仮面伝説の終わり   作:津上幻夢

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第6話 未来の道を創りし者

「まもなく、新大阪に到着します。」

 

 

そのアナウンスに、彼、町田春輝は、寝ぼけ気味に反応した。

 

東京から2時間半、速達新幹線の指定席に深く腰掛け大阪に向かっていた。

 

 

何故彼が大阪に居るのか。それはとても簡単な話だ。関西支部局長である人物による『呼び出し』があったからだ。

 

関西支部からの呼び出しは、そうある事ではない。それも局長から。彼にとっては、恐怖心しかない。

 

 

 

ジョーカーの関西支部は、新大阪駅から徒歩数十分で着く。綺麗な窓ガラスで覆われた高層ビルの中にそれはある。

 

関西支部は、本部では出来ない国外との連携や、怪物について何人もの学者を呼び研究するなどを行っている。その事から、関西支部は、『切り札の頭脳』と呼ばれている。

 

 

「失礼します。」

 

町田は、その関西支部の局長室に恐る恐る入った。

 

そこには、比較的安めのデスクと椅子、大型液晶テレビ、来客用のソファがあるだけの簡素な部屋だ。

 

 

その椅子に座っていた男は、彼を見るや否や立ち上がり、近寄った。

 

いわゆる、イケメンというやつだ、そう町田は思った。綺麗な面立ちに、175cm程の細身の身長。すらっと伸びた脚が特徴的だ。

 

「初めまして、関西支部局長の黒夜道永だ。よろしく。」

 

 

「こちらこそ、よろしくお願いします!」

 

 

黒夜道永、ジョーカーで語り継がれてきた伝説の一つだ。前社長、白夜総三の懐刀と称され、様々な計画や研究を裏から支え、時には自ら剣を手に取り戦う歴戦の戦士だ。2020年の戦いでも、仲間をサポートし、勝利へ導いた。まさに道を創るもの。

 

 

「悪いね。忙しいのに。」

 

 

2人は向かい合うようにソファに座り、黒夜は出されたコーヒーに手をつけた。

 

 

「いえいえ、とんでもない。」

 

 

「そうか。それじゃ、今日来てもらったのは他でもない。仮面ライダーフューチャに関してだ。」

 

 

黒夜は、彼の目を見て話し始めた。

 

 

「もうそろそろで使用開始から1ヶ月経つだろ?慣れてきたか?」

 

 

「そうですね。時々身体が追いつかない時がありますね。でも、それは鍛えるのが甘いだけなんで…」

 

 

町田は、黒夜が何かメモし始めたのを見て、だいたいどういう理由で呼ばれたかが分かった。

 

 

「なるほど、武器はどうだ?剣と銃で十分か?」

 

 

次は武器の話だ。

 

 

「どちらも使いやすいですね。強いていうなら、剣の方が使いやすいですね。フューチャのスピードに合っていて。」

 

 

「剣が使いやすい。銃の方はどうだ。」

 

 

「銃は、あまり使う事は少ないですが、全く使えない訳ではないので、あるほうが良いです。」

 

 

黒夜はその後、日常生活について数問聞くと、その手を止めた。

 

 

「お疲れ様、質問は以上だ。」

 

そう言われ、町田はふと、窓の外を見ようとした。

 

デスクの上に写真立てが置かれている事に気がついた。それも、自分が席に座った時に見えるような位置に。

 

 

「その写真が気になるのか?」

 

 

黒夜が聞く。町田の有無を問わず、デスクの写真立てをこちらに持ってきた。

 

 

「これは俺の妹だ。」

 

 

町田に差し出した写真には、彼に似ている高校生くらいの女が写っていた。

 

 

「その写真は十年も前だから高校生の姿だが、今は立派に生活しているよ。」

 

 

聞き覚えがあった。彼の妹もまた、同じように伝説である事を。

 

 

「彼女は今どこに?」

 

 

「…東京だよ。」

 

 

その口調には、何か悲しみを感じた。

 

 

「…何か、あったんですか?」

 

 

ふと、そう聞いてみた。

 

 

 

「…なんでもない。」

 

 

何か言いかけた様子だったが、それを濁した。町田も気になる素振りはせずにコーヒーを飲んだ。

 

 

「昼飯、まだだろ?奢るよ。」

 

 

黒夜が立ち上がった。

 

 

「ありがとうございます。」

 

 

町田も素直に奢ってもらう事にした。

 

 

 

連れて行かれたのは、近くのお好み焼き屋だった。

 

 

店に入ると、店主の初老の男が温かく黒夜を招き入れた。

 

 

カウンター席に並んで座ると、黒夜が豚玉を二つ注文した。

 

 

「ここの豚玉は美味しいんだよ。」

 

 

目の前で最初はただの生地だったものが、具材を入れたり、焼き目をつけたりする事でお好み焼きへと変わっていった。

 

 

豚肉から脂が綺麗に輝いている豚玉が出された時には、町田の空腹度は限界に達していた。

 

 

ソースなどをかけ、いただきますと言うと、箸で切り分け、口にした。

 

熱々であったが、豚肉と具材が巧妙に混ざり合い、そこに濃厚なソースが加わる事で格別な旨味が舌を伝って身体中に広がる。

 

こんなに美味しいもの、食べた事ない。そう思うと箸が止まらない。

 

 

黒夜も店主もその姿を満足そうに見ている。

 

 

 

 

2人が食事を終え、店から出ると、携帯からアラートが鳴り始めた。

 

「出現か!」

 

黒夜のスマホから地図が写し出された。ここから直ぐだ。

 

 

2人は、走って現場に行き着くと、改造ホッパーが銃を乱射し民間人を狙っていた。

 

 

「下がれ!」

 

黒夜は逃げない民間人を強制的に押し除け、避難させた。

 

 

「黒夜さん、行きましょう!」

 

町田はフューチャのベルトをつけた。

 

 

黒夜も、専用のドライバーを装着、蒼いキー、ローディキーを構えた。

 

 

「「変身!!」」

 

 

[未来の力!今ここに!仮面ライダーフューチャ!]

 

[ROAD-Y key!][set up!][大展開!][Remake the future![未来を創り変える!]仮面ライダーローディ!!]

 

 

仮面ライダーローディ、ウォーズと共に戦い抜いた戦士の1人。彼は幾多のバージョンアップを受け、武器も変形する剣銃からナイフ型の武器と小型のブラスターに変化している。

 

 

ローディはホッパーに威嚇射撃をする。その銃声に、ホッパーはこちらを向く。

 

 

そこからは、一瞬だった。ローディが、先手を打ち、ホッパーの左腕をナイフで切り裂く。銃を斬られ、中からホッパーの腕が露わになる。

 

そこへフューチャが迫り、胸と肩を切り裂く。

 

改造体とはいえ、元はホッパー、鎧や武器が無ければ雑魚同然。

 

フューチャの剣撃が致命傷となり、ホッパーは爆散した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ足りない…回収を急ぐぞ。」




次回、第7話 白夜総三を継ぐ者

5月上旬頃投稿予定!
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