出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2 作:SS_TAKERU
お楽しみ頂ければ、幸いです。
雷鳥side
「
「ライトニングボルトォ!!」
「ッ!?」
そこには、全身ボロボロになったルミリオンと、そんなルミリオンへ今にもトドメを刺しそうな治崎の姿。
治崎も相応のダメージを追っているようだが…いや、それは後回しだ!
「
叫びと共に、俺は
威力よりも諸々の速さを重視した攻撃。決定的なダメージは与えられないまでも、奴の動きを止める事は出来る筈だ!
「フッ…」
だが、治崎は人を馬鹿にしたような笑みを浮かべると、まるで
「なんてスピード…高速移動系の“個性”? いや、そんな筈は…」
「“個性”によるものじゃない。俺が間違いなく
「皆、気を、付けて…治崎は、く、薬を……使って…」
「…そういう事か」
そこへ聞こえてきた
「ミリオ、もういい。無理に喋るんじゃない」
「サー…ごめんなさい、俺…俺…」
「謝らなくていい…お前は、治崎を十分足止めしてくれた。立派に役目を果たしてくれた…凄いぞ…凄いぞ、ミリオ」
息も絶え絶えな
「ナイトアイ!
「治崎は僕達で食い止め…いえ、倒します!」
それを見て、ナイトアイへ後退を促す
「………すまない」
議論の余地は無いと判断したのだろう。ナイトアイは一言そう言い残して、
「ハハッ、たっタ3人で俺ヲ倒すだト? 面白イ冗談だ」
不敵な笑みを浮かべながら、治崎がそんな事を言い出した。何やらイントネーションやアクセントが大分怪しくなっているが…おそらく薬の影響だろう。
「イレいザーヘっド! お前ノ“個性”ハ所詮壊理の劣化版! 脅威ニ値しナイ! そもソモ俺は
………ん? こいつ、今なんて言った?
「“個性”なンテ物が備わッテいるカら夢を見ル! 自分ガ何者かニなれルと…精神に疾患ヲ抱えるンダ!」
「オ前達は皆、汚らシイ現代病ノ重症患者ダ! ダカら俺がオ前達を治しテやるノさ!」
こいつは何とも…油断していると
「病人風情ハ大人しク、治療を受ケロ!」
「一番の病人はお前だろ。治崎」
さて、そろそろ反撃開始といきますか。
出久side
「一番の病人はお前だろ。治崎」
「何、ダと…」
額に青筋を浮かべながら、搾り出すように声を上げた。だけど、それは…
「聞こえなかったか? お前が、一番の病人だって言ったんだよ」
「そもそも“個性”を否定しておきながら、計画は壊理ちゃんの“個性”頼みだし、自分の“個性”は何の躊躇いも無く使ってる。これってどういう意味なのかなぁ?」
「あぁ! もしかして、自分の“個性”は特別だからノーカウント! ってことか? だとしたら…
淀みない口調で治崎の行動、その矛盾を指摘する
「黙レ…」
「挙げ句の果てには“個性”を必要としていない? 自分のやってる事が理解出来てないのかなぁ? 俺達を治療する前に、お前が病院に行ってこい。
「黙レェ! 壊理ハこの狂っタ世界を、歴史を変エル事だっテ出来ルんダゾ! その価値ヲ解ろウとモセず、チッぽけな正義感ヲ満たス事しか知らナい屑どモがぁ!!」
顔色を赤どころか紫に変えながら、喚き散らす治崎。だけど舌戦で劣勢なのは、言うまでもない。
「よく言うよ。壊理ちゃんから笑顔や安息を奪い、苦痛だけを与えたお前の方がよっぽど屑だろう。まさか、その自覚すら無いとは―」
「吸阪、挑発はその辺にしておけ」
ここで
「たとえ
前言撤回!
「ヌがァぁァァぁぁッ! 殺ス! 殺ス! 殺しテやルぞ!!」」
それが最後の一押しになったのだろう。血涙を流し、殺気を撒き散らしながら叫ぶ治崎。だけど
「あまり強い言葉を遣うなよ。
「ぐガァぁァっ!」
次の瞬間、獣のような咆哮をあげ、
「グがっ!」
3歩と進まない内に突然転倒し、顔面を思いっきり地面にぶつけてしまった。そして、その両足には
「あぁ、ごめんねぇ。隙だらけだったんで、ちょっと足元に
悪魔のような笑みを浮かべながら、掌の上で砂鉄を操作して見せる
そう、
流石に、治崎が冷静だったら見抜かれていただろう。だけど、あれだけ頭に血が上っていたら…見える物も見えなくなる。
「ガぁぁぁッ!」
憤怒の表情を浮かべながら、“個性”を発動した治崎はワイヤーを分解。すぐさま立ち上がるけど―
「ライトニングブラスト!」
その隙に間合いを詰めていた
「ゲはァ…」
折れた歯を撒き散らしながら、僕と
「
「はい!」
すぐさま
「
僕は跳び回し蹴りを治崎の腹に叩き込んで、壁に向けて吹っ飛ばした!
「……グ…あ…」
壁に巨大な罅割れが出来る程の勢いで激突し、そのまま崩れ落ちた治崎。辛うじて意識はあるようだが、歯という歯は全て折れ、顎も粉砕されているせいか、まともに喋る事も出来ないようだ。
「肋骨もあらかた砕けているようだな…だが、“個性”で修復されても面倒だ。念入りに拘束させてもらうぞ」
俺は捕縛布を手に治崎に近づいていく。万が一の可能性に備え、警戒を怠る事は無い。
「勝負が…ついたようだな」
そこへ聞こえてくるナイトアイの声。どうやら、
「音本真、酒木泥泥、玄野針の3人は拘束した。あとは治崎を拘束すれば、任務は98%終了する」
「了解した」
ナイトアイの声に短く答え、俺は更に治崎へ近づいていく。
「ん?」
頭上に
「だぁぁぁぁぁっ!!」
天井を砕きながら、ドラゴンに変身したリューキュウと巨漢
「想定外だぞ…」
リューキュウside
「くっ、倒されても復活って、流石に反則じゃない!?」
私達リューキュウ事務所が対処を引き受けた巨漢、活瓶力也。一度は拘束に成功したけれど、遅れて効き始めた『ブースト薬』の働きで復活。
「呼吸してるだけで…『吸ってる』ぞ!」
「すごく元気が湧いてきたァ!!」
強化された“個性”『活力吸収』で、周囲の人間から手当たり次第に活力を吸い取り、再び暴れ始めた。
「あー…なんかめんどくせぇ…」
「このまま日向ぼっこでもしようぜ~」
「さんせーい」
活力を吸われ、その場にへたり込んだ警官やサイドキックを何とか安全圏に運び、戦闘を再開したけど、近づくだけで活力を吸われるこの状況は、こちら側へ不利に働いた。それでも―
「隙ありよっ!」
「うぉっ!」
「軌道入力。回転数MAX! デュアルチャクラム! シュート!」
まずウラビティが、サポートアイテムである一対の
「ぐぅっ!」
「チャージ満タン。出力100…
「ぐぉっ…」
間髪入れず、ねじれが出力最大の波動を活瓶の顎目がけて発射! 強烈な衝撃を受け、活瓶の巨体がよろめいた。
「うぉぉぉぉぉっ!!」
そこへ私が真正面から突進! 活力を吸われるのも厭わずに活瓶を持ち上げて、飛翔すると―
「これで! 終わりよ!」
上空から一気に急降下!
「だぁぁぁぁぁっ!!」
活瓶を地面に叩きつけた! 強烈な衝撃で地面が罅割れ、崩落。私ごと活瓶は地下へと落ちていく。そして―
「想定外だぞ…」
そう呟きながら、跳び退くイレイザーヘッドを見て、私は自らのミスを悟った。慌てて気絶した活瓶を抱えて飛び立とうとするけど―
「
治崎side
「
薄れていく意識の中、落ちてきた活瓶を見た俺は、思わずそう呟いた。反射的に床に手をやり、壁を生やして活瓶と一緒に落ちてきたドラゴンを排除。
「
そうだ、最後に勝てばいいんだ。勝ち残った者が正義なのは、歴史が証明している!
俺は“個性”でダメージを受けた個所の分解と再構築を行いつつ、床に置いたままにしていたアタッシェケースへと走り、残っていたペン型注射器を鷲掴みにすると―
「
その全てを首筋に突き立てた!
「うガぁぁァァぁァっ!!」
大量の薬液が体内に流れ込む感覚に咆哮を上げると同時に、壁が粉砕され、
「残念だッタな! こノ勝負…俺ノ勝ちダ!!」
高らかに宣言し、倒れたままの活瓶に飛び移る。そして―
「活瓶…オ前、俺の為ニ…死ネ!」
俺自身と活瓶を分解・再構築して新たな身体を作り出す!
「さァ! 第2らウんドを始めヨウか!!」
そう、ここから始まるんだ。俺の逆転劇が!!
雷鳥side
薬物を過剰摂取した挙句、天井から落ちてきた巨漢と融合して、異形の姿となった治崎。
「さァ! 第2らウんドを始めヨウか!!」
まるで勝利を確信したかのように吠えているが…正直言ってドン引きだ。
「たしか…『覚せい剤やめますか? それとも人間やめますか?』だったな…」
思わず前世で見た啓蒙広告を呟いていると―
「フハはっ! 力が! 力が漲るっ!!」
治崎が地下から地上へ飛び出していった。俺達もリューキュウの力を借りて地上へ急行する。
治崎に遅れること10秒。地上に到着した俺達が見たのは―
「こレで、俺は無敵だァッ!!」
治崎がその場にいた警官達を蹴散らし、押収されて1ヶ所に集められていた銃火器を融合していく光景だった。
全身からハリネズミのように銃口が飛び出したその姿は…異形を通り越して醜悪の一言だ。
「ハリネズミみたいに武装すれば無敵とは…なんとも安直な考えだ」
「同感ですね。現実が見えていないボンクラには、痛い目にあってもらわないといけませんね」
「僕達で治崎を倒しましょう!」
ナイトアイの呟きに答えた直後、
あぁ、そうだな。壊理ちゃんにお子様ランチを作る為にも、破滅に向けて一直線な奴との戦いは…さっさと終わらせるとしよう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。