出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2 作:SS_TAKERU
少し短いですが、お楽しみいただければ幸いです。
平和そのものだった
私達1年A組は
退却した3人の
1人は
1人は
正直…私達学生レベルでどうにか出来るとは思えないけど……
「あぁ、ダメダメ!」
頭に浮かんだ弱気な考えを、頭をブンブン振って追い出していく。私達ヒ-ローが弱気になったら、島の人達が不安になっちゃう。ここは無理してでもポジティブ思考でいかないと!
役場の放送設備を使って島内全域へ発信した事も功を奏し、日没から2時間足らずで全島民の避難が完了した。
島内全域に情報を発信した事で、
そんな事を考えながら、物資を運んでいると―
「どうぞ」
「ありがとう」
「熱いから気を付けて」
島民の皆さんへ炊き出しの豚汁を配る
「1人1個ずつだよ♪」
「皆の分、あるからね!」
おにぎりを配る
うむ、空腹は不安や恐怖を増幅させてしまう。島民の皆さんにはお腹を満たす事で少しでも安心してもらわなければ!
「
「安心してください。皆さんは、我々が必ずお守りします!」
そして、僕も不安そうな声で問いかけてきた村長さんへ、力強くそう答える。まだまだ未熟な仮免ヒーローだが、全力を尽くさねば!
全島民が避難した発電所。そこの職員用厨房で、私や
「食材が豊富な島で良かったわ。少なくとも1週間は食事の心配をせずに済みそうね」
「捕まえた
「あぁ、拘束して地下のボイラー室に閉じ込めてあるみたいだな。
調理を進めながら、
「皆、心配かけてすまなかった」
治療を終えた
「
「あぁ、怪我自体はそう酷いものじゃなかったからな。診療所の先生の“個性”でこの通りだ」
「ただ、
「あぁ、失敗した…」
逃げるように厨房を後にした俺は、僅かに生じていた気の緩みを猛省しつつ…臨時の診療所となった休憩室でのやり取りを思い出していた…。
「もう大丈夫です。ありがとうございました」
診療所の先生の“個性”で、昼間の戦いで受けたダメージを癒した俺は、脱いでいた
鎮静剤を投与され、眠った状態で先生の奥さんから治療を受けている
「すまんな。わしらの“個性”では傷口を少しずつ塞ぐ事くらいしか出来ん…」
「出来る事なら、本島の病院で治療を受けた方が…」
落雷の直撃を受けた事で負った火傷や、四肢を中心に受けた数十ヶ所の刺創など、傷の数が多すぎた。
正直言って今のままでは、治療が終わるのがいつになるかわからない。かといって先生方に無理を言う訳にも…
「
「
「あ、あの…」
「お、お兄ちゃん…グリュンフリート、大丈夫?」
真幌ちゃんと活真君がやって来たのは、その時だ。2人とも、治療を受けている
「…何しに来たの?」
2人に静かな怒りをぶつける者がいた。
「聞いてるよ、あなた達2人が指示に従わなくて、勝手な行動を取ったから、
「そ、それは…悪かったって、思ってるわよ…」
「本当に、本当にわかってるの! 自分達が何をしたのか!
「ウチにとって、ウチと
「耳郎、さん…」
臨界点に達しようとしていた
「
一時的に意識を取り戻した
「耳郎さん、駄目だよ…そんな風に頭ごなしに怒っちゃ…」
「緑谷…だけど…」
「大丈夫…2人だって反省してる。僕だって、生きてるんだから…大、丈夫…」
「………ごめん、冷静さを欠いてた。頭を冷やしてくる」
「
しようと思った時には、
「さてと、真幌ちゃん、活真君」
俺はこっちのフォローといこう。
「
「うん…」
「反省…してるわ。だけど、だけどあの時、グリュンフリートの所へ行こうって言ったのは、私、私なの。だから、悪いのは私! 活真は悪くないの!」
「お姉ちゃん…」
「私なら、いくらでも怒られる! だから、だから活真の話を聞いてあげて! お願い!」
泣きそうな顔で訴えてくる真幌ちゃんの肩に、俺はそっと手を乗せ…
「大丈夫。しっかり反省しているのなら、それ以上怒ったりしないよ。それよりも活真君の話を聞かせてくれるかな?」
可能な限り優しい笑みを浮かべて、2人にそう伝えた。さて、活真君はどんな話をしてくるのかな?
「僕に、僕に、先生達を手伝わせて!」
「活真の“個性”は、細胞の活性化らしいの。傷を治せるかどうかはわからないけど…」
「お兄ちゃんは、グリュンフリートは僕達のせいで怪我をしたんだ。だから…」
これは…嬉しい予想外だな。俺達は静かに動いて
「こっちからも頼むよ。カツ坊」
先生も笑顔でそう言ってくれた。活真君はすぐさま、
「あぁ…自己嫌悪……」
建物の外へ飛び出し生温い夜風に当たりながら、ウチは自己嫌悪に襲われる。
「あんな小さな子達に八つ当たりするなんて、最低だ…緑谷も絶対呆れてるよ…あぁ…ウチの馬鹿! 馬鹿!」
泣きたくなる気持ちを抑えながら、握り拳で自分の頭をポカポカと殴っていると…
「響香ちゃん」
背後から麗日の声が聞こえてきた。飛び上がりたくなるくらい驚いたし、正直逃げ出したかったけど…そうもいかない。
覚悟を決めて、ゆっくりと振り向くと―
「響香ちゃん。ありがとうね」
麗日は私にお礼を言ってきた。なんで…なんで、麗日がお礼を言うの?
「ここだけの話…私もちょぉぉぉっとだけ、
「う、麗日!? 顔! 顔が麗らかじゃなくなってるって!」
「ハッ! あかんあかん」
私の指摘に、今まで見た事がないほど
「ま、まあ、私も色々と思うところはあった訳で…響香ちゃんが怒ってなかったら、きっと私が怒ってた」
「それに…響香ちゃんが、自分の事だけじゃなく、私の事まで言ってくれた事。嬉しかった」
「麗日…」
「大丈夫! 響香ちゃんが怒った理由、皆だって理解してるから! だから…気を取り直していこうぜ! なんてね」
「ありがとう…麗日」
麗日と話して、自分の中のモヤモヤが消えた事に思わず苦笑する。同じ人を好きになった同士…今度はウチが麗日を励ませるようにならないと!
秘かにそんな事を決意しながら、ウチは麗日と共に建物へと入っていくのだった。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本来ならば、今回のintermissionは1話で終了させる予定でしたが、先日お伝えしました通り、仕事の都合で執筆時間が確保しにくくなっている関係上、前後編に分けて公開することとしました。
後編もなるべく早く投稿出来るよう努力いたしますので、暫くお待ちください。