出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2 作:SS_TAKERU
少し短いですが、お楽しみいただければ幸いです。
「私を囮に奇襲を仕掛けた上、失敗して投獄…!?」
「あぁ、なんて罪深き所業でしょう。鞭打ちの刑を受けてもらい、
敬虔だったり、正攻法を好むのは
「とりあえず、鞭打ちの件は置いておこう。今肝心なのは、この不利な戦況からどうやって逆転するか…だ」
「…そのとおりですね。今は勝利する事を最優先に考えなくては……」
俺の言葉で気を取り直し、思考に没頭する
「A組と比較して我々が勝っている点は…1つ、『広範囲かつタイムラグ無しの索敵が行える』。2つ、『広範囲攻撃が行える』。3つ、『相手の射程外からの射撃攻撃が行える』。この3つです」
「この3つを活かした戦術を考え、実行するべきかと」
纏めた考えを発表してくれた。
「索敵自体は
俺達2人に出来る事、出来ない事を考慮に入れ、作戦を整えていく。見てろよ…逆襲はここからだ!
「教えてあげなくては…
……大丈夫だよな?
心操side
気絶した
「…と、あの2人は考えている筈だ」
俺は
「そうね。2人の出来る事、出来ない事、数的不利、残り時間…それら全てを考慮したら、そう動く確率が一番高いわね」
「すげぇな心操。そこまでの予想、俺にはとても無理だ!」
「心操君は立派な指揮官になれると思う」
「コピーした緑谷の分析ノートを、穴が開くほど読み込んだ結果だ。この程度の予想、緑谷や吸阪なら文字通り朝飯前だよ」
「ッ!?」
「クルル…」
「感謝します」
その時飛んでくる数羽の鳩。
「正面から塩崎さんと鱗君!!」
「ツルで広範囲を探りながら、こっちに向かってる。この子達が近づいたら、鱗君に攻撃されて追い払われたって!!」
「索敵の範囲は!?」
「半径90m弱!
「心操ちゃんの予想通りね。茨ちゃんの『ツル』で広範囲を索敵しつつ、最短距離を突撃。接近してきた目標を鱗ちゃんの遠距離攻撃で迎撃しつつ…」
「俺達が
「結界内に侵入を確認。数4。1つに纏まり、こちらへ向けて接近中」
「来たな…
「かしこまりました!」
我が結界であるヴィア・ドロローサ。その間合いは最高で半径86m。この範囲内にいる限り、敵がどれだけ素早く、静かに近づこうとも即座に感知し、捕えてみせましょう!
「そこです!
そして発動する
「これは…4人捕らえた筈、何故1人にっ!?」
「原理はわかりませんが、卑劣な
声を張り上げながら戒めを強める為、『ツル』を操作しようとしたその時!
「
「どうなってんだよっ!?」
予想外の事態に動揺しつつも、
「
両手から鱗を弾丸のように連射して迎撃を試みますが、高速で回転する
「ちぃっ!」
間一髪!
「のわぁっ!」
「は、鳩達よ! 操られてはなりません!」
間髪入れず飛来した鳩の群れが私達へ殺到! 私達はその場へ釘付けとなってしまいました。
1秒、いえ0.5秒でも鳩達の動きが治まれば“個性”が使えるのですが、この状況ではどうする事も!
「ぐはぁ!」
その直後、苦悶の声をあげながら吹き飛ばされていく
鳩達が飛び去り、視界が開けたことで、その理由が
「2対1…いえ、3対1ですか」
今、私の前には
心操さんの姿は見えません…どこかに隠れているのでしょうか?
「悪い事は言わないわ。投降してちょうだい」
「ご冗談を、B組の一員として投降など―」
その瞬間、私の意識は途切れ…次に目覚めた時には、A組側の『激カワ据置プリズン』に入っていました。いったい何が起きたと言うのでしょう…神よ、願わくば、私にこの状況を理解する知恵をお与え下さい…。
「第1試合! ぐぬぬぬぬぬ…A組の勝利!」
心操side
「ふぅ…」
ブラドキング先生が悔しそうに発した試合終了のコール。それを聞きながら、俺は小さく息を吐いた。
たしかに俺の予想が的中し、作戦も上手く嵌った。だが、それは蛙吹が宍田の不意打ちを読んでいたおかげであり、緑谷の分析ノートのおかげでもある。
俺1人だったら、ここまで上手くやる事が出来ただろうか…多分、無理だ。
「俺もまだまだだな…」
半ば自嘲するように呟き、更なる精進を心に決めていると―
「何言ってんだよ! 心操!」
そう言われながら、切島に思いっきり背中を叩かれた。
「あのダミーバルーンだっけ? あんな囮を使って、塩崎の探知を欺くなんて事、俺にはとても思いつかねぇ! 凄い事やったって皆感心してる筈だぜ!」
「ペルソナコードで蛙吹さんの声を再現しただけじゃなく、その外套で透明化する念の入れよう。きっとB組は何が起きたのかもわからず、混乱しているよ」
「そうね。この試合の後半は、まさに心操ちゃんの独壇場。MVP間違いなしね」
切島、口田、蛙吹から口々に賞賛され、俺は思わず上を向いた。そうしないと涙が零れそうだったから…。
ブラドキングside
試合を終え、戻って来た4人の前に立った俺は―
「試合の反省点だが、もう自分達でわかっているな?」
そう問いかけた。黙って頷く4人。
「宍田を軸にするか、塩崎を軸にするか、チーム内での統率が取れていれば、ここまで一方的な内容にはならなかった筈だぞ!」
「宍田、たしかに塩崎は人を欺くような行為を嫌う。だが、キチンと話をしていれば、受け入れていたかもしれない。間違った配慮は自分だけでなく、味方にも危機を招く事を自覚するように!」
「申し訳ありません! 私が心得違いをしておりました!」
「塩崎も、正々堂々を心掛ける姿勢は好ましいが、現場では時として策を弄する必要もある事を理解するように!」
「己が未熟を痛感しております…」
「円場と鱗、お前達はもっと積極性を出すべきだったな。宍田と塩崎、どちらかに付いて行くのではなく、2人の意見を擦り合わせる事も出来たはずだ」
「はい」
「すみませんでした」
「各自、今回の反省点を次回に活かすように!」
一礼し、戻っていく4人を見送り、俺はマイクを掴む。
「それでは、第2試合を開始する! 出場チームは準備を!」
とうとうこの時がやってきましたわ。B組委員長である拳藤さんとの直接対決。
私…今の彼女に対し、一言、いえ二言…五言……十言ほど言いたい事が溜まっております。
だから、この合同戦闘訓練の場を借りて…彼女に
必要ならば心を鬼にする覚悟。拳藤さん、お覚悟はよろしくて?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
合同戦闘訓練。第2試合以降の組み合わせは以下のようになります。
第1試合(終了) 〇A組(切島、口田、心操、蛙吹) 4-0 B組(宍田、円場、鱗、塩崎)×
第2試合 A組(青山、常闇、葉隠、八百万)vsB組(黒色、吹出、拳藤、小森)
第3試合 A組(飯田、尾白、障子、轟)vsB組(回原、鉄哲、骨抜、角取)
第4試合 A組(砂藤、吸阪、瀬呂、耳郎)vsB組(泡瀬、鎌切、凡戸、取蔭)
第5試合 A組(緑谷、峰田、芦戸、麗日)vsB組(庄田、物間、小大、柳)