仮面伝説の終わり   作:津上幻夢

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第13話 鉄血の荒野

朝方の襲撃を受けた後、戦士達はジョーカーに戻っていた。

 

朝食をも取る時間が無かった彼らはようやく休息を得た。

 

それぞれが朝食を頬張る中、1人だけ出動待機をする人物がいた。黒羽風香だ。彼女は、帰還してからずっとあの調子だ。まるで悪夢を見たかのような…それも朝に相応しくない食欲の失せるもの…

 

 

 

 

 

その日の午前中は、特に何事も起きなかった。嵐の後の静けさというやつだろう。だが、それも午前中だけだった。午後になって早々、昼食を嗜もうとした戦士達はすぐさま出動の準備にかかった。

 

その戦士達よりも早く準備していた黒羽は劔橋の指示も聞かず自身の行き先を目指した。

 

再び現れたホッパーの大群、そしてアークバルカン。彼女にとって宿命の相手…仲間を皆殺しにした相手…許し難い相手を葬るために。

 

 

 

 

 

 

アークバルカンは、大きな広場の中心にある奇妙な形のオブジェクトのあたりにいた。そこでホッパー達が人々を拘束して護送車に乗せるところを見ていた。

 

「まだ数が足りない、もっと集めてこい。」

 

その時だった。

 

「そこで何をやっている。」

 

そこにはクワガタ虫の力を得てたフォース2ndに変身した風香の姿があった。先程の戦闘の体力消費で、Ⅲには変身出来ないようだ。

 

「それをバカ真面目に教える人間なんて居ませんよ。」

 

「お前はそもそも人間じゃない。だから人間の法は通用しない。お前達のような人の皮を被った悪魔には、私が地獄へと送り届けてやる。

 

クローバークロッサーにライダーバスターを装着した三又の槍でフォースはアークバルカンに迫る。

 

そのアークバルカンを守るようにホッパー達が羽をばたつかせ、フォースに飛びかかった。その攻撃にフォースは体勢を崩しその場に倒れ込んだ。

 

波のように押し寄せるホッパーの大群を振り払うのに精一杯だったフォースは、拘束された人々を乗せたアークバルカンも乗り込んだ護送車を追えなかった。

 

「待て!待て!!」

 

遂にフォースの体力に限界が訪れる。ふと足の力が抜けてその場に倒れ込んだ。

 

変身が解けてしまい、風香は戦場に野ざらしの状態になっていた。その様子をいいことにホッパー達は徐々に近づいた。

 

ここまでか…そう覚悟した…だが。

 

「風香さんから離れろ!」

 

遅れてやってきたホープが、光の矢を次々と放ち、周りのホッパー達を一掃した。そして、風香の目の前に立ち、手のひらをかざすと回復させた。

 

完全復活した風香は立ち上がった。

 

そしてすぐさまバイクの止めてある場所に向かおうとした。

 

「待ってください。」

 

「…」

 

風香は足を止めた。

 

「あなたにどのような事情があるのか分からない。でも、少し落ち着いてください。貴女を失って悲しむ人はたくさんいるんです。」

 

「…それは私1人に対してだろ。私はその何倍もの死を背負っている。落ち着いてなどいられない。」

 

その言葉を、ホープは受け止めると、仕方のないと言いたい声で言った。

 

「…今、アークバルカンを乗せた護送車は街道沿いを南西に進んでいます。今から追いかければ間に合うはずです。」

 

その言葉を聞くと、風香はすぐさまフォースに変身、バイクに飛び乗ると急発進させた。

 

「ダメだったか…プランBだ。町田、頼むぞ。」

 

『分かりました。』

 

ホープの無線越しにフューチャの声が聞こえた。それと同時にフォースの後を追いかけるようにフューチャとそのバイクが走り出した。

 

 

 

 

 

愛車、サンダークラウンに乗ったフォースは街道を殆ど新幹線と同じ300km/hぐらいで走行していた。車は皆既に脇に止められており、そこをスムーズに通る。その後をそれ以上のスピードで青きモンスター、ブルーモンスターに乗ったフューチャが迫っている。

 

「フューチャか…」

 

そう呟くとほぼ同じ頃、目の前に護送車が現れた。速度を上げ、護送車に近づいた。今度こそ…今度こそは!

 

その時、脇道から突然中央分離帯を飛び越えて大型トラックがはみ出してきた。

そのトラックはフォース目掛け迫ってきた。

 

まずい!

 

「危ない!!!!」

 

その時、後ろを走っていたフューチャが、バイクから飛び出してフォースごと抱き抱えトラックを寸前で避けた。

 

そのせいで2台のバイクは大破、トラックも大爆発を起こした。

 

 

「貴様、敵を追う手段がなくなったじゃないか!」

 

フォースは、フューチャを掴み上げた。しかし、フューチャは「敵は逃げた奴だけではない」と言った。

 

どうやら、2人の後ろにヨークの姿があった。

 

「いやー事故に見せかけて仮面ライダーを殺す作戦、失敗したみたいだね。」

 

「ふざけるな…貴様もここで殺してやる。」

 

[Force Unite Arthur!ForceⅢ!unicorn!]

 

フォースⅢユニコーンフォームへと変身し、大剣を構えた。

 

「一瞬で終わらせてやる。」

 

フォースはまさに疾風迅雷の如く剣をヨークへと振りかざす。ヨークは自慢の両爪でそれを難なく抑えていく。

フューチャも戦闘に加わろうとしたが、そんな隙はどこにもない。

 

「朝とは違って大分賢くなったようですね。」

 

「黙れ!」

 

フォースは防がれる攻撃を気にせず、どんどん攻撃を続けてきた。が、それも限界が訪れた。

 

彼女の身体は徐々に力が抜け始めた。フューチャはそれについて聞いたことがあった。ユニコーンフォームの変身時間は3分、そして今その限界時間に迫っていた。

 

「まずい!」

 

フューチャは敵の事も考えずフォースに飛びついた。

 

「風香さん!抑えてください!このまま戦い続けたら限界を!」

 

「うるさい!限界を超えてでもアイツらを殺さなければ!」

 

「なるほど…ユニコーンフォームの限界はかなり早いようですね。」

 

ヨークは隙を見計らい姿を消した。それとほぼ同時にフューチャはフォースからベルトを引き剥がした。

 

 

 

 

結果的に、護送車の輸送先は発見できたが、中には誰もおらず、乗り換えられたらしい。

そして、その事件の後、黒羽風香はより心を塞いだ。その間にも、ネガウォーズがアークバルカンの指示の元、ウォーズを再び殺そうと現れるが、戦場に現れたエレクスによって逆に説得、アークバルカンの持ち出した報酬に対する不平感から反抗し、ネガウォーズが仲間へとなる。

 

その日から数日後、彼女の運命を変える日が訪れる…

 

 

 

 

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