出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2   作:SS_TAKERU

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お待たせしました。いつもより短めですが、キリが良いところで公開します。
お楽しみいただければ幸いです。


第39話:狭まる包囲網

八木俊典(オールマイト)side

 

「お疲れさまでした」

「オ疲レサマデシタ」

 

 17時半を少し過ぎ、同僚の先生方が帰り始めた頃―

 

「さて、私も…お疲れさまでした!」

 

 書類仕事が一段落した私も、強張った体を解しながら鞄を手に取り、帰宅の途につく。

 

「おじさまー!」

 

 メリッサが私へ駆け寄ってきたのは、職員室を出て数分後、正門へ向けて歩いていた頃だ。

 

「よかった…追いつけたわ。職員室へ行ったら、おじさまは帰宅したって聞いたから」

「あぁ、それはすまなかったね。それでメリッサ。そんなに急いでどうしたのかな?」

「おじさまからの依頼、()()()()()()!」

 

 メリッサの言葉に、私は驚きを隠せなかった。ジェントル・クリミナルの尻尾を掴むよう、メリッサに依頼したのは3日前。

 まさか、ここまで早く終わらせるとは…

 

「ありがとうメリッサ。だが、随分と無理をしたんじゃないかな? 睡眠や食事はキチンと取っているのかい?」

「大丈夫よ、おじさま。例の動画は…3本見たところで()()()()()()()から、予備のパソコンに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を組み込んで、()()()()()()にしていたわ。4倍速でね」

「そ、そうか。頑張ってくれたね。ありがとうメリッサ」

 

 面白さの欠片も無い動画を投稿し続けるなんて、どういうメンタルしているのかしら? と首を傾げるメリッサに微笑みながら、私は改めてこの子の才能に感心するのだった。

 

 

SVCside

 

「資料にある通り、(ヴィラン)『ジェントル・クリミナル』が、来月行われる雄英高校文化祭への侵入を企んでいる可能性が非常に高い。と、長官宛に雄英高校の根津校長より連絡があった」

「『ジェントル・クリミナル』が雄英高校に侵入した場合の社会的影響を考慮し、長官が我々SVCの出動を決断された」

「現在、雄英高校から提供された()()()()()()()()を基に、『ジェントル・クリミナル』の隠れ家(アジト)を捜索中だが、判明も時間の問題だろう」

「文化祭当日の早朝、『ジェントル・クリミナル』の隠れ家(アジト)へ乗り込み、()()()()()()()()()にする!」

「作戦に備え、各自準備を万全にしておくように!」

 

 隊長の声に答え、俺達は資料の一字一句を見逃さぬよう、熱心に読み進めていく。

 『ジェントル・クリミナル』…本名、飛田弾柔郎か。30を過ぎてスケールの小さな犯罪動画を垂れ流す小悪党。実に許し難い! SVC(我々)が必ず逮捕してみせる!

 

 

雷鳥side

 

 さて、オールマイトに文化祭当日の件を相談してから、時間は流れ…遂に文化祭前日となった。

 ステージとなる体育館を使っての最終リハーサルも終了し、寝て起きたら9時から 文化祭のスタートだ。

 本来なら、キチンと睡眠を取るべきなのだろうが…

 

「寝れねー!」

「静かに! 寝てる人もいるから」

 

 峰田や瀬呂は遠足前の小学生のテンションになっているし、それに影響されたのか、壊理ちゃんも珍しく夜更ししている。

 

「壊理ちゃんは明日の文化祭、何か楽しみにしている事はあるのかしら?」

「えっと…おにいさんたちやおねえさんたちのバンドと…ねじれおねえさんのミス、コン? あと…メリッサおねえさんのはっぴょう」

 

 梅雨ちゃんの問いかけに考えながら、ゆっくりと答えていく壊理ちゃん。

 そう言えば、この前の日曜日に通方先輩達と会った時に、波動先輩がミスコンへ参加する事を聞いていたな。

 

「ケロケロ。楽しみな事がいっぱいね」 

「うん!」

「それじゃあ、寝坊しない為にも早く寝ないとな」

「そうね。壊理ちゃん、そろそろ寝ましょうか。今日は私と一緒に寝ましょうね」 

「はい! おやすみなさい」

 

 そう言って梅雨ちゃんと一緒に部屋に戻っていく壊理ちゃん。それを皆で見送った後―

 

「明日は、皆盛り上がってくれるだろうか?」

「そういうのは、もう考えない方が良いよ」

 

 ポツリと飯田が零した声に、耳郎がそう返した。

 

「恥ずかしがったり、おっかなびっくりやんのが、一番良くない。舞台に上がったら、もう後は楽しむ!」

 

 まるで自分に言い聞かせるように呟く耳郎に、誰もが温かい視線を送り―

 

「いやいや、耳郎めっちゃ照れてただろ」

「あれはまた違う話でしょ!」

 

 瀬呂は余計なツッコミを入れ、耳郎の反撃を食らっていた。そして―

 

「でも、耳郎さんの話、いろんな事に通じると思うよ」

「ウィ☆ 誰が為を考えると、結局己が為に行き着くのさ」

「なるほどね。うん、どこにも異常無しだね」

「こっちも異常無し。緑谷君、点検を手伝ってくれてMerci beaucoup☆」

「お役に立てて何よりだよ」

 

 青山と出久がやっていた機材の最終点検も異常無し。これで全ての準備は整った。

 

「そろそろ、ガチで寝なきゃだね」

「だな…そんじゃ! また明日やると思うけど…夜更かし組! 一足お先に…」

「絶対成功させるぞ!!」

「「「「「オー!!」」」」」

 

 切島の音頭で、その場にいた全員で気合を入れ…俺たちはそれぞれの部屋へと戻っていった。

 いよいよ本番。あとは全力を出し切り、思いっきり楽しむだけだ。

 

 

SVCside

 

「現場より連絡。容疑者は隠れ家(アジト)より動きなし。との事です」

「了解。決行は予定通り明日午前5時。各員A装備にて作戦に当たる。準備を怠るな」

「「「「了解!」」」」

 

 隊長の声に答え、俺達は作戦に向けて最後の準備に取り掛かる。見ているがいい小悪党ども。

 未来を築く若人達の晴れ舞台を荒そう等という戯けた企み。我々が必ず打ち砕いて見せる!!




最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回より、文化祭当日となります。
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