無用で削除すんのはなぁ」

 

記憶もほぼ失っており、純粋無垢に近い人工知能を消すのは流石の雪兎も躊躇いがある。

 

「とりあえず別の端末作ってそっちに入れとくか」

 

未だに目を覚まさないようなのでとりあえずイリスのデータは他の機器に干渉出来ないようにスタンドアローンの端末を作ってそちらに移しておく事にするのであった。

 

***

 

活動を開始してから数日が経ち、詳しい状勢や遺棄された機体がそれなりに集まった。

 

「やっぱり怪しいのはこの【第30士官学校】だな」

 

「士官学校?どうしてそこが怪しいの?」

 

「場所が極東………日本って言うのが一つ、もう一つは士官学校なのに他の士官学校に比べて資金や物資の流れが多い。十中八九何か裏で造ってる」

 

スパロボ時空であるならば極東方面の基地に戦況を打開する新兵器があるのは珍しい事でもないのでそれが主人公機やそれに類するものだと雪兎は確信している。

という訳で極東に向かう事になった雪兎達は何処かから調達した輸送機を改造して造ったレイディバード級輸送機ネザーランド*3で極東へと旅立つ事に。

尚、仮拠点だった施設は念入りに解体した。

 

***

 

それからまた数日………

 

「いや〜、助かったぜ」

 

「旅は道連れって言うしな」

 

ネザーランドの同乗者に一人の男が増えていた。

男の名はエッジ・セインクラウス。

補給に立ち寄った街で生き倒れていたのを雪兎達に救われ、その縁で同じく極東に向かっているというので同乗することになったのだ。

話せば雪兎と同様義理の妹がいるらしく、その共通点で親しくなったのと、(雪兎曰く)声がスパロボ常連の“彼”*4と思われる事から彼が主人公なのではないか?という点から同行した方が都合が良いと判断したのだ。

それに行き先が同じく極東というのも彼が主人公だと仮定した場合、雪兎達の推測が正しかったという事になる。

 

「(主人公が物語の起点となり得る場所に向かうって事はそろそろ始まるって事だな)」

 

この時、雪兎は単に物語が始まるくらいにしか思っておらず、これがこれから始まる想像以上に混沌とした戦いの幕開けだとは知る由もなかった。

 

***

 

極東エリア大湊

 

極東エリアに着いた雪兎達は一度エッジと別れ、士官学校のある大湊へと立ち寄った。

 

「極東エリアも他と大差無いようだな」

 

「うん、何処も戦乱で復旧が間に合って無いみたい」

 

「機械獣軍団も頻繁に出現してるみたい」

 

「で、噂に聞く士官学校とやらは自治会長様の判断で避難民の受け入れをやってると………」

 

士官学校が大湊基地に隣接している為か補給等は受けやすいのだろう。

そう考えるとその自治会長とやらは優秀な人間のようだ。

 

「エッジもそっちに向かったみたいだし、俺達も行ってみるか」

 

そんな事を考えていると警報が鳴り響く。

 

「どうやらそんな暇はなくなったみたいだな!」

 

「機械獣!?」

 

「シャル、カロリナ。俺達も出るぞ」

 

「えっ」

 

「余所の世界だろうが見捨てるのは性に合わねぇからな」

 

「うん!」

 

「了解」

 

そうして光学迷彩で隠していたネザーランドに戻るとそれぞれのジェガンカスタムに乗り込む。

 

「天野雪兎、ジェガンカスタム。出るぞ!」

 

そうして大湊基地に戻ると基地に襲撃をかけていた機械獣に雪兎達とは別で攻撃を仕掛けた機体がいた。

 

「この基地のジェガンとイチナナ式は全滅したって聞いてたが、まだ機体が残ってたのか?」

 

「雪兎、あそこ!」

 

シャルロットが示した先、格納庫から現れた機体は雪兎にとって予想外の機体だった。

 

「なっ!?あれはアッシュ!?いや、細部が異なる………だが、あれは間違いなく“ヒュッケバイン”!」

 

通信を傍受してみればその機体はヒュッケバイン30というらしく、偶々その場に居合わせたエッジが乗っているらしい。

 

「シャル、こっちも基地側に通信を」

 

「う、うん!」

 

『えっ!?通信!?』

 

『あそこにいるジェガン(?)から?』

 

「あ〜、俺達は傭兵みたいなもんでな。偶々通り掛かったら戦闘に出くわしたもんで援護にきてみたんだが、指揮官は誰だ?」

 

『わ、私ですが………』

 

「今回はお試しサービスみたいなもんで無料で助太刀させてもらうが構わないか?そっちの機体に乗ってるのもどうも顔見知りっぽいしな」

 

『お前………雪兎か?』

 

「ちょっとぶりだな、エッジ。流石にこの数相手に初乗りの機体だと厳しいだろ?」

 

『助かる』

 

「って訳でいくぞ、二人とも。相手は機械獣だ、何の遠慮もいらねぇ!」

 

「うん!」

 

「ラジャー」

 

基地を襲っていたのはガラセクトV2という機械獣で両腕が斧と盾になっているのが特徴である。

それが五機程、雪兎からすれば多少物足りないくらいである。

 

『うそ………あの人達、強い』

 

『ヒュ〜、やるねぇ』

 

改造機といえどジェガンで機械獣を翻弄する雪兎達と初乗りであるはずなのにヒュッケバイン30を乗りこなすエッジ。

そこへ更なる援軍が現れる。

 

『大丈夫だ、ミツバ君………じゃなくて艦長!援軍が来てくれた』

 

そこに現れたのは通常とはカラーリングが異なるイチナナ式が一機。

 

『援軍ってイチナナ式が一機だけかよ』

 

「いや、ただのイチナナ式じゃないみたいだぜ」

 

『こちらは新光子力研究所所属の兜甲児だ!要請を受けて救援に来た!』

 

そう、そのイチナナ式に乗っていたのは兜甲児だったのだ。

 

『う、嘘!?マジンガーZの兜甲児さん!?』

 

『その兜甲児さんが、どうしてここに!?』

 

『話は後だ!まずは機械獣を片付ける!』

 

『ヘル事変とミケーネ戦役の英雄、兜甲児ね………』

 

「(マジか、生兜甲児かよ………)」

 

顔には出していないが、生の兜甲児の登場に雪兎は興奮していた。

やはりメカヲタとしては元祖スーパーロボットのマジンガーZは思うところがあり過ぎる。

 

「(でも、イチナナ式があるってことはINFINITY確定じゃんかよ………あれも割と厄ネタだったような………)」

 

そうして兜甲児も加わり有利になったかと思いきや別方面から増援のガラセクトV2が現れ基地が攻撃を受けてしまう。

 

「チッ、少し調子にのりすぎたか」

 

すると、基地から通常の戦艦を遥かに凌駕する巨大戦艦が現れる。

 

『巨大戦艦だと!?』

 

「なっ!?全長2000超え!?軽くゼネラルレビルの倍はあるぞアレ!?」

 

『あれが………地球の希望………!』

 

その戦艦はエッジや雪兎が言うようにあまりにも巨大だった。

尚、ゼネラルレビルが全長630mという事を考えればこの戦艦が如何に巨大であるかお分かり頂けるだろう

 

『ドライストレーガー、回頭!同時に連装砲、発射準備!』

 

『ドライストレーガー、回頭!同時に連装砲、発射準備!』

 

先程の指揮官と思われる女性と男性の声がするとドライストレーガーと呼ばれた巨大戦艦は各部に備えた連装砲で増援として現れた機械獣を一掃してしまう。

 

「おいおいおい………なんつう火力してんだ、あの戦艦………」

 

『とんでもないものを隠してたもんだぜ』

 

『ありがとう、エッジに傭兵の皆さん』

 

『へ………』

 

「え?」

 

『貴方が、貴方達が、ドライストレーガーを………この星の明日を守ったのよ』

 

『そんな大げさな………』

 

『大げさなんかじゃない。私達が、このドライストレーガーでそれを証明してみせる』

 

そこからはあっという間で、むしろ過剰戦力というレベルで機械獣は殲滅された。

 

「(ヒュッケバインだけじゃなくオリジナルの超巨大戦艦とか………この世界、割とヤバイ?)」

 

『やった………やったのね、私達!』

 

『はい、艦長!任務達成です!』

 

初陣が勝利に終わった事に喜ぶドライストレーガーの面々だったが、そうは簡単に事は終わってくれなかった。

 

『喜ぶのは、まだ早いみたいだぜ』

 

そこに二機の識別不明機が乱入してきた。

 

「こいつはあの時の………」

 

それは雪兎達が跳ばされてきた時に現れた謎の機体だった。

 

『そっちのも、やれるな?』

 

『やりたくないって言っても見逃してくれる相手じゃなさそうですよ』

 

「だろうな」

 

『各機は攻撃を!相手が何であろうとドライストレーガーは負けるわけにはいかないわ!』

 

そこから謎の機体を相手にする事となったのだが、機械獣とは違ったタイプの機体で、機体サイズも違ったので少し苦戦したものの何とか撃破に成功する。

 

『アンノウン、全滅しました』

 

『その正体は不明のまま………わかっている事は………』

 

『高い戦闘力………それもとてつもないほど高い戦闘力を持ってるって事か』

 

『ありがとうございました、甲児さん。直接、お礼を申し上げたいので、こちらに着艦してください。傭兵の皆さんもどうぞ』

 

『了解だ、艦長。その艦には、俺も興味がある』

 

「こちらも了解だ。乗ってきた輸送機があるからそいつも持ってきていいか?」

 

『構いません』

 

「シャル、カロリナ、先に着艦しててくれ、ネザーランドを取ってきたら俺も直ぐに合流する」

 

「わかった」

 

その後、艦長と呼ばれた女性はエッジに声を掛ける。

 

『それとエッジ………』

 

『礼なんていいぜ。俺は人間として、当然の事をしたまでだ』

 

『ううん………あなたのおかげでドライストレーガーはこうして発進できた。それにはお礼を言わせて』

 

『悪いが、そんなガラじゃないんだ』

 

ここまではいい話っぽかったのだが………

 

『でも、逃げようとするなら攻撃するわよ』

 

『へ………』

 

『軍の機体の無断使用………エッジ・セインクラウス、あなたを拘束します』

 

「(まあ、そうなるわなぁ………仮にもあの機体は軍事機密っぽいし)」

 

こうして物語は幕を開けたのだった。

*1
フォーミラ関連技術

*2
戦場のヴァルキュリア3のダハウ大尉のこと

*3
兎の品種ネザーランドドワーフラビットから

*4
杉田智和




戦闘パート終了………
続きは次回


今回のオリジナル機体紹介
ネザーランド

レイディバード級輸送機ネザーランドが正式名称。
スパロボOG系統に登場するレイディバード輸送機が元ネタの雪兎オリジナル輸送機。
MSサイズなら八機まで搭載可能な様にスペースを拡張してあり、簡単な修理・整備も行える。
実はアムドライバーの世界から持ち帰ったキュプロクスのデータも反映されており垂直離着陸まで可能とかいう地味に優秀な輸送機だったりする。
名前の由来は兎の品種であるネザーランドドワーフラビットから。
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