出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2 作:SS_TAKERU
お楽しみいただければ幸いです。
まだ夜も明けきらぬ早朝。島民の避難と
「
我々と村長さんが島の全体が写された航空写真に注目する中、
「それじゃあ、作戦について説明します」
「確認出来た
「いずれも一流もしくは超一流の
「よって、後ろが断崖絶壁の城跡を拠点にして、
「そして、先制攻撃を仕掛ける事で
「先制攻撃の際に、1人くらいは戦闘不能に出来れば理想なんだが…まぁ、高望みはせず、確実な分断を狙うべきだな」
「島の人達は、断崖絶壁の洞窟に避難。活真君と真幌ちゃんは僕達で護衛。いざという時の脱出経路も確保」
「“個性”の複数持ちへの対応は?」
ここで
「僕と
「だから、活真君の“個性”『細胞活性』を奪おうとしていた」
「なるほど…消耗させんのか」
「
「それで
「皆を守れる…か」
「そういう事だ。だが、時間稼ぎしようなんて考えるなよ。やるからには全力全開。俺達だけで勝利を掴むくらいの気概でいかないと…負けるぞ」
話し合いを〆る形で放たれた
「夜明けか…」
東の空が白み始め、俺は再度気合を入れなおす。あと数時間で始まる戦いに備え、準備を万全にしておかなくては。
東の空が少しずつ明るくなる中、俺と
「よし、これで全部だな」
無事に全ての
「あとは
静かに呟きながら、考えを巡らせる。
それら全てが上手く機能すれば、
「問題は
オール・フォー・ワン程ではないが“個性”を複数所持している。それだけなら
「戦うまでに、どれだけアイツを消耗させられるか。それが勝負の鍵を握るな」
相応に消耗させる事が出来ていれば、勝率もその分上がるが…想定よりも消耗の度合いが小さかった時は…
「
一切の希望的観測を排除して導き出した結果に、思わず冷めた笑い声が零れる。
いかんな。今回の戦いはこれまで違って
-お前の“個性”では、俺には勝てない-
-簡単な話だ…お前と俺では“個性”の
不意に脳裏へ浮かんだアイツの言葉に渋面を作りながらも、俺は
『…撤廃……ます……解除に……強化を…ますか?』
…ん?
「出久、今何か言ったか?」
「え? 何も言ってないけど…」
「そうか…すまん、空耳みたいだ」
『封印…よる……“個性”の…行い…』
微かに聞こえる空耳のようなものを無視して、俺は
『制限………一定……後……再び……ます』
ナインside
「ナイン! ターゲットは城山の頂上。ヒーローもね」
「チッ、籠城かよ」
先行し様子を窺ってきたスライスからの報告、そしてキメラの悪態を聞きながら、俺は振り返る。
「目標に向かうぞ」
「王となる者に…小細工などいらない」
そう、奴らがどんな小細工をしようが関係ない…正面から叩き潰すだけだ。そもそも、奴らの用意出来る小細工など
城跡へと続く一本道を姿を隠すこともせずに歩き続けていると―
「ヘッ、下手な隠し方だ」
聞こえてきたキメラの嘲るような声。指差す方へ視線を送ると、1本のワイヤーが張られていた。
「ワイヤートラップか」
「あぁ、すぐに見つかるような隠し方から見て…本命はこれだ」
すぐさま、1本目とは違い巧妙に隠された2本目のワイヤーを見つけ出すキメラ。二段構えか、少しは出来るようだが、所詮は無駄な足搔きだ。
「ガキども! どうせどこかで見てるんだろ? お前らが仕掛けた小手先の罠なんて無駄なんだよ!」
大声を張り上げながら、2本目のワイヤーを避けて進んでいくキメラ。まったく、意地の悪い―
「ぬぉっ!」
奴だ。そう続けたかった心の声は、キメラの声で中断を余儀なくされた。それと同時に、巧妙に隠されていた複数の
「爆発音を確認! アイツら、
プラグになった左の耳たぶを地面に挿したまま、ウチは声を張り上げる。
「目視でも確認した。
続けて
「
すぐさま、持ち場で待機している3人に指示を送る。数秒の間を置いて
「1本目は勿論、2本目のワイヤーも囮。
事実、3人の
『
そこへ飛び込んでくる
同様に
「
私と同じように迷彩布を取り払った
底に接着剤を塗り、鉄粉を
そして火炎瓶の一部は
大慌てで地面をのたうち回っていますが、その炎はなかなか消えず…苦悶の声が風に交じって微かに聞こえてきました。正直、あまり気分の良い光景ではありませんが…
「粉にした発泡スチロールを混ぜ込んでおいたからな。ガソリンがゲル状になって、簡易的なナパームになってる。ちょっとやそっとじゃ消えねえよ」
「俺達をガキだと侮るからこうなる。俺達の後ろには島の皆さんがいるんだ。1000の命を守る為なら、卑怯? 卑劣? えげつない? 最高の誉め言葉だね!」
「
「了解♪
私の声と共に、
私も自動擲弾銃の狙いを定め、擲弾を連射! レーザーの雨を掻い潜る
そして、分断した
「点火!」
リモコンを操作。あらかじめ仕掛けておいた爆薬を爆発させることで、2人を予定ポイントへと吹き飛ばすことに成功しましたわ!
「第一段階、完了!」
「ふぅ…ギリギリ漏れずに済んだよ♪」
「2人とも、すぐにここを離れるぞ。一番ヤバイ奴が健在だからな」
「分断成功!」
「予定ポイントに誘い込めてるよ!」
「よし!」
ここまでは作戦通りだ。第二段階の先陣を…頼んだよ!
「オラオラオラァ!」
右手に
「テープショット…ディフュージョン!」
左腕から無数の細いテープを射出する
「…解除!」
それに合わせて私も“個性”を解除。それによって浮いていた岩塊は一斉に
いく!
「………」
だけど
「このやろぉ!」
「………」
「危ねっ!」
放たれた反撃を慌てて回避する始末。
「それでも!」
私達に逃げるという選択肢はない! 私は走りながら、周囲の岩塊へ手当たり次第に触れていき、“個性”で浮かせると―
「
「
「使わせろ…」
「「撃ちまくれっ!!」」
スライスside
“個性”を発動した髪で周囲の岩を切り刻み、自由を取り戻した私は周囲を見回して、状況を確認する。ここは…鍾乳洞の中?
「フン、少しは頭を使ったみたいだけど、私達を分断したところで…」
無駄な事。と口にしようとした瞬間、何か液体が硬い物にぶつかる音が聞こえてきた。
「ッ!?」
直感に従って回避行動を取ると同時に、天井から次々と落ちてくる鍾乳石。この断面…酸によって溶かしてある!
「フッ!」
察知した気配目掛けて髪の毛を飛ばしてみると―
「しくった!」
小娘が一人慌てて逃げていった。なるほど、私がここに落ちる事を見越して…
「ん?」
背後から感じる気配。防御を固めつつ振り返ると、黒い影のようなものが私へ攻撃を仕掛けていた。
その攻撃を防御しつつ、後方へ飛び退いた私は、グローブの指先それぞれに仕込んでいたナイフを展開。
「
黒い影と融合していく鳥頭の小僧と対峙する。
「小癪ね!」
アンタ達2人とも切り刻んで、ナインの元へ戻らせてもらうわ!
キメラside
「チッ、体よく分断されたか」
滝の近くにまで吹っ飛ばされたことに悪態を吐きながら、俺は火炎瓶によって焼かれた左腕を川の流れに浸し、冷やしていく。
かなり派手に焼かれたな…“個性”のおかげで治癒力も相応に高いが…すぐに治るレベルじゃねぇ。左腕は暫く使えないと―
「うぉっ!?」
その瞬間、左足に何かが巻きつき、俺は川へと引きずり込まれた。チィッ! セコイ真似をしやがって!
ふとふつと湧き上がる怒りを抑えつつ、岸へと揚がった瞬間―
「ぬおっ!?」
タイミングよく飛んできた何かが顔面に激突。中身の液体をぶち、まけ…
「ぬがぁぁぁぁぁっ! 目、目が! 鼻がぁ!」
強烈な刺激臭で鼻が利かなくなり、液体が入ったのか、右目が焼けるように痛んで、とてもじゃないが開けていられねぇ! 何なんだ、こいつは!
「酢と山葵と辛子、あと胡椒のブレンド…らしい」
俺の疑問に答えるような声。その主を確認しようと左目で声の方を見てみると―
「悪いな。卑怯だとは思ったが、状況が状況だ」
昨日海岸で戦った学生の1人…炎と氷を操る紅白の髪をした奴が、
周囲を見回せば、白い鎧のような
「昨日よりも数が少ねぇが…まさか、俺に勝つつもりか?」
「あぁ、そのつもりだ」
紅白の髪をした奴の言葉に、怒りの炎が一気に強まっていく。
「舐めんじゃねぇぞ…くそガキども!!」
叫びと共に“個性”を発動する。スロースターターだなんだと言ってる場合じゃねえ。こいつら全員、全力で八つ裂きにしてやる!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。