仮面伝説の終わり   作:津上幻夢

5 / 42
第4話 英雄王の名を持つ者

「前回戦闘を行った森林付近に未確認の建物が?」

 

ジョーカーの社長室の椅子に腰掛けている若い男が資料を見ながら言う。

 

 

前回…町田春輝ら仮面ライダー達は、遺体処理の現場にて改造タイプのホッパーやホッパーの大群に襲撃された。彼らは難を逃れる事はできたが、それが新たな事件への引き金となった。

 

 

 

机の前に立っている劔橋雪菜が詳細を話し始めた。

 

「はい、あの辺りで戦闘していたフューチャの変身者町田春輝が証言しています。恐らく、財団の研究所があると思われます。」

 

「分かった。では、早速調査へ向かわせてくれ。それと、フューチャ、蘭舞、ホープの3人だけでは心配だ。アーサーと火縄も出動できるように関西支部と調整しておく。」

 

そう言うと彼はスマホを取り出し、ある人物の連絡先を開いた。名前は『黒夜道永』

 

「彼らは今関西支部との合同演習中でしたね。了解しました。では、早速彼らに報告してきます。」

 

そう言い劔橋は部屋を後にした。

 

男は、通話ボタンを押し、男に掛けた。

 

「もしもし、俺だ。」

 

 

 

「お前から掛けてくるなんて珍しいな…康介。」

 

 

 

 

 

 

「と言う訳だ。だからアーサーと火縄と合流するまで、貴方達は待機よ。」

 

劔橋は、町田春輝、逢坂有希、清野心に社長からの指示を伝えた。

 

「了解しました!」

 

彼らは声を上げた。

 

「私も戦えれば多少はどうにかなっただろうがな…」

 

劔橋は周りに聞こえない声でそう呟いた。

 

 

その時だった。

 

「大変です!劔橋さん!」

 

1人の若い男が駆け込んできた。その男は劔橋に耳打ちした。

 

「なんだと?本当か!」

 

 

その場の空気は一変し、緊迫した雰囲気を醸し出している。劔橋が驚く事などそうそうない。

 

「清野、町田、逢坂。今すぐ出動できるよう車庫に向かえ。他の隊員も急いで移送車に乗り込んで用意しろ。」

 

「何があったんですか?」

 

町田が聞く。

 

「現場にてホッパーが大量発生し始めた。周りに被害が及ぶ可能性がある。」

 

劔橋のその言葉に戦士達は気持ちを切り替える。

 

「町田、逢坂。お前達にこのキーを渡す。」

 

そう言って劔橋は彼らに投げ渡した。その手の中にはバイクを起動させるキーがそれぞれあった。町田には青の、逢坂には赤のものだ。

 

「「ありがとうございます!」。」

 

2人は口を揃えて言った。

 

 

 

3人が車庫に入ると3台のバイクが出動を待っていた。

 

ブルーメタリックが目立つフューチャのマシン、ブルーモンスター。

 

落ち着いた赤が特徴的な蘭舞のマシン、レッドブルーマー。

 

白銀のすらっとした姿のホープのマシン、ウォータスプラッシャー。

 

 

変身した彼らはバイクにすぐさま跨る。それと同時に無線で劔橋の声が鳴り響いた。

 

「先程社長から指示が出た。これより私が指揮する。まず、ホープ、フューチャ、蘭舞の3名は各マシンで出現、早急に現場へ向かえ。隊員達も輸送車ですぐさま出動。現在最短ルートは混雑している影響で迂回する。ライダー達より10分ほど遅れて到着の予定だ。アーサーと火縄については追々連絡する。総員、幸運を祈る。」

 

 

指示が終わる頃には全隊員出動していた。

 

現場へ向かうためには一般道を使う為一目に付く。だが、そんな事に気を止めている時間はない。

 

 

 

 

「ホープ、フューチャ、蘭舞、現着。直ちに対処します。」

 

彼らが到着した現場は前よりも雪が積もっている。が、その雪はホッパー達によってかき消されている。周りに怪我人は居ない。

 

ホープ、フューチャ、蘭舞は既に武器を取り出しホッパーを片っ端から殲滅を始める。

 

「了解した。他の隊員は予定より10分遅れて20分後に到着予定だ。そしてアーサーと火縄も同時刻ごろに到着予定だ。それまで3人は耐えてくれ。」

 

「了解!」

 

ホープは、強化パーツを取り付けた弓をベルトにスキャン、リカバーモードに変身する。

 

[recover!]

 

[rider HOPE!recover mode!]

 

「町田、逢坂。お前達は街へ繋がる道を防衛しろ。ここは僕に任せて!」

 

「はい、お願いします!」

 

フューチャはホープの指示に従い道なりに走り始めた。

 

「了解。」

 

蘭舞も後に続き走り始める。

 

 

 

 

「待て!!」

 

ホッパー達は山の麓の街にまで迫っていた。その大群にフューチャは銃を乱射、撃たれたホッパー達は次々と倒れ始める。

 

自分達を陥れようとする仮面ライダーの姿に気づいたホッパーは一斉に飛び掛かる。

 

だが、それも遠くからやってきた矢に貫かれてしまう。

 

フューチャの後ろには弓を構えた蘭舞が立っていた。

 

「ありがとうございます!」

 

彼は頭を下げたが蘭舞はそれを上げさせた。

 

「今は戦いに集中しろ。出ないと…」

 

「市民に被害が及ぶ。」

 

その時、彼らとは違う別の声がした。

 

「誰だ!」

 

[ARK bullet!]

 

男は2人に姿が見られないよう茂みの中で変身を始める。

 

「変身。」

 

[シンギュライズ!][怒り…憤怒…アークバルカン…][The explosion increases as the fury is fired.]

 

濃紺の右半身。元となるバルカンの姿を微かに残している。一方左はバルカン同様白ではあるがアークワンのようにアークに侵食されており、左の複眼には衛星を模したアークビジョンが不気味に煌めく。

 

「俺は仮面ライダーアークバルカン。」

 

 

 

「…こんな事、今すぐやめろ!」

 

フューチャはホッパーの大群を指差す。

 

「それは無理だ。」

 

アークバルカンは、フューチャにゆっくりと近づく。

 

「俺達の『実験』は誰にも止めさせない。アトランティスの時と同じようにね。」

 

フューチャは、剣でアークバルカンを突き刺そうとする。

 

が、これをアークバルカンは剣先を持つことで防ぎ、フューチャの顔面を殴り飛ばす。

 

「はあっ!」

 

後ろから槍を突き立てようと蘭舞が迫る。

 

「やれ。」

 

アークバルカンはそう言うと蘭舞の後ろに10丁を超えるショットライザーを生成、蘭舞の背中に一斉射撃する。

 

蘭舞は多少喰らったがすぐに体勢を立て直しフューチャの側に立つ。

 

「連携でいきましょう。」

 

「承知した。」

 

彼らは左右に分かれて攻撃の分散を狙う。

 

狙い通りショットライザーの攻撃は全て回避に成功。

 

2人はそのままキックの体勢に入る。

 

が、アークバルカンはプログライズキーを押し込んだ。

 

[Fury explosion phase one]

 

その音声と共に身体が青い炎に包まれる。そしてフューチャと蘭舞の蹴り上げた足を両手で掴み、自身を巻き込んで爆発を起こした。

 

 

爆炎の中からフューチャと蘭舞が現れる。しかし、どちらも戦闘不能となっていた。

 

 

「どうだ?これで手出しできないだろ。今度は死だ。」

 

「その今度はもう無いわ。」

 

その時、アークバルカンの後ろから一斉射撃が行われた。

 

そこにいたのは、ガタイの良い厳つい男と、モデルのようにスタイルのいい女と、銃を構えたトランストルーパー達の姿があった。

 

「アーサーに…火縄か。」

 

その2人はベルトを装着。それぞれ剣と銃を構えた。

 

「変身」

 

男は、剣をベルトにスキャン、紺と緑の鎧が現れる。

 

[rider Arthur!the knight!]

 

「変身!」

 

女は銃をベルトにスキャン、紅と橙の鎧が現れる。

 

[rider HINAWA!Phoenix!]

 

西洋鎧のような兜、アーマーが装備され左手には盾と合体した大きな籠手が。右手には先程と同じ剣、封剣エクスカリバーを手にしている。彼の名は仮面ライダーアーサー・ザ・ナイト。

 

それに対して、全体を暖色で覆われ、陣羽織を思わせるような鎧を身につけ、背中には炎の不死鳥のような翼を持ち、右手にはハンドガン型の武器、緋炎ノ火縄銃を手にしている。彼女の名は仮面ライダー火縄・炎不死鳥(フェニックス)

 

 

「一気に片付ける!」

 

アーサーは剣を振りかざし、火縄の銃から火が噴くとホッパーは一気に消滅した。

 

ホッパーが埋め尽くしていた大地は一瞬にして肉片と燃える死体のみになった。

 

「次はあんただ。」

 

火縄は銃を構える。

 

しかし、アークバルカンは自身の身体を液体化させた。

 

「今日は挨拶だ。またいずれ。」

 

そう言い残し消えた。

 

 

 

 

 

 

帰還後…

 

「燕堂さん、真田さん助けていただきありがとうございます!」

 

町田は、2人に頭を下げた。

 

「顔を上げろよ、町田。俺達は気にしてない。」

 

そう言って町田の肩を持った男。彼はアーサーを継ぐもの、燕道大誓。

 

「もっと強くなってもらわなきゃ困る。」

 

町田を見下す女。彼女は火縄を継ぐもの、真田昌巳。

 

「昌巳は本当可愛げないな…モテないぞ。」

 

燕堂は、真田に冗談を言うが彼女はこれに大激怒する。

 

「黙れ。これ以上貶すと殺す。」

 

 

 

「今日は出番なしか…」

 

山田康介は社長室の窓から街を見下ろした。

 

「嫌な予感がする。」




次回、第5話 烈火の斧を奮いし者

3月上旬公開予定!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。