出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2   作:SS_TAKERU

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お待たせしました。
少し短いですが、お楽しみいただければ幸いです。


第59話:合同戦闘訓練第4試合‐その1‐

雷鳥side

 

 さて、第3試合もA組(俺達)の勝利となった訳だが…

 

「訓練シナケレバ強クナレナイトハ」

「養護教諭ヲコッチヘ呼ベバ良イ。人間ハ非効率ダ」

 

 轟によってボコボコにされた鉄哲は、ロボットの手でリカバリーガールの下へ搬送され―

 

「轟。お前の行った事だが、その意義は十分に理解出来る。しかし、やり方が少々非合理に過ぎる。つまりは…()()()()()()()()

「すみませんでした」

「今後は気を付けるように」

 

 轟も相澤先生から注意を受ける羽目となってしまった。あの荒療治は必要だったとはいえ、なかなか難しいものだ。

 

「ステージの被害が著しい為、第4試合、第5試合は別ステージで実施する! その準備も兼ねて15分の休憩を取るので、出場者は準備を整えておくように! それから、施設への被害は最小限にすること!」

 

 ブラドキング先生の声が響き、周囲の空気が僅かに緩む。思わぬ形で得た休憩時間、しっかりとリラックスしておくとしよう。

 

 

取蔭切奈(リザーティ)side

 

「ステージ的にさ。瀬呂くん(セロファン)耳郎さん(イヤホン=ジャック)、がねえ…ダメだよねえ…絶対メンドイ」

「加えて怪力が自慢な砂藤(シュガーマン)に、遠近に隙が無い吸阪(ライコウ)! バランス最高にも程があるよ。後手に回ったら、そのまま死ぬと思った方が良い」 

「なんだっていいぜェ…早く切り刻んじまおうぜェ…」

「うん、鎌切(ジャックマンティス)はちょっと黙ってて」

 

 凡戸(プラモ)泡瀬(ウェルダー)鎌切(ジャックマンティス)のやり取りを聞きながら、チームの行動方針を考えてみた訳だけど…

 

「………うん、どう考えても私達が取れる作戦は、()()()()()()わ」

 

 頭に浮かんだ作戦は、2つだけだった。私は3人の顔を見渡しながら、指を立てて作戦について話していく。

 

「1つ、ひたすら逃げて逃げて逃げまくって、時間切れを誘う」

「引き分け狙い…って事かァ?」

「そう、私達4人で索敵と妨害に専念すれば、捕まらずに逃げ切れる可能性は決して低くない…筈。()()()()()()()()()()()()()()…これも立派な戦術だよ」

「一理あるな…ちなみに、もう1つは?」

「まず相手を分断。それから吸阪(ライコウ)()()()()()()()()。まぁ、第2試合で拳藤(バトルフィスト)が取った作戦のパクリになるんだけど、()()()()()()()()よ」

「あの吸阪(ライコウ)相手に1対1じゃ勝ち目が薄い。だから()()()()()()()()()。一気呵成に勝負を決めて…あとは数的有利を活かして立ち回る…って感じかな」

「なるほどなァ…()()()()()()()()と評価されているのは、気に食わねェが…仕方ねェ」

「それじゃあ、どっちの作戦でいく?」

 

 私の問いかけに対して、3人の答えは…同じだった。

 

 

雷鳥(ライコウ)side

 

「さぁ、油断せずいこう」

 

 第4試合の開始と同時に、俺達は移動を開始した。

 もちろん前世の記憶(原作)爆豪(アイツ)みたいに、暴言を喚き散らしながら1人先行するのではなく、一塊になってだ。

 

「…来たか」

 

 ある程度進んだところで、俺の索敵(サーチ)に反応があった。大きさはテニスボール大、数は…約50!

 よし…始めるとしようか!

 

瀬呂(セロファン)は1時から4時の方向! 耳郎(イヤホン=ジャック)は11時から8時の方向に攻撃開始! ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!」 

「あいよっ!」

「了解!」

 

 俺の声が響くと同時に、瀬呂(セロファン)耳郎(イヤホン=ジャック)は、それぞれの得物…小型の弓と、銃形態の『ビートブースター』を構え―

 

「乱れ撃つぜ!」

「バーストモード…発射!」

 

 光の矢(レーザースタンアロー)と衝撃波の弾丸を乱射した!

 

「ちょ、そ、そんなのアリ!?」

 

 たちまち物陰から焙り出され、次々飛び出してくる取蔭のパーツ達。

 

「マグネ・マグナム! ランダムシュート!」

 

 追撃としてベアリングボールを乱射するが、これは全弾避けられ…取蔭のパーツ達は一斉に飛び去ってしまった。だが…

 

()()()()()

 

 

取蔭切奈(リザーティ)side

 

「はぁっ、はぁっ…はぁっ……」

 

 A組(吸阪達)から全速力で距離を取り、物陰に飛び込んだ私は、分離していた全てのパーツと結合し、乱れた息を必死で整えていく。

 

「あんな…簡単に見つけられるなんて…でも、耳郎(イヤホン=ジャック)は索敵の()()()()()()()()()()()()。だとすると…」

 

 ここで私の脳裏に浮かぶ最悪の想像。あのチームには、耳郎(イヤホン=ジャック)以外に()()()()()()()()()()。それは…

 

吸阪(ライコウ)…アイツ、遠近隙が無い上に索敵まで出来るなんて…どんだけ器用なのよ!」

 

 思わず叫びながら、御破算になった作戦を大急ぎで練り直す。

 元々の作戦は、耳郎(イヤホン=ジャック)の音による索敵、それを逆手に取っての待ち伏せ。決して無理をせず、ストレスを与えては退くを繰り返す事で、こちらの領域(フィールド)に誘い込みつつミスを誘発させ、相手を分断させる予定だった。

 だけど吸阪(ライコウ)も索敵が出来るとなると、前提条件が覆される。作戦は0から作り直し―

 

瀬呂(セロファン)耳郎(イヤホン=ジャック)! 2時方向に攻撃開始!」

「任せなっ!」

「了解!」

「ッ!?」

 

 私の思考を打ち切ったのは吸阪(ライコウ)達の声。そして周囲に容赦無く撃ち込まれる光の矢と衝撃波の弾丸!

 

「無手の相手に飛び道具って…そこまでやる!?」

 

 その場から動く事も出来ず、物陰に潜むのが精一杯…なによ! 私なんかより、吸阪(ライコウ)の方がよっぽど()()()()()()()()してるじゃない!!

 

取蔭(リザーティ)!」

「ごめん、遅くなったよぉ」

 

 そこへ駆けつけてくれたのは、泡瀬(ウェルダー)凡戸(プラモ)

 

「早業着工! ウェルドクラフト!」

 

 泡瀬(ウェルダー)は手持ちの鉄骨と周囲の壁を素早く溶接。

 

「竣工!」

 

 瞬く間に防壁を作り出し―

 

「グルースコール!」

 

 凡戸(プラモ)は防壁越しに接着剤を大量に噴出し、吸阪(ライコウ)達の足止めを狙う。

 

「ダブルサンダー! ブレーク!!」

 

 その接着剤は吸阪(ライコウ)が両手から放った電撃で一気に焼き払われるけど―

 

「もらったぜェ!!」

 

 そこへ両腕から刃を伸ばした鎌切(ジャックマンティス)が跳びかかった!

 咄嗟に行った連携としては、最高と言っても良いレベル。普通だったら最低でも1人は仕留める事が出来ただろう。

 だけど…不意打ちを受けたにも関わらず、吸阪(ライコウ)動じるどころかニヤリと笑みを浮かべていた。

 

鎌切(ジャックマンティス)駄目っ! 吸阪(ライコウ)はこっちの動きを()()()()()!」

 

 その姿に私は泡瀬(ウェルダー)達の連携が読まれている事を叫ぶけど…手遅れだった。

 両腕の刃を振りかざし、落下していく鎌切(ジャックマンティス)を待ち構えているのは…砂藤(シュガーマン)

 

砂糖細工の戦鬼(シュガークラフトオーガ)!」

 

 砂藤(シュガーマン)は両腕だけが超強化された歪な姿になり―

 

「エクラゼ*1! ナックル!!」

 

 その剛腕を振るって鎌切(ジャックマンティス)を迎え撃った。その結果…

 

「ぐへぁっ!!」

 

 鎌切(ジャックマンティス)は、両腕の刃を砕かれながら吹っ飛ばされ…壁に叩きつけられて意識を失った。

 

「うわぁぁぁ! 鎌切君(ジャックマンティス)がぁ!」

「馬鹿ッ! 泣くのは後だ! ここは逃げるんだよぉっ!!」

 

 目の前でKOされた鎌切(ジャックマンティス)を見て、悲痛な声を上げる凡戸(プラモ)泡瀬(ウェルダー)はそんな凡戸(プラモ)と私の手を引っ張り、必死に吸阪(ライコウ)達から距離を取る。

 全く歯が立たない…言葉にはしないけど、それが私達共通の認識だった…

 

 

瀬呂(セロファン)side

 

「よし、まずは鎌切(ジャックマンティス)を『激カワ据置プリズン』に運ぶとしようか」

 

 気絶した鎌切(ジャックマンティス)を拘束しながら、笑顔でそう告げる吸阪(ライコウ)

 取蔭(リザーティ)が考えていたであろう作戦。それを最初から把握していたかのように振る舞い、相手に見せ場を与えないまま追い詰めていく。

 敵から見れば、ここまでいやらしい相手もいないだろう。

 

「ホント、お前がヒーロー(こっち)側で良かったよ」

瀬呂(セロファン)、なんか言ったか?」

「いいや、何にも」

 

 吸阪(ライコウ)の問いかけをそう言って誤魔化し、俺は砂藤(シュガーマン)と一緒に鎌切(ジャックマンティス)を抱えて、『激カワ据置プリズン』へ運んでいく。

 制限時間は残り14分。油断せずにいかないとな! 

 

*1
écraser。フランス語で【砕く】【圧し潰す】を意味する製菓用語




最後までお読みいただき、ありがとうございました。
合同戦闘訓練の状況は以下のようになっております。

第1試合(終了) 〇A組(切島、口田、心操、蛙吹) 4-0 B組(宍田円場塩崎
第2試合(終了) 〇A組(青山、常闇、葉隠、八百万) 4-0 B組(黒色吹出拳藤小森
第3試合(終了) 〇A組(飯田、尾白、障子、轟) 4-1 B組(回原、鉄哲、骨抜角取
第4試合(試合中) A組(砂藤、吸阪、瀬呂、耳郎)vsB組(泡瀬、鎌切、凡戸、取蔭)
第5試合 A組(緑谷、峰田、芦戸、麗日)vsB組(庄田、物間、小大、柳)
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