出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2   作:SS_TAKERU

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お待たせしました。
少し短いですが、お楽しみいただければ幸いです。


第55話:合同戦闘訓練第2試合‐その1‐

常闇(ツクヨミ)side

 

 第2試合開始に向け、それぞれの自陣へと向かっていた中―

 

「………とこやみ、おまえは…俺と同類だ」

 

 不意に黒色支配(ペンタブラック)が声をかけてきた。

 

「黒色支配…“個性”は()()()()()()()()()()()()()()()()()()…だったな」

「ケヒヒ…俺とおまえは…宿()()()()()

「ホホウ…貴様も深淵の理解者ということか」

「ヒヒ…(とこ)しえの黒に住む」

 

 お互いだけが理解出来る言い回しで、言葉を交わし…同時に背を向けて歩き出す。

 そんな我らを見て、葉隠(インビジブルガール)が声を上げていたが…どうでもいい事だ。

 

 

青山さん(Can't stop twinkling.)常闇さん(ツクヨミ)葉隠さん(インビジブルガール)。作戦をお伝えします」

 

 自陣に到着したところで、俺達は八百万(クリエティ)から作戦を授かり、試合開始に備える。

 この試合は、ある意味八百万(クリエティ)拳藤(バトルフィスト)()()()()()

 どちらの知略が上回るか…楽しみなものだ。

 

 

黒色支配(ペンタブラック)side

 

「お互い相手側の“個性”は大体知ってる。だけど…新技を使われたり、“個性”が伸びてたりすると()()()()()()される」

「だから、最初は()()()で来る筈。多分…」

 

 試合開始前、拳藤(バトルフィスト)が少し自信無さげに予想した通り、試合開始と同時に突っ込んで来たのは、常闇(ツクヨミ)黒影(ダークシャドウ)

 

「クケケ…打合せ通りだな」

「任せるよ黒色(ペンタブラック)

 

 俺は拳藤(バトルフィスト)と短く言葉を交わし、その前に立つと―

 

「マズハオ前カラブッ飛バシチマウゼ!!」

()()()()()()

 

 “個性”を発動。黒影(ダークシャドウ)と一体化する事で、その動きを支配。

 

「ナァッ…」

「さぁ、行こうか黒影(ダークシャドウ)

 

 A組陣地へ最高速で戻らせていく。

 30秒と経たないうちに、B組陣地(こっち)へ向かっていた常闇(ツクヨミ)達を発見。

 

「あ、戻ってきた」

 

 何も気づいていない奴らに、俺は内心笑みを浮かべながら接近。

 

「皆散れ! 戻れ(ダーク)―」

 

 異変に気付いた常闇(ツクヨミ)へ、一撃を叩き込んでから黒影(ダークシャドウ)と分離した!

 

黒影(ダークシャドウ)の中から、黒色くん(ペンタブラック)が!」

「フッ!」

「ケヒヒ!」

 

 驚愕の声を上げる葉隠(インビジブルガール)、咄嗟に網を投げつけてきた八百万(クリエティ)に笑い声を残しながら、俺は頭上を通る太いパイプ、それに出来た影へ体を溶け込ませていく。

 

「常闇踏陰。おまえは俺が穿つ」

 

 そして、首から下を溶け込ませたあたりで、常闇(ツクヨミ)を挑発すれば―

 

「良いだろう。貴様の挑戦、我が全身全霊を以て受けて立つ」

「クケケ…」

 

 予想通り奴は乗ってきた! この勝負、勝てる!

 

「全身全霊と来たか! 良いじゃねえか、見せてみろ!」

 

 そう言い残し、完全に影へと溶け込んだ俺は、影の中を移動しながら奴らの隙を窺う。

 

「影の中を移動しています!」

「単騎突撃とは、想定外!」

 

 仲間からそんな声が上がる中、無言のまま油断なく構えている常闇(ツクヨミ)

 

 -常闇踏陰。おまえは俺が穿つ-

 

 この言葉で、狙いはこの俺…! 宿敵! とか思ってんだろ? 全ては試合前から仕込んでおいた精神的トラップ!

 俺は陰謀ヒーロー・ペンタブラック。これが俺のやり方さ。

 

「もらった…」

 

 俺は音も無く青山(Can't stop twinkling.)の背後に移動し、そのマントを掴む為にゆっくりと手を…

 

「やっぱり、()()()()()()()ね♪」

「は?」

 

 振り返りもしないまま青山(Can't stop twinkling.)の口から発せられた言葉に、俺が一瞬呆けた直後…奴の手から何か丸い物が零れ落ち、強烈な閃光を放った!

 

「ぬぁぁぁぁぁっ!」

 

 閃光によって周囲の影は全て消されてしまい、俺は目が眩んだまま姿を晒してしまった。このままじゃ拙い! 何とか影に、黒に潜ま―

 

「黒をお探しか?」

 

 そんな声と共に、俺へと被せられる何か。俺は無我夢中でそれによって生じた影に溶け込んだけど…

 

「俺の外套に躊躇いなく飛び込むとは…溺れる者は藁をも掴む。とはよく言ったものだ」

「ッ!?」

 

 それが罠だと悟った時にはもう手遅れだ。外套は丸められた上に、常闇(ツクヨミ)の手でガッチリと固められている。

 このまま『激カワ据置プリズン』へ放り込まれれば、それで終わりだ。

 

「では、()()()()()()()()

 

 だが、常闇(ツクヨミ)は俺を『激カワ据置プリズン』へ放り込まず、俺を手にしたまま1人別行動を取るようだ。

 なんだ? 何を考えている? いや、それよりも…この状況を拳藤(バトルフィスト)達に伝えないと!

 拳藤(バトルフィスト)吹出(コミックマン)小森(シーメイジ)A組(こいつら)は俺達の想定を()()()()()()()()! 俺達の作戦は―

 

「ぬぁっ!?」

 

 突然、常闇(ツクヨミ)が外套を手放し、俺は自由を取り戻した。影の外に出て周囲を見渡すと、そこは運動場γで数少ない開けた場所。

 

黒色(ペンタブラック)、先程の黒影(ダークシャドウ)を支配した手並。実に見事」

「察しの通り、八百万(クリエティ)がお前達の策を読んでいた為、敢えて隙を見せた部分もあるが、それはそれ…決着はキッチリつけさせてもらう」

 

 そう言うと黒影(ダークシャドウ)を引っ込めたまま、何やら拳法らしき構えを取る常闇(ツクヨミ)

 

「クケケ…“個性”抜きの殴り合いをご所望か?」

「そういう事だ」

「面白い…()()()()()()()()()()()()()()」 

 

 さっき常闇(ツクヨミ)が言った言葉を真似しながら、俺も構えを取る。

 俺と常闇(ツクヨミ)の身長差は約20cm。手足のリーチ差は圧倒的だ。

 黒影(ダークシャドウ)を身に纏った深淵闇躯(ブラックアンク)を発動しているならいざ知らず、生身の状態でこの差を覆そうなんて、()()()()()()ぜ!

 

「シィッ!」

 

 リーチ差を有効に活かす為、攻撃は蹴り主体。下段(ロー)中段(ミドル)上段(ハイ)を的確に使い分け、常闇(ツクヨミ)の間合いの外から攻め続ける。

 

「ハハッ! どうした常闇(ツクヨミ)! 避けてばかりか?」

「言われるまでもない」

 

 俺の挑発に乗り、蹴りの途切れた隙を突いて突っ込んでくる常闇(ツクヨミ)。だが、そう来る事は想定内。カウンターの蹴りを叩き込んで終わりだ!

 

 

常闇(ツクヨミ)side

 

 と、黒色(やつ)は思っているだろう。実際、カウンターを取るのに最適のタイミングで、こちらも飛び出したからな。

 だが、黒色(ペンタブラック)よ。忘れてはいないか? 深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている事を…

 俺の左脇腹へ直撃するコースを進む黒色(ペンタブラック)の右足へ、払うように左腕を叩きつけてその動きを止め、同時に右の拳を振るう。

 顎を狙って振るった拳は、黒色(ペンタブラック)の左掌で防がれたが、()()()()()

 間髪入れず、右の掌で黒色(ペンタブラック)の左手を抑えつける様に封じ、左の一撃を()()()()()()()()()()()()

 そのまま左の掌で黒色(ペンタブラック)の右腕を抑え、再度右拳の一撃! 更に左拳! 更に右拳!

 

「………」

 

 顎への3連打を受け、膝から崩れ落ちる黒色(ペンタブラック)

 

「雄英体育祭に向けての特訓を重ねていた折、吸阪からアドバイスを受け、尾白の指導を受けながら鍛錬を重ねてきた拳法。朧気乍ら形になってきたな」

 

 気絶した黒色(ペンタブラック)黒影(ダークシャドウ)と共に抱え、『激カワ据置プリズン』へ投獄する為に運んでいく。

 投獄を終えたら、八百万(クリエティ)達に加勢しなくてはな。

 

 

拳藤一佳(バトルフィスト)side

 

「クロハナビラタケくん、キシメジちゃん、エノキタケにヒトヨタケ!」

「生えろや生えろ。世界をキノコ(わたし)で魅了しろー!」

 

 希乃子(シーメイジ)が“個性”を全開で発動して、あたり一面を茸で覆いつくしていく。

 常闇(ツクヨミ)黒影(ダークシャドウ)を支配して飛んでいった黒色(ペンタブラック)はまだ戻ってこない。

 向こうの方で強烈に光ったから、黒色(ペンタブラック)対策として、A組(むこう)が光を使ったのは間違いない。

 だったら、取るべき作戦はプランB。これで間違いない…筈だ。

 

「うわー、きのこが、きのこが、はえてきたー!」

「シルエットみえちゃうー! はずかしー!」

 

 そこへ聞こえてきたA組の焦ったような声。やった! プランBは()()()()()()()

 

吹出(コミックマン)!」

「ゴンッ」

「ガンッドガッ」

「あー~~~」

「ズドッズンッ」

 

 私の声と共に、吹出(コミックマン)が最大音量で発声。発した擬音(オノマトペ)が周囲の施設を薙ぎ倒し、巨大な壁となった。

 

「よし!」

 

 入り組んでいる上に、キノコまみれで視界は最悪だけど、狙い通り八百万(クリエティ)を分断出来たみたいだ。

 あとは気付かれないように接近して…

 

格闘(とくい)分野、力で押し切る!」

 

 頭上から攻撃を仕掛ける!

 

「くっ!」

 

 咄嗟に防御を固める八百万(クリエティ)。でも、そんな事で私の攻撃は防げない。防御ごと吹っ飛ばす!

 

「想定通りですわ」

 

 だけど、攻撃が命中する直前に八百万(クリエティ)の呟いた言葉が、私に失敗を悟らせた。

 攻撃が命中した瞬間、人間の体から出る音としてはあまりに異質な…まるで機械を物理的に壊した時を彷彿とさせる硬質な音を響かせて、八百万(クリエティ)の両腕は()()()()

 

「お覚悟を」

 

 それと同時に突き出された八百万(クリエティ)本来の両腕。その両手に握られていた2挺の拳銃(ハンドガン)から乱射されたゴム弾が、私の全身に容赦なく撃ち込まれた。

 

 

八百万(クリエティ)side

 

「貴女が破壊したこれは、試合開始までの時間で創造した(つくった)…名づけるなら簡易外装腕ですわ」

「簡単な動きを3つほど行えるだけの簡素な構造ですが、その分見た目には気を使いました」

 

 パッと見では本物の腕と思ってしまうほどに…そう言いながら、私は両手に持った拳銃(ハンドガン)弾倉(マガジン)を交換しつつ、拳藤さん(バトルフィスト)の動きに目を配る。

 25口径のゴム弾を十数発撃ち込みましたが、急所は全て外していたので、決定的なダメージは与えられていない筈。

 逆を言えば、この程度のダメージで終わるのであれば…

 

「ま、まだまだ…」

 

 そんな声と共に、両足に力を入れて立ち上がる拳藤さん(バトルフィスト)。良かった、最悪の展開にならずに済みましたわ。

 私、貴女に言いたい事がたくさんあるんです。さぁ、お覚悟はよろしくて? 




最後までお読みいただき、ありがとうございました。
合同戦闘訓練の状況は以下のようになっております。

第1試合(終了) 〇A組(切島、口田、心操、蛙吹) 4-0 B組(宍田円場塩崎
第2試合(試合中) A組(青山、常闇、葉隠、八百万) 4-3 B組(黒色、吹出、拳藤、小森)
第3試合 A組(飯田、尾白、障子、轟)vsB組(回原、鉄哲、骨抜、角取)
第4試合 A組(砂藤、吸阪、瀬呂、耳郎)vsB組(泡瀬、鎌切、凡戸、取蔭)
第5試合 A組(緑谷、峰田、芦戸、麗日)vsB組(庄田、物間、小大、柳)
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