蒼海のRequiem外伝 ~北天の流星~   作:ファルクラム

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第6話「友へ示す決断」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 狭い室内から聞こえてくる微かにくぐもった声。

 

 よく整理された室内には清潔感があり、内装だけではなく調度品にも気を使っているのが判る。

 

 部屋の中央では、一組の男女が抱擁を交わしていた。

 

 男は抱き寄せた女の、長い栗色の髪を優しく撫で、女は寄り添うように男に身を寄せる。

 

 2人の唇は重ねられ、喘ぎ声は女の口から時々漏れ聞こえていた。

 

 男の手が女の体を愛撫する度、塞がれた女の口からは喘ぎ声が漏れ出す。

 

 どれくらい、そうしていただろう?

 

 お互いの唇と体の感触を存分に味わった後、男は女の身体をそっと話す。

 

「そろそろ、良いか?」

「はい。殿下。お情けを、くださいませ」

 

 問いかける男に、女は蕩けた目で頷きを返す。

 

 娼婦を思わせる女の反応に、男は実際にも内心にも舌なめずりをする。

 

 自分は今から、この女の全てを支配する。自らの欲望のままに貪り食らい、果てるまで自分の精を、女の中へと出し尽くすのだ。

 

 その圧倒的な支配感に、男の中の欲望は留まる所を知らずに上り続ける。

 

 これは自分だけの特権。

 

 高貴な自分だけに許された、最高級の贅沢。

 

 下々の物には決して許されない至高の時間を、これから味わう事が出来るのだ。

 

 女も、自分のような高貴な人間に抱かれて、この上ない幸せだろう。

 

 振り返る2人の先には、ベッドが見える。

 

 既に2人の心と体は最高潮まで高ぶり、快楽を貪れる瞬間を待ちわびている。

 

 男は女の腰を抱き、ベッドへと誘おうとした。

 

 廊下に通じるドアに、ノックの音が鳴ったのはその時だった。

 

《殿下、お休みのところ、申し訳ありません》

 

 相手は、この艦の副長でもある人物。

 

 わざわざ、艦長室まで足を運んだと言う事は、余ほどの事態であると思われたのだが、

 

「・・・・・・何だ? 何の用だッ?」

 

 情事を直前で中断された男は、不機嫌そうに問い返す。

 

 見れば、女の方も、そそくさと胸元を直している。

 

 2人は完全に興を削がれた形だった。

 

 副長の方も長い付き合いであるがゆえに弁えているらしく、無遠慮に踏み込んでくるような真似はせず、ドアの外で報告する。

 

「G部隊司令部から通達が来ました。ドイツ戦艦を発見、直ちに合流せよ、との事です」

「チッ そんなもん、お前等で勝手に判断できんのか?」

「そうは参りません。上級司令部の命令である以上、艦長である殿下の指揮が必要となります故」

 

 融通の利かない副長の返答に再度舌打ちする。

 

 しかし上級司令部に反抗して、己の評価を下げる事態は避けなければならない。

 

「暫くしたら行く。艦橋で待ってろ」

「ハッ」

 

 副長が遠ざかる気配を感じながら、男は女の方を振り返った。

 

「続きはまた、後でな」

「・・・・・・はい、殿下」

 

 女は蠱惑的に笑う。

 

 2人は笑み向けると、互いの高ぶりを慰めるように、もう一度抱擁を交わした。

 

 

 

 

 

 イギリス海軍G部隊は、ドイツ海軍通商破壊戦部隊に対抗する為に編成された7つの特務部隊の一つである。

 

 重巡洋艦「エクゼター」、軽巡洋艦「エイジャックス」「アキリーズ」の3隻編成となっている。

 

 本来なら重巡洋艦「カンバーランド」も編入される予定だったが、同艦は整備が間に合わず、出撃を見合わせている。

 

 旗艦「エイジャックス」の艦橋では、指揮官のハーウッド准将は、真っすぐに前を見据えていた。

 

「『シャルンホルスト』についての新しい情報は?」

「10日前にウルグアイ沖で輸送船3隻を沈めた後、更に南のフォークランド諸島沖の海域で3日前、タンカーが1隻やられています。その後、北上したところまでは確認しています」

 

 ハーウッドに答えたのは、セーラー服を着てベレー帽を頭の上に乗せた少女だ。

 

 艦娘のエイジャックスの答えに頷く。

 

 通商破壊戦を仕掛けてくるドイツ海軍への対応はイギリス海軍にとって急務である。特にシャルンホルスト級巡洋戦艦の存在は、イギリス海軍にとって、目の上の瘤と言っても過言ではないほど、目障りな存在だった。

 

「仮に奴が、まだ同じ海域にいるとしたら、我々もフォークランド沖に行くべきだが」

「流石に、それは無いんじゃないでしょうか?」

 

 ハーウッドの言葉に、エイジャックスは首を傾げながら応じる。

 

 ドイツ軍とて、一か所に留まり続ける事の危険性は理解している筈。

 

 単艦で動いている彼等が、発見から3日経った今も、同じ海域にいる可能性は低かった。

 

 既にフォークランド沖は離れたと考えるのが妥当だった。

 

 ならば、とハーウッドは視点を変えてみる。

 

「奴らが北上した理由は何だと思う?」

 

 妥当に考えれば、次の獲物を探して北上した、と考えるべきだが。

 

「意味、ですか?」

「ああ。奴らの意図によって、行動を変える必要が出てくる」

 

 「シャルンホルスト」は単独で行動している。

 

 単艦行動は他部隊の援護が期待できない反面、神出鬼没な戦い方が可能となる。イギリス海軍が、ドイツ海軍の跳梁を許している最大の原因がそれだった。

 

「奴らが獲物を求めて行動しているとすれば、その行動を予測するのは困難ですね」

 

 英ジャックスが険しい表情を作りながら呟く。

 

 単独行動中のドイツ戦艦を、洋上で捕捉する事は難しい。いかに対通商破壊戦部隊と言えど、その索的能力には限界がある。

 

 だからこそ、先読みして待ち伏せる必要があるのだが。

 

 暫く考えてから、ハーウッドが顔を上げた。

 

「補給、と言う可能性はないか?」

「補給、ですか?」

「ああ。連中も作戦を開始して大分経つ。勿論、定期的に補給は受けているだろうが、そろそろ補給艦との合流時期が近付いているから北上した、と言うのは考えられないか?」

 

 ハーウッドの言葉に、一同は考え込む。

 

 可能性としては、無くはない。

 

 しかし、先に出た襲撃場所を変更する為に移動した可能性も充分に考えられる。

 

 可能性としては五分五分(フィフティ・フィフティ)といったところだろう。

 

「ならば、賭けてみては如何でしょうか?」

 

 発言したのは参謀長だった。

 

「『シャルンホルスト』の目的が補給なのか襲撃なのか、今ある材料で判断する事は難しい。勿論、両方の案に戦力を振り分ける余裕は、我々にはない。だからこそ、どちらか一方の可能性に賭け、敵を待ち伏せするのが得策かと思われます」

「参謀長の意見に、私も賛成です。ここで手をこまねいていても、敵が逃げるだけです」

 

 参謀長の発言を受けて、エイジャックスが頷く。

 

 確かに、判断材料が少ない以上、これ以上考えても仕方がない。

 

 勿論、2つの可能性があるからと言って、戦力を二分するわけにもいかない。

 

 ならば、どうするか?

 

 選択肢は2つ。

 

 1つは、敵が更なる襲撃目標を求めて移動した可能性を考え、他の海域へ移動する。

 

 もう1つは、補給のために北上したと考える。この場合、G部隊は先回りして待ち伏せする事になる。

 

「・・・・・・北だ」

 

 考えた末に、ハーウッドは決断を下した。

 

「敵が補給の為、北上したと判断し、これを待ち伏せする」

 

 どのみち、もし「シャルンホルスト」の目的が襲撃の為の航路変更だったとしたら、広い洋上で捕捉する事は難しい。最悪、空振りになる可能性が高い。

 

 それよりも、そのまま補給の為に北上する方に賭けた方が得策と考えたのだ。これなら、待ち伏せも容易だし、仮に予想が外れても燃料の消費は最低限で済む。

 

「あとは、戦力ですね。向こうは1隻とは言え戦艦。こちらは数が多いですが、巡洋艦しかいません」

「エイジャックスの言う通りですな。他の部隊にも合流を呼びかけますか?」

 

 問いかけるエイジャックスと参謀長。

 

 対して、ハーウッドは自信ありげに笑みを見せた。

 

「なに、それなら問題はない。既に手は打っておいた」

 

 ハーウッドの言葉に、顔を見合わせて首を傾げる、参謀長とエイジャックス。

 

 丁度、その時だった。

 

「方位0-8-5に接近する戦艦ありッ 味方です!!」

「来たか」

 

 報告を聞き、ハーウッドは頷きを返した。

 

 

 

 

 

 戦艦「ラミリーズ」は、R級戦艦(完成全艦の頭文字が「R」である為、この呼称で呼ばれる)の5番艦である。

 

 基準排水量は2万9000トン、全長190・3メートル、全幅27メートル。

 

 竣工は第1次世界大戦と同時期だが、竣工が遅かった為、ユトランド沖海戦には参加していない。

 

 主砲は42口径38・1センチ砲を連装4基8門装備している。

 

 現在、イギリス海軍の中で運用されている戦艦としてはクイーンエリザベス九に次いで古いタイプの戦艦だが、それでも強力な火砲を備えた戦艦であり、ドイツ巡戦を相手にするのに十分な火力を期待されていた。

 

 その艦橋に、艦長たる男が艦娘の女性を従えて入って来た。

 

 長身に、細面。鋭い目つきをした男だ。

 

 胸には中佐の階級章を付けている。

 

 ディラン・ケンブリッジ大佐。

 

 この「ラミリーズ」の艦長である。

 

 ディランの姿を見て、艦橋にいる全員が敬礼を送る。

 

「お待ちしておりました、殿下」

 

 恭しく一礼する初老の男性に対し、ディランはジロリと鋭い視線を投げる。

 

「アルヴァン」

「ハッ」

 

 忠実なる副長は、自らの主の呼びかけに対し、一歩前へと出る。

 

 先に情事の邪魔をした相手ではあるが、幼少より自分の面倒を見てくれた相手である。無碍にはできなかった。

 

「説明しろ。状況はどうなっている?」

「は、先程、G部隊司令部より伝達がありましてございます。それによりますと、『シャルンホルスト』が補給の為に、最終確認地点よりも北上していると判断。我々は、その進路上にて待ち伏せする、との事でした」

 

 報告を聞いて、ディランは面白くなさそうに鼻を鳴らした。

 

「何だ、まだ発見もしていないくせに呼び出したのか、俺達を。ハーウッドも随分と急くではないか」

 

 階級が上の上位指揮官を呼び捨てにし、あまつさえ侮蔑するような発言。

 

 普通の軍隊であれば許されるような事ではない。

 

 しかし、アルヴァンをはじめ、誰もがディランの発言を咎めようとはしない。

 

 要するに、このディランと言う男が、それが許されるだけの立場にある。と言う事である。

 

「この俺をわざわざ呼び出したのだ。勝算はあるのだろうな?」

「ハーウッド提督は、そのように考えているようでございます」

 

 アルヴァンの報告に鼻を鳴らすディラン。

 

 同時に、傍らに控える女性に目を向ける。

 

 艦娘のラミリーズは、発言する事無く、ディラン傍に佇んでいる。

 

 全く。

 

 彼女との情事を邪魔されたのは、ディランにとって、脳が沸騰しそうなほどに頭にくることである。

 

 この上は、何が何でも獲物をしとめない事には気が済む話ではなかった。

 

「薄汚いナチの戦艦が、この俺と同じ海にいた事を後悔させてやる」

 

 そうだ。

 

 自分達が負けるはずがない。

 

 こちらは世界に誇る大英帝国海軍(ロイヤルネイヴィー)。対して相手は、第1次世界大戦に敗れた後、ろくな戦艦を持つ事も許してもらえず、つい最近になってようやく、自分達に泣きついて戦艦の建造を許してもらったような、乞食同然の連中だ。

 

 おまけに奴らの総統は、成り上がり者の元伍長と来た。

 

 そんな奴らに、世界最強である自分達が負けるはずがない。

 

 自分達は勝つ。

 

 勝って本国に凱旋し、あらゆる称賛を受けるのだ。

 

「そうなれば、次期国王の座も近くなると言う物だ」

 

 笑みを含んだディランの言葉は、傍らに控えたアルヴァンとラミリーズにだけ聞こえていた。

 

 ディラン・ケンブリッジ。

 

 彼は戦艦「ラミリーズ」の艦長であると同時に、もう一つの顔を持っている。

 

 ケンブリッジ公爵の名を持つ、立派な公爵であり、現国王の次男。

 

 すなわち、イングランド王国第2王子。

 

 それが、ディランと言う人間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 巡洋戦艦「シャルンホルスト」が通商破壊活動をしていたフォークランド沖を離れ、北上を開始した理由。

 

 それについて、実のところ、ハーウッドの予想は正しかった。

 

 南大西洋における通商破壊戦が一定の戦果を挙げたと判断したエアルは、次の行動に向けて補給を行う為に北上を決定したのだ。

 

 現在、「シャルンホルスト」はアルゼンチン沖を抜け、ウルグアイ沖を航行している。

 

 間もなく、ウルグアイ沖に差し掛かる事になる。

 

 その後、洋上で補給艦と合流予定だった。

 

 予定では僚艦「グナイゼナウ」も、補給のために向かっているとか。となれば、久々に同型艦が揃う事になる。

 

 だが、

 

 その進路に立ち塞がる者の存在について、急報がもたらされたのは、あと数時間でウルグアイ沖に入ると言う時の事だった。

 

 艦長席に座るエアルの元へ、ヴァルターが素早く駆け寄ると、通信室からもたらされた電文を差し出す。

 

 そこに書かれた内容を一読すると、エアルの顔にみるみると険しさが沸き起こるのが見えた。

 

「おにーさん、どうしたの?」

 

 傍らのシャルンホルストが怪訝な面持ちを作る中、エアルは無言のまま電文を差し出す。

 

 一読して、巡戦少女も声を上げた。

 

「《敵艦隊発見、数3、イズレモ巡洋艦ト認ム》・・・・・・」

 

 更に、文面は続く。

 

「《尚、敵艦隊後方ニ、戦艦ト思シキ艦影、続行アリ》。お兄さん、これって・・・・・・」

 

 先行している偵察機からの報告だよ。

 

 エアルは予め、「シャルンホルスト」の進路前方に定期的に偵察機を放ち、進路上の監視を行っていた。

 

 これはターゲットとなる輸送船の発見を容易にすると同時に、こちらに向かってくる敵艦を早期に捕捉しやすくする事を目的としている。

 

 一度に放てる偵察機は1機の為、濃密な索敵網を形成する事はできないが、それでもある程度の偵察効果は望める。

 

 今回はたまたま、警戒が功を奏した形だった。

 

 しかし、それによってもたらされた情報を、自分達が戦艦を含む有力な敵艦隊に捕捉されつつある現実だった。

 

「どうしますか? 一旦、避退するのも手ですが?」

「けど、燃料も残りが怪しくなってきていますよね。迂回して、果たして補給艦と合流が間に合うかどうか・・・・・・」

 

 現在、「シャルンホルスト」は、補給艦との合流を目指しているが、補給を行う際には、厳密なスケジュールに沿って行われる。

 

 補給中は当然、艦は停止しなくてはならない。つまり、無防備な状態になるのだ。

 

 そこを敵に狙われでもしたら、目も当てられない事になりかねない。

 

 故に補給は可能な限り短時間に、手早く行う必要がある。

 

 もし合流できなければ、補給は諦めざるを得ない場合もある。

 

「迂回しないとなると、あとは正面突破以外に、手はありません」

 

 ヴァルターも、緊張の面持ちで告げる。

 

 戦艦を含む敵艦隊に、正面突破を仕掛ける事が、「シャルンホルスト」にとって、如何にリスクが高いか、彼は十分に理解しているのだ。

 

 相手がイギリス戦艦なら、たとえどの艦が出て来たとしても「シャルンホルスト」よりも強力な火砲を備えている。ましてか、こっちは単艦であるのに対し、敵は小規模とは言え艦隊を組んでいる。

 

 はっきり言って、まともな撃ち合いでは不利だった。

 

 本来なら速力を活かして振り切りたい所だが、今はそれもできるかどうか怪しいところである。

 

「おにーさん、どうするの?」

 

 シャルンホルストが不安げな眼差しを向けてくる。

 

 彼女の不安は判る。

 

 「シャルンホルスト」は今まで、無抵抗に近い輸送船を狩る事はしてきたが、明確に攻撃する意思をもって向かってくる敵艦と対峙した事はない。

 

 しかし今回は違う。

 

 今までのように一方的に撃ちまくる。と言う訳にはいかないだろう。

 

 迂回か?

 

 正面突破か?

 

 エアルは決断を迫られる。

 

「おにーさん・・・・・・・・・・・・」

 

 振り返るエアルを、見上げるシャルンホルスト。

 

 視線が、真っすぐに少女を捉える。

 

 青年艦長の脳裏に駆け巡るのは、ここに至るまでの彼女との思い出。

 

 知り合ってから、まだ半年と少し。決して長い付き合いとは言えない。

 

 しかし艦長と艦娘として、ここまで共にやってきた事で、エアルとシャルンホルストとの間には、強い絆が結ばれている。

 

 何より、

 

 彼女はエアルを「友達」と呼んでくれた。

 

 ならば、

 

 友として、

 

 彼女を沈める訳にはいかなかった。

 

「迎え撃ちましょう」

 

 エアルは断を下す。

 

「どのみち、ここを迂回しても敵は追ってきます。それに、追手は、目の前の艦隊だけじゃない筈。迂回して遠回りすれば、また別の部隊と遭遇する可能性もある。万が一、目の前の敵と挟み撃ちにでもされたら事態は最悪になります。それより、正面の敵を確実に撃破して突破しましょう」

 

 エアルの言葉を聞き、

 

「妥当ですな」

 

 ヴァルターは真っ先に賛意を示す。

 

 既にこれまでのエアルの戦いぶりを見て、「シャルンホルスト」乗組員一同、青年艦長に対して疑いを持つ者は1人もいない。

 

 彼が戦うと言えば徹底的に戦うし、彼が逃げると言えば一目散に逃げる。

 

 全てはエアル・アレイザーを中心とした、一個の戦闘集団が出来上がっていた。

 

 そして、

 

 その輪の中に、彼女もいる事は言うまでもないだろう。

 

「おにーさん、やろう」

「うん。お願いね、シャル」

 

 頷き合う2人。

 

 今、ドイツ巡洋戦艦「シャルンホルスト」は、立ち塞がる最初の敵に対し、大きく舵を切った。

 

 

 

 

 

第6話「友へ示す決断」      終わり

 

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