仮面伝説の終わり   作:津上幻夢

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2036年1月。フューチャ達仮面ライダー及びジョーカーが、革命組織アトランティスに敗北してから、既に5年以上が経過していた。
その間にも、アトランティスは新たな国アトランティス帝国へと名前を変え、自分達が支配した土地を次々と領土に収めていった。それは大航海時代のスペインに匹敵するほどであり、『太陽の沈まない帝国』と呼ばれた。

その帝国の支配が行き届いていない…と言うよりも意図的に見逃されているとある旧国集落に彼らへ反旗を翻そうとする者達がいた…














第6章 再起の切り札編
第31話 夜明けの防衛戦


 

 

 

 

 

「僕達が負けてから、もう5年も経つんですね。」

 

深夜、村の中心部にある焚き木広場には、2人の人物がいた。今話した彼は町田春輝だ。彼は布地を重ねたような服を着ていた。

 

「…未だに年を数えていたのか…私はもう忘れてるよ。」もう1人の女性、黒羽風香は5年前に比べ憔悴していた。彼女は彼と対照的に鎧を身につけていた。

 

「…あの時の判断、間違えていたのだろう…」彼女が言う間違い、それは5年前のアルカディアとの戦いだ。その戦いが終わった後、彼らはアルカディア帝国と呼ばれる国を創り、ネメシス…多摩路秋夜が皇帝に君臨した。

僅かに残ったライダー達は、反逆の機会を何度も狙った。しかし、圧倒的な力の差に動くことが出来ず、こうして5年も経っていた。

 

ライダーの復活を願う者は世界各所にある『旧国集落』に沢山いた。それは彼らがいるかつて大阪と呼ばれていた地区もそうだ。

 

「…僕は、その選択肢を間違いのままで終わらせたくないです。今からでも立ち上がるべきだ。風香さん!」町田は絶望の中でも立ち上がることを強く呼びかけてきた数少ない人物だった。

 

「…だが、兵も残りわずか、ライダーも半分以上があの戦いで死んだ。勝てる見込みなんて…」彼女は下を向き、一晩中焚かれている火に手を近づけた。

 

 

「我々からもお願い出来ませんか?」そう言って話に入ってきたのは、この村の長だった。濃い顔が特徴的な30代くらいの男だ。

 

「私たちは、あなた達仮面ライダーの復活を願っています。援助ならいくらでもします。お願いします。」男は頭を下げた。

 

黒羽は彼の頭を上げさせようとしたその時だった。

 

「敵襲!東の方角に20から30人の集団が向かってくる!」

 

何度も鳴らされる大きな鐘の音と共に見張の男が叫んだ。その声で眠っていた村の人々は一斉に起きるとそれぞれ手に持てる程度の物を持ち次々と避難を始めた。

 

 

「俺達はイナゴ盗賊団だ!殺されたくなければ金目の物を置いていけ!!」やってきたのは盗賊団だった。この近辺に根城を持つのであろうその盗賊団は、短剣や斧で人々を脅していた。このようにここ数年旧国集落に対して盗賊が狙って蔓延るようになった。帝国集落に住めなくなった者たちがこうして墜ち、略奪を繰り返している。

 

「盗賊か…春輝、いくぞ。」黒羽は立ち上がり、クローバークロッサーを手にした。

 

「はい。」町田もダイレクトアームズを構えた。村の各所にいた兵も一斉に起き上がり武器を手に取った。

 

電力が限られるこの世界、戦士達は変身をいざと言う時の為に保持しておく為に普段は生身で武器を取り戦っていた。

 

「その人達から離れろ!」町田は1人の村民を襲おうとする盗賊に剣を向けた。

 

「おっと、この村には自警団が居たのか。だったらこれだ!」

 

そう言うと、男はかつてジョーカーで使われていたトランストルーパーに変身した。周りを見渡すと、何人かの盗賊が同じように変身していた。

 

「こいつら、変身するのか!」黒羽が武器を振り回しながら言う。

 

「手こずりそうですね。」町田が言う。

 

「…仕方ない、変身するぞ。」そう言うと、2人はそれぞれベルトを装着した。

 

「「変身!!」」

 

[check!][change!rider Force!]

 

[未来の力!今ここに!仮面ライダーフューチャ!]

 

フォースとフューチャ、2人の戦士は迫る盗賊達に次々と武器を振り下ろす。

 

「こいつら仮面ライダーだったのかよ!!」それを見た一部の盗賊は武器を捨て逃げ出した。しかし、盗んだ宝物は絶対に離さないとでも言うかのように握りしめていた。

 

「待て!」そうフューチャが言った直後だった。

 

彼の後方から一筋の矢が放たれ、盗賊の胸部を撃ち抜いた。

 

「町田、大丈夫か。」そう背後から聞いたのは清野心だった。彼は厚手の布を羽織っており、スナイパーと思われてもおかしくない見た目をしていた。

 

「清野さん、来てくれたんですか!」フューチャは彼が来たことに喜んでいた。

 

「…村長から救援を頼まれてね。来ないわけには行かないよ。」彼は今2人のいる集落から少し離れた別の集落で暮らしている。そこへ村長が連絡したのだ。

 

 

「助けて!!!!」その声を聞き2人が振り返った。

 

そこには、2人のトランストルーパーの姿があった。

 

「それをよこせ!!」そう彼らは迫っていた。清野は急いで弓を引くが、当てたとしてもどちらかが彼女を攻撃する…そう思っていた。

 

 

「どけ!!」そう叫ぶ1人の男が巨大な斧を振り下ろした。

 

「片名さん!!」

 

町田が呼んだ強靭な鎧を胴体につけている男は片名勝治、彼もまた別の集落にいた男だ。

 

「よお、ここからは俺も加勢するぜ!」前よりも更に厳つくなった声で言う。

 

「ありがとうございます!」

 

フューチャ達は、援軍が来たこともあって順調に賊を倒していく。

 

「まずいですね。皆さん、深追いはせず撤退を始めてください。」

 

その様子に不安を覚えた首領が他の盗賊達に言う。

 

「逃がさない!!」そう言って武器を振り下ろし迫ったのはフォースだった。逃げようとした1人の盗賊は彼女にやられてしまった。

 

「帝国にあなた達の身柄を渡せば、かなり儲けれるのですがね…」首領は、銀色の剣を構えた

 

「それはごめんだ。未来の為にもここで消えてもらう!」彼女は、首領に向かって武器を突きつけた。その攻撃はあっさりと首領の身体を貫き命を消した。

 

「…一瞬だったな。」フォースは地面に武器を突き刺した。

 

 

 

 

「身代わりを用意しておいて正解でした…」ほぼ同時刻、集落の入り口付近には身代わりを残して逃亡していた首領の姿があった。そこには、いくつかの宝物も握られていた。

 

「あそこを越えれば…!」

 

「そこから先へは行かせない。」そう誰かが彼に声をかけた。

 

「なんだきさ、っがばっ!」その一瞬、彼の背後に剣が突き刺さり胸部から血が溢れ出た。

 

 

彼女は、その宝物を奪い取った。

 

 

「国山さん!」遅れてやってきた町田達がやってきた。国山刹那は、彼らの方へ歩き始めた。

 

「刹那さん、あれは?」片名が聞く。

 

「…逃げようとしていた盗賊だ。殺しておいた。」彼女は、コートを少し動きやすく改良した服を着ていた。剣を左腰に納刀し剣豪といっても差し支えない見た目をしていた。

 

 

黒羽風香、町田春輝、清野心、片名勝治、国山刹那。今生き残っているジョーカーの将だった彼らがこの地に集結していた。

 

「こうして揃うのも久しぶりだな。」片名が言う。

 

「そう気軽に会える訳ではないですしね。」清野が答える。

 

「それはそうと、丁度夜が明けるな。」そう言ったのは国山だった。その声に5人は東を向いた。そこには明るく大地を照らす朝焼けの姿があった。

 

「…せっかく集まった訳ですし、ゆっくりしていってください。」町田はそう言った。

 

「朝飯を共に過ごせる時間くらいあるよね?」黒羽が聞く。3人は勿論と答え、村へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「偵察ご苦労さまー!」かつて京都と呼ばれていた場所に位置する帝国の分室に先程村を襲った盗賊の格好をした帝国兵が帰ってきた。ロゴスの変身者である桃山和子は労いの言葉をかけた。

 

「やはりネメシス様が睨んだ通りあの村にフォースとフューチャが居ました。」

 

「なら、攻め落とす必要があるわね。早速出撃の準備を急いで。明日までには出発するわよ。ネメシス様には私が報告しておくから…」

桃山は他の兵に指示を出した。

 

「さて、めんどくさいけど行きますかー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




盗賊を壊滅させた事にひと段落するライダー達。そこへ存在を嗅ぎつけた帝国軍が迫る。圧倒的な兵力差で不利のライダー、そんな逆境をとある策で切り抜ける事になる。

次回、第32話 未来の旅立ち
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