数時間後、ある鍛冶屋では・・・・・・
「命令無視に独断専行。あんな人が騎士団にいるなんて、私は認めないわ!」
拓也への不満を言いまくるアスナ。そんな彼女に、鍛冶屋の主人であるリズベットは・・・
「・・・・・と激しくぶつかり合った二人ですが、次第に惹かれあって恋に・・・・」
ニヤニヤと笑う。
「落ちないわよ!!!」
アスナは顔を真っ赤にして叫ぶ。
「そんなに拓也が嫌い?」
「嫌いよ。仲間を危険に晒すような人は・・・・」
「昔の自分を見ているようでイライラする?」
「・・・・・・・・・・・。」
「まあ、拓也もあれで過去に色々あるから・・・・」
「???」
「あんまり邪険にしないであげてね。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
主街区近くにある木の陰。
「ぐぅ~」
一人のプレイヤーの姿があった。緑色の帽子を後ろ向きに被り、ゴーグルをつけている少年だ。あたたかな陽気を浴びて幸せそうに寝ている彼のもとへ一人の女性プレイヤーがやってくる。
「何してるの?」
拓也が今一番会いたくない人物である。
「なんだ、あんたか・・・・・」
片目を開けた拓也は彼女を見上げる。
「団員のみんなが必死で戦ってるのに、何であんたはのんびり昼寝なんかしているのよ!?いくらソロだからってもっと真面目に・・・・・」
「俺、血盟騎士団をやめる。」
「!?」
拓也の言葉にアスナは目を見開く。
「仲間を犠牲してまで生き延びたいなんて思わねえよ。」
「・・・・・・・・。」
「お前は一体何がしたいんだ?」
「???」
「別に答えなくてもいいけど・・・・もしゲームの主人公にでもなったつもりでいるなら、今すぐ考えを改めろ。」
「何言っての!?私は別に・・・・・・・・」
「違うと言い切れるのか?」
アスナは口籠る。
「・・・・・・・・・・。」
「忘れるな。負ければ死ぬんだ。やり直しは効かないんだ。」
「そんなこと・・・・・・」
「だったら何であんな無謀な作戦を立てる。実力も分からない未知の相手に。」
拓也の声が段々と大きくなり、感情も高ぶっていく。
「じゃあ、逃げれば何とかなるの!?」
「そうは言ってねえよ!」
「じゃあ、どうするのよ!?」
再び声を睨み合う二人の男女。
「お前が死ぬのは勝手だ。だけど、他のプレイヤーを巻き込むな。」
「・・・・・・・・・・・。」
数日後。何度も会議を重ねた攻略組は、ボス討伐のためにボスの寝床へ向かっていた。勿論道中、湧き出すデジモンを倒しながら。
「どうして、こんな団体行動をしないといけないんだ?」
「ボスのところまでに行く手段が足しかないからよ。転移用のアイテムがあれば別なんだけどね・・・・・・」
「ふ〜ん・・・・・・・・・・・・・」
迷宮区を通ってボスの寝床の前にたどり着く。この中にいるボスを倒せばこの層は攻略できる。
「ようこそ、人間ども・・・・・」
部屋に入ると、声が聞こえた。頭上を見上げると、そこには体に多くの鏡を備えた突然変異型デジモンがいた。デジモンはゆっくりとプレイヤーたちの前に降り立つ。
「なんだ、こいつ?」
見たことのないデジモンだ。ボスが情報と違っていたことにプレイヤーたちは混乱し始める。
「自己紹介をしておこう。私はメルキューレモン、伝説の十闘士の1人だ。」
「伝説の十闘士?」
メルキューレモンの言葉にアスナたちは首を傾げる。伝説の十闘士、かつてこの世界を救い、平和を築き上げた伝説のデジモンたち。
「・・・・・なら、なぜあなたたちは私たち人間を襲うの?」
アスナが口を開く。
「目的はなんだ?」
「何故、俺たちにこんなことするんだ?」
「俺たちが何をしたっていうんだ!」
アスナに続き、他のプレイヤーたちも声を上げる。
「くだらん。」
メルキューレモンはため息をつく。
「お前たちは、家畜を殺すのにお伺いは立てるのか?」
「『「『「なっ!?」』」』」
メルキューレモンの言葉にプレイヤーたちは呆気に取られる。
「お前たち人間は我々が強い存在になるための踏み台に過ぎんのだよ。ハハハハ!!!!」
メルキューレモンは笑い出す。
「この!」
プレイヤーの一人がメルキューレモンに襲いかかる。だが
スッ
メルキューレモンは鏡の中に吸い込まれていった。そして粗同時に部屋の扉が消えた。
「なに!?」
「ハッハハハハ、人間たちよ。お前たちを倒すことは容易い。だが唯倒すだけではつまらないのでな。付き合ってもらうぞ、我が戯曲に。私の作った筋書き通りにお前たちは舞、踊り・・・・そして死ぬのだ。ハハハハハ!!!!」
「ふざけるな!」
「ハハハ、『死のロンド』の開演だ!!!」
「ねえ・・・・なんだか寒くない?」
「そうなんだよな。オレも、さっきから寒いと思ってんだ・・・・」
メルキューレモンとの戦いに敗北し、捕らわれの身となった血盟騎士団。装備は全て奪われ、手足には拘束具、首には首輪、そして牢獄に入れられる。
「腹減った・・・・・もう一日たったのに、誰も来てくれないぜ?」
「オレたち、死んじゃうのかな・・・・・」
「嫌だぁぁぁ!こんなとこで死にたくなぁい!」
団員たちが不安にかられる中、副団長のアスナが立ち上がる。
「みんな、元気を出して!!こういう時は取り乱してパニックを起こすのが一番よくないのよ。落ち着いて救助を待ちましょう!」
「『「『・・・・・・・・・・・・・。』」』」
するとみんなの視線がアスナに集中する。
「???」
すると団員の一人が口を開いた。
「うるさいせぇ。黙ってろよ!!」
「!?」
アスナは目を見開く。
「偉そうなこと言うな!誰のせいでこうなったと思ってんだよ!?」
「そ、それは・・・・・・・」
「そうよ!全部あんたのせいじゃない!」
「こんなところまで来たのだって、捕まったのだって、全部副団長のせいだろ!」
「そんなっ・・・・!わたしは!」
「お前が命令に従えって言ったからだ!オレ、本当はこんなとこまで来たくなかったんだぞ!」
余りの言い分にアスナは声を上げる。
「黙りなさいっ!」
団員たちの言い分に、目に涙を溜めながらアスナが声を上げる。
「これ以上の侮辱は赦しませんっ!それでも続けるなら・・・っ!」
「続けたらなんだ?どうするんだ?俺たちを殺すか?処刑するのか?」
団員たちはさらに挑発する。
「お前にそれが出来るのか?やってみろ・・・・無力な『閃光様』・・・・」
その言葉を聞くとアスナは崩れ落ちるように泣き出してしまった。
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