みんなが寝静まった夜。拓也とシリカはある建物に忍び込んでいた。見張りのデジモンたちを何とかやり過ごし、
「ランさん!」
シリカは鉄格子の中を覗き込む。
「シリカ。」
ランと呼ばれた少女はシリカの姿を見つけると、ゆっくりと近づいてくる。
「そちらはお友だち?」
「ええ、友達の拓也さんです。」
「宜しく。」
「こちらこそよろしく。」
ランは拓也に優しい笑みを浮かべる。
「そういえば、ピナはどうしたの?」
「そ、それは・・・・・・・・・・・・」
ランの質問にシリカはバツが悪そうにする。
「そう・・・・・、大変だったのね。」
「大丈夫だ。俺が責任を持って生き返らせてやる。」
「はい!」
拓也の言葉にシリカも声を上げる。そんな二人の様子をランは微笑ましく見守る。
「ところで、ランさんは何でこんな所にいるんだ?」
拓也の質問にランは語り出した。ここは人間を馬車馬の如く働かせる人間牧場。ランは、彼女のギルドの仲間と共にここに捕らわれている人間たちを解放しようと試みたのだが、敵わず、敗北したとのこと。そして仲間を逃がす為にに自分が囮になり、捕まったの事。
「ふ〜ん。それで助けが来るのを待っているのか。」
「はい。」
「大丈夫ですよ。きっと助けは来ます。だから諦めないでください!」
「ありがとう、シリカ!」
シリカに励まされ、ランは笑みを浮かべる。
「拓也さん。」
「ん?」
「あなたからは、何か不思議な力を感じます・・・・・・・・・・・。デジモンにない、人間にもない。不思議なの力を。」
「???」
「あなたは人間とデジモンが共存出来ると思いますか?」
先程とは打って変わって、真剣な眼差しを拓也に向ける。
「ああ、出来るぜ。人間にも悪い奴はいるし、デジモンにもいい奴はいる。」
拓也は強い意志を持って答えた。そんな彼の言葉を聞いてランは再び笑みを浮かべる。
「あなたを見ていると、妹の事を思い出します。」
「妹?」
「はい。やんちゃでいつも他人に迷惑かけていないか心配で。」
「ふ〜ん。いつか会ってみたいな。」
「会えますよ。きっと。」
「誰だ!そこで何してる!?」
突然遠くから声がした。どうやら看守が戻ってきたようだ。
「不味い!見つかった!」
「どうしましょう、拓也さん!」
建物の警報装置が作動し、足音が聞こえてくる。
「早く逃げてください!」
「ああ。また来るぜ。行くぞ、シリカ!」
「はい。ランさん、どうかご無事で。」
拓也たちは急いでランに別れを言い、その場を立ち去った。
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