道場を出てしばらく歩くと、教室に着く。
教室の中には3人……3人?
眼鏡を掛け、何やら細い袋を背負ったポニーテールの女子生徒とネックウォーマーをしたツンツン頭の男子生徒とあとパンダ……パンダ!?
……取り敢えず席に着こう。
「さぁーて、1年生のみんな!僕が担任の五条悟です!よろしくねー!」
さっきまでと変わらず明るく話し出す。
……この人本当に最強なのかと思ってしまったのは口が裂けても言えない。
「じゃ、自己紹介しようか。まずは君から」
と言って、眼鏡を掛けた女子生徒を指名する。
女子生徒は前に出て、
「
と言った。
禪院家……御三家の1つだが、苗字は嫌いって言ってたな。恐らく、家で冷遇されてたとかだろうな。
「ありがとう、じゃあ次は君!」
次は男子生徒を指名する。
男子生徒は
「しゃけ 高菜 明太子」
と言うと、席に戻った。
…いや、何も伝わってねえけど!?
「彼は
…どうやってコミュニケーションを取れと………
「ありがとう、パンダについては僕が説明するね」
やっと気になってた奴の説明が来た。
恐らく呪骸だと思うけど……
「パンダは動物じゃなくて“突然変異呪骸”って呼ばれる呪骸なんだ。本来、呪骸は己の意思を持たない。けどパンダは自我を持って生まれたから喋るし感情も持ってる。流石、傀儡呪術学の第一人者、夜蛾学長の最高傑作って言ったところだね。あ、階級は三級だよ」
……喋るし感情も持ってる呪骸、か。夜蛾学長滅茶苦茶凄い人じゃん。
「ありがとう、じゃ最後は棗!」
最後は俺か。しぶしぶ席を立つ。
「露魅棗です。好きなものは甘いもの、嫌いなものは辛いもの、露魅の家、罪のない他人を傷付ける奴。よろしくお願いします。あ、準一級呪術師です」
準一級だということを告げると、3人──厳密には2人と一体だが──は驚きの表情を浮かべる。
「オマエ、そりゃ本当か?」
眼鏡の女子生徒──禪院真希がそう俺に聞いてきた。
待って、目が怖い。めっちゃ睨まれてる。
「本当だけど」
学生証を見せる。これで納得してくれれば良いんだけど。
「オマエ、外出ろ。私が試してやるよ」
え、俺ってそんなに弱そうなの?準一級に見えないって事?
「ほら、さっさと出ろ」
という訳で、グラウンドに出た。
真希は薙刀を構え、こちらを見据えている。
「じゃあ……行くぞ!」
次の瞬間、真希が俺の目の前にいた。薙刀を既の所で躱し、距離を取る。
何処が四級だよ……準二級ぐらいはあるぞ。滅茶苦茶強い。避けるので精一杯だな。呪蟲を呼ばないとマズい。
「緑蟷螂」
ケースを取り出し、蟷螂を手に取る。
印を結び、緑蟷螂を呼び出す。
「それがお前の術式か?気色悪い」
「褒め言葉として受け取っておくよ、真希」
こっちのターンだ。緑蟷螂と共に駆け出す。
緑蟷螂が鎌を振り下ろすが、真希はそれを薙刀で受け止める。隙を突き、俺が下からアッパーを繰り出す。しかし、真希は跳んで避ける。呪力を込めた打撃を繰り出すが呪具で防がれる。薙刀での刺突を避ける。真希の足を払う。真希は跳躍して避け、薙刀で緑蟷螂を破壊される。
身体能力が人間離れしてる。術式を使う気配もないし、呪力が一般人程度だ。まさか……
「ねぇ真希。もしかしてだけど、“天与呪縛”持ち?」
真希の表情が変わる。
天与呪縛……生まれながらにして肉体に強制された『縛り』。俺の予想が正しければ、真希の人間離れした身体能力、一般人程度の呪力は天与呪縛によるものの筈だ。
「そうだよ。私は術式と呪力を持ってねぇ代わりに、人間離れした身体能力を持って生まれた。おかげでこのダセェ眼鏡がねぇと呪いが見えねぇ」
「やっぱりね。で、四級なのは家の妨害ってワ……ケ?」
体が浮いた。と、思ったら地面に叩き付けられた。
「…痛ったぁ……」
「油断してる方が悪いんだよ」
どうやら投げられたらしい。気が緩んでたせいだ。
「ほらよ…っと」
手を借りて立ち上がった。
「悪かったな。試す様なマネして」
「いや、気にしてないから大丈夫」
「いや〜、良い戦いだったよ。これなら任務も任せられそうだ。ということで、君達にはある廃墟に行って貰うよ!」
つまり、初任務?
「オイ、いきなりすぎだろ」
と真希。
「しゃけ」
と狗巻。同意ってコトか?
「流石に心配だな」
とパンダ。
「確かにそれは言えてる」
と俺。
「いやいや、みんなならイケるって!」
絶対根拠なしだろ。
「それじゃ、廃墟へGO!」
やっと2年ズが出せました。