出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2 作:SS_TAKERU
Season2第5話を投稿します。
お楽しみ頂ければ、幸いです。
雷鳥side
さて、会議室でのやり取りを終えた俺と出久は、
「さて、と…」
先日教えた三点ドロップ習得の為、麗日が人型のセメントを投げ続ける光景を横目に見ながら、俺も“個性”を発動。
持参したペットボトルに充填しておいた砂鉄を操作して、自身の周囲に靄のように漂わせる。そして―
「名付けて…『マグネ・フレシェット』!」
林間合宿で絶無と戦った時の様に、砂鉄を長さ10cm程の針状に変化させ、目標として用意された人型セメントへ射出した。
音速を超える速度で放たれた
「続けて! 『マグネ・グラインダー』!」
更に砂鉄を操作し、人型の両手首に纏わり付かせて高速で回転させる。耳障りな音と共にセメントが削られていき、5秒弱で手首部分を3割程度削る事が出来た。
「……ふむ、フレシェットはマグナムより貫徹力は上がったが、ストッピングパワーは下がったってところか。グラインダーは…まぁ、現時点では合格点だな」
目標に出来た穴や傷を見ながら、修正点を見つけ出していく。仮免試験までに技の精度を上げていかないとな。
出久side
「はぁぁぁぁぁっ!」
声と共に、両拳を胸の前で合わせる予備動作を行い、『黒鞭』を発動。目標に設定した人型のセメントを絡め取り、一気に引き寄せると―
「はぁっ!」
カウンターの要領で、上段回し蹴りを叩き込む!
「……うん、あの時咄嗟に放ったけど、このコンビネーションは有効だ。名前は…
粉々になった目標を見ながら、新必殺技その1に名前を付け、その予備動作を含めた技のモーションを確認する。うん、もう少し発動までの時間を早く出来るかな。
「次は…あれを試してみよう」
次に試すのは、『黒鞭』と『浮遊』の両方を活かしたコンビネーション。まずは、さっきと同じように『黒鞭』で目標を絡め取ると―
「はぁっ!」
『浮遊』で目標諸共一気に上昇。空中で目標を反転させて足首を掴み、両脚で胴を挟み込みながら、そのまま落下!
「名付けて
事前に計算した通りの威力が出た事に、小さくガッツポーズ。『浮遊』の応用でブレーキをかければ、威力の調整も容易に出来そうだ。
「Hey! 緑谷少年!」
そこへオールマイトが声をかけてきた。どうやら、今の動きを見ていたようだ。
「今の投げ技、見せてもらったよ。見事なものだ! 『浮遊』も『黒鞭』も十分に使いこなせているようだね」
「はい!」
「うむ! この調子で頑張りたまえ!」
僕と短く会話を交わし、他の皆のアドバイスへ向かうオールマイト。そのズボンの後ろポケットに『すごいバカでも先生になれる!』と書かれた
梅雨side
「イレイザー、そろそろ時間だ。時間通りに
「あと10分弱ある。時間の使い方がなってないな」
「今すぐ代われとは言っていない。時間通りに交代してほしいだけだ」
相澤先生とそんなやり取りを交わしながら、ブラドキング先生はB組の皆に準備をさせているけど―
「…不思議だわ」
午前中に見かけた時は、皆どこか
「B組の皆、少しは元気になったみたいだね」
「お前のノートが刺激になったんだろ」
どうやら、吸阪ちゃんと緑谷ちゃんが一枚噛んでいるみたいね。後でお話ししてもらいましょう。
雷鳥side
-
-もし、何かいじりたくなったら、校舎1階にある開発工房に行き、
メリッサさんの顔も見ておきたかったから、まさに渡りに船だ。
「なるほど、自身を浮かす際の負荷軽減と、機動力の強化か」
「うん、機動力を上げれば、格闘術をもっと活かせるようになるし、自身を浮かすのも大分慣れたけど、不安要素はなるべく減らしたいかなって。飯田君は?」
「俺は冷却系の強化をお願いするつもりだ。レシプロターボの制限時間は順調に伸びているが、一度使い切ってからの再起動には、まだまだ時間がかかるからね」
途中で麗日と飯田も合流し、4人で開発工房の近くまで来たところで、前世の記憶が脳裏に浮かび上がり―
「ッ!?」
同時に半ば無意識で展開している索敵に、何かが引っかかった。
「皆、止まれ!」
「へ?」
俺の声に麗日が気の抜けた声を返した次の瞬間、開発工房の中で爆発が起き、入り口のドアを派手に吹っ飛ばした。
「な、何が…起きたん?」
「爆発…事故か?」
校舎内での爆発という予想外の事態に、身構えながらも驚きを隠せない麗日と飯田。その直後―
「フフフ…いててて…」
「ゲホッゲホッ…お前なぁ…」
「思いついたもの何でもかんでも組むんじゃないよ……!」
「フフフフフ、失敗は成功の母ですよ。パワーローダー先生」
そんな声と共に、煙の中からパワーローダー先生と発目が姿を現した。
「かのトーマス・エジソンが仰ってます。『作ったものが計画通りに機能しないからといって、それが無駄とは―』」
「今はそういう話じゃないんだよぉ…! 一度で良いから話を聞きなさい…」
俺達に気づいていないのか、まったく噛み合わない会話を行うパワーローダー先生と発目。そこへ―
「発目さん…」
静かな…だが背筋に冷たい物が走るほどの怒気を込めた声が響いた。その声の正体は…言うまでもあるまい。
「あわ、あわわわ…」
「どういう事か、説明してくれるかしら?」
何かを取りに行っていて難を逃れたのか、紙袋を手にしたまま仁王立ちするメリッサさんに、顔面蒼白で平伏する発目という光景に、俺達は言葉を失うだけだった。
出久side
「発目さん、私は前にも言ったわよね? 失敗を恐れずに行動する事は美徳だけど、人に被害を及ぼすような事はやっちゃいけないって」
「は、はい…」
「では、何故こんな事を?」
「そ、それは…
「多分? 発目さん、
「申し訳ありません!」
正座する発目さんをメリッサさんが懇々とお説教するという光景を、乾いた笑いと共に見ていると―
「いや、驚かせてすまんね。
そんな事を言いながら、パワーローダー先生が麦茶の入った紙コップを差し出してきた。
「ええ、よく存じております…」
紙コップを受け取りながら、苦々しい顔でそう答える飯田君。雄英体育祭では良い様に利用された訳だから無理もない。
そんな飯田君にパワーローダー先生は苦笑いしたかと思うと、急に真剣な表情となり―
「だが、今は
「吸阪君、緑谷君、オールマイトさんが彼女の後見人なんだろう? 彼女のおかげで、パワーローダーのストレスが、かなり軽減されたと伝えておいてくれ!」
僕と雷鳥兄ちゃんに深々と頭を下げてきた。こんな風に感謝されるなんて、メリッサさんが編入する前は、いったいどんな状態だったんだろうか…。
「ま、まぁ! 発目には才能と…それ以上に熱意がある。君達も縁を作っておいて損は無い筈だよ…た、多分」
僕達の反応を見て、発目さんへ何とも微妙なフォローを入れるパワーローダー先生に、どう答えるべきか考えていると―
「それじゃあ、お説教はここまで! さっきの爆発で散らばった物を全部片づけて!」
「はい! わかりました!」
お説教を終えたメリッサさんが指示を下し、発目さんが後片付けを開始した。
「お待たせしちゃって、ゴメンね」
そう言いながら近づいてくるメリッサさんに改めて挨拶し、僕達はそれぞれの相談を進めていく。そして相談が一通り済んだところで―
「そうそう、
僕達は、メリッサさんにそう告げられた。
「1-Aの皆への
予想していたとはいえ、それでも十分の衝撃的なメリッサさんの言葉に、僕達は一瞬硬直し―
「出久! 飯田! 手分けして男子に連絡するぞ! 麗日は女子への連絡を頼む!」
「う、うん!」
「わかった!」
「れ、連絡せぇへんと!」
大慌てで、皆への連絡を開始した。これで…仮免試験前に大幅パワーアップ間違いなしだ!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。