出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2   作:SS_TAKERU

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お待たせしました。少し短めですが、キリが良いので投稿します。
お楽しみ頂ければ、幸いです。


第24話:家宅捜索(ガサ入れ)に向けて

出久side

 

「それでは、皆さん。ご協力をお願いします」

 

 ナイトアイの一言で会議は無事終了。参加していたヒーロー達は、一刻も早く情報収集を開始する為、足早に地元へと戻っていった。

 ナイトアイ曰く、参加したヒーロー達の実力などから考えて、情報が出揃うまでにかかる時間は、最短で2日、遅くて4日。

 その間、BIG3を含む僕達8人は、雄英高校で待機しつつ、万全の準備を整えておく事を命じられた。

 

 

 翌日、僕達は平静を装って授業に参加した訳だけど…

 

校外活動(ヒーローインターン)組、動きがキレてるっちゅーか、()()()()って感じだなぁ…」

「何かコツ掴んだのか? 教えてくれよ!」

「悪い! 言えねぇ!」

「守秘義務って奴だ。時が来れば話すから、今は勘弁してくれ」

 

 5人(僕達)全員、知らず知らずの内に力が入っていたらしく、皆から不思議に思われてしまった。

 咄嗟に、雷鳥兄ちゃんが()()()()と口にしたことで、それ以上の追及は回避出来たけど…うん、気を付けなくちゃ。

 

 

警察上層部side

 

「それでは、決を採りたいと思います。賛成の方は挙手を」

「満場一致、だな」

「あぁ…それでは、近日中に行われる死穢八齋會(しえはっさいかい)への家宅捜索に、()()()を投入する」

 

 サー・ナイトアイからの協力要請を受け、警察上層部(我々)は緊急会議を招集。設立したばかりの新部隊『特別指定(ヴィラン)犯罪対策班』通称『SVC*1』の投入を満場一致で決定した。

 これまで我々警察は『(ヴィラン)受け取り係』などと揶揄されてきたが…これからはそうではない。

 今回の家宅捜索で、警察の底力を(ヴィラン)に見せつけてやろう。

 

 

雷鳥side

 

 会議から3日が経った放課後。俺と飯田は、エリちゃんの体調について説明を受ける為、保健室を訪れていた。

 エリちゃんが(ハイツ・アライアンス)で暮らし始めて、今日で10日。胃腸に優しく、栄養満点な食事とストレスの無い環境での生活で、エリちゃんの体調は日増しに良くなっていると感じていたが…リカバリーガールの評価は如何に?

 

「うん、胃腸の具合も血液状態も、大分良くなっているね。食事の内容も文句無し。ランチラッシュが感心してたよ」

「恐縮です」

 

 リカバリーガールからの高評価に、心の中でガッツポーズを決めていると―

 

「明後日の午後にもう一度検査をして…それで問題が無ければ、夜から普通の食事に切り替えて構わないよ」

 

 更に嬉しいお言葉を頂けた。遂に、エリちゃんへ普通の食事が解禁になるか!

 

「まぁ、解っているだろうけど、普通の食事で構わないと言っても、まだ胃腸の調子は完全じゃない。暴飲暴食は厳禁だよ!」

「心得ております!」

 

 リカバリーガールからの念押しに頭を下げつつ、俺はエリちゃんへのお祝いメニューを考えていく。出久や梅雨ちゃん達とも相談しないといけないな。

 

 

 夕食後、皆にリカバリーガールのお言葉を伝えると―

 

「まぁ! それは何よりですわ!」

「明後日の夕食はパーティーだね!」

 

 八百万を筆頭に、全員が我が事の様に大喜び。そのままパーティーについての意見が飛び交い始める。

 

「やっぱり、お祝いなら肉だろ! ステーキとか!」

「すき焼きが良いかも!」

「いや、お祝い事なのだから鯛が良いと思う。鯛の尾頭付きなら、見た目も豪華だ!」

「鯛の尾頭付きやったら、お赤飯とかお吸い物もセットやね」

「でもそれって、何だか()()()()()()()()みたいじゃない?」

「お祝いだったら、ケーキも欠かせないと思うぜ」

「ケロケロ、ここは当事者であるエリちゃんのリクエストを聞いてみるのが、一番じゃないかしら?」

 

 梅雨ちゃんの一言で、皆からの意見は一旦止まり、エリちゃんの意見を待つ。すると―

 

「え、えっと…わたしは…おにいさんやおねえさんと、()()()()()()()()()()()()()()()()、なんでも、いい…です」

「泣かせる事を言ってくれる!」

 

 エリちゃんから返ってきたのは、実に健気な言葉。その場の全員が涙したのは言うまでもない。その直後―

 

「そうだ! アレが良いかもしれないな」

 

 俺の脳裏に、あるメニューの名前が浮かんだ。色々な料理が1つの皿に盛られた日本発祥のメニュー。その名はズバリ。

 

「エリちゃん。お子様ランチって食べたことあるかい?」

「おこさまらんち?」

 

 俺の問いかけにオウム返しのエリちゃん。どうやら、お子様ランチの存在自体知らないようだ。

 

「お子様ランチって言うのは、大きなお皿に色々な料理を乗せた……ごちそうのオールスターズみたいなメニューなんだ」

「ごちそうのオールスターズ…」

「食べてみたい?」

「うんっ!」

 

 俺の説明を聞いて、食欲が刺激されたのか、問いかけに大きく頷くエリちゃん。明後日の夕食、エリちゃんの分は特製お子様ランチで決定だな。中身については、エリちゃんが眠ってから、詰めていくとしよう。

 

 

梅雨side

 

 エリちゃんが眠った後行われた『特製お子様ランチ・メニュー決定会議』も無事終了。私達もそれぞれの部屋へと戻って行った訳だけど…

 

「来たな…」

「うん…」

 

 まもなく22時になろうという頃、私達5人は1階へコッソリと集合していたわ。その理由は今更確認するまでもない。

 

「決行日は明日の朝8時半。6時半にナイトアイ事務所へ集合だから―」

(ここ)を5時半前に出る。高速を使えばナイトアイ事務所まで40分で行けるからな」

 

 吸阪ちゃんの声を遮るように響く、相澤先生の声。そう、今度の作戦には相澤先生(イレイザーヘッド)も参加する。凄く心強いわね。

 

「今から寝れば、6時間半は確実に眠れる。気持ちが昂っているかもしれんが、睡眠はしっかり取っておけ」

「「「「「はい」」」」」

 

 私達の返事を聞いてから寮を後にする相澤先生。私達もそのまま部屋へと戻り、明日に備えて体を休めていく。

 エリちゃんの為にも、明日は絶対に負けられないわ。

 

 

雷鳥side

 

 翌朝、日の出前に起床した俺達は、手早く準備を済ませ―

 

「全員、準備は出来ているな? 後になって忘れ物した…なんて、話にならんぞ」 

「大丈夫です。準備は完璧に出来てます」

「それなら良い。さぁ、早く乗れ。出発するぞ」

「「「「「はい」」」」」

 

 相澤先生の運転するミニバンへ搭乗。5時20分、日の出と共に雄英高校を出発した。

 走ること5分。雄英高校の敷地を離れた辺りで、俺はリュックサックを開け― 

 

「ハイ、()()()()。今回は新作だ。2種類あるから1個ずつ回してくれ」

 

 出発前に手早く作った『おにぎらず*2』を出久達へ回していく。

 

「これ、相澤先生の分です。よかったらどうぞ」

「……時間が早いから、コンビニにでも寄るつもりだったんだが…すまんな」

「いえいえ、朝食作りは最早ルーティーンですから。()()()で作戦に臨む為にも、やっておこうと思って」

「…なるほど、合理的だな」

 

 俺の答えに感心した様子の相澤先生は早速、片手で器用にラップを剥がし、おにぎらずを一口。

 

「…美味い」

「お粗末様です」

 

 相澤先生の一言にそう答え、俺もおにぎらずを一口。うん、新作はなかなかの出来だ。

 

 

 車で走ること40分。俺達は渋滞に巻き込まれることもなく、無事にナイトアイ事務所へ到着。

 戦闘服(コスチューム)に着替え、作戦会議へと参加する。

 

「皆さんの調査のおかげで、『“個性”を破壊する弾丸』の現物、データ、生産設備などの所在が確定しました。結論を申しますと…死穢八齋會(しえはっさいかい)事務所以外には、()()()()()()

「ハッ、あれだけ大がかりにやった割には、存在しないって事がわかっただけか」

「何言うとんねん、ロックロック。あんな危険物が他の場所に存在してへんなんて、朗報やないか! あとは治崎本人と、本拠地にあるブツを確実に抑えれば…万事解決や!」

治崎(ヤツ)が確実に事務所にいる時間は、張り込みによりバッチリでございます」

「令状も出ている。あとは」

「やるだけ…ですね?」

「そういうことだ」

 

 俺の答えに対し、ニヤリと笑みを浮かべるグラントリノ。俺も笑みを返し、警察と合流する為に移動を開始する。

 さぁ、治崎。覚悟はいいか? 今から、()()()()()()

*1
Special designation Villain crime Countermeasure groupの略

*2
1つ目:コーンと黒胡椒を混ぜたごはんと【ほぐしたコンビーフと微塵切りにした玉ねぎ、パプリカを炒め、塩とバターで味付けしたもの】のおにぎらず。2つ目:シラスと細ねぎの小口切りを混ぜたごはんと【明太マヨネーズと固茹で卵】のおにぎらず




最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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