出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2   作:SS_TAKERU

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3週間近くお待たせしてしまい、申し訳ありません。

第28話を投稿します。
お楽しみ頂ければ、幸いです。


第28話:盾と盾vs矛と盾

切島(レッドライオット)side

 

「おい、楽しくなってきたんだ。天蓋これ外せ、使うな。そもそも俺は、バリアなんて必要ないんだ」

 

 今にも飛び出しそうな勢いで、隣に立つバリア(ヴィラン)にバリアを解除するよう迫る巨漢(ヴィラン)

 

「私欲に溺れるな。オーバーホール様の言いつけを忘れるな。相性は良好。我々のコンビネーションで確実に処理するんだ」

 

 だけど、バリア(ヴィラン)はその要求をあっさり拒否。すると―

 

「……どういうつもりだ、ケンカ狂いめ…」

 

 巨漢(ヴィラン)は、問答無用でバリア(ヴィラン)に殴りかかりやがった!

 その攻撃はバリアで防がれたけど、(ヴィラン)同士の間に嫌な沈黙が流れる。

 

「コンビなんて、オバホが勝手に決めた事だ。俺は殺し合えれば何でも良い」

「………好きにしろ。それで処理できるのならな。あと、オバホじゃない。オーバーホール様だ」

 

 結局はバリア(ヴィラン)が折れる形でバリアを解除。

 

「わかってくれたか。良い引きこもりだ!」

 

 次の瞬間、巨漢(ヴィラン)が突っ込んできた! 俺も()()を発動させようと構えるけど―

 

「ここは()()()()()! もう少し休んどけ!」

 

 その声と共に、ファットが俺の前に立ち、巨漢(ヴィラン)機関銃(マシンガン)みたいな連打(ラッシュ)を代わりに受けてくれた。

 

「ぐっ!!」

 

 連打(ラッシュ)を受け、苦悶の声を漏らしながら後退するファット。ファットの巨体をあそこまで…やっぱり凄え連打(ラッシュ)だ。

 でも…実際に受けてみて、そしてファットに連打(ラッシュ)を叩き込む姿を見てわかった。

 こいつのパワーとスピードは確かに凄え。だけど、緑谷(グリュンフリート)ほどじゃないし、吸阪(ライコウ)のような針の穴を通す正確さも無い。だったら、だったらいける!

 

「今度は俺だ! 好きなだけ打ち込んできやがれ!」

 

 そう叫びながら、俺はガードを固めて前に出る。見せてやるぜ…安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)の新たな姿!

 

 

 安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)の新たな姿。それが生まれるきっかけとなったのは、仮免試験への特訓。その一環で行った吸阪達との模擬戦だ。

 俺自身、安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)を習得し、幾つか修羅場を体験した事で、強くなったという自覚はあった。だけど―

 

50CALIBER(フィフティーキャリバー)! スマァァァァァッシュ!!」

「ぬぅぅ…ぐぁぁぁぁぁっ!!」

 

 緑谷が放つ渾身の一撃に、安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)は真正面から砕かれた。

 

「ライトニング! エクスプロージョン!!」

「ぐっ…ごほっ!」

 

 衝撃を()()()()()()()()技術を持った吸阪には、安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)は無力だった。そして―

 

王狼の息吹(フェンリルブレス)!」

「ぬぅぅぅ…」

不死鳥の眼光(フェニックスグレア)!」

「ぐぁぁぁぁぁっ!!」

 

 (極低温)(超高温)、2つの力を振るう轟にも、安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)は突破された。

 そう、1-Aトップ3にはまるで歯が立たなかった訳だ。

 

「ちくしょう…」

 

 硬ければ良いという訳じゃないし、俺が強くなったように、吸阪達も強くなっている。当たり前だ。それでも…差が縮まっているように思えないのは、悔しくて堪らない…。

 

「Hey! 切島少年!」

 

 そんな俺に声をかけてきたのは、八木先生(オールマイト)だった。

 

「オールマ…八木先生」

「HAHAHA! オールマイトで構わないよ。今でも1日15分は“個性”が使えるからね!」

 

 名前を言い直した俺にそう言って笑いながら、筋骨隆々な姿に変身し、すぐ元の痩せた姿に戻る八木先生(オールマイト)。そして―

 

「まぁ、それはさておき…切島少年は、何か()()()()()()だね?」

「は、はい…」

 

 俺の心を読んだように発せられた八木先生(オールマイト)の言葉。俺は、一瞬迷った後…心の内を曝け出した。

 現時点での最高硬度である安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)が、吸阪達にはまるで通用しなかった事。

 吸阪達との差が縮まっているように思えず、悔しくて堪らない事。そして…

 

安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)を習得してから…硬度の伸びが、鈍くなったんです」

 

 これまでは鍛えれば鍛えただけ、硬度が増していく実感があった。でも、最近はその実感がなかなか得られない。

 考えたくは無いけど…もしかしたら、これが俺の限界なのか?

 

「切島少年。吸阪少年や緑谷少年も言っていたと思うが、“個性”とは、まさに無限の可能性。使い手の応用力次第で幾らでも化ける事が出来る」

「応用…力」

「そう、応用力。目標に向けて一心不乱に努力を重ねる事が出来るのは、君の長所だ。あとは少しだけ、考え方を変えてみたらどうかな? たとえば―」

 

 ネガティブな考えに陥りかけた俺を救ってくれたオールマイトの言葉。それは最高のヒントになった!

 

 

「うぉぉぉぉぉっ!!」

 

 ガードを固めた俺は、意識を研ぎ澄まして体の中の()()()()()()()()()。今までは力を満遍無く張り巡らせて、()()()()()()()()()()()()()けど、今度は違う。

 ガードに使う両腕を重点的に硬化し、それ以外の硬化は必要最低限に留める。硬化を敢えて不均等にすることで、重点的に硬化した部分の硬度を安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)の数倍に高める。名付けて!

 

安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)閼威猗守(アイアス)!!」

 

 

乱波side

 

安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)閼威猗守(アイアス)!!」

 

 技の名前を叫び、ガードを固めた学生を見て、俺は歓喜に震えた。

 さっきの…『安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)』という防御もそれなりに硬かったが、今度はそれを遥かに超える硬さなのは間違いない。

 

「いいな! お前は良い学生だ!」

 

 胸の高ぶりのままに、俺は学生に突撃!

 

「正面から打ち合うな! 奴の防御は歪、弱い部分を狙え!」

 

 天蓋が何か言っているが、そんなのはお断りだ! 折角の殴り合い、思う存分楽しまないでどうする! 天蓋に文句を言おうとしたその時―

 

「どぉりゃあ!」

 

 学生の仲間であるデブが天蓋に殴りかかっていた。

 

烈怒(レッド)! こっちは俺が引き受ける! ソイツはお前に任せた!」

 

 天蓋の張ったバリアに連打(ラッシュ)を叩き込みながら、デブが叫ぶ。いいな! あいつも本当に良いデブだ!

 

「いくぞ! 学生!」

「俺は、烈怒頼雄斗(レッドライオット)だ!」

 

 間合いに入った瞬間、俺は学生…烈怒頼雄斗(レッドライオット)に全力で殴りかかる!

 

「ッ!?」

 

 連打(ラッシュ)を叩き込んだ瞬間、俺は驚いた。予想以上に硬い!

 さっきの『安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)』は、例えるならそれなりに硬いが()()()()()()()()

 だが、今度は違う。『安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)閼威猗守(アイアス)』だったか、こいつは例えるならば、()()()()()()()

 

「良いぞ! お前は本当に良い奴だ! 烈怒頼雄斗(レッドライオット)!!」

 

 俺の連打(ラッシュ)を受けても砕けない。これだけの技を、まさか学生が持っていたとは! 俺は歓喜に震えながら、連打(ラッシュ)を続ける。

 

「もっとだ! もっと楽しもう!」

「うぉぉぉぉぉっ!!」

 

 いつまでも続くと思った楽しい時間。だが、それは突然終わりを告げた。

 

「ぐぅっ!」

「ぐぁぁぁっ!」

 

 俺の両拳から嫌な音が響き、同時に烈怒頼雄斗(レッドライオット)が吹っ飛ぶ。この勝負、引き分け―

 

「ホバリングモード起動!」

 

 違う! 烈怒頼雄斗(レッドライオット)は、()()()()()()()()()()

 拳の砕けた俺が、咄嗟に防御を固めた次の瞬間、体勢を立て直した烈怒頼雄斗(レッドライオット)は壁を蹴り、回転しながら一直線に俺へと飛んできた!

 

烈怒守吠羅流刃烈斗(レッドスパイラルバレット)!!」 

 

 文字通りの()()()()となって突っ込んでくる烈怒頼雄斗(レッドライオット)。拳の砕けた俺では、防ぐ術など何もなく―

 

「凄い奴だぜ! 烈怒頼雄斗(レッドライオット)!!」

 

 

ファットガムside

 

「乱波の愚か者め! 人の忠告を無視するからだ!」

 

 俺の連打(ラッシュ)をバリアで防ぎながら、烈怒(レッド)の必殺技を受けて吹っ飛んだ巨漢敵(乱波)に悪態をつくバリア敵(天蓋)

 相変わらずのバリア強度やけど、俺から一瞬でも目を逸らしたのが命取りや!

 

「隙を見せてくれて感謝するで!」

「貴様っ!? な、何故、()()()()()!?」

 

 ホンの一瞬目を離した隙に、すっかり様変わりした俺の姿を見て、驚きを隠せないバリア敵(天蓋)。  

 俺は受けた衝撃を()()()()()事が出来る。でも、沈めて抑え込んどくのにめっちゃエネルギー使(つこ)てまうから、体内の脂肪がガンガン燃える! その結果、一気に痩せる訳や。まさにラ〇ザップもビックリのシェイプアップ!

 今回の場合は、巨漢敵(乱波)に受けた攻撃の衝撃に加えて、()()()()()()()()()()()()()()も利用させてもらった。攻撃を受けた方が効率は上やけど、こんだけ殴り続ければ十分や!

 

「痩せた理由? 企業秘密や!」

 

 バリア敵(天蓋)の言葉を一蹴し、俺は溜め込んでいた衝撃を全て右拳に集中する。この一撃は、半端ないで!!

 

「せいやぁっ!!」

「ぐほぁっ!」

 

 放たれた俺の拳は、張られたバリアを一瞬で貫き、バリア敵(天蓋)を壁まで吹っ飛ばして、その意識を刈り取った。

 

「盾と盾対矛と盾の勝負。盾と盾(俺達)の勝ちやな」

 

 

 

天喰(サンイーター)side

 

「毒を仕込ませてもらった。死には至らんが…暫くは満足に歩けもしないだろう」

 

 激闘の末、気絶させることに成功した3人の(ヴィラン)、窃野、宝生、多部を拘束しながら、そう呟く。聞こえているかはわからないが…無言というのも、良い気分がしない。

 

「あとマスク、外しとくよ…何仕込んでるか分かったもんじゃない…」

 

 3人が拘束から抜け出せないよう手を打った上で、先に進んだファット達を追いかける為、動き出す。

 

「ふぅ…」

 

 この3人、1人1人の実力は勿論、コンビネーションもかなりのものだった。俺1人が残って相手をしたのは、的確な判断だったと思う。だけど…

 

「少し、手こずり…過ぎた」

 

 皆はちゃんと進めているだろうか…俺も行かなきゃ…

 

「あれ…視界が、ボヤ、けて………」

 

 顔面に攻撃を受けたのは拙かったな…今になって、ダメージが……




最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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