ドゥムズディは、右腕をフューチャに向かって振り下ろす。それを寸前で彼は回避する。
回避した彼の横を槍を突き出しながら蘭舞が迫る。ドゥムズディはその攻撃を受け流し、今度は蘭舞へ右腕を突き出した。
「読めている!」蘭舞はその攻撃をマントで弾き返した。
ドゥムズディと彼らの戦いはほぼ互角であり、どちらが勝利してもおかしくなかった。
その頃外では、アーサー達が苦戦を強いられていた。ホッパー一体一体であれば楽勝ではあるが、それが300体以上と今までにない大量の出現に流石に彼らも疲弊していた。
「クソっ…数が多過ぎる!」火縄がそう言う。
「大丈夫か?」付近で剣を振り下ろしたアーサーが聞く。
「今はな、だがこれ以上増えると辛いな。」火縄はそう言うと銃口を近くのホッパーに突きつけ引き金を引いた。
「この状況を変えるのは一つ、私とファイトすれば良い。」
ヨークはそう言うと、ようやく乱戦の中へと入っていく。
「ヨークは俺と刹那さんで倒す。後の3人は雑魚を!」紅蓮と氷華は、徐々に迫るヨークに対して刃を向けた。
「分かった、頼むぞ。」アーサーはそう答えた。
「相手は君たちか…不足はない。」ヨークは右爪を迫る紅蓮に突き出す。
「アンタの攻撃は、俺に比べちゃ力強くないな!」紅蓮は斧でその攻撃を防ぐと、炎を宿した拳で殴った。
その攻撃にノックバックしたヨークは仮面の中で笑みを浮かべた。
「ははっ…これだよ、もっと戦え!」狂気に満ちた彼は紅蓮に再び迫る。
「そこだ!」その間に氷華は剣を突き立て弾き飛ばす。
そして、凍結攻撃によってヨークの脚を凍らせた。
「なるほど、少々熱くなってしまったようだ。頭を冷やすのには十分な氷だな!」ヨークはその氷を両爪を使って砕いた。
「やはり凍結だけでは無理か…ならこれで!」そう言うと、氷華は新たに守神と書かれた核を取り出した。そして、マウントドライバーにセットした。
[守神核!登上!][守護する神、護神!]
氷華の鎧には、巨大な盾のような鎧が装着され、胸部には氷河から守神と文字が書き換えられた。まさに守り神の様な仮面ライダー氷華護神がここに降り立った。
ヨークは、右爪で氷華の鎧を貫こうと迫る。それを氷華は避ける事なく受け止める。その攻撃は氷華にとって無傷であり、無意味であった。
「これを喰らえ!」そう言うと、逆手持ちした剣でヨークを切り裂いた。
「頭を冷やし過ぎ様だな、俺が熱くしてやる!」
[マウントファイアー!]紅蓮は、炎を右脚に纏うと空へ飛びキックを繰り出した。
紅蓮のキックは、寸前で交わされ撃破とはならなかった。
「やはり君達仮面ライダーは最高さ…それなのに、あの人は何故理解しない!」ヨークがそう叫んだ。
「なんの話だ?」紅蓮が聞く。
「何故ここまで僕達を敵視する!」ドゥムズディと戦いながら、フューチャは聞く。
「何故か?それは仮面ライダーが私にとって唯一の汚点だからだ。これまで私は全て完璧に行なってきた。そんな私と言う人生の中で仮面ライダーをこの世界に生み出したという事だけは、失敗だった。」フューチャの問いにレガシーは答える。
「仮面ライダーは、白夜総三が作ったのではないのか。」蘭舞が口を挟む。
「創ったのは彼だ。だが、元を辿れば私が考えたものだ。この世界の支配をより簡単に進める為の兵器として。」
「兵器、だと?」紅蓮はヨークに聞き返す。
「そうだ。あの人は兵器として仮面ライダーを創り支配を目論んだ。この世界の人々を実験台の為に。」ヨークは淡々と話を続ける。
「あの人は、別世界にあるユートピアの大元にこの世界の人間を売って自分は楽しようと考えていた。」
「だが、それが裏目に出てしまった。ウォーズの一件により、白夜は警戒を高め組織を創り出した、ジョーカーを。その組織は我々にとって最大の敵である。だからこそここで倒し汚点を消させてもらう。」
レガシーは、これで話は終わりだと言うとドゥムズディは再び攻撃を仕掛けた。
話に夢中になっていた2人は、一瞬の行動に気がつかなかった。
攻撃はすぐ目前に迫る。攻撃を喰らえばまずい事はウォーズ達の戦闘で分かっていた。2人は怪我を覚悟した。
が、その拳は寸前でバリアの様なもので塞がれていた。
「2人とも、余所見しない。」
「清宮さん!」蘭舞は彼女の名を呼んだ。エレクスは、アイギスバックルの能力でシールドを発生させ攻撃を防いでいた。
「民間人は?」町田が聞く。
「今兄さんが保護してる。それより、今はコイツを倒さないとみんなを外に出せない。だからこそ加勢しに来たってところ。」
「エレクスか…手応えのありそうなのが来たな。」レガシーが言う。
「そうね、康介よりはあるかも知れないね。私のプレイにシビれてみる?」そうエレクスは問いかけた。そして、アイギスバックルをベルトに装填した。
[AEGIS open!][I protect all and fight!KAMEN RIDER AEGIS ERE-X!]
金色の盾を纏い、エレクスは最終進化を遂げる。アイギスエレクスと呼ばれるその姿は、かつての強敵エンペラーホッパーをウォーズ・ノヴァと共に倒した形態だ。
エレクスは剣を召喚すると、ドゥムズディに向かって走り出す。
右拳の攻撃を左腕の盾で受け止め、左脇腹に剣先を突き刺した。
「さあ、話は終わりだ。私と話している間にも、どうやら後ろの3人は疲れ切っている様だね。」ヨークが指差した先には、先程より動きの鈍いアーサー、火縄、ホープの姿があった。
「どうやら、君達はここで終わりの様だね。」
「それはどうかな?」ジョーカーの戦闘員達が歩いてきた道には、新たに全身黒の服を纏った男が迫っているのが分かった。
「お前は…山田康介?いや、だがあの男は大怪我を…まさか!」
「そのまさかだ。今日はあくまでアイツの代理さ。」そう言うと、彼は昨日康介から渡されたノヴァ・バックルを取り出した。
「変身。」[NOVA open!][Destiny more than the space!KAMEN RIDER WAR-Z・NOVA!]
黒く…だが輝くその姿、仮面ライダーウォーズ・ノヴァは大剣ノヴァ・セイバーを手にするとホッパーの大群の中へと迫る。
大剣を一振りするごとにホッパーが数体倒れ、消滅していく。均衡状態が続いていたこの戦場を動かす、まさに宇宙をも超える運命を持つ戦士。
「君とは一度手合わせしてみたかった。」ヨークは、ウォーズ・ノヴァの前に立つ。
「お前は俺に勝てない。そう運命が決まっているからな。」そう言うとウォーズ・ノヴァはヨークに対して攻撃を迫る。ヨークの右爪の攻撃を剣で跳ね除け右足で蹴りを入れる。その衝撃はヨークが壁に埋め込まれる程。
その一瞬の攻撃でヨークは地面に倒れ立てない状態に陥った。
「コイツを見張ってろ。」そう紅蓮と氷華に言うと、再びホッパーの大群の中へと彼は戻っていった。
「俺達の出番が…」紅蓮はそう残念がる。
「私がコイツを見張っている。その間にもうひと暴れしてくれば良い。」氷華の勧めに紅蓮は乗った。
「じゃあ、お言葉に甘えてもうひと暴れさせて貰いますか!」紅蓮はそう言うとウォーズの後へ続いた。
その頃、ドゥムズディはエレクスの登場で押されていた。
ドゥムズディの攻撃はことごとくエレクスの盾や空間シールドによって防がれ、防御はフューチャと蘭舞の攻撃によって殆ど無意味に近かった。
ドゥムズディにとっての唯一の幸運は、体力がほぼ無限である事。従って、強力な一撃を1発与えたところで簡単には死なないと言う事だ。
「中々耐えるね…」エレクスはそう呟く。
「そうか、そちらは大分お疲れの様だね。この隙に決めさせてもらう!」レガシーはそう叫んだ。それに反応する様にドゥムズディの周りにオーラが発生した。
そして、それは巨大な覇気となって3人に迫る。
「はあっ!」エレクスはシールドを展開し、2人の前に立つ。
しかし、攻撃の勢いは収まらない。徐々に押され始めたエレクスの様子に2人は気がついた。
「清宮さん!」そうフューチャが叫んだ時、既にシールドは破壊され実験場には爆発による煙が充満していた。
煙が晴れると、そこには倒れている清宮一美の姿があった。
今まで無敵であったエレクスのシールドが遂に打ち破られてしまった。
「遂に、遂に我々に光が!ドゥムズディ、このまま殺せ!」
ドゥムズディはそう言うと倒れている一美に近づく。彼女を庇う様にフューチャと蘭舞が立った時、ドゥムズディの右から衝撃が走った。
「なんだ!誰だ!!」
「俺だよ…」そこに立っていたのは、ウォーズマスターだ。それだけでない、フォースⅢ’とワード天下無双の形も一緒だった。
「社長!何故ここに?」フューチャが聞く。
「元々、ホープに時々回復させて貰ってたんだ。だからいつでも戦える様にしてたんだが、合流するのが遅くなった。」ウォーズはそう説明する。
「道永、聞こえるか?今のうちに民間人を!」
ウォーズは更に下で民間人と共に待機していたローディに避難を告げた。
その声と共に階段のあったところから大量の足音が聞こえた。
「貴様…全ての元凶が!消えろ!」
「全ての元凶はどっちだ!お前には退場してもらう!」
そう言うと、ウォーズはマスターキーリングから新たにクリアブルーのキーを取り出しバックルに装填した。
[Fjord key!]氷河によって削られた土地を意味する言葉通り、ウォーズはドゥムズディの装甲を次々と剥がしていく。更に剥がされた部分には氷の膜が貼られ、再生もできない状態になっている。
「次はこれだ!」
[Lúin key!]神話の槍の名を持つ銀色のキー。そのキーによってドゥムズディは腹部を貫かれ、完全に戦闘不能の状態までに陥っていた。
「ええい!こうなったら!ダークホッパーよ!コイツらを攻撃しろ!!」
レガシーは、今まで使用を控えていたダークホッパーを召喚する。10数体のダークホッパーはドゥムズディからウォーズ達を突き放す様に迫った。不意の攻撃にウォーズは後退するが、それをフォースとワードがカバーした。
「コイツらは私達が!」
フォースは、クローバークロッサーを召喚すると、ダークホッパーを次々と切り裂いていく。遠距離から魔法攻撃を仕掛ける敵には、対応出来ないが、そのかわりワードが迫る。
ワードは、銀色に輝く身体でダークホッパーを次々と薙ぎ倒していく。彼らの活躍によってダークホッパーは数を減らす。
「ぐっ、、こうなったら逃げるしか!」レガシーはそう言うとテラス席から姿を消した。それをウォーズマスターが追いかける。
残されたドゥムズディを見るフューチャと蘭舞。
「今のうちに倒そう。」フューチャが言う。
「同じことを考えていたな。」蘭舞がそう答える。
2人は、必殺技を発動させ動くことしか出来ないドゥムズディに迫った。
[ビーストレイズ!][旋風槍撃!]
フューチャの剣と蘭舞の槍は、ドゥムズディの身体を貫いた。
それにより、ドゥムズディの身体は完全に消え散った。
「私達も!」「分かった!」フォースとワードも必殺技を発動させる。
[グレイトライダーキック!]
[Utopia crush!]
2人はそれぞれ残るダークホッパーに対してキックを繰り出した。ダークホッパー達は爆散し、消えた。
息切れしながらレガシーは崖側まで来ていた。その後ろをウォーズは追いかける。
「ここまでか…」
レガシーは崖の下に白い波を立てる海を見ながら言った。
「投降しろ。お前の負けだ!」
「負けは認めよう。だが、投降はしない!」レガシーはそう言うと身体を海へと飛び込ませた。
レガシーは、それによって追跡を免れた。
「ぐっ…今すぐ海上を偵察する様指示してくれ。」ウォーズはそう劔橋に伝えた。
「どうやら、負けは決まった様だな。」ヨークは、疲れた身体を起こした。
「投降する気になったか?」氷華が聞く。
「悪いが、私が投降するのはまだ先の様だ。」そう言い残しヨークは霧の様に姿を消した。
今回の戦いで、ドゥムズディの撃破については成功した。民間人の救出に関してはローディが地下3階で75人救出した。が残りの10人がその当時行方不明になっていた…がその後近くの崖側で助けを求めている姿が発見された。どうやら、数日前に脱走を試みていたと言う事らしい。それにより行方不明となっていた人々は元の生活へと戻っていった。
また、ヨークとレガシーについてはだが、ヨークは行方を掴めず、完全に迷宮入りとなった。が、それに対してレガシーは、後に遺体となって近くと洞窟で見つかった。だが、不審な事に身体じゃ焼き焦げた痕があった。ジョーカーの幹部達はは隠滅のために燃やされたと考えた。
こうしてジョーカー…と言うよりも白夜総三と財団との戦いは幕を閉じた。その間20年以上。その間に様々な伝説が生まれた。ウォーズ、フォース、ワード…そこへ新たにフューチャと蘭舞が加わる事となった。
そして戦いは幕を告げる…かの様に思われた。我々は気がつくべきだった。あの時、誰が「世界は2030年12月31日に終わりを告げる。」と言ったのだろうかと…
本来なら、ここで終わらせてハッピーエンド…と行きたいが、俺には過去を残すと言う使命がある…そうだろ?康介。
「不採用だった計画書は処分してくれ。」劔橋はそう言うと一つの計画書を置いた。そこには「ネオライダーシステム計画」と書かれていた。それがなんだったのか、今では分からない。今はまだ分からないと言った方が良いのだろうか…
こんにちは、津上幻夢です。ここまで仮面伝説をご覧いただきありがとうございました。何やら不穏なラスト…でしたね。
これから彼らがどうなっていくのか。それをお楽しみにしてください。
それから、来月以降の投稿についてですが、来月は仮面伝説5話分のみでワードは投稿しません。再来月以降は今月の様に両作品金曜日と日曜日に投稿すると言う形を取っていきますのでよろしくお願いします。