ISー兎協奏曲ー第二楽章   作:ミストラル0

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今回は雪兎や紫音とは別の人物の視点からのお話。

そして、活動報告で募集していたキャラが二人登場します。


8話 亡命少女

Sideフェルト

 

私はフェルト=ペイズリー。

訳有ってIS学園1年β組に所属している美少女である。

自分で美少女って言うと何だか自意識過剰っぽいけど美少女なのは本当なので美少女です。

 

と、そんな事はどうでもよくて………

私がIS学園にいるのはとある理由で学園に保護されているからだ。

とある理由とは、私が“元”亡国機業(ファントム・タスク)の工作員だったから。

私は元々は棄児で、色々あって拾われた亡国機業に工作員として育てられていた。

そうしないと生きていけなかった為、組織に捨てられないように様々な技能を身につけ、とある幹部の配下として活動していた………去年のクリスマスに起きた聖剣事変までは。

あの聖剣事変で私の上司だったレグルスことシルヴィア=メルクーリを始めとした【闇夜の星座(ゾディアック・ノワール)】の幹部達は全員逮捕され、その配下だった私達工作員も芋蔓式の捕まった。

その際、私は私が知り得る全ての情報と引き換えに司法取引をし、未成年だった事や私にIS適性が有ったのを理由にIS学園に監視を兼ねて入学させられる事となった。

監視の為に位置情報を発信するナノマシンを投与されたり、やけにオシャレな外見をした監視用のISを首輪として着けられはしたが、それ以外は特に行動の制限等も無く、一学生として扱われている。

というか、いくら監視されてるとはいえ、ISまで持たせられているのはどうかとも最初は思ったのだが、用意されたISであるヴェルデ・グリフォーネに細工を施したのがあの【兎の皮を被った災害】と知って絶句した。

【兎の皮を被った災害】こと天野雪兎と言えば亡国機業をこれまで散々返り討ちにしてきたあの男である。

その監視下に置かれていると知って私は直ぐに色々な事を諦めた。

そもそも組織に帰るつもりも無い私からしたら彼の保護下にあるのは決して悪い事ではない。

というか、滅ぼしてくれないかな?亡国機業。

 

「フェルト、どうかしたの?」

 

「何でもないよ、キャロル」

 

そんな事を考えていた私を心配そうな顔で見つめるこの娘はキャロル=クロコディル。

シリア軍に所属するシリアの代表候補生で私のルームメイトなのだが、戦闘はともかく私生活がポヤポヤしていて放っておけない娘なのだ。

 

「それよりまた寝癖ついてる」

 

「ん、お願い」

 

「はいはい、ここ座って」

 

寝癖を直した後、二人で教室に入るとクラスメイトから「おはよ〜」と挨拶をされる。

 

「今日も手繋ぎ登校だなんて仲良しですなぁ」

 

「うんうん、今日もオカンしてるわね」

 

「美乃里!此花!」

 

キャロルは過去に目の辺りに怪我をしたせいか弱視で、他の感覚は優れているのだが、ISを展開していないと教室の中央から黒板を見るのも苦労するらしい。その為、私が日常生活のフォローをしているのだが………それをクラスメイトで友人となった白浜美乃里(しらはまみのり)柏木此花(かしわぎこのは)にからかわれる。

 

「おはよう、ミノリちゃん、コノハちゃん」

 

「おっは〜」

 

「フェルキャロ、おは〜」

 

二人とは座席が傍であったことから仲良くなった。

最初は首輪付きとあって怖がられるかと思ったのだが、隣になったキャロルが放っておけなかったから面倒を見ていたら温かい眼で見られるようになり、気が付けばキャロルの保護者のような扱いに納まっていた。

 

「そういえば聞いた?チームトーナメントの事」

 

「今年からクラス代表トーナメントが廃止になったんだっけ?」

 

何でも今年からクラス代表によるトーナメントが廃止になったらしい。

理由はクラスの編成で専用機持ちが偏ったりISに乗り慣れていない生徒がいるこの時期にやってもあまり意味が無いのでは?という意見が出たからだそうだ。

言われてみればなるほどと思った。代表候補生なんて入学前からISに乗り慣れた士官候補生のようなもの。そんなエリート相手にISに乗って一ヶ月にも満たない生徒ではただのワンサイドゲームである。そんなのいくら優勝景品が良くとも意欲的になる訳が無い。

それに対して今年発表されたのは学年毎に五人ずつのチームを作り、そのチーム対抗トーナメントという方式となった。

ただ、1年生は代表候補生はチームに一人という制限があり、中々に公平なルールだと思う。

 

「そのトーナメント、私達でチーム組まない?」

 

「早速私とキャロルを抱き込むつもりね?けど、あと一人いるわよ?」

 

「それは真白に頼んであるわ」

 

真白というのは同じクラスの美乃里と此花の幼馴染の久川真白(ひさかわましろ)の事で、大人しめの小柄な少女だ。

 

「手が早いわね」

 

「こういうのは早めにチーム決めておいて連携とか練習しておいた方がいいでしょ?」

 

「そうね………キャロルはどう?」

 

「フェルトがいいなら」

 

「なら決まりね」

 

「「やった!」」

 

こうして私達はチームを結成して放課後に練習をする事にしたのであった。

 

Sideout




フェルト=ペイズリー
元亡国機業の工作員だった少女。司法取引で監視付きではあるがIS学園に保護された。
レグルスの部下だったが、上司への信頼等は皆無でむしろ積極的に情報を売っている。
首輪付きではあるが、キャロルや他の生徒への態度から1年β組のオカン扱いをされている。
乗機はヴェルデ・グリフォーネ

キャロル=クロコディル
シリアの代表候補生。テロでシングルマザーだった母親を失い、別のテロ組織に拾われたのだが、そのテロ組織が母親を殺したテロ組織と統合される事になり脱走、その際に現在の保護者であるシリア軍人に拾われて養女となった。
目はその際に負った怪我が原因で弱視化しているが、その分他の感覚に優れる。
専用機としてアズラエルという機体を持つ。

白浜美乃里
1年β組の生徒。
フェルトにオカンというあだ名をつけた張本人。
フェルトの本質を見抜き友人となった。
中学では水泳部だった。
乗機はハイゼ

柏木此花
1年β組の生徒。
美乃里と真白の幼馴染。
中学では弓道部だった。
乗機は鋼

久川真白
美乃里と此花の幼馴染で1年β組の生徒。
中学では文芸部で図書委員という根っからの文学少女だった。
乗機はハイゼ
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