出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2 作:SS_TAKERU
お楽しみいただければ幸いです。
第52話:B組との合同戦闘訓練
出久side
夢の中で過去の光景を垣間見、歴代継承者の皆さんと話した事で『ワン・フォー・オール』の
「ふぅぅ…」
大体20km程走ったところで、予め設定しておいたスマホのアラームが鳴り、時刻を告げる。
「5時20分か」
あと25分で朝食作りが始まる。その前に汗を流しておこうと
「おう、お帰り」
台所では既に、雷鳥兄ちゃんが調理を始めていた。
「雷鳥兄ちゃん、早いね」
「何となくだが、お前が外に出るのを感じて目が覚めたんでな。ちょっと手の込んだ朝飯を作ろうと思って、早めに降りてきた」
そう言いながら雷鳥兄ちゃんは、手早く『バナナと小松菜のスムージー*1』を作り、コップに入れて僕に手渡してきた。
「ありがとう!」
「それ飲んだら、シャワー浴びてこい。汗だくで台所に入るのは、色々と問題だからな」
「うん!」
僕はスムージーを一気に飲み干し、シャワーを浴びに浴室へ向かう。そして大急ぎで汗を流し―
「それじゃあ朝食作り、始めていこう」
5時45分からの朝食作りへ、いつも通りに参加するのだった。
雷鳥side
昼休み、俺は出久と共に仮眠室を訪れ―
「初代の記憶…! 見たか…!」
出久が見たという『夢』の話をオールマイトへ報告していた。
「あれは、オール・フォー・ワンの記憶でもありました。
「あぁ、その後お師匠…7代目継承者から『面影』の存在を教わった。君達に成り立ちを伝えられたのも見たからこそさ」
「僕が見たのは、
-今の君は『ワン・フォー・オール』を60%近くまで扱える。この先もそう遠くない時期に見る事が出来るだろう-
-君の中で未だ眠っている歴代継承者。その内2人はもう殆ど覚醒している。何か
「ふむ…歴代継承者の皆さんからの接触は、神野区の戦いに続いて2度目。私は経験しなかったし、お師匠にもそう教えられた」
「私の知る限りじゃ、緑谷少年だけに起きている現象だ。だから、この件に関して私からアドバイス出来る事は、殆ど無い…すまないね」
「いえ! こうやって話を聞いていただけて、情報を共有出来るだけでも、気持ちが楽になります!」
出久の声に、オールマイトは優しく微笑み―
「その代わりと言っては何だが…お師匠の前に『ワン・フォー・オール』を継承した皆さんについて、私なりに
と、実に頼れる事を言ってくれた。
オールマイトの調査が文字通りの命綱だな。
「午後から演習だったね。今日のところはこの辺にしておこうか」
「「はい!」」
話が一段落したところで、オールマイトと共に仮眠室を出る俺と出久。
「おやおや、お三方。相変わらず仲のよろしい事で」
そこへ声をかけてきたのは、俺達と同じタイミングで職員室を出た相澤先生。
「相澤君! 違うんだ、これは彼らから強引に!」
「浮気現場抑えられた。みたいなノリやめて下さい。サムいので」
「吸阪、緑谷、早めにアップを済ましとけよ。今日は忙しいぞ」
オールマイトの慌てた演技をバッサリと切り捨てた相澤先生は、俺達にそう告げると早足で歩いて行った。今日は忙しいか…確かにその通りだな。
さて、
「ワクワクするねー」
「葉隠、寒くないの?」
「めっちゃ寒ーい!!」
「…根性だね」
「私冬仕様~。カッコイーでしょーが!」
ある程度の緊張感を保ちつつも、そんな事を話しながら、集合場所へと向かっていた。
「入学時と比べると、だいぶ皆のコスチュームも様変わりしてきたな」
「飯田も、
飯田の言葉に対する砂藤の声に、内心頷いていると…
「おいおい、まー随分と
「僕らをなめているのかい?」
風の音が聞こえた直後、まるでタイミングを狙っていたかのように、聞き覚えのある声が響いてきた。
「お! 来たなァ!! なめてねーよ! ワクワクしてんだ」
「フフ…そうかい。でも残念。波は今、確実に僕らに来てるんだよ…」
「さァA組!! 今日こそシロクロつけようか!?」
切島の声に下種そのものな顔をしながら叫ぶ物間。だが、気づいているか? お前の周りにいるB組連中は、誰もが
だが、物間はその視線に気づく事なく…
「見てよ、このアンケート。文化祭でとったんだけどさァーア!」
「A組ライブとB組超ハイクオリティ演劇、どちらが良かったか! 見える!?」
「二票差で僕らの勝利だったんだよねぇ!!」
高笑いと共にアンケート用紙を見せてきた。そこにはたしかに2票差でB組の方が高評価を得ている。
「マジかよ! 見てねーから何とも言えねー!!」
驚きの表情でアンケート用紙を見つめる切島や耳郎には悪いが…
「入学時から続く
「そして今日!! A
「黙れ」
俺達を煽り続ける物間の首を、相澤先生が捕縛布で締め上げて黙らせたのを合図に、俺は皆よりも前に出る。
「奇遇だな物間。実は俺も
「…え?」
「メリッサさんに協力を依頼してな。
そう言って差し出したのは、1-A及び1-Bを除く全校生徒のうち、条件に合致する171人全員から取ったアンケート。その結果は…
「A組121票、B組50票。B組の得票数が
「物間、まさかとは思うが、自分に都合の良い結果が出たから…
「………」
「ま、いいか。
青い顔をして黙り込む物間にそう告げて、俺は先生方にその場を任せる為に後ろへ下がる。
「……あー…物間、思慮に欠けた行動は慎むように…いくら何でも、これ以上のやらかしは庇いきれん」
「…はい」
ブラドキング先生からの叱責と、周囲からの何とも言えない視線に縮こまり、蚊の鳴くような声で答える物間。まったく、いい加減に学習してほしいものだ。
「では! 気を取り直して、戦闘訓練を開始する!」
「今回はA組とB組の対抗戦!! 舞台はここ、運動場γの一角!!」
「双方、4人組を作り一チームずつ戦ってもらう!!」
ブラドキング先生の声が響き、説明が進んでいく。相澤先生は…黙って立っているだけか?
「今回の状況設定は、『“
「
「シンプルで分かりやすいぜ。なぁ? 鉄哲」
「あ、あぁ…そ、そうだな!」
鎌切の問いかけに、そう答える鉄哲。どうやら、
「ヒーローであり、相手にとっては“
「ヒーローでよろしいかと!」
生真面目であるが故に、悩みだした飯田にそう答える八百万。そうだな、その方が色々とやりやすい。
「双方の陣営には『激カワ据置プリズン』を設置。
「「「「「緊張感よ!!」」」」」
『激カワ据置プリズン』のデザインに、その場の誰もがツッコミを入れたが、それも束の間。
「B組は今回、A組に
「A組は格上だからと油断する事無く、全力で臨むように」
「「「「「はい!!」」」」」
双方の担任から活を入れられ、一気に気合を入れていく。
「じゃ」
「クジな」
そのままチーム分けのくじ引きが行われ―
「それでは、全試合の組み合わせを発表する!」
全5試合の組み合わせが決定した。
「第1試合! A組、切島、口田、心操、蛙吹。B組、宍田、円場、鱗、塩崎」
「第2試合! A組、青山、常闇、葉隠、八百万。B組、黒色、吹出、拳藤、小森」
「第3試合! A組、飯田、尾白、障子、轟。B組、回原、鉄哲、骨抜、角取」
「第4試合! A組、砂藤、吸阪、瀬呂、耳郎。B組、泡瀬、鎌切、凡戸、取蔭」
「第5試合! A組、緑谷、峰田、芦戸、麗日。B組、庄田、物間、小大、柳」
「スタートは双方共に自陣から。制限時間は20分。時間内に決着がつかない場合は、残り人数の多いほうが勝利とする」
「それでは、10分後に第1試合を開始する。全員準備に入れ」
ブラドキング先生、そして相澤先生の声に答え、全員が動き出す。そこへ…
「オールマイトとミッドナイトが来たー!」
オールマイトとミッドナイト先生が見学にやってきた。ミッドナイト先生は、芦戸からの熱愛? なんて問いかけを、年上は対象外とサラリと流し―
「どっちが勝つと思います?」
「どうだろうね。これまでの実績や地力で考えるなら、A組が圧倒的に有利だ。しかし……仮免試験後から今日までの
オールマイトとそんな会話を交わしていた。ふむ、
「おーい、皆。集合」
そんな事を言われちゃ、こっちとしても
「今回の戦闘訓練。ブラドキング先生の言っていたように、俺達は胸を貸す側だ。油断は論外だとしても、それなりに
「目指すは完全勝利。
俺の言葉に、皆も何かしら思うところがあったのだろう。再度気合を入れなおし、準備に取り掛かる。
さぁ、完全勝利を目標に頑張ろうじゃないか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。