出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2 作:SS_TAKERU
お楽しみいただければ幸いです。
出久side
「
第3試合開始と同時に
そのまま間髪入れずに
「
「緑谷、声」
「緑谷君、声が漏れてるよ」
「えっ!?」
耳郎さんと麗日さんからの指摘で、思考に夢中になる余り、声が出ていた事に気づく。あぁ、またやってしまった。
なかなか直らない悪癖を反省していると―
「轟…あんなの、アリかよ…」
「て、鉄哲達は無事なのか!?」
「だ、大丈夫! 4人とも生きてる! 生きて…あぁっ! 4人が分断された!」
「鉄哲! 逃げろぉ! あんなの…あんなの相手に、
B組の皆は半ばパニックを起こし、悲痛な声を上げていた。
………気持ちは解らないでもないけど、冷静さを欠き過ぎじゃないかな? そんな風じゃ―
「皆、落ち着いて!」
そんな僕の思考を打ち切ったのは、拳藤さんが発した声。その大声にB組の皆も たちまち黙り込んだ。
拳藤side
「皆、たしかに轟のアレは、ヤバイくらい恐ろしいと思う。私も…鳥肌が収まらない」
「だけど、鉄哲が前に進む為には…逃げちゃいけないんだ。もしも逃げたら…鉄哲は、ヒーローとしての資格を
「信じよう! 鉄哲を! 鉄哲なら絶対にこのピンチを乗り越えてくれる筈。“
最初の大声で黙り込んだクラスメート達に、私は自分の思いを真正面からぶつけていく。すると…
「そう、そうだよな。ヤバイ相手だからって、何もせずに尻尾巻いて逃げるなんて、ヒーローを目指す者として失格だよな」
「ファイトですぞ! 鉄哲氏! 今こそ“
「鉄哲! 頑張るノコ!」
「鉄哲だけじゃねぇ! 回原! 骨抜! 角取! 全員ファイトだ!」
さっきまでの悲痛な雰囲気から一変。皆が一斉に鉄哲達を応援し始めた。
「オラオラオラァッ!」
“個性”全開で
「はぁぁぁっ!」
「ちぃっ!」
やる筈だったけど、
何なんだよ、そのトンファー! 俺の攻撃を防ぎ続けているのに、傷一つ付かない! それどころか、こっちの指先に装着した金属製サックの方がダメージを負って、ヒビが入る始末だ。
「仕方ない!」
俺はわざとドリルキックを防がせ、その反動を使って
「させるか!」
すると
「そう来る事はお見通し!」
俺はドリルキックで飛んできたトンファーを明後日の方向に蹴り飛ばし、素早く金属製サックを予備の物と交換する。
これで
「っ!」
いいぜ、そっちが覚悟を決めているなら、こっちも正面から受けて立つまでだ。
「はぁっ!」
気合と共に回転し、その勢いを乗せた尻尾の一撃を放つ
だが、今の俺なら十分に対応出来る。左のドリルパンチで尻尾の一撃を弾き、右のドリルパンチを叩き込んで勝負を決める!
「もらったぁ!」
100%の確信を持って放った左右のドリルパンチ。これが決まって勝負あり。その筈だった。
「がはっ…」
だけど、攻撃を受けたのは俺の方。なんで…
その疑問に
「尾白流格闘術! 回転三連撃!!」
俺は連続攻撃を受け、吹っ飛ばされてしまう。
「テイルスピア…やっぱり、発動すると痛いなぁ」
意識が途切れる瞬間…そんな声が聞こえた気がした。
「
「…怖がられるのは慣れている」
「だから、一気に
「望むところだ」
「THNDER HORN!!」
「変幻自在の軌道…だが、
だけど、
「だけど…防ぐダケでは勝てないネ!」
私は4本の角を一ヶ所に集結サセルと、盾で凌げナイよう一点集中攻撃! どんなに強固な
「それを待っていた」
だけど、
「
全力の振り下ろしで4本の角を一気に叩き落シ、その内3本を
「だけど、まだ―」
角は1本残ってると続けたかったケド…それは無理ダッタね。
「
「あぁ、ありだ」
この後、私ハ角が生え変ワルまでの時間を稼ぐ事ガ出来ず、
「くそっ、放せ! 放せよ!
「断固として断る!」
タックルを仕掛けてきた
駄目だ! 両手が使えれば対処の仕様があるんだが、
そうしている間にも、
「
「なおかつ! 地上ではなく、
「なっ!?」
遂には背中の
「噓、だろぉ!」
「インゲニウムは陸だけでなく、
そう言いながら一気に50m近く上昇した
「うぉぉぉぉぉっ!!」
自分を起点に猛烈な勢いで大回転!
「ぬぁぁぁぁぁっ!」
5回転、10回転…竜巻の様な勢いで振り回され続けた事で、平衡感覚を完全に奪われた俺は、その勢いのまま投げ飛ばされ…
「レシプロ! ストォォォムッ!」
空中で不様にバタつきながら、
「ち、くしょ…」
車に撥ねられた猫のように宙を舞い、地面へと落下していく途中で…
目を覚ました時、
「人が気にするなって言ってるのに、いつまでもウジウジしやがって…」
「お前…いつから
「な…」
「後悔させてやるよ…舐めた態度を取り続けた事をな」
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
火傷しそうなほどの熱気がぶつけられているのに、冷や汗が止まらない。
頭の中で『逃げろ』って言葉が何十、何百と浮かんでくる。出来る事なら今すぐ逃げ出したい。だけど…背中を見せたら、間違いなく…撃たれる!
「う、う…うわぁぁぁぁぁっ!」
悲鳴じみた声を上げながら、俺は
「ビビった挙句に自棄起こして突撃…ふざけんな!」
だけど、その選択は
「攻撃が大振りで隙だらけ!」
「がはっ…」
「ただ硬いだけで、工夫が無い!」
「ごほっ…」
「“個性”頼りのつまらねぇ戦い方だ!」
「げぼっ…」
一方的に殴られ、蹴られ、無様に地面を転がる…強ぇ…わかっていたつもりだったけど、こんなに…力の差があるのかよ。
「お前、雄英体育祭前に言ってたよな…」
-A組だけがヒーロー科じゃねぇんだぞ! 俺達B組も忘れてもらっちゃあ困るぜ、おい!-
「デカイ口叩いておいてこの様か? お笑いだな」
「お前…何の為にヒーロー目指してんだ?」
「な、んの為…」
「お前にだってあるんだろう! 自分の思い描く
自分の思い描く
「鉄哲! 頑張れー!」
…ん?
「鉄哲! 立て! 立つんだ!」
微かに聞こえてくる…この声って…
「負けるなー! 鉄哲ぅ!」
「B組の意地、見せてやろうぜ! 鉄哲!」
間違いない! 皆だ!
「鉄哲! ファイト!」
「鉄哲さん!」
B組の皆が、俺を応援している!
「ファイトですぞ! 鉄哲氏! 今こそ“
「鉄哲! 頑張るノコ!」
マイクまで使って…こんな俺を!
「鉄哲! 私だって立ち直れたんだ。アンタだって絶対出来る!」
拳藤! お前も…そう言ってくれるのか!
「鉄哲…B組の奴らがお前をこれだけ信じているのに…お前がお前を信じなくてどうする」
「そうか…
徹底的にボコボコにされて、体中ボロボロ…正直、立ってるのがやっとだ。だから…
「この一発で…」
「この一発で…勝負だぁぁぁっ!!」
残る力全てをこの一撃に籠める!
「…来い!」
「うぉぉぉぉぉっ!」
俺の
その最後の力を振り絞った一撃を、俺は正面から受けて立ち―
「轟…お前、良い役者になれるぜ」
「俺がなるのはヒーローだ」
「だよな…」
「20分経過! 第3試合終了!!」
「投獄数…3-0。A組の勝利!!」
ブラドキング先生の声が響き、“個性”を解除した瞬間…強烈な
「くそっ…」
思わず膝を突きそうになったその時、背後から伸びた手が俺を支えてくれた。
「大丈夫か? 轟君」
「委員長…悪い、助かった」
「やはり相当な無理をしていたか…」
「あぁ…初手の
「まったく…委員長として、そんな無茶をした君を叱らなければならない! だが…鉄哲君は、立ち直れたのかい?」
「あぁ…もう大丈夫の筈だ」
「そうか…ならばその点を考慮して、叱るのは無しにしよう!」
「……随分と柔軟な思考だな」
「僕だって成長してる! いつまでも四角四面なだけじゃないさ!」
飯田の肩を借りて歩きながら、そんな事を話していく。吸阪の言っていた完全勝利とはいかなくなったが…きっとこれで、良かった筈だ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
合同戦闘訓練の状況は以下のようになっております。
第1試合(終了) 〇A組(切島、口田、心操、蛙吹) 4-0 B組(宍田、円場、鱗、塩崎)×
第2試合(終了) 〇A組(青山、常闇、葉隠、八百万) 4-0 B組(黒色、吹出、拳藤、小森)×
第3試合(終了) 〇A組(飯田、尾白、障子、轟) 4-1 B組(回原、鉄哲、骨抜、角取)×
第4試合 A組(砂藤、吸阪、瀬呂、耳郎)vsB組(泡瀬、鎌切、凡戸、取蔭)
第5試合 A組(緑谷、峰田、芦戸、麗日)vsB組(庄田、物間、小大、柳)