蟲使いと呪い   作:ハーコー

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やってしまった。
読者参加型だってあるのに(自分でハードル上げてくスタイル)

まぁあっためてたものが書けて満足です。


プロローグ : 復讐という名の呪い

 

この世は、決して平等ではない。

 

 

露魅棗は名門・露魅家の分家に生まれた。

 

分家という立場上、本家により雑用などを押し付けられていた。

呪術師になる為に稽古で徹底的に体を痛めつけられても、立派な呪術師になる為だと思えば平気だった。体中に傷ができても。大人でも音を上げる様な稽古を強いられても。

それでも、人並みに幸せではあった。

 

 

だが。

10歳の頃。

儀式への参加が決定づけられた事により、思い知る事になった。

 

 

その儀式は、継承の儀と呼ばれるものだった。

露魅家の子供は、10から12歳の子供達が15人揃うとその儀式への参加が決定付けられる。

それは、術式で使役する蟲を体内に取り込み、術式に適正のある者を選出するというものだった。

様々な種の蟲を取り込んだ。その中には、毒を持つものも含まれていた。

 

儀式で、親族が苦しむ声を聞いた。

 

「いやだ」

 

「助けて」

 

「誰か」

 

「死にたくない」

 

「ふざけるな」

 

「やめてくれ」

 

「呪ってやる」

 

「この先一生誰もオマエを理解してくれるヤツなんて現れない」

 

「オマエはずっと独りだ」

 

「せいぜい苦しめ」

 

親族達は、決まってそんな呪詛を吐いて死んでいった。

 

彼は儀式の苦しみに耐えた。

耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えた。

 

想像を絶する凄まじい程の激痛。

異物が体内を這いずる不快感。

正気を失いそうになるまでの苦行の数々に耐えた。

 

そうして、彼は家の当主となった。

 

だが、この出来事が、彼の心に暗い影を落とした。

彼に“復讐”を決意させる要因となった。

自分達が苦しむ様を、楽しみながら眺めている老害共を引きずり下ろすと決めた。

 

 

 

──不平等。意味は、この世界の事。

そう思うのは俺だけだろうか。

 

例えば。

 

○○だからという理由で、行動が制限される。

 

何も悪くない無実の人間にばかり不幸が襲いかかる。

 

罪を犯した悪人が、上手いことやってのうのうと生きている。

 

弱い人間が何かの標的にされる。

 

 

この世界には、様々な不平等がある。

気に入らない。

嫌いだ。

辛酸・後悔・恥辱……。

そんな負の感情が渦巻くこの世界が、本当に大嫌いだ。

 

 

しかし、そんな世界で生きているのには理由がある。

 

露魅家への復讐心が、体を突き動かしているからだ。

俺はあの家で、不平等を嫌という程経験した。

 

しかし、それだけでは復讐する理由足り得ない。

 

その不平等により、命を落とした人間がいる。

それだけで、復讐の理由になる。

 

強くなって、露魅家に復讐する。

それだけが、生きる理由だった(・・・)

 

「君、ウチに来ない?」

 

白髪で目隠しをした、やや日本人離れした男に出会うまで。

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