出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2 作:SS_TAKERU
少し短いですが、お楽しみいただければ幸いです。
オールマイトside
「うーむ…」
モニターに映し出されている第4試合を見ながら、思わず声が漏れる。
これまでの3試合もA組が圧倒していたが、この試合は文字通り
「というか、吸阪少年。いくら何でも
言い方は悪いが、
「あの、オールマイト」
そんな事を考えている私に、緑谷少年が遠慮がちに声をかけてきたのはその時だ。
「どうしたのかな? 緑谷少年」
「その…非常に言い難いのですが、雷鳥兄ちゃんが全力全開なのは…
「え!?」
「第1試合が始まる前、オールマイトが言ってましたよね」
-どうだろうね。これまでの実績や地力で考えるなら、A組が圧倒的に有利だ。しかし……仮免試験後から今日までの
「あぁ、言ったね。確かに言った」
脳裏を過ぎる嫌な予感を必死に否定しながら、私は緑谷少年の問いにそう答えた。だが―
「…雷鳥兄ちゃん、その言葉で
その嫌な予感は当たってしまった。まさか私の不用意な一言が、この状況を招いたなんて!
「何やってるんですか…」
「八木先生、貴方ねぇ…」
「師匠にそんな事言われたら、弟子は本気になるに決まってるじゃないですか」
あぁ…相澤君達の視線と言葉が、地味に痛い!
「早業着工! ウェルドクラフト!」
「竣工!
「よぉぉぉしっ!」
「こうやって塞いでいけば、少しは足止めになるだろ…」
手持ちの鉄骨、その殆どを使って何ヶ所も通路を塞ぎ、自陣の『激カワ据置プリズン』前に陣取る。
「
「それだったら、こうやって背水の陣で迎え撃った方が、まだマシってもんだぜ」
「
自虐的にそう呟いた直後―
「ハートビートファズ!!」
「来たか…」
だんだんとこっちに近づいて来る破砕音を聞きながら、俺達3人は迎撃態勢を整える。
「待てよ…」
その時、嫌な予感が脳裏を過ぎった。あの
「拙い!
「えっ、でも私の索敵はすぐに…」
「そう思わせるのが、
戸惑う
「ッ!」
驚きと共に、その何かを視界の真ん中で捉えた直後、俺は
「そんなの…アリかよ」
自陣から見える範囲で
「トールハンマー…」
「に、逃げろぉ!」
「ブレイカァァァァァッ!!」
その場から退避しようとした直後、一切の容赦無く降り注ぐ電撃。俺達は一瞬で意識を刈り取られ…次に目覚めた時は『激カワ据置プリズン』に投獄された後だった。
「ハハ、ハハハ…相手が悪すぎるだろ」
乾いた笑いを響かせながら、ガックリと肩を落とす。悔しいけど完敗…いや、勝負にすらならなかった。
これが、
「……あんな怪物に何度もちょっかい出し続ける物間って、実は凄い奴だったんだなぁ…」
「泡瀬落ち着いて。ちょっと深呼吸しよう。なんか、思考が変な方向に行ってるよ!?」
『激カワ据置プリズン』から出た俺は、焦ったような取蔭の声を背中に聞きながら、講評を聞く為にブラド先生達が待つ集合場所へと戻っていく。
良いところ全くなしだったからな…どんな講評になるのやら…
凡戸固次郎side
良いところ全く無しでズタボロにやられた僕達は、講評でどんな厳しい事を言われるのか、ビクビクしていた訳だけど…
「お前達! よく無事に戻ってきた! 怪我無く帰って来てくれて、こんなに嬉しい事はない!」
「えぇ…」
ブラド先生は泣きながら僕達を迎えてくれたし、他の皆も口々に『よく頑張った!』『無事で何よりだ!』と声をかけてくれる。
状況がよくわからないけど…これは凄く怒られる事は無い…のかなぁ?
「相手との実力差、そして自分達に出来る事をよく考えた堅実な戦い方だった。が、相手が悪かった。
「皆、ごめんね…私が指揮官としてもっと上手くやれてたら、こんなダサイ事ならなかったかもしれない…」
「いやぁ、ブラド先生も言ってたけど、相手が悪かったとしか言いようがねぇよ…穴なんかありゃしない…」
「この敗北を胸に刻もうぜェ…」
「そうだよぉ、次頑張ろう」
ブラド先生からの講評を聞き、僕達に謝ってきた取蔭さんを3人で励ましていく。
次戦う時は、ちゃんと勝負になるように頑張るぞぉ!
物間寧人side
「吸阪雷鳥…まぁ見事な暴れっぷりで、素晴らしいじゃないか…」
「物間~ごめんなァ、私達も負けちゃったよ…」
「何を謝るんだい、取蔭!」
肩を落として、僕に謝罪してくる取蔭にそう答え乍ら、僕は芝居がかった動作と共に喋り始める。
「敬愛するクラスメートが、敗北を糧に成長していく。素晴らしい事じゃないか」
「たしかにB組は4連敗している。だが、まだ僕達がいる」
「僕はね。わかってほしいだけさ。挫折も敗北も知らず、派手に目立つ事しか知らない連中と、敗北と挫折で挫けそうになり乍らも己を奮い立たせ、成長しようと足掻く者達。そのどちらに将来性があるのか」
「誰もが他人の人生の脇役であり、自分の人生の主役なんだ」
「さぁ、作戦を練ろうじゃないか。A組をギャフンと言わせるような必殺の作戦をね!」
見ていたまえよ、A組! 最後に笑うのは
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
合同戦闘訓練の状況は以下のようになっております。
第1試合(終了) 〇A組(切島、口田、心操、蛙吹) 4-0 B組(宍田、円場、鱗、塩崎)×
第2試合(終了) 〇A組(青山、常闇、葉隠、八百万) 4-0 B組(黒色、吹出、拳藤、小森)×
第3試合(終了) 〇A組(飯田、尾白、障子、轟) 4-1 B組(回原、鉄哲、骨抜、角取)×
第4試合(終了) 〇A組(砂藤、吸阪、瀬呂、耳郎) 4-0 B組(泡瀬、鎌切、凡戸、取蔭)×
第5試合 A組(緑谷、峰田、芦戸、麗日)vsB組(庄田、物間、小大、柳)