プロローグ
「おい!あれって!」
「間違いない!一度しか見たことはないがはっきりとおぼえているぜ。」
プレイヤーたちは、奴隷たちの中に見慣れた顔を発見する。
「閃光のアスナ・・・・・・・」
血盟騎士団の副団長、「攻略の鬼」と呼ばれていた少女がいた。
「あの噂はやはり本当だったのか。」
血盟騎士団が壊滅状態だと言う噂が広まっていた。だがプレイヤーたちの中にはデマと言い、信じない輩もいた。
アスナは、傷つきボロボロで、歩いていた。正面と背後には自分と同じ格好で縛られている部下たちがいる。そして先頭には鞭を持ったレッドプレイヤーがいる。
周囲のプレイヤーたちも、デジモンたちも事の成り行きを見守っていた。
ある者は見下しながら
ある者は同情しながら
ある者は期待しながら
ある者は嘲笑しながら
ある者は心配しながら
キッとなって観客たちを睨みすえた。本当は恐ろしさと恥ずかしさで泣きたいくらいだ。なにせ一糸まとわぬ素っ裸を、見ず知らずのプレイヤーたちに晒しているのだから。萎えそうになる気持ちをそれでもなんとか奮い立たせているのは、副団長としてのプライド、そしてこの世界に絶対負けたくないという想いだった。
アスナは考えた。どうしてこうなったんだろう、自分はなんでこんなことしてるんだろう。
そしてその夜。アスナが閉じ込められている牢獄に訪問者が現れる。
「あなたは・・・・・」
一瞬目を見開くアスナ。だがすぐに目を逸らした。
「大丈夫か?」
拓也はアスナの顔を覗き込む。
「何しに来たの?私を・・・・・・笑いに来たの?」
「・・・・・・・・・・・笑ってほしいのか?」
それだけ言うと、拓也はその場に座り込む。
「お前、何でそこまで強くなろうとするんだ?」
「・・・・・・・・・・・。」
「答えたくないなら、別にいいぜ。」
すると黙りを決め込んでいたアスナがゆっくりと口を開く。
「・・・・・・・・・私が私でいる為。最初の町の宿屋で閉じこもってゆっくり腐っていくくらいなら、最後の瞬間まで自分のままでいたい。」
「・・・・・・・・・・・。」
「たとえデジモンに負けて死んでも、この世界には負けたくない。どうしても。」
「現実世界に帰るのか?」
「そうよ。それなのに何で、みんなそれが分からないの!?一人じゃ敵わない相手でも、みんなで力を合わせれば・・・・」
「・・・・・・・だからお前は負けたんだな。」
アスナは思わず泣くのを止め、唖然と拓也の言葉に耳を傾ける。
「いや正確に言えば、お前の理想に団員たちは潰れたんだ。お前の無謀な考えが今、この状況を招いたんだ。」
「な・・・・何よ・・・・・。私は・・・・・・みんなのために・・・・・・」
「本当にお前、みんなのためを思ってるのか?」
「あ、あなたに何がわかるの!?私の気持ちも知らないで!!」
「・・・・・・・・・・。」
「みんな、勝手よ!勝手すぎるのよ!今度こそ・・・・うまくいくはずだった・・・・。私も強くなったし・・・・・・」
アスナの頭に、今は泣き親友の姿を思い浮かべる。
「・・・・やっぱり、お前は何も変わっていない。」
拓也はため息をつく。
「えっ?」
「お前は理想を人に押しつけてるだけだ。」
「そんな・・・・私は・・・・」
「いつまで他人を振り回せば気が済むんだ?」
「や、やめて・・・・・やめてよ!」
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続けた方がいい
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やめた方がいい