出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2 作:SS_TAKERU
お楽しみ頂ければ、幸いです。
雷鳥side
さて、待機している警官隊と合流する為、警察署へ移動した俺達は、そこで
そこに書かれていたのは、
会議に参加していたヒーロー達がそれぞれの地元で調査を行っている間、ナイトアイ達が調査を行い、突き止めたものだ。
生憎、施設全体を把握する事は叶わなかったが、それでも地下への入口と最深部までの
「しかし、最深部を目指すと言っても、“個性”を駆使されれば、捜索は難航する」
「そこで、判明している範囲ではあるが、
「こういうのをパッと出せるのは良いよな」
刑事さんから渡されたリストを読みながら、ヒーローの1人がしみじみ呟いているが…同感です。
そうしている間に時間となり―
「対象に隠蔽の時間を与えぬ為にも、全構成員の確認、捕捉等を可能な限り迅速に行いたい」
刑事さんの淡々とした声が響き始めた。
「決まったら早いッスね!」
「君、朝から元気だな…」
話を聞きながらも、やる気満々の
「緊張してきたけど…頑張らなきゃ!」
「探偵業のようなことから、警察との協力…知らないことだらけ」
「ね! 不思議だね!」
「こういうのって、学校じゃ深く教えてくれなくて、新人時代苦労したよ」
「雷鳥兄ちゃん…グラントリノが、いないよ…どうしたんだろ?」
出久が異変に気付いたのはその時だ。その言葉通り、グラントリノがいつの間にか姿を消している。
「変だな。
「あの人は別件で動かれる事になった」
俺の疑問に答えたのは、ナイトアイ。そして彼と話していた刑事さん。なんでも、
「そうですか。
「君達と一緒に戦えない事を悔しがっておられたよ。だが、
「グラントリノの欠けた分は、君達の働きに期待させてもらう。頼んだよ、オールマイトの愛弟子達」
「はい、頑張ります!」
「若輩者ですが、微力を尽くします」
ナイトアイと刑事さんの言葉にそう答え、俺と出久は気合を入れ直す。そして―
「ヒーロー。多少
「少しでも怪しい素振りや犯行の意思が見えたら、すぐ対応を頼むよ!」
「相手は仮にも、今日まで生き延びた極道者。くれぐれも気を緩めずに、各員の仕事を全うしてほしい!」
「出動!」
刑事さんの一言で、一斉に動き出すヒーローと警官隊。さぁ、いよいよだ!
出久side
「なぁ、あれ…何だと思う?」
不意に
「パトランプが付いているから、警察関係の車両だと思うけど…警察署では見ていないね。人員輸送車…いや、違うな」
正体がわからず、首を傾げていると―
「あれは、SVCの車両やな」
近くにいたファットガムが詳細を教えてくれた。
「SVC…特別指定
「メンバーは全国都道府県の警察から選抜された凄腕ばかり。一定の条件付きやけど“個性”の使用も許可されとるって話や」
「なるほど…」
ファットガムの説明に感心していると、トラックから降りた5人組がこちらへ近づいてきた。
パトカーを連想させる白と黒のカラーリングが施された、フルアーマータイプの
そんな事を考えている間に、SVCの5人は刑事さん達や周りのヒーローと敬礼を交わしながら、集団に合流。同時に作戦開始の時刻となった。
「令状を読み上げたら、ダーッ! と! 行くんで! 速やかによろしくお願いします」
「ケッ、しつこいな。信用されてねえのか」
「集中しましょ。ロックロック」
「そういう意味やないやろ。いじわるやな」
「ふん」
刑事さんの確認に不満を漏らし、サイドキックやファットガムに窘められるロックロック。悪い人ではなさそうだけど、口の悪さで損している感じ…かな。
「そもそもよぉ、ヤクザ者なんてコソコソ生きる日陰者だ」
「ヒーローや警察見て、案外縮こまっちまったりしてな」
ロックロックの軽口が続く中、刑事さんが正門へと近づき、インターホンへ手を伸ばす。
「グリュンフリート!」
次の瞬間、何かに気づいた
「ワン・フォー・オール、フルカウル! 42%!」
僕も『フルカウル』の出力を
「何なんですかぁ!」
筋骨隆々の巨漢が、拳の一振りで門を吹っ飛ばしながら姿を現した。
「朝から大人数でぇ!」
巨漢は完全に不意を突かれ、反応も儘ならない警官達に殴りかかるけど、そうは問屋が卸さない。
「出力全開! ライトニングウォール!!」
警官達を庇うように割って入った
「ダブル
僕が必殺の諸手突きを叩き込む!
「ぬぉぉぉぉぉっ!」
10m程の距離を回転しながら吹き飛んでいく巨漢。並の相手なら、これで戦闘不能になる筈だけど…
「今のは…痛かったぞぉ!」
残念ながら、並の相手じゃなかった。その巨体に見合うだけの耐久力の持ち主なのは、間違いなさそうだ。
「オイオイオイ、待て待て!!」
「感づかれたのかよ!!」
「いいから皆で取り押さえろ!!」
不意打ちを許してしまったことで、浮足立つ警官隊と一部のヒーロー。
「もぉ…何の用ですかぁ!!」
それを見て、再度突撃してくる巨漢。
「離れて!!」
それを防いだのは―
「とりあえず、ここに人員割くのは違うでしょう。この男はリューキュウ事務所で対処します!」
「皆は引き続き仕事を!」
“個性”を発動し、巨大なドラゴンに変身したリューキュウ! やっぱり生で見ると凄い迫力だ!
「はい! 今のうちに!」
リューキュウが巨漢を抑えつけている間に、僕達は一気に敷地内へと突入。
「私達はリューキュウのサポートだよ!」
「「はい!」」
「梅雨ちゃん! 麗日! 頑張ろうな!」
「また後で!」
「お互い、油断せずにいこう!」
僕と
「おぉい! 何じゃてめぇら!」
「勝手に上がり込んでんじゃねー!」
一気に敷地内へ侵入した俺達に対し、イメージ通りの反応を返すヤクザ達。
「ヒーローと警察だ! 違法薬物製造及び販売の容疑で、捜索令状が出ている!」
「知らんわ!」
警察の通告も一切無視で、“個性”を用いて抵抗してくる始末だ。
「っと! おとなしくしといて!」
当然、次々と無力化、拘束されていく訳だが―
「やったれ! こうなりゃ
「死なば諸共! ありったけ持ってこい!」
すぐに新手のヤクザ達が、建物の中から次々と飛び出してきた。それも
「ちょっと待て…」
拳銃ならわかる。
「あれは、南アフリカ製の汎用機関銃『SS-77』! それからロシア製の
やたらと銃に詳しい様子の警官が叫んだ通り、
「こいつら皆殺しにしねぇと、俺達に明日は来ねえんだ!」
完全に自棄を起こしたヤクザの叫びが響いた直後、拳銃から汎用機関銃まで、30を超える銃口が俺達へ向けられ―
「俺の後ろに下がって!
「撃ち殺せやぁっ!」
次の瞬間、一斉に火を噴く銃口。無数の銃弾が一直線に
「なっ…」
なんと、SVCの5人が
「凄い装甲ですね。助かりました」
「いや、君の電磁バリアも大したものだ。私達だけでは、全てを防ぐ事は出来なかったからね」
短く言葉を交わしながら、ヤクザを次々と無力化していく
SVC、警察の精鋭ばかりを集めた部隊と聞いてはいたが…なかなか大したものだ。
頭上で微かに響く無数の音…銃声を聞きながら、俺は施設の最深部へ歩みを進める。
「大人数が同じ方向に、全速力で走ってる」
「つまり、
「
同行する玄野…クロノスタシスの声に答えながら、最悪の事態にどう対応するかを再確認していく。
「『俺達はここにいなかった』『今回の件を計画したのは、前々から組の方針に反抗的だった中級幹部数名』『奴らが構成員達を扇動し、上級幹部不在のタイミングで騒ぎを起こした』…そういう事にする。その為に育ててきた駒だ」
そう、今回の騒ぎは全て、俺達が不在の時に起きた悲しい出来事。組の金を使って外国から銃火器を密輸入した事も、構成員達がそれを使って、ヒーローや警察に危害を加えた事も、俺達は一切知らなかった。
「汚い仕事をするしか取り柄の無い連中だが、こういう時には役に立つ」
こういう時の為に選定しておいた鉄砲玉、八斎衆。奴らが時間を稼ぐ。その間に俺達は、隠し通すべき物全てを隠し通し…姿を消す。
この場を切り抜ければ、逆転の目は幾らでもある。最後に笑うのは…俺だ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。