仮面伝説の終わり   作:津上幻夢

6 / 42
第5話 烈火の斧を奮いし者

夜の公園を1人の男が、身長ほどある巨大な斧を背中に担ぎ歩いていた。

 

「確かこの辺りだったか…」

 

男の腰には、フューチャともホープとも違う別の変身ベルトを装備している。

 

男が何故ここに居るのか。それは、彼らと同じ怪物退治のためだ。

 

彼のスマホの地図にはこの公園が示されていた。

 

 

この公園では最近人が怪物に襲われる被害が多発していた。その対処の為、彼が動いた。

 

 

男は、烈火と書かれたパーツをベルトに装着した。

 

 

 

 

辺りが炎で照らされる。男の身体はガッチリとした鎧に包まれ、胸アーマーには「烈火」と大きく書かれている。斧を構えたその先には、ホッパー達が群れを成し男を見ていた。

 

「来いよ。」

 

男は指でホッパー達を煽る。その挑発にまんまと乗ったホッパー達は一斉に飛びかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「以上が、あの施設の全貌の考察です。」

 

劔橋は、役員達に一礼し、自身の席に戻った。

 

あの施設…前回突入を試みた場所。しかし、ホッパーやアークバルカンと名乗る謎の仮面ライダーによってそれが阻止されてしまう。ホッパーの大群は町へと向かっていたが仮面ライダー達の活躍により、被害は出なかった。

 

その後、調査隊が施設に侵入するものの、もぬけの殻で重要書類等は全く発見出来なかった。しかし、何も収穫がなかったわけではなかった。

 

あの施設には、放置されたままの改造体ホッパーがいくつか残されていた。それらは前々回ホープに襲い掛かったものとほぼ一致する。そこから恐らくその施設は、ホッパーの生態に関する研究所ではないかと推測された。

 

 

同時刻、逢坂有希は上層部からの指示である人物と待ち合わせていた。彼女には合わない少し小洒落たカフェのテラスで彼女はブラックコーヒーを口にしていた。

 

「何故私が…」

 

元々この任務には、別の担当者がする予定だった。しかし、その担当者が風邪をひき、急遽彼女が代行することになった。

 

彼女は、今日会う人物を少し前に見かけたことがある。おおらかで場の盛り上げ役、という風な男だ。だが、戦闘なると一変、対象を確実に撃破する。彼女は、その男を戦士としてはよく思ってはいるが、面と面を合わせて話すのは嫌だと思っていた。

 

「よお、あんたが今日の迎えの人?」

 

その時、1人の男が前に立った。昨晩、あの大きな斧を振っていた男だ。やや顔が濃く、鍛えているからか身体の肉付きがいい。背中にはその大きな斧を提げていた。

 

彼女は、席を立ち、頭を下げた。

 

「はじめまして、逢坂有希です。」

 

男は、彼女の顔を上げさせ、大きな手を差し出した。

 

「こちらこそはじめまして。片名勝治だ。」

 

片名勝治…その男はジョーカーにとって異例の存在である。ジョーカーに所属しておきながら、どこの部署にもついておらず、特別戦闘要員として社長直々に任命された。彼は、日本全国を周り、関東本部や関西支部では対応しきれない事件を代わりに解決している。

 

彼は、彼女と対面になるように座り、店員にコーヒーを一つ頼んだ。

 

「今日の担当者が急用で変わったって言ってたが、女だったとは…それで、今日はどのような用件だ?」

 

彼は、彼女の目を見た。

 

彼女はバックの中からA4サイズの資料を何枚か出し、渡すと、淡々と説明を始めた。

 

「前々回の戦闘で新型のホッパーが現れました。基本的な戦闘能力も通常より上、一部が機械化しているのが特徴的でこれからも現れる可能性が大いにあります。それから2枚目と3枚目の資料、それは前回の戦闘で発見された施設の考察です。この様な建物が全国各地に配置されていると予想され、発見次第報告を。それと、劔橋からの伝言で、「今度顔を出して欲しい」と。」

 

彼女は、話終わらせ、彼の顔を見ると分かっていない顔をしていた。

 

「大丈夫ー」

 

「分かった。分かっているから大丈夫。」

 

彼は慌てて資料しまった。そのタイミングでコーヒーがきた。

 

「では、話は以上なので私はこれで。」

 

「少し付き合ってくれないか?」

 

片名の言葉で、彼女は立ち上がったがすぐに座った。

 

彼は、机に置いてあったコーヒーシュガーを3袋開けてコーヒーにぶち込んだ。更にミルクも2つほど入れ、かき混ぜた。それはブラックで飲むということしか頭になかった逢坂にとって驚き以外の何者でもなかった。

 

 

 

カフェを出た2人は、川沿いの歩道を歩いていた。沿道には、流行りの飲み物の出店が出ていた。

 

「君はこういうのは興味ない?」

 

片名は、店を指差しながら聞いた。

 

「私は…そういうのは興味ないです。」

 

逢坂は感情のない声で返す。

 

彼はそっか…と寂しそうに言った。

 

 

彼らが店を通り過ぎた直後、悲鳴と共に崩れる音が聞こえた。

 

振り返ると、先程通り過ぎた店に、改造体ホッパーが店の店員を掴み上げ、鉤爪で殺そうとしていた。

 

「やめろ!」

 

片名は改造体ホッパーに突撃、弾き飛ばす。

 

その衝撃で飛ばされた店員を逢坂が受け止め、逃げる様促す。

 

 

2人はベルトを装着、それぞれアイテムを構えた。

 

「「変身!!」」

 

片名は烈火コアをベルトに、逢坂は蘭舞ロードメットをベルトに装着した。

 

[Dynamic!Fire wall!combo!RE・KKA!MAX!]

 

[荒ぶる華!今ここに!仮面ライダー蘭舞!]

 

2人は仮面ライダーに変身した。

 

片名は、斧を肩に担ぎ、顔のバイザーを光らせた。仮面ライダーグレン、それが彼のもう一つの顔。

 

逢坂は、花が咲き乱れたかの様な姿をした仮面ライダー蘭舞へと姿を変える。

 

改造体ホッパーは、仲間(ホッパー)を呼び寄せ、10体ほどの群れを成した。

 

「さあ、行くぜ!」

 

グレンは、斧を空からホッパーに振り下ろす。ホッパーは、俊敏に交わすが、その先で、槍に突かれた。

 

蘭舞が、グレンの対処しきれなかった分を余すことなく倒す。

 

「ありがとよ!」

 

グレンは感謝をするが、はいと彼女は生返事するだけだった。

 

その彼女に改造体ホッパーが迫る。

 

彼女は、その攻撃を受け止め、振り払おうとするが、ホッパーは脚で蹴り飛ばした。

 

彼女は、石壁に激突し、倒れた。

 

グレンも手助けに行こうとするも、他のホッパーの妨害で進めずにいた。

 

彼女は、再び立ち上がり、構えた。

 

「有希!相手に遠慮はいらない!思いっきり戦え!」

 

その彼女に、グレンは助言をした。彼女は、確かに…そう感じた。どの時も一歩下がって援護ばかりしていた…それでは勝てない。

 

蘭舞は、ベルト上部を押し込んだ

 

[蹴撃乱舞!]

 

「蹴撃…乱舞!」

 

彼女は必殺技を叫び、迫るホッパーにカウンターキックを見舞った。

 

改造ホッパーは、その場で爆散した。

 

 

 

[最大!最強!最火力!][火炎撃斧!]

 

烈火コアを斧に装填したグレンは、周りを囲むホッパーを右から左へと斧で両断した。

 

それによる爆発が円形に起き、その中からグレンの姿が覗かせていた。

 

 

 

 

 

 

「先程はありがとうございました。」

 

逢坂は片名に頭を下げた。

 

「気にすんなって。ただ、遠慮がちに見えたからな。」

 

片名は、彼女の頭を撫でた。

 

そして、振り返りもせずまたどこか助けを求める人を探しに向かった。

 




次回、第6話 未来の道を創りし者

3月中旬公開予定!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。