出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2 作:SS_TAKERU
お楽しみ頂ければ、幸いです。
雷鳥side
「1年生の
通形先輩との模擬戦から1日。朝の
「えー! あんな説明会までして!?」
「でも、全寮制になった経緯から考えたら、そうなるのも仕方ないだろ…」
残念そうに声を上げる切島や、状況を鑑みて仕方がないと結論付ける瀬呂等、反応は様々だが…相澤先生の咳払い一つですぐさま静まり返る。
「だが、今の保護下方針では強いヒーローは育たない。という意見もあり、今後の方針としては、『インターン受け入れの実績が多い事務所に限り、1年生の実施を許可する』という結論に至りました」
ふむ、条件付きでGOサインか…まぁ、妥当なところだな。そう言えば…出久が
さて、今日の授業も無事に終了。オールマイトへ会いに、職員室へ向かった訳だが―
「サ、サー・ナイトアイに、
「はい、オールマイトの下で働いたという数少ないヒーローの1人。ですよね?」
だが、出久はオールマイトの動揺を
「………随分急な話だけど、どこから彼の話が上がったのかな?」
オールマイトも覚悟を決めたのか、動揺を静めて出久の話を聞き始めた。
「……なるほど、
「そういう訳ですので、紹介の方をお願いします!」
「俺の紹介も是非、お願いします!」
事情を説明し、頭を下げる出久。俺も一緒に頭を下げる。
「…断リマス」
だが、オールマイトの返答は拒否だった。
「意地悪で言ってるんじゃないぞ。理由は
なるほど、ちゃんとした理由がある訳か。聞かせていただきましょう。
「1つ、私は昨日の会議で反対派だ。
「あら、A組の子達で地力が足りないなら、
「僕もミッドナイト先生と同意見です」
「…2つ、2人はそれぞれのスタイルをもっと磨いてからでも良いと思う」
「2人ヲ含メタA組ハ、良ク頑張ッテイルト思ウガ」
「そうですね。A組は全員、
「………グフッ」
口にした理由が次々と周りの先生達に論破され、静かに喀血するオールマイト。
うん、俺がツッコミを入れるまでもなかったな。さて、3つ目の理由はどんなものかな?
「………3つ目……訳あって気マズイ」
「私情かよ! オールマイト!!」
…プレゼント・マイク先生。見事なツッコミ、ありがとうございます。
「………マイク、やめて…」
SHI・JO・U! SHI・JO・U! と連呼するプレゼント・マイク先生から必死に顔を逸らし、項垂れるオールマイト。何というか…弄られキャラを確立した?
まぁ、他の先生方から思いもよらぬ援護を貰えたんだ。一気に話を詰めていくか。
「オールマイトの仰りたい事はわかりました。しかしながら、3つとも決定的な理由にはなりませんよね。
「……うん」
「サー・ナイトアイと気まずくなった理由は存じ上げませんが、これを機会に和解なさったらどうです? 今回俺と出久を紹介する事が、良い切っ掛けになる。そう考えられなくもないと、愚考しますが?」
そう言って、再度頭を下げる俺と出久。
「………吸阪少年の言いたい事はわかるが…紹介は出来ないな…
オールマイトの返答は、理想的とは言えないが…まぁ、良しとしておくか。
出久side
職員室でオールマイトと話した翌日の放課後。僕と雷鳥兄ちゃんはオールマイトが待つ仮眠室へやって来た訳だけど…。
「あーなーたーがァァァァァ、いる!! っつってね!」
「すみませんね! オールマイトに呼ばれて、うかれてますね!」
何故か、通形先輩も仮眠室へ来ていた。
「あの…状況がよく掴めないのですが…」
「いやぁ、奇遇だね。実は僕もなんだよね」
互いに訳が解らないまま、僕達3人はオールマイトに促され、ソファーへ座っていく。そして―
「通形少年は現在、ナイトアイの下で
オールマイトから伝えられたのは、意外な事実だった。
「そうか、昨日通形先輩が言っていた
「そうだよ、もう1年は継続してもらってるんだよね!」
「じゃあ、卒業後はサイドキック入り確定ですね!」
「サーの気が変わらなければね」
「正式にサイドキックとなるなら、もう少し発言には気を付けた方が良いと思いますよ」
「うん、その事は昨日ミッドナイト先生から、徹底的に怒られたよ! こう見えても反省してるんだよ」
「それなら良いですけど」
うん、昨日の今日だから、通形先輩に対する雷鳥兄ちゃんの
喧嘩にはならないと思うけど、必要ならフォローを入れないと…。
「では、本題に入ろう。通形少年から見て、吸阪少年と緑谷少年は、ナイトアイの下で働けると思うかい?」
「ん……」
オールマイトの問いかけに、通形先輩は少し考えこみ―
「なるほど! 話ってのはそういう事ですね! 2人をサーに紹介してやれと!!」
オールマイトの問いかけ、その真意を見事に見抜いた。なるほど、昨日
「しかし、なんで俺をクッションに? オールマイトから直接言えば、喜びますよ。いつも動画眺めてますし」
「正直…合わせる顔がない。私は結局、
「…?」
オールマイトが苦い表情で口にした、
「で! 2人はどうだろうか?」
「そうですね…実力は申し分無いと思いますよ。2人とも、俺より強いだろうし…あとは、サーとの
「だから、俺からサーへ紹介するのは、構いませんよ。断る理由もありませんし」
通形先輩がサー・ナイトアイへの紹介を引き受けてくれた為、この場は解散となった。
オールマイトside
「ふぅ…」
少年達が退室した後、私は大きく息を吐きながら、ソファーに座り込んだ。
「通形ミリオ…か」
吸阪少年と緑谷少年をサー・ナイトアイへ紹介する事を引き受けてくれた通形少年。
彼としっかり話をしたのは、今回が初めてだったが…彼の存在自体は以前からよく知っていた。
そう、あれは緑谷少年に『ワン・フォー・オール』を譲渡すると決めた直後―
-まさしく後継に相応しい人間がいる。決して褒められた成績じゃないが、存在感のある生徒さ-
-彼の周りには、よく笑い声が響いている。最底辺の成績でも、笑顔だけは絶やさない-
-君の言うヒーロー観にピッタリじゃないか?-
根津校長から後継者として推薦された少年。もしも、緑谷少年と出会っていなかったら、彼は私の…
雷鳥side
仮眠室でのやりとりから3日。俺と出久は、無事にサー・ナイトアイの事務所で
「ここがサーの事務所だよ」
雄英高校の最寄り駅から電車に乗って1時間。通形先輩の案内でやって来たのは、オフィス街にある5階建ての事務所。
「言いそびれていたけど、サーはとても厳しいんだよね」
「存じております」
「自分にも他人にも厳しく、ストイックな仕事が有名なヒーロー、サー・ナイトアイ。モニター越しでも、あの鋭い眼差しは…かなりのものでした」
俺の言葉に続き、詳しい説明を入れてくれる出久。だが―
「うん、それもだけどね…」
「サーには、メディアと違う
通形先輩は、出久も知らない情報を教えてくれた。
「君達が門前払いされたくないのなら、これからサーと会って、話し終わるまでに必ず1回
「へ?」
「はぁ?」
「サーはああ見えてというか…だからこそというか…ユーモアを
通形先輩の話を聞きながら、俺と出久は面接会場であるサー・ナイトアイのオフィスへと進んでいく。
「俺が出来るのは紹介までで、君達を使うかどうかはサーが決める」
「俺も協力してやりたいけど、ここからは君達の力だけで、サーに認めてもらうしかない」
「なるほど…まぁ、最善は尽くしますよ」
「通形先輩にここまでやってもらったんですから…絶対に認めてもらいます」
「うん、頑張って! 一緒に
「困っている人がいたら助けちゃうのが、ヒーローの基本だから」
「「はい!」」
初対面での印象は悪かったが…こうしてみると、良い人ではあるんだよな。うん。
「さて、あのドアの先だ。強くなりたいなら、己で拓け!」
通形先輩に促され、俺達はオフィスのドアをノックと共に開く。
「「失礼します!」」
そこには―
「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
「まったく…大きな声出るじゃないか」
「やめてー! 許して下ヒャヒャヒャ!」
「………出久、警察に通報しろ。
「わかった!」
「ちょ、ちょっと待って! 2人とも! 通報は待って!」
それぞれスマホを取り出し、通報しようとする俺達を慌てて止める通形先輩。
こうして、俺と出久の
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