出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2 作:SS_TAKERU
お楽しみ頂ければ、幸いです。
雷鳥side
さて、発目のやらかしで
「フフ、フフフ…
「あ、いや…技術的好奇心が…その、抑えられなかったと言いますか…申し訳ありません!」
メリッサさんは表情こそ笑顔だが、怒りの感情が抑えきれていないし、発目はそんなメリッサさんに対して、半泣きでコメツキバッタ状態。
そんな2人に俺達は何も言えず、オールマイトに至っては、恐らく初めて見るであろうガチギレモードのメリッサさんにどう接するべきかわからず、狼狽えていた。
この異様な光景に…時折すれ違う生徒達は、必ずと言って良い程二度見してきて…これは何かの罰ゲームか?
「校長。相澤です」
「うん、入りたまえ」
おっと、そんな事を考えている内に、校長室へと着いたようだ。
「失礼します!」
相澤先生の後に続き、俺達も入室していく。そこには根津校長やリカバリーガールを筆頭に、TDLの後始末をしているエクトプラズム先生達を除く雄英高校の主だった教師陣が勢揃いしていた。
「やぁ、
「あ、はい。存じております。
「そうなのかい! それは話が早くて助かるよ。さぁ、遠慮せずに座りたまえ」
校長に促されて俺達は着席し、そこから数分遅れでエクトプラズム先生達も入室。
「それじゃあ、話し合いを始めるとしよう。まずは、君達がこちらの世界へやって来た経緯を説明してくれるかな?」
話し合いが開始された。最初に俺達がこの世界へ飛ばされた経緯を説明する事になったのだが―
「その件に関しては、私から説明します」
これはメリッサさんが説明を担当してくれた。流石と言うべきか、技術系の事に関してはずぶの素人である俺達にも、わかりやすく説明してくれたのだが…。
「発目ぇ…お前は
説明が終わった途端、頭を抱えて嘆き始めるパワーローダー先生。どうやら、こっちの世界でも発目に苦労させられているようだ…。
そんなパワーローダー先生に苦笑しつつ、校長は俺達を見つめ―
「君達がこちらの世界に来た理由は、よくわかったよ。それで…
一番肝心な事を聞いてきた。そう、
その場の全員が発目、そしてメリッサさんに視線を送る事で発言を促し―
「えー…あくまでも理論上の話になるのですが、元の世界に戻れる可能性は…高いと思います」
「私も発目さんと同意見です」
2人は期待通り、実に頼もしい事を言ってくれた。それから2人は元の世界に帰る方法を説明してくれたのだが…
「あー…メリッサさん。つまり、ですよ。元の世界で発目が作っていた物質転送機と
「大雑把に言えば、そういう事ね」
ずぶの素人である俺達に理解出来たのは、その程度の事だった。
「うん、帰る方法があるというのは正に、不幸中の幸いというやつだね。ちなみに、その物質転送機は、どのくらいで作れるのかな?」
「元の世界のように、0から作る訳ではありませんから…それほど時間はかからないと思います」
「なるほど、では作業場として第二開発工房を提供しよう。資材も必要な物があれば遠慮なく言ってくれたまえ」
「それは…非常に有難い事ですが、よろしいのですか?」
「ハハハ!
根津校長からの申し出に、俺達全員深々と頭を下げる。根津校長は、うんうんと頷きながら―
「あと、寝泊まりに関してだが…相澤君、1-Aの寮に空き部屋はあったよね?」
「はい、男子部屋も女子部屋も空きがありますが…」
「なら、そこを使うと良いよ。生徒達への説明は…必要なら私が行おう」
「いえ、こちらで行います」
俺達が寝泊まりする場所についても、手を打ってくれた。本当に有難い事だ。
「それじゃあ、堅苦しい話はここまでにして…貴方達の世界について教えてくれるかしら?
そして、ミッドナイト先生の一声で部屋の空気は和らぎ、話題は俺達の世界について…になった。
なお、俺達の世界について話す内、先生達の反応が色々と凄まじい事になっていったが…これに関しては、俺達の胸の中に仕舞っておく事にしよう。
出久side
「という訳で、
「1-Aの5人は、元の世界に帰還する準備が整うまでの一時的な処置として、我々と行動を共にする事となった」
「
校長室での話し合いを終えた僕達は、相澤先生と一緒に教室へ移動。待機していた
「それじゃあ、俺から自己紹介を…雄英高校ヒーロー科1-A、吸阪雷鳥です。“個性”は雷神。ヒーロー名は、ライコウ。よろしく」
そして、相澤先生から紹介を受けた僕達は、雷鳥兄ちゃんを皮切りに自己紹介を進めていく。
「同じく1-A、緑谷出久です。“個性”はフルカウル。ヒーロー名は、グリュンフリートです。よろしくお願いします」
「蛙吹梅雨よ。“個性”は蛙。ヒーロー名はFROPPY。梅雨ちゃんと呼んでね」
「麗日お茶子です! “個性”は
「耳郎響香です。“個性”はイヤホンジャック。ヒーロー名はイヤホン=ジャック。よろしく」
「サポート科3年のメリッサ・シールドよ。雄英にはつい先日転入してきたわ。よろしくね」
「サポート科1年の発目明です。この度は私の不手際で、皆さんに大変なご迷惑をおかけする事になり、誠に申し訳なく…」
発目さんは、メリッサさんの笑顔に
「緑谷、蛙吹、麗日、耳郎…クラスメートと同じ顔の奴が4人もいるって、何かすげぇな…」
「あぁ…だが、あの4人と吸阪なる男子からは、強者の風格を感じる。まさに威風堂々」
「やっぱり、仮免を取った事が影響してんのか?」
僕達の自己紹介に対し、感想を言い合う瀬呂君と常闇君。そして…僕達の世界では、傑物学園高校に入学していた…たしか上鳴君。
「ケッ、デクが取得出来るようじゃ、仮免試験のレベルも高が知れてるな」
その一方で、爆豪はこの態度の悪さ。僕から言わせてもらえば、この世界の爆豪も高が―
「おい、爆豪」
その瞬間、相澤先生の纏っていた雰囲気が一変し、恐らくその場にいた全員の背筋に、冷たい物が走る。
「自分の実力に自信があるのは、大いに結構。だが、目の前にいる相手の実力を読み誤った上、仮免試験を侮るような態度は看過出来んな」
「ハッキリ言っておく。この5人は全員、
「なっ!?」
相澤先生から僕達の方が強いと断言され、顔を歪ませる爆豪。他の皆は…納得が8割、半信半疑が2割ってところかな。
「明日から5人には
そう言って、教室を後にする相澤先生。少しの間教室を沈黙が支配し―
「それじゃあ、皆も寮の方に戻ろうか。俺達も暫く、空き部屋にお世話になるんで。よろしくね」
雷鳥兄ちゃんが敢えて軽い口調で皆を促した事で、ようやく動き出した。
「デクが俺より強いだと…認められるか…そんな事…!」
爆豪は憤怒の表情で何か呟いているけど…うん、無視しておこう。
雷鳥side
さて、1-Aの皆と共に寮に向かった俺達は、手早く寝泊まりする部屋の用意を済ませると―
「泊めてもらう訳だからさ。飯の用意くらいは、やらせてもらうよ」
夕飯の準備に勤しんでいた。寮の造りは俺達の世界と同じだからな。勝手知ったる何とやら…だ。
「うわぁ…すっごい手際の良さ…」
「包丁さばきに迷いが無い…まさに熟練の技」
見物している芦戸や常闇の声を聞きながら、俺は調理を続け…同時に頭の中で情報を整理していく。
この世界の出久が着用していた
時期は仮免試験前…原作の出久がシュートスタイルに開眼して間もない頃。そう判断して間違いないだろう。
俺達がこの世界に迷い込んだ事が、一体どんな影響をもたらすのやら…。
「よし、揚がった」
こんがりとしたキツネ色に揚がった鶏もも肉をバットに並べて余分な脂を切り、一口サイズに切り分けて皿に並べていく。
付け合わせとして、梅雨ちゃんが作った南瓜とインゲンの素揚げを盛りつけ、葱と生姜の微塵切りがたっぷり入った酢醤油ベースのタレを揚げた鶏もも肉にかければ…
副菜として、出久の作ったトマトと卵の炒め物、耳郎の作ったほうれん草のナムル、麗日の作ったワカメと玉葱の中華風スープを用意して、
さて、皆の口に合えばいいんだが…。
梅雨side
「なんじゃこりゃぁ!」
「滅茶苦茶うめぇ!」
吸阪ちゃんを中心に、私達で作った夕ご飯だけど…こっちの世界の皆にも大好評。
食べる前は何だかんだと悪態をついていた爆豪ちゃんですら―
「………悪かねぇ…」
奇麗に完食してくれたわ。
「自分の分の食器は、ちゃんと流しまで持っていけよ」
「わぁっとるわ! イチイチ指図すんな!」
吸阪ちゃんから声をかけられた途端にキレたり、食後すぐに自分の部屋に籠ったりしたけど…あの位なら可愛い物ね。ケロケロ。
「皆さん、お紅茶はいかがですか?」
「クッキーとマカロンもあるよ! お喋りしよーよ!」
後片付けも終わった事だし、こっちの世界の皆とゆっくりお話しするとしましょう。
どんなお話が出来るか、楽しみだわ。ケロケロ。
まさか、吸阪ちゃんと緑谷ちゃんが叔父と甥の関係である事や、私と吸阪ちゃん、緑谷ちゃんとお茶子ちゃん、耳郎ちゃんがお付き合いしている事があんなに驚かれるなんて…予想外だったわ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。