出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2 作:SS_TAKERU
お楽しみいただければ幸いです。
「お疲れさまでした」
「オ疲レサマデシタ」
17時半を少し過ぎ、同僚の先生方が帰り始めた頃―
「さて、私も…お疲れさまでした!」
書類仕事が一段落した私も、強張った体を解しながら鞄を手に取り、帰宅の途につく。
「おじさまー!」
メリッサが私へ駆け寄ってきたのは、職員室を出て数分後、正門へ向けて歩いていた頃だ。
「よかった…追いつけたわ。職員室へ行ったら、おじさまは帰宅したって聞いたから」
「あぁ、それはすまなかったね。それでメリッサ。そんなに急いでどうしたのかな?」
「おじさまからの依頼、
メリッサの言葉に、私は驚きを隠せなかった。ジェントル・クリミナルの尻尾を掴むよう、メリッサに依頼したのは3日前。
まさか、ここまで早く終わらせるとは…
「ありがとうメリッサ。だが、随分と無理をしたんじゃないかな? 睡眠や食事はキチンと取っているのかい?」
「大丈夫よ、おじさま。例の動画は…3本見たところで
「そ、そうか。頑張ってくれたね。ありがとうメリッサ」
面白さの欠片も無い動画を投稿し続けるなんて、どういうメンタルしているのかしら? と首を傾げるメリッサに微笑みながら、私は改めてこの子の才能に感心するのだった。
SVCside
「資料にある通り、
「『ジェントル・クリミナル』が雄英高校に侵入した場合の社会的影響を考慮し、長官が我々SVCの出動を決断された」
「現在、雄英高校から提供された
「文化祭当日の早朝、『ジェントル・クリミナル』の
「作戦に備え、各自準備を万全にしておくように!」
隊長の声に答え、俺達は資料の一字一句を見逃さぬよう、熱心に読み進めていく。
『ジェントル・クリミナル』…本名、飛田弾柔郎か。30を過ぎてスケールの小さな犯罪動画を垂れ流す小悪党。実に許し難い!
雷鳥side
さて、オールマイトに文化祭当日の件を相談してから、時間は流れ…遂に文化祭前日となった。
ステージとなる体育館を使っての最終リハーサルも終了し、寝て起きたら9時から 文化祭のスタートだ。
本来なら、キチンと睡眠を取るべきなのだろうが…
「寝れねー!」
「静かに! 寝てる人もいるから」
峰田や瀬呂は遠足前の小学生のテンションになっているし、それに影響されたのか、壊理ちゃんも珍しく夜更ししている。
「壊理ちゃんは明日の文化祭、何か楽しみにしている事はあるのかしら?」
「えっと…おにいさんたちやおねえさんたちのバンドと…ねじれおねえさんのミス、コン? あと…メリッサおねえさんのはっぴょう」
梅雨ちゃんの問いかけに考えながら、ゆっくりと答えていく壊理ちゃん。
そう言えば、この前の日曜日に通方先輩達と会った時に、波動先輩がミスコンへ参加する事を聞いていたな。
「ケロケロ。楽しみな事がいっぱいね」
「うん!」
「それじゃあ、寝坊しない為にも早く寝ないとな」
「そうね。壊理ちゃん、そろそろ寝ましょうか。今日は私と一緒に寝ましょうね」
「はい! おやすみなさい」
そう言って梅雨ちゃんと一緒に部屋に戻っていく壊理ちゃん。それを皆で見送った後―
「明日は、皆盛り上がってくれるだろうか?」
「そういうのは、もう考えない方が良いよ」
ポツリと飯田が零した声に、耳郎がそう返した。
「恥ずかしがったり、おっかなびっくりやんのが、一番良くない。舞台に上がったら、もう後は楽しむ!」
まるで自分に言い聞かせるように呟く耳郎に、誰もが温かい視線を送り―
「いやいや、耳郎めっちゃ照れてただろ」
「あれはまた違う話でしょ!」
瀬呂は余計なツッコミを入れ、耳郎の反撃を食らっていた。そして―
「でも、耳郎さんの話、いろんな事に通じると思うよ」
「ウィ☆ 誰が為を考えると、結局己が為に行き着くのさ」
「なるほどね。うん、どこにも異常無しだね」
「こっちも異常無し。緑谷君、点検を手伝ってくれてMerci beaucoup☆」
「お役に立てて何よりだよ」
青山と出久がやっていた機材の最終点検も異常無し。これで全ての準備は整った。
「そろそろ、ガチで寝なきゃだね」
「だな…そんじゃ! また明日やると思うけど…夜更かし組! 一足お先に…」
「絶対成功させるぞ!!」
「「「「「オー!!」」」」」
切島の音頭で、その場にいた全員で気合を入れ…俺たちはそれぞれの部屋へと戻っていった。
いよいよ本番。あとは全力を出し切り、思いっきり楽しむだけだ。
SVCside
「現場より連絡。容疑者は
「了解。決行は予定通り明日午前5時。各員A装備にて作戦に当たる。準備を怠るな」
「「「「了解!」」」」
隊長の声に答え、俺達は作戦に向けて最後の準備に取り掛かる。見ているがいい小悪党ども。
未来を築く若人達の晴れ舞台を荒そう等という戯けた企み。我々が必ず打ち砕いて見せる!!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回より、文化祭当日となります。