出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2 作:SS_TAKERU
お楽しみいただければ幸いです。
「あそこ、
突如響いた爆音に慌てて単眼鏡を向けてみると、そこに見えたのは森の一部が火の海になっているというショッキングな光景。それを見て―
「苦戦してるのか…今からでも応援に!」
「駄目だ! 俺達の任務は真幌ちゃんと活真君の護衛…それを放り出す訳にはいかない」
いや、
震える右手を左手で抑えつけている
「ライコウ…」
「グリュンフリート…」
真幌ちゃんも活真君も勝利を信じてる、2人とも頼んだよ!
「
「マグネ・フレシェット!」
拳を振るって放つ衝撃波の弾幕と十数発の
「………」
だけど、
「………」
それどころか両手の爪を高速連射して、僕達の接近を阻んできた。
「くっ!」
避けきれなかった爪が左頬を掠め、横一文字の傷を作っていく。
「ちぃっ!」
「………」
そこへ向けられる
「ん!?」
だけどのその追撃が放たれる事は無かった。
「させるかよっ!」
「………」
「がはぁっ!」
その蹴りが当たる寸前に
「
「えぇい!」
巻き上がっていた土煙を隠れ蓑にして、
「触れて浮かせば!」
一発逆転の投げ技を試みるけど、駄目だ! それは
「………」
「ッ!」
制止しようとした直後、
「危ないっ!」
空中から地上へ投げ捨てられたところを何とか受け止める事が出来たけど…完全に意識を失っている…。
「よくも、麗日さんをっ!」
「
迎撃しようと向かってきた怪物の頭を粉砕。更に
「…理解、出来んな」
「お前達は何故…弱い者、力の無い者を庇い、守ろうとする?」
「今だってそうだ。あの女を受け止めたりしていなければ、お前の一撃は俺に届いていたかもしれない。庇い、守るなどという無駄な行為を挟むから、攻撃を決めきれない」
「強者に守られなければ生きていけない存在でありながら、自分達に理解出来ない存在を集団で排斥する…それが弱者だ」
「そんな奴らを守る価値が何処にある?」
僕と
「生憎、九分九厘成立しない問答に付き合う気なんてこれっぽっちも無いね」
僕の思考を中断させたのは、
「そもそもの話。俺達は守る価値があるかどうかなんて、考えちゃいねぇ。
「…愚かにも程があるな。無思慮な行動が弱者を増長させると、何故理解出来ない?」
「生憎と俺達は、お前のように
「…残念だ。お前達なら、俺の創ろうとしている新世界。強さによって全てが決まる世界で生きていく資格があると思ったが…」
数秒後来るであろう攻撃に、僕と
「ぐ、ぐぁ…ぐがぁぁぁぁぁっ!」
「来たんだ…奴の限界時間!」
「グォォォッ!」
口から放つ熱線で周囲を薙ぎ払い、火の海へと変えてしまった
「なんてパワーだ…」
「近づく事すら出来ないわ…」
「くっ…間もなくレシプロが終わる」
対するこっちは限界が近い…やはり、やるしかないか。
「皆、少しでいい。時間を稼いでくれ。メリッサさんが作った
「切り札…そんなものがあったのかよ」
「あぁ、こいつを当てる事が出来れば、それで決着がつく…筈だ」
「今はそれに賭けるしかない…か。それで
「…30秒、いや20秒だけ頼む」
「20秒か。1人7秒稼げばおつりがくる、楽勝だぜ!」
「あぁ、これが最後のアタックだ!」
「ケロケロ、最後の力を振り絞りましょう!」
そう言いながら頷きあい、飛び出していく
キメラside
「グルル…」
唸り声をあげながら火の海と化した周囲を見渡していると、赤髪の男が姿を現し、俺の正面に立ち塞がると―
「これが最後。真っ向勝負で行くぜぇ!」
そう叫びながら、俺へと一直線に向かって来た! 馬鹿が! 消し炭になりたいようだな!
「グォォォッ!」
向かって来る赤髪へ熱線を放つ。こいつが命中すれば、赤髪は一瞬で消し炭となり、それで終わり。
………その筈だった。
「
その叫びと共に赤髪は、自身の両腕だけを歪なほど重点的に硬化させることで俺の熱線を耐え凌ぎ―
「
熱線が途切れ、2発目を放つまでの僅かな隙を突いて、体当たり攻撃を仕掛けてきやがった!
「ぐぉぉぉぉぉ…」
まるでドリルのように回転しながら突っ込んできた赤髪。その速度と質量から生まれる威力は、今の俺でも防御を選択せざるを得ないレベル。火炎瓶を食らったせいで左腕が半ば使い物にならない今なら猶更だ。でもなぁ…
「なめるなぁぁぁっ!」
それがどうした! 俺はこいつら全員八つ裂きにして、ナインの元へ行かなくちゃならねぇんだ!
俺は重度の火傷で半ば使い物にならなくなった左腕を無理矢理動かし、赤髪へアッパーを叩き込んで上空へ吹っ飛ばす!
「ぐぁぁぁっ!」
「まずはてめえから八つ裂きだぁ!」
クルクルと回転しながら落ちてくる赤髪。俺は右腕の一撃で仕留めようと待ち構えるが―
「レシプロ! トルネード!」
「
まるでそれを待っていたかのように左右からの挟撃を仕掛けてくる鎧男と蛙女もいる。チッ、赤髪は囮かよ!
「それがどうしたぁ!」
だが、その程度の事はこっちも予想済み! 両腕を力任せに振るって、左右からの攻撃を弾き飛ばす。これで3人。もう1人はどこだ?
「あぁ?」
素早く周囲を見回すと、少し離れたところに2つの砲門を備えた…そう、手持ち式の重火器を構える男の姿が見えた。
なるほど、あの重火器が最後の切り札って訳か。だが、まだ撃てる状況じゃねぇ…今なら、潰せる!
「死ねぇ!」
息を吸い、熱線の発射体勢を取った俺はそのまま最大出力で―
「集中噴射!」
「ぬぉっ!」
熱線を発射しようとした瞬間、意識外の方向から放たれた攻撃が俺の顔面に命中した。こいつは…接着剤か!?
「
「ちぃっ!」
俺とした事が…迂闊!
「これで終わりだ…
直後放たれた巨大な閃光に俺は飲み込まれ…すまねぇ、ナイン! 俺は、ここま―
「ギリギリだった…
そう呟きながら、俺は
背中に装着していたサポートアイテムを取り外した上で、手持ち武器に変形させたこの
メリッサさんは、炎と氷という相反する力を融合させる事で、対消滅を引き起こすとか言っていたが、詳しい原理は正直わからねぇ。
とりあえずわかっているのは、この
「だが、いつまでも休んではいられねぇ…」
「あぁ、ある程度回復したら、
「ぐがぁぁぁぁぁっ!」
限界を迎え、頭と胸を押さえながら苦しむ
「たたみかけるぞ!
「うん!」
残る力を振り絞って、俺と
「さ…細胞活性さえ手に入れば…」
このまま必殺技を叩き込んで意識を刈り取り、全て終わらせ―
「温存など…」
「必要ない!」
「ッ!」
その時、
「ちぃっ!」
俺は咄嗟に出久の前へ出ると―
「出力全開! ライトニングウォール!!」
ケラウノスを構え、最大出力で
「砕け散れぇ!」
何発もの雷が俺達に襲いかかった。3発、4発、5発。息つく間も無く落ち続ける雷に、ケラウノスの補助によって強化されている
そして9発目の雷を受け、10発目を受ける寸前…俺は―
「出久、お前だけでも!」
出久を安全圏まで蹴り飛ばした。直後落とされた10発目の雷に、
「ぐはっ…」
全身が焼かれ、血液が沸騰するような感覚に襲われながら、俺はゆっくりとその場に崩れ落ちていく。
「雷鳥兄ちゃん…雷鳥兄ちゃぁぁぁんっ!!」
くそ…出久の声が遠く聞こえ始めたな…これで、終わりなのかよ………
『…撤廃……ます……解除に……強化を…ますか?』
また、あの声か…一体何なんだよ…
『封印…よる……“個性”の…行い…』
正体不明の空耳が気になりながら、俺の…意識は…
最後までお読みいただき、ありがとうございました。