仮面伝説の終わり   作:津上幻夢

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第14話 自分の命、他人の為に

 

「ホッパー、デュアルクリーチャー、人陰、バグスター、アーク、ホールズ、スレーブ、ブレイキンド…データはほぼ全て揃った。明日登呂よ、最期の仕上げをよろしく頼む。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜風が涼しいジョーカーの本社の屋上。東京の街をある程度展望できるそこは昔から彼女の好きな場所だった。

 

フォースがヨークと戦ったあの日から1ヶ月ほど経過していた。その間、彼女は戦闘が起きるたび宿敵のアークバルカン、そしてその上の人物ヨークの行方を探した。しかし、その気配は全くなく時間は過ぎた。アークバルカンはあの後二度出現があった。しかし、一度目は撤退のために現れすぐに退散、二度目は戦闘も行ったがウォーズの新戦力の前に撤退を余儀なくされたようだ。

本来なら、命を絶たなくて惜しかった、そう思うだろう。ただ、彼女にはほんのわずかに安堵があった。復讐の相手が死ななかったと…

 

 

「風香さん!」

 

その時、後ろから声をかけられた。町田春輝だ。

 

彼は、彼女を軽く見ると、右隣に立ち同じように外の景色を見た。

 

「ここから見る夜景って綺麗ですよね。」

 

町田は彼女の気を惹こうと色々な話題を振った。夜景の話だけでなく今朝何を食べたか、最近のそっけない悩み事、あの人の秘密…など、とにかく話した。

 

しかし、黒羽はどの話題にも答えなかった。町田は、諦めの表情をすると、仕方ないと呟くと再び口を開いた。また能天気な話題か?そう彼女は思った。しかし、彼の口からは想像できない言葉が放たれた。

 

「『復讐』と言う目的で戦うこと、僕はいいと思いますよ。」

 

その言葉に彼女は目を見開いた。

 

「みんな復讐は良くない、そう言いますけど僕は違うと思います。現に僕も似たようなものですから…」

 

「…そうなのか?」

 

彼女はようやく口を開いた。彼については劔橋と連絡をする際にいつも聞いていた。「彼はお前のように優しい人間だ」とか「仮面を被り戦う為に生まれてきた男」だとか言っていた。そう人に評価されている男からは有り得ない話だ。

 

「嘘じゃないです。そして僕はその復讐を果たしこの世界を変えたい。より良い世界にしたい…。そう思ってるんです。風香さんはどうなんですか?」

 

風香は、本当にこの男は復讐をこの戦いでしようとしているのかと思った。

 

しばらく、考え込んだ。復讐の先に何を求めるのか…皆の仇を取った先に何があるのか…考えたことがなかった。

 

そうしているうちに町田が口を開いた。

 

「復讐のその先に何を求めるのか。それが分からなければ、僕は貴女について行くことはできません…」

 

そう言い残すと、彼は立ち去ろうとした。

 

「…私が復讐をしたいと思ったのは、アメリカにいた時に仲間を惨殺されたからだ。」

 

彼女がアメリカで任務を終え退却をしようとしていたその時だった。大群のホッパー達が彼女達に一斉に襲いかかった。彼女は鎧を脱いでいなかった為戦闘に参加できたが、残りの者たちは武器を取ることすら出来ずに殺された。その時にその場にいた狼の怪物、ウルフ・ゾディアーツ…今のアークバルカン、それが彼女の復讐の目的だ。

 

その話を町田は、しっかりと耳で聞いた。

 

彼女は最後にこう言った。

 

「私の復讐は彼らが望むまで続ける。終わりは、私が死ぬまでだ。」

 

町田はその言葉を聞いた後、足を動かしその場を立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、戦士達の元にアラートが鳴り響いた。

 

更に、ホッパーを率いているのはアークバルカンだと判明するや否や黒羽はジョーカーを飛び出し現地に向かった。

 

 

 

 

 

ホッパー達は既に到着していたグレンと戦闘していた。

 

彼らの身体は炎の斧で焼き切られ倒れていく。

 

「この量、今までの比じゃないな!」

 

その時、遠くから装甲車が3台到着するのが見えた。ジョーカーの戦士を乗せた車両だ。

 

その車両からそれぞれアーサー、火縄、ホープと小隊が次々と降り立った。更にその後方からバイクに乗ったフューチャと蘭舞も到着する。

 

彼らすぐ様武器を構えホッパーの大群へと突撃する。火縄と彼女が率いる小隊はスナイパーライフルを構え遠距離から彼らを援護する。

アーサーは他の戦士達より速く走れないが、その代わり自分に向かってくるホッパー達を次々と薙ぎ倒していく。彼の通った後には黒い血痕があるだけだ。

ホープは刃を展開してホッパーを薙ぎ倒すと同時に負傷した兵を次々と回復していく。

蘭舞は槍を使いホッパーを貫き倒す。身長以上もある大きな槍にホッパー達は近寄る間も無く倒されていく。

フューチャは持ち前の高速移動と剣撃を合わせた攻撃で敵を翻弄、大量に撃破していく。

 

その彼らの見据える先にはアークバルカンの姿があった。

 

彼らはそこを目指していたが、ホッパーが邪魔で前へ進めない。そんな時だった。彼らの合間を縫ってバイクに乗ったフォースが大群を突き破り一気にアークバルカンの元へ詰め寄った。

 

「来たか…フォース。」

 

「殺してやる。」

 

クローバークロッサーを構え、バイクから飛び出した彼女はアークバルカンの喉元に一気に迫る。

アークバルカンは右腕にオーソライズバスターを召喚、フォースの腹部にエネルギー弾を食い込ませた。その衝撃でフォースは地面に倒れるが、すぐに立ち上がり右手にユナイトドライバーを装備した。そして、フォースⅢ’へと変身しようとした。

 

が、ドライバーは反応しない。

 

「何故だ!」

 

「故障か?」

 

アークバルカンは隙が大きくできたフォースに次々と攻撃をする。

 

 

 

「何やってるんですか!風香さん!」

 

ホープは叫ぶ、その様子を火縄とアーサーも見ている。

 

しかし、フォースは中々反撃できず、とうとう倒れてしまう。

 

「どうやらここまでみたいだな。」

 

 

『燕堂、聞こえるか?』

 

アーサーの無線に劔橋の声が聞こえた。

 

「なんですか?」

 

『今すぐフォースの元に向かってくれ、そして…』

 

 

劔橋は彼に指令を出した、それもかなり命懸けの。

 

 

 

 

 

 

「さあ、死んでもらおうか…」

 

[Fury explosion phase two]

 

オーソライズバスターに、禍々しい力が段々と溜まっていく。フォースは再び立ち上がろうと何度も足を立てるがすぐに倒れる。

 

アークバルカンは、悪意…それも憤怒に満ちた力の引き金を引き、フォースに放った…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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