出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season2   作:SS_TAKERU

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お待たせしました。
お楽しみいただければ幸いです。

今回、物間寧人君が大いにやらかしますので、嫌いな方はご注意ください。

また、投稿前に活動報告の方を更新しておりますので、興味のある方はお読みください。


第61話:合同戦闘訓練第5試合‐その1‐

庄田二連撃(マインズ)side

 

「第5試合! 本日最後だ!」

「準備はいいか!? 気を抜かずに頑張るように!」

「それでは…スタート!」

「それじゃあ、皆。打合せ通りに頼むよ」

 

 第5試合の開始を告げるブラドキング先生の声が響くと同時に、そう言い残して単独行動を開始する物間君(ファントムシーフ)

 彼の考えた作戦は、一見理に適った有効な作戦に思えるが…

 

「ここだけの話…物間(ファントムシーフ)()()()()()、とんでもなく()()()()()()()()()()()じゃない?」

「ん…」

 

 柳さん(エミリー)が呟き、小大さん(ルール)が同意したように、どうしても()()()()()()()。いや…

 

「きっと…きっと大丈夫だ。物間君()は言動に(いささ)…かなり問題があるが、愚者ではない…筈。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 半ば自分に言い聞かせるように呟き、前を向く。人の心配をしている場合じゃない。僕達は僕達のやるべき事をしっかりとやらなければ!

 

 

雷鳥side

 

「ふーむ…」

 

 第5試合開始と同時に湧き上がった()()()()に、俺は眉間に皺を寄せながらモニターを見つめていた訳だが…

 

「吸阪ちゃん、さっきから難しい顔してどうしたの?」

 

 そんな俺が気になったのか、梅雨ちゃんが声をかけてきた。 

 

「あぁ、どうも嫌な予感が拭えなくてね…」

「嫌な予感?」

物間(あの馬鹿)()()()()()()という予感」

「あぁ…」

 

 俺の言葉に、同感と言わんばかりの顔になる梅雨ちゃん。こいつは…一つ()()()()()()()か。

 

「相澤先生、ブラドキング先生、ちょっとご相談したい事が」

 

 俺は早速先生方へと近づき、自身の懸念を伝えた。

 

「なるほど…可能性はあるな」

「吸阪…確かに物間は()()()ではあるが、それは少々捻くれた見方ではないか?」

 

 相澤先生とブラドキング先生の反応は、真っ二つに分かれたが…

 

「お言葉ですが…俺と物間、()()()()()()()()()()()()?」

「吸阪だな」

「吸阪君ね」

「私は…ノーコメントとさせてもらうよ。師匠の贔屓目と受け取られるからね」

 

 相澤先生とミッドナイト先生が俺の支持を明確にしてくれた事、八木先生(オールマイト)もノーコメントと言いつつ、俺を支持する姿勢を取った事で―

 

「………わかった。だが、あくまでも監視のみ。何か起きるまでは一切の介入を許可しない。それが条件だ」

 

 ブラドキング先生も折れてくれた。まぁ、この辺りが落としどころだな。

 

「わかりました。ではその方向で動いていきます」

 

 先生方へ一礼し、俺は行動を開始する。見たか物間よ、これが()()()()()というものだ。 

 

 

麗日(ウラビティ)side

 

「それじゃあ皆、作戦通りに!」

 

 試合開始と同時に、宙へ浮き上がりB組陣地の方へ飛んでいく緑谷君(グリュンフリート)

 機動力と攻撃力に優れた緑谷君(グリュンフリート)が先行して、B組全員の位置を把握。その後私達が合流して、4人の連携で確実に捕らえていく…と言うのが、今回の作戦なんやけど…

 

「うーん、なんか嫌な予感がするんよね」

「え? 嫌な予感?」

「ほら、B組(向こう)には物間君(ファントムシーフ)がいるから…A組憎しのあまり、とんでもない事してくるんやないかなぁ…って」

麗日(ウラビティ)…それ、()()()()()()()だぜ」

「うんうん、完璧フラグだよぉ!」

「えぇ!?」

 

 私の呟きに真顔になって答えてくる三奈ちゃん(ピンキー)峰田君(グレープジュース)。なんか、危ない事言うてしもうたかも!

 

「念の為だ、上で索敵してくるぜ!」

 

 そう言うと、専用アイテムである多目的発射器(ランチャー)からワイヤーフックを発射して、鉄塔の頂上まで一気に上がっていく峰田君(グレープジュース)

 

「私も準備万端にしておくよ!」 

 

 三奈ちゃん(ピンキー)は専用アイテムである万能噴霧器を手に、気合を入れ直し―

 

「そうだね。何が起きても対応出来るようにしておこう!」

 

 私もデュアルチャクラムをいつでも放てるようにしたまま、ゆっくりと進んでいく。

 大丈夫。何が起きても4人で力を合わせれば、きっと乗り越えられる筈だよ!

 

 

出久(グリュンフリート)side

 

 『浮遊』と『黒鞭』を併用した立体的な機動(マニューバ)で素早く移動しながら、索敵を行っていく。

 今回の作戦では、まず僕が目立つ事で相手の注意を引き付ける。機動力と攻撃力に優れた僕をB組は無視出来ない筈だ。だから、わざと僕が目立つ事で攻撃を誘い…敵全員の居場所を割り出してから、麗日さん達と連携して捕らえる!

 

「ッ!」

 

 その時飛んできたのはドラム缶! これは柳さん、あるいは―

 

「スナップショット!」

 

 素早くベアリングボールを3連射してドラム缶を打ち落とし、その軌道から攻撃の放たれた場所を割り出す。そこにいたのは…

 

「あれ? 見つかっちゃったか」

 

 物間君(ファントムシーフ)! どうやら、1人みたいだ。何を企んでいるのか、十分に警戒しないと…

 

吸阪君(ライコウ)の活躍を見た後で、君を警戒しない訳がない」

「君みたいな…動けて強い人間を警戒する。クレバーな人間はそう考える」

「その一方で、クレバーな人間はこうも考える。()()()()()()()()()()()()と…」

「わざわざ目立って居場所を教えてくれたね。だけど、君達の狙いはお見通しさ。今頃、僕の仲間が3人を見つけて攻撃を仕掛けている頃さ」

「3対3の戦いだが…こっちの3人の“個性”は、組み合わせる事で安全な位置から一方的に攻撃を行える」

「今頃、君の仲間は! 恋人は! 一方的な蹂躙を受けているかもしれないねぇ!」

「……よく喋るね」

 

 一方的に言いたい事を喚き散らす物間君(ファントムシーフ)の言葉をそう切り捨て、大型のパイプに着地した僕は、一歩一歩彼へと近づいていく。

 

「まったく、動揺すらしないなんて薄情だな!」

「あぁ、そうそう。何故()()()()()()()()()()()()と考えたかわかるかい?」

吸阪君(ライコウ)、アイツはある種の()()()だ。強い“個性”に恵まれ、頭脳明晰、身体能力もかなりのもの、オマケに顔が良くて、料理が上手い!?」

「『天は二物を与えず』って諺を知らないのかと、声高に叫びたくなるね! その点、君はまだ戦いやすい。策を弄する事もあるが、基本的に真っ直ぐな戦い方だからね!」

「まったく、どうしてアイツはあそこまでえげつない戦い方が出来るんだか! 爆ご…いや、絶無なんかよりも、よっぽど(ヴィラン)向きなんじゃないかと、最近考えるんだけど…君はどう思う?」

「………」

 

 物間君(ファントムシーフ)の挑発を必死に聞き流す。怒るな…怒れば、相手の思う壷だ。

 

「言っておくけど…気に食わないのは、君の事もだよ。緑谷君(グリュンフリート)

「長年の努力が報われて、強い“個性”が発現した上に、平和の象徴(オールマイト)に見込まれて弟子になり、あれよあれよという間に雄英高校の最強クラス。プロヒーローに交じって大物(ヴィラン)との戦いにも大抜擢…」

「いやぁ、絵に描いたようなサクセスストーリー。余りに在り来たりで映画化したら、観客からのブーイング間違いなしだ!」

「前々から一度聞いてみたかったんだ。“無個性”から“強個性”持ちになって、僕みたいな“弱個性”持ちを()()()()()()になった気分って奴を!」

「僕は…他人を見下したりなんかしない!」

()()()()()()()ねぇ! “無個性”だった頃の経験がそう言わせてるのかな? だとしたら…反吐が出るよ」

「え?」

「10年以上、“無個性”として扱われていた? ()()()()()()()! 今の君が得た物と比べたら、()()()()()()は悲劇にすらならない! 精々君の恵まれた人生を彩る為のスパイスだよ!」

「………」

「ついでに言わせてもらうと、僕は平和の象徴(オールマイト)にも文句があるんだ」

「ッ!?」

 

 オールマイトに!? 何を言っているんだ!

 

「これでも昔はオールマイトを尊敬していた。応援もしていた。だけど、神野区の戦いを契機にその気持ちは()()()()()()()()よ!」

「聞いた話だと、あの(ヴィラン)は昔、オールマイトが仕留め損ねた相手だそうじゃないか。(ヴィラン)を取り逃がしただけでも失態だと言うのに、それが神野区の甚大な被害と今のヒーローに対する懐疑的な風潮を齎した訳だ」

「まったく、前途ある若者の未来を閉ざすような真似をしておいて、何が平和の象徴なんだか!」

「黙れ…」

 

 聞き流そう。挑発に乗っちゃいけない。そう自分に言い聞かせていたけど…

 

「おや? どうしたのかな?」

 

 もう駄目だ…

 

「黙れって…言ってるんだよぉ!」

 

 これ以上、我慢は出来ない!

 

 

物間寧人(ファントムシーフ)side

 

「黙れって…言ってるんだよぉ!」

 

 

 怒りの形相で僕に突っ込んで来る緑谷君(グリュンフリート)の姿に、僕は勝利を確信した。

 正直、予想よりも時間がかかったし、挑発のストックも限界寸前だったが…それでも策に嵌ってくれたのは間違いない!

 

「駄目じゃないか、緑谷君(グリュンフリート)! 怒りに任せての突撃なんて、()()()()だよ!」

「ツインインパクト…解放(ファイア)!!」

 

 庄田君(マインズ)からコピーしておいた“個性”『ツインインパクト』を発動し、大型パイプを固定していたボルトの全てを弾き飛ばす!

 すると、どうなると思う?

 

「ッ!?」

 

 そう、大型パイプは落下する! 本来の緑谷君(グリュンフリート)なら、宙に浮いてやり過ごすだろうが…怒りで正常な判断が出来なくなっている今なら、一緒に落ちていく!

 

「そこへ!」

 

 柳さん(エミリー)の“個性”『ポルターガイスト』で操作した多量のボルトやナットを、小大さん(ルール)の“個性”『サイズ』で巨大化させて、一気に落としていく!

 

「よしっ! 決まった!」

 

 巨大化したボルトやナットで出来た山の中に埋もれているであろう緑谷君(グリュンフリート)を高みから見下ろし、勝利を確信する。

 

「ねぇ! 聞こえているかなぁ? 緑谷君(グリュンフリート)! こんな僕みたいな他人の力頼りの男に一杯食わされた気分はどんな感じだい? 是非とも教えてくれないかなぁ!」

 

 あぁ、笑いが止まらない! これでこの試合は勝ったも―

 

「ワン・フォー・オール、フルカウル…100%」

 

 同ぜ…ん?

 

50CALIBER(フィフティーキャリバー)! スマァァァァァッシュ!!」

 

 次の瞬間、一気に弾け飛んでいくボルトやナットの山! そして…

 

「君の言う通りだよ…物間君(ファントムシーフ)

 

 頭から血を流した緑谷君(グリュンフリート)がゆっくりと浮き上がり…僕の前に着地した。

 

「僕としたことが、怒りで我を忘れてしまった…だから、こんな罠に嵌まってしまった。反省しているよ」

()()()()()…ここからは、冷静に、クールに戦うことにするから」

 

 ……拙いな。()()()()()だ。




最後までお読みいただき、ありがとうございました。
合同戦闘訓練の状況は以下のようになっております。

第1試合(終了) 〇A組(切島、口田、心操、蛙吹) 4-0 B組(宍田円場塩崎
第2試合(終了) 〇A組(青山、常闇、葉隠、八百万) 4-0 B組(黒色吹出拳藤小森
第3試合(終了) 〇A組(飯田、尾白、障子、轟) 4-1 B組(回原、鉄哲、骨抜角取
第4試合(終了) 〇A組(砂藤、吸阪、瀬呂、耳郎) 4-0 B組(泡瀬鎌切凡戸取蔭
第5試合(試合中) A組(緑谷、峰田、芦戸、麗日)vsB組(庄田、物間、小大、柳)
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