「とりあえずここでいいか。」
それから数分後、ヴリトラモンは人気のない空き地に降り立った。
「おい、着いたぞ。」
ヴリトラモンはしゃがみ込み、セブンに背中から降りるように声かけをする。
「・・・・・・・。」
ヴリトラモンはセブンに話しかけたが、彼女は上の空だった。どうやら空を飛ぶってことの気持ち良さにまだ浮かれているらしい。
「しょうがねえな・・・。」
拓也は少しだけ乱暴に身体を揺さぶる。
「!?な、何!?きゃっ!」
セブンはバランスを崩し、地面に転がる。
「目が覚めたか?」
そう言うとヴリトラモンは拓也の姿に戻った。するとセブンが顔を上げて拓也に抗議の目を向ける。
「ちょっと!もう少し優しく降ろせないの!?」
「お前がボケッと絞まらない顔して、反応無かったからだろ。」
「だ、誰が絞まらない顔ですって!?」
セブンは顔を赤くして拓也を睨んでいたが、拓也はどこ吹く風の態度を取る。
「・・・・・・・はぁ、いいわ。それにしても、貴方、本当に変わっているわね。」
「そうか?普通だと思うけど。」
「いいえ、十分変わってるわ。本来デジモンは私たち人間を見たら、真っ先に捕まえて、食べてしまうもの。」
「人間を食わないデジモンもいるんだ。それに・・・・」
拓也はセブンの頭から足のつま先まで観察する。
「お前を食べたら腹壊しそう。」
「ちょっと!どういう意味よ、それ!」
再び拓也に抗議の目を向ける。
「まぁいいわ。それにしても、貴方、本当に私のことを知らないの?」
「知らんし、興味もない。」
「ふーん、本当に変わった人ね。」
「お前もな。」
セブンは驚きの声を漏らしつつもその目は興味深いという顔をしている。
「俺からも聞きたいんだが。お前はどうして俺のことを知ってるんだ?」
「あら?知らないの?十闘志の一人なのに、人間の味方。有名よ?私たちの間で」
「何だって?」
知らないうちにそんな噂が出回っていたのか。
「・・・・まいったな・・・」
拓也は困った声を漏らす。もしこの事がが他の十闘志の耳に入ったら、少し面倒な事になる。
「ん?」
再び足音が聞こえた。数からして、おそらく先程の連中だろう。
「まずい、隠れるか。」
「ううん。もう満喫できたからいいわ。」
「え、いいのか?」
「問題ないわ。楽しみも見つけたし。」
セブンの最後の言葉は拓也には届かなかった。
「え?」
「ううん、また会いましょう!」
セブンはそういうと去って行った。残された拓也は呆然とする。とんでもない奴と知り合ったのかもしれない。
「さて、帰るか。」
今日は厄日だ。こういう日は家でじっとしているにかぎる。拓也は自宅へと急いだ。
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