『7日で』神通が死ぬっていうのなら、俺が救ってやるよ! 作:阿斗 らん太
途中で変えてしまってすみません!
パチパチと、突如として砲弾を受け、鎮守府が崩れていく。
───提督! 敵襲です!!
何故だ。あの深海棲艦が積極的に攻め入って来るのも不可解だが、それは百歩譲るとして、なぜ一発目で建物の位置が分かるのか。
俺がここに来てからの記憶にも、来る前の記録にも奴らが島に侵入したという情報はない。
───神通、敵の数は分かるか!?
───目視できる範囲ですが、少なくても十、いやもっと・・・・・・
───っ!
───とにかく、提督は逃げて下さい! 今ならまだ間に合うかもしれません。ここは私が食い止めますから!
───いや、恐らくもう島ごと包囲されているだろう。どうせこの状況では俺は逃げられない。なら、せめて戦えるお前だけでもいっそ・・・・・・!
───それはできません
───なぜだ!
───私は艦娘、あなたの兵器ですから
くっそ、なんでこんな時に限って───
○●○
進まない・・・・・・!
最近変な夢を見るせいで寝覚めが悪いせいか、執務に全く集中できない。
大して量もないし昼までには終わると思ったが、このペースでは終わりそうにないな・・・・・・
「よし、ここは頭をスッキリさせるためにも一発抜いておくか!」
昨日神通に怒られたばかりなのだが、やっちゃダメと思えば思うほどやりたくなるのが人間の不思議な性である。
「さて、今日のオカズはっと・・・・・・」
昨日会った記憶が鮮明な内に五月雨ちゃんにしようかと思ったけど、今日は冒険に冒険を重ねようかと思う。
大将の魔の手から死守した俺の秘蔵コレクションが床下に隠してあるので、そこからお目当てのものを見つける。
「よし、あったあった」
俺の尊敬するオータムクラウド先生作、『夜戦(意味深)の鬼と化した神通』を取り出し、他の本はしっかりとしまっておく。
普段こそ怯えているものの、顔だけ見れば神通は俺の好みどストライクなのだ。あの凛とした表情が堪らなくイイ・・・・・・!
こんなところ神通に見られたらジエンドだが、今まで1度もこの時間に来たためしがないのでまあ大丈夫でしょう。
神通本を選ぶことによる適度な緊張感もまた、得られる快感のスパイスとなる。リスクの反対はクスリとはよくいったものだ。
「よし」
準備が整い、いざ参ると云わんばかりにパンツごとズボンを下ろした瞬間───
「提督、報告に───」
・・・・・・ジエンドおおおおおおぁぁぁ!!!
○●○
「・・・・・・ぇ?」
俺の準備万端なジュニアを見て、神通は完全に固まってしまっている。
なんか最近ノックしないよな神通。
とにかくこの格好はまずいと思い、ズボンを上げようとしたところで、
「動かないで下さい」
神通に止められてしまった。
なんで止めるんだよ・・・・・・
そんな神通はと言うと俺の一物をじっと見つめている。そんなに見られると流石に恥ずかいしんだが・・・・・・
しかし見られてしまったからにはここはもうDOGEZAしかないだろう。
「すみませんでしたあああぁぁぁぁ!!!」
俺は刹那の思考の後に人生で最も綺麗なDOGEZAを決める。
「最低・・・・・・」
俺の渾身の謝罪に対し、神通はフルチンで土下座する俺に汚物を見るような目を向ける。
うう、昨日もこんな状況だったような・・・・・・
昨日で地に落ちた神通の俺に対する好感度が、今や地にめり込んでマントル辺りまで行っている気がする。
「で、なんですかこれは」
神通が例のエロ本を指して訊いてくる。
なんか本人がその本持ってるとじわじわくるものがあるな。
「いや、その、ええと・・・・・・」
口が裂けても、あなたのエロ本ですよ、なんて言えない。
しかしこの状況、どう足掻いても言い訳出来ないんだが・・・・・・
「性欲、溜まらない体質じゃなかったんですか?」
「う、いや、そうだ、定期的に解消してるから溜まらないってことなんだ・・・・・・!」
くそっ、昨日の発言が仇に・・・・・・!
自分でも流石にこの言い訳は厳しすぎると思う。
「へーぇ、現実の私には興味がないから、本の私で処理しようと、そういうことですね」
「・・・・・・・・・・・・」
なんか怒り方が若干ズレている気がしないでもないが、どう答えたらいいんだこれ。
完全にキレてニッコニコの神通に正直に、どちらの神通にも大いに興味津々です、などど言った暁には単身で乗り込んできたイ級の如くバラバラにされるだろう。
「大体、こんな本のどこがそんなに・・・・・・」
ペラペラと神通は本の中身を流し読みしていく。
やめて・・・! 責めて俺のいない所で読んでくれないと罪悪感が・・・・・・!
見るとカァァと顔を真っ赤にしながらぷるぷると震えている。
そんなに恥ずかしがるなら見なきゃいいのに・・・・・・
「も、もういいです。それで、他の本はどこに隠しているんですか?」
「え? いや・・・・・・」
「まさか、持っているのがこれだけってことはないですよね?」
まずい、非常にまずいぞこれ。ここで全部ボッシュートされてしまったらこの何も無い島での唯一の楽しみがなくなってしまう・・・・・・!
楽しみがオ○ニーしかないのはどうなの? と自分でも思いながらもどうにか誤魔化す方法はないかと考えていると、
ウウウウウウウウーーーーーーーゥゥ
警告音がなった。
『南南西の方角から敵襲です!』
「なっ・・・・・・」
幸か不幸かこの取り込み中のタイミングでの敵襲に俺も神通も驚きを隠せない。
敵襲なんて今までなかったのに、一体どうしたというんだ。
「提督、急いで出撃します」
「あ、ああ・・・・・・頼む」
神通しか艦娘がいない以上、とにかく神通1人に任せるしかない。
神通は急いで部屋を出ようとするが、ドアを閉める直前、
「あと、この本は私が預かっておきますので」
などと言い残していった。
捨てられないだけありがたいと思いながらも、あの本を本人が預かるのか、というなんとも複雑な気持ちになった。
○●○
結果から言うと、駆逐艦数体だけで敵襲自体は大したことなかった。しかし、このタイミングでの不可解な奇襲にどうしても嫌な予感がしてしまう。
本当に3日後に対応できないほどの敵襲が来るかもしれないと思うのは、妖精さんの言葉を信じ過ぎだろうか。
もう外も暗くなってしまったが、神通には迎撃のお礼を言うと共に、昼のことをもう一度謝っておこうと思い、いつぞやの訓練所に向かった。
思った通り、神通は訓練中だった。もう暗くて見えないだろうに、正確に的に攻撃を当てている。
こういうところはほんと真面目なんだよな・・・・・・
普段から嫌いであろう提督の更なる醜態をを見てしまったのにも関わらず、訓練を怠らないあたり根は素直で真面目なんだと思う。
ごめんな、こんな提督で・・・・・・
「神通! ちょっといいか?」
最悪無視されるとも思ったが、意外にも神通は訓練を切り上げこっちへ向かってくる。
「なんでしょう?」
「今日は急な敵襲にも関わらず迅速に対応してくれて、その、あ、ありがとう」
「・・・・・・いえ、お礼には及びません」
ずいぶん素っ気ない返事に聞こえるが、顔を背けながらも少し口角が上がっているのでちゃんとお礼は受け取ってくれたみたいだ。
「あと、昼のことは本当にすまなかった! 神通は時間があれば訓練に励んでいるのに、俺は提督としての自覚が足りなかったと反省している!」
「・・・・・・・・・・・・それも、もう過去の話ですので、もう何も言いません」
てっきりまた残りのコレクションについて聞かれると思ったが、神通にとってはそれも終わった話らしい。
自分の艦娘がこんなにできた娘なのに、さっきまで言い訳を考えていた自分が恥ずかしくなってくる。
自分のクズっぷりに若干気を落としていると、神通は太ももに巻いたライトのようなものを外していた。
「それは・・・・・・?」
「探照灯です。もう大分古くなっていますが、姉さんと那珂ちゃんがくれた大切なものなので、ずっと使っているんです」
「そうだったのか・・・・・・」
「かなり前に私が異動して離れ離れになってしまいましたが、これさえあれば一緒に戦っている気がして・・・・・・」
口を綻ばせ、大事そうに探照灯を抱える神通を見て、思い知らされる。
本当に、俺は今まで神通について何も知らなかったんだと。