出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2   作:SS_TAKERU

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お待たせしました。
少し短めですが、お楽しみ頂ければ、幸いです。

なお、本編において、ビッグ3に対する辛辣な表現が存在します。
閲覧の際はご注意ください。


第14話:ビッグ3(スリー)

出久side

 

「雄英生のトップ…ビッグ3(スリー)……!」

「あの人達が…的な人がいるとは、聞いてたけど…」

「びっぐすりー!」

「滅茶苦茶キレーな人いるし、そんな感じには見えねー…な?」

 

 教室へ入って来た3人の3年生、ビッグ3(スリー)。彼らに対し、皆がそれぞれに声を上げている中…僕は3日前に会ったあの変人さんが誰なのか、思い出していた。

 そう、去年テレビで見た雄英体育祭で、成績こそ振るっていなかったけど、妙なインパクトを残していた人だ。3日前は顔の一部しか見えていなかった訳だけど…すぐに思い出せなかったのは、迂闊だった…。

 隣に立つ2人も、去年までは上位にいなかった筈。雄英ビッグ3(スリー)…か…。どんなヒーローなんだろう?

 

「じゃあ、手短に自己紹介頼めるか? まずは、天喰(あまじき)から」

 

 相澤先生に促され、天喰という名の3年生が俯いていた頭を上げた。次の瞬間―

 

「「「「「ッ!?」」」」」

 

 教室の雰囲気が一変した。凄い、一瞥しただけでこの迫力!!

 

「………駄目だ、ミリオ…波動さん…」

 

 …ん?

 

「ジャガイモだと思って臨んでも…頭部以外が人間のままで、依然人間にしか見えない…」

 

 な、何を言ってるんだ。この人?

 

「どうしたら良い…? 言葉が……出て…こない…」

「頭が真っ白だ…辛いっ…!」

「帰りたい……!」

 

 ………えぇ…!?

 

「雄英…ヒーロー科のトップ……ですよね…?」

 

 泣き言を言って後ろを向いてしまった天喰先輩。その姿に若干引きながら、尾白君が問いかけると―

 

「あ、聞いて天喰君! そういうの蚤(・)の(・)心(・)臓(・)って言うんだって! ね! 人間なのにね! 不思議!」

「彼は蚤の『天喰環(あまじきたまき)』、それで私が『波動ねじれ』。今日は『校外活動(ヒーローインターン)』について、皆にお話ししてほしいと頼まれて来ました」

 

 天喰先輩に代わって、波動先輩が説明してくれた。よかった、この人は普通に説明して―

 

「けどしかし…ねぇねぇ、ところで、障子君は何でマスクを? 風邪? オシャレ?」

「これは昔…」

「芦戸さんは、その角折れちゃったら生えてくる? 動くの!? ね?」

「峰田君のボールみたいなのは髪の毛? 散髪はどうやるの!?」

「蛙吹さんはアマガエル? ヒキガエルじゃないよね?」

「ねぇねぇ、尾白君は尻尾で体を支えられる? ねぇねぇ、答えて。気になるの」

 

 …前言撤回。波動先輩(この人)も十分変わった人だ。

 

「天然っぽくて、可愛くね?」

「幼稚園児みたいだ」

 

 瀬呂君や芦戸さんは、好意的に評価していたけど…人に質問しておきながら、その答えも聞かず、他の人に質問するなんて、幼稚園児がやっているならともかく、高校生がやったら、失(・)礼(・)以(・)外(・)の(・)何(・)物(・)で(・)も(・)な(・)い(・)と思う。そして―

 

「あ、あとあなた。轟君だよね!? ねぇ!? 何でそ(・)ん(・)な(・)と(・)こ(・)ろ(・)を(・)火(・)傷(・)し(・)た(・)の(・)!?」

 

 波動先輩が轟君へ、顔(・)の(・)火(・)傷(・)に(・)つ(・)い(・)て(・)訊ねた直後―

 

「いい加減にしろ!」

 

 雷鳥兄ちゃんが…キ(・)レ(・)た(・)。 

 

 

雷鳥side

 

「いい加減にしろ!」

 

 そう叫びながら立ち上がった俺に対し、全員の視線が集中するが、俺はそれを無視。

 

「ビッグ3(スリー)と言われているから、どれほどの実力者かと思ったら…ま(・)と(・)も(・)に(・)人(・)と(・)話(・)も(・)出(・)来(・)な(・)い(・)蚤(・)の(・)心(・)臓(・)に、他(・)人(・)の(・)触(・)れ(・)ら(・)れ(・)た(・)く(・)な(・)い(・)部(・)分(・)に(・)、(・)土(・)足(・)で(・)踏(・)み(・)込(・)む(・)礼(・)儀(・)知(・)ら(・)ず(・)、ついでに壁(・)か(・)ら(・)顔(・)出(・)す(・)の(・)が(・)趣(・)味(・)な(・)変(・)人(・)………相澤先生、こ(・)ん(・)な(・)連(・)中(・)から何を学べと?」

 

 BIG3(スリー)へ向けて全(・)力(・)で(・)殺(・)気(・)を(・)放(・)ち(・)な(・)が(・)ら(・)、相澤先生に問いかけた。

 

「……吸阪、とりあえず殺気を静めろ。今のままじゃ、話にならん」

「………了解です」

 

 相澤先生に言われ、殺気を静めると―

 

「す、凄い殺気…だった…」

「オールマイトの弟子って、やっぱり凄いんだね…」

 

 天喰…一(・)応(・)先輩をつけておくか。天喰先輩は顔面蒼白でへたり込み、波動先輩も顔色を悪くしていた。そして―

 

「いやぁ、ごめんね! 環の小心も、ねじれちゃんの質問癖も、決して悪気があってやっている訳じゃないんだ!」

 

 通形先輩は笑いながら2人のフォローをしていた。

 

「悪気が無かったから、人(・)の(・)心(・)の(・)傷(・)を(・)抉(・)る(・)よ(・)う(・)な(・)失(・)言(・)を許せと? 5歳の子どもならまだしも、高校生がやらかした事を、そんな理屈で許せると思ってるなら、通形先輩…アンタの頭の中は相当お(・)め(・)で(・)た(・)い(・)ですね」

「あぁ…これは手厳しい。うん、俺達3人の好感度もダダ下がりだろうし…よし!」

「君達と俺とで、勝負しよう!」

「「「「「えぇぇぇぇぇっ!」」」」」

 

 突然過ぎる通形先輩からの模擬戦の申し出に、皆は驚きの声を上げるが―

 

「こうなっちゃったら、俺達の経(・)験(・)を下手に言葉で語るより、その身で経験したほうが合理的!」

「どうでしょうね? イレイザーヘッド!?」

「……………好きにしな」

 

 相澤先生が許可した事で、模擬戦が決定。早速TDLへ移動することとなった…。上等だ。BIG3(スリー)の実力、見せてもらおうじゃないか。

 

 

イレイザーヘッド(相澤消太)side

 

「相澤君! 何でこ(・)ん(・)な(・)事(・)になってるの!?」

 

 TDLへの移動の途中、俺は状況を察知して駆けつけたミッドナイトさんに 厳しく問い詰められていた。

 怒る気持ちもわかるが、予想外の展開で困っているのは俺も同じだ。

 

「……BIG3(スリー)が色(・)々(・)や(・)ら(・)か(・)し(・)た(・)んですよ…失(・)言(・)とか」

「あちゃぁ…薄々嫌な予感はしていたけど、やっぱりやらかしたか……って、それをフォローするのが、貴方の役目でしょう!」

「俺にそ(・)う(・)い(・)う(・)事(・)を期待しないで下さいよ…まぁ、あの場で乱闘にでもなっていたら、止めていましたけどね」

「…乱闘にならなかっただけ、まだマシと考えるべきね。いいわ、模擬戦の審判…私が務めます」

「お願いします」

 

 さて、どんな結果になるか…見届けるとするか。

 

 

雷鳥side

 

 さて、TDLに到着した俺達は、手早く準備を整えた訳だが…

 

「ミリオ…やめた方がいい。形式的に『こういう具合で、とても有意義です』と語るだけで十分だ」

 

 天喰先輩が壁と睨めっこしながら、模擬戦をやめるよう言い出した。本気で止める気あるなら、こっちを見て話せよ…。

 

「皆が皆、上昇志向に満ち満ちているわけじゃない。立(・)ち(・)直(・)れ(・)な(・)く(・)な(・)る(・)子(・)が(・)出(・)て(・)は(・)い(・)け(・)な(・)い(・)」

「あ、聞いて! 知ってる! 昔、挫折しちゃってヒーロー諦めちゃって、問題起こしちゃった子がいたんだよ。知ってた!? 大変だよねぇ、通形。ちゃんと考えないと辛いよ。これは辛いよー」

 

 お優しい先輩方…言ってくれるねぇ…。

 

「待ってください。我々はハンデ有とはいえ、プロとも戦っている。敵(ヴィラン)との戦いだって経験しています!」

「それでも、そんな心配される程……俺ら雑魚に見えますか…?」

 

 常闇と切島の声からも若干の怒気が感じられ、ミッドナイト先生は頭を抱えている。

 

「うーん、雑魚に見えるとは言わないよ。さぁ、始めようか。いつどこから来てもいいよ」

 

 それでも通形先輩は涼しい顔だ。次の瞬間、切島が―

 

「っしゃぁ! まずは俺が―」

「悪いな。俺(・)が(・)先(・)に(・)行(・)く(・)」

 

 飛び出そうとしたのを制し、俺が前に出る。

 

「吸阪!」

「今日の夕食、豚カツにするからさ。ここは譲ってくれ」

「……仕方ねぇ、極厚で頼むぜ」

「頼まれた」

 

 切島と拳を合わせた直後、俺は“個性”を発動。

 

「それじゃあ先輩…ご指導、よろしくお願いしますよっと!!」

 

 最初から最高速で突撃し、顔面狙いで跳び後ろ回し蹴り!

 

「…!」

「いきなり顔面かよ」

 

 だが、俺の蹴りは通形先輩の顔面をす(・)り(・)抜(・)け(・)た(・)。うん…想(・)定(・)通(・)り(・)だ。

 

「吸阪の蹴りがすり抜けた! あれが先輩の“個性”か!?」

 

 瀬呂の驚いた声が響く中、通形先輩は一気に床の中へ沈み…直後、俺の背後へ出現。

 

「ワープした!?」

「すり抜けるだけじゃねえのかよ!」

 

 切島や峰田の驚く声と共に―

 

「POWERRRR!!」

 

 カウンターの一撃を放ってきた! カウンターが命中した俺は吹っ飛んでいくが― 

 

「………残念。そう来る事はわかってる」

 

 すぐさま体勢を立て直し、着地。同時に、カウンターを受けた右掌を見せて、防御した事をアピールする。

 

「へぇ…今のが受けられたのは、久しぶりだよ! 流石はオールマイトの弟子。1年最強だけのことはあるね」

「言ったでしょう。そ(・)う(・)来(・)る(・)事(・)は(・)わ(・)か(・)っ(・)て(・)る(・)って…あんまり後輩を舐めるなよ。通形先輩」

 

 互いにニヤリと笑みを浮かべ、構え直す。さぁ、ここからが本番だ。

 

 

オールマイトside

 

「もう学校は後期日程が始まっているんだろう? 教育に専念するものだと思っていたが…」

 

 対戦車ライフルや重機関銃ですら、破壊不可能な程分厚い特殊強化ガラス越しに、私と向き合いながら、そいつは楽し気に言葉を紡ぐ。

 

「僕に何を求める?」

 

 私は、奴から向けられる小馬鹿にするような視線を振り払い、敢えて淡々とした口調で告げた。

 

「ケジメをつけるだけさ。オール・フォー・ワン」




最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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