せっかく女の子に生まれ変わったんだから、僕はただ……お嬢さまを僕好みに育てるついでに愛でて撫で回して甘やかして楽しもうって思っただけなのに!   作:あずももも

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16話 ド外れかと思っていた転生ギャンブル、結果的に大当たり

 

泣き止んで泣き止んで泣き止んでーって念じながら両手をしっかりつかむことしばし。

 

僕よりも大きいけどでもほっそりしていて柔らかくっていやいや煩悩退散。

 

「………………………………分かり、ました。 いえ、分かった、わ。 こうして話してもいいのよ、ね? ……ご家族を失ってひどい目に遭っていた貴女に、そんな顔はさせられま、……させられない、もの」

 

なにこれなにこれちょっと待って。

 

これもこれでやばいんだけど?

 

なんですか、高貴なお嬢さまだったジュリーさまが一転してぐっと距離感が近くなったようなそんな話されかたをして僕にトドメを刺したいんですかジュリーさま。

 

あ、だめ、もうだめそう。

 

ああ、美しい金髪と紅い瞳がよりいっそうに輝いているのが僕の今世の走馬灯……。

 

「………………………………しかし。 あくまで軽いお手伝い、です、よ? それで貴女が他の方たちのお仕事を取りすぎてしまったり、忙しくなってしまったりするようなら、すぐにやめさせ……る、から。 さっきリラに言われたことを、そっくり返す、からね? あと、そうする以上には、リラ、貴女も私の妹として、みんなに……私にも、しっかり甘えること!ですっ」

「はい、ジュリーさま」

 

なんとか平気ですよーって感じにお返事したけど、実は心臓がばくばくでやばい。

 

かつてないほどに心臓がががんばっているような気がする。

 

……これで死んだりはしないよね?

 

前世、もしかしてこんな感じでぽっくりいったんじゃ。

 

………………………………………………………………………………………………。

 

……もすこし有酸素運動して心臓を鍛えなきゃと決意する次第だ。

 

僕のことはどーでもいいとして、肝心なのはジュリーさまのくだけた話され方のなんと尊いことか。

 

話し方が少しだけくだけられて、知り合い……外の人から、友だちレベルにまで食い込めた感じがして、大変によろしい。

 

うん、会ってから少ししかしてないのにこれだけ打ち解けてくださったっていうのは嬉しい限り。

 

けど、2度とこんな博打は打たない。

 

下手したら嫌われてたもんなぁ。

 

だってふつー、事情があったとしても知り合ってたかだか10日程度の人からヤなとこはっきり言われたら、ふつーの人ならカチンってこない?

 

ヤにならない?

 

嫌いになったりしない?

 

僕ならそうなる自信がある。

 

自分の、自覚しているヤなとこを、自分が助けた相手に言われるなんて。

 

………………………………それだけジュリーさまが天使だという証になるのか?

 

ならば大正解だな。

 

うむ。

 

「……そうね、せっかくなのだしお父さまたちと使用人のみなさま、そろっての歓迎会をしないといけませんわね。 だって、リラという妹が……ほんとうの意味で、今日、できたのだから」

「はい、お嬢さま。 先ほどすでに数名を………………………………」

 

うむうむ。

 

とりあえずなんかいい雰囲気になってるし、ジュリーさまが立ち上がったのを見計らって疲れた演技をしながらジュリーさまが座られていた……坐されていた……まだまだあったかいイスに……よじ登る。

 

……だって、この世界のおとなってみんなでかいんだからしょうがない。

 

それがたとえ、前世換算でJKであらせられる天使さまであったとしても。

 

まー、生物的にはJKだって成体?なんだし、そりゃそーかもしれんけど。

 

ついでに言えば、じゃあなんで僕はこんなにちんまりしてるのかって言うのにも繋がるけど。

 

そんなこと考えて……表情とかは適当に、ジュリーさまとおはなししてほっとしてる風を醸し出しておいているから、お水を持ってきてくれたメイドさんが、ものすごーくほっこりした表情を浮かべているけど……それはいつものことだから気にしない。

 

だてに16年……のうちの、同世代から明らかに身長の伸びが止まった4、5年くらい耐え忍んでいるおこさま扱いを経験していないんだから。

 

気にしてない。

 

気にはしていない。

 

ただ、……やっぱどーせ生まれ変わるなら、ふつーの男だったらなーって思ったり。

 

………………………………………………………………………………………………。

 

と。

 

おしりがあったかい。

 

空間から、かすかにジュリーさまの匂いがする。

 

ここにジュリーさまのおしりが鎮座ましましていた記録が、僕へと伝わってくる。

 

………………………………………………………………………………………………。

 

……僕、ここまでヘンタイっぽい衝動を特定の人に対して覚えたの、今世ではなかったのになぁ……。

 

まぁ、それだけあのときの女神ジュリーさまのインパクトがおっきかったんだな、うん。

 

それに今の僕はまだまだこども、性的衝動には……悲しいことになのか嬉しいことになのか、とにかく目覚めていないから、これはただただジュリーさまが好きだっていうピュアピュアな心からしているんだ。

 

汚れていない衝動だから、問題なし。

 

いや、覚えたとしたら……これはどっちでってことになるんだ?

 

男として? 女として?

 

………………………………。

 

ま、それはそれ、そのときに考えよう。

 

それは今じゃないしな。

 

だからほら、ヤらしい感情が一切ないもんだから、わざと嬉しそうな顔にしてみても……むしろみんな、もっとほっこりした感じだし。

 

女神ジュリーさまもまた、嬉しそうなお顔をされているんだから、これはいいこと。

 

よし、自己肯定完了っと。

 

さてさて、それじゃあ。

 

ジュリーさまを、ご結婚するまでのあいだは存分に甘やかしつくして、ストレスフリーなライフスタイルを満喫させて差し上げて……限りなく、ふつうの女の子、せめて前世のふつーのJK基準で、可能なら現代のJK気分で。

 

健やかに育てて差し上げよう。

 

………………………………あとは、せっかくのいい素材をお持ちなんだ。

 

ジュリーさまのお母様と比べると、やや……いや、けっこうに慎ましやかと表現すべき、その美しきお胸も、もうちょっと成長できるように………………………………手遅れになる前に。

 

まだ第二次性徴は終わっていない……はず、だよね?……だから、早急に女性ホルモンを分泌させる生活を提供して、きっとコンプレックスであられるだろうお胸を、いや、僕的にはあのくらいが実にいいんだけど、僕の手ちっちゃいし、揉むのにはちょうどいいし……けど、この世界はまだまだスレンダー美人ってことばが生まれるには貧弱すぎるからお育てして差し上げて。

 

おっと、思考が逸れている。

 

ともかく、現代の心理カウンセリングとか栄養学とかカイロプラクティックとかを駆使して、なんとか、もう少しばかり成長させてあげよう。

 

大丈夫、今の僕は12歳というでまかせを信じ込まれちゃうほどには幼い女の子。

 

そしてヤらしい感情も衝動も生まれていない……脳内以外では……な、ジュリーさまを慕っているだけのこどもだ。

 

ひっついていても問題ないだろうしな、うん。

 

むしろ、ひっついて肌と肌でオキシトシンとかを分泌させて差し上げるべき。

 

と、そういうことで………………………………僕の。

 

この世界にこの体で産まれて、これまでぶれっぶれで適当に過ごす予定だった僕が、救われた天使をお救いするという「今世」が、ようやくにして始まったんだ。

 

 

 

 

「………………………………はっ、………………………………んっ、やぁっ……」

 

お風呂場に……大浴場に、主にジュリーさま専用に近い扱いの空間に、ジュリーさまの美しい音色が響き渡る。

 

それを聞くたびに、端っこで控えている護衛の人とかが顔を真っ赤にして……あ、当然に女の人だ、男にジュリーさまのこのお声以前にはだかを見せるわけにはいかんし、ジュリーさまのお父様も許可しないから……その人たちが、もじもじしながらそっぽを向いている。

 

うん、しょうがないよね。

 

僕だって男だったら、まず耐えられんだろーし。

 

女だってきっと、こうして作業をしていなければあーなるだろう。

 

健康な女性で、まったくに興味のない人じゃなければ、きっと。

 

けどこれは治療のため、健康のため。

 

決してヤらしいことをしているわけじゃない、むしろ健全なんだから。

 

お風呂場で、ジュリーさまにお湯に浸かっていただいて体がほぐれてきてからマット的なものに寝かせて、全身にオイルを……もちろん素手で、僕のこの小さな両手でくまなく、くまなく塗りたくって。

 

それから、………………………………………………………………リンパだ。

 

有名な、かのリンパ。

 

もちろん誤用の方と正しい方のどっちの意味でも、なリンパ。

 

リンパ。

 

たったの3文字なのに、それだけで世の中の女性を魅了し、そして男を悩ませる、リンパというもの。

 

あとは経絡とツボと筋膜と、正しいストレッチとかヨガ的なあれこれとか。

 

知識がない人がやると体が傷つくからダメだけど、僕にはそれがある。

 

……ほんと、前世の僕はなにしてたんだか。

 

ますますに謎と化してきた僕の前世。

 

ま、それは置いといて。

 

まずは初歩段階として……なにせ、まだ初めて数日だしな……前世でよく見た……らしい、なにせその知識がある……リンパ流しというものを、体内の滞りをきれーいにするための、ついでにリラックス効果のあるそれを、実施している。

 

あ、もちろんアダルトな方じゃなくって、ごくまじめな医療用の方を。

 

「はっ、…………あっ! ………………………………リ、リラ………………………………んっ!」

 

おっと、ちょっと強すぎたか。

 

リンパとはすなわち体の急所、つまりは敏感なところ、だから慣れていても絶妙な加減でつつーっと流されるとどうしても声は出ちゃうし、出るように、している。

 

もちろんにぎりぎり痛くないって程度に加減して。

 

なにせ、こういうのって初めは痛っくてしょうがないってのもまた知っているから。

 

けど、慎重に……なるべく触覚に訴える強さと動きで責め立てている。

 

だって、………………………………いいじゃん?

 

娯楽すらない世界なんだ、最上級の娯楽が演劇とかパーティーとか夜の運動会なんだ、ネットがないんだ、せめてこれくらいは………………………………いいじゃん?

 

だって実際にジュリーさまのお体のためになるようにはしているし、そのついでにちょーっとだけ僕が嬉しくなるようにしたって、いいじゃん?

 

ヒマなときにリフレインするための素材を集めといたって、いいじゃん?

 

この世界にこの知識を持っている人は早々いないんだし、これがリンパです、これでよくなるんです、って言って何回かやって、で、調子がよくなって………………………………当然だよな、ストレッチの概念すらない世界なんだ、体のあちこちを伸ばさせる運動とかしてもらって、その上でこうやってつ――っと。

 

「………………………………んん――っ、あっ…………り、………………………………りら、ぁ……っ」

 

………………………………やっても、バチは当たらないはずだ。

 

うむ。

 

声をこらえるためにがんばって、だけどわざと毎回手のひらにもオイルを塗りたくって……手のひらにもまた、ツボがたくさんあるんだし、これもまた正当な理由だ……いるから、それで口を塞げない、だから食いしばるしかない。

 

けれど、わざとほっとしたタイミングとかで弱いとことかを刺激するから、声を抑えられず、出しちゃうたびに顔が赤くなって、顔を背けて………………………………髪の毛が顔にかかって、余計に、非常によろしい感じになっていらっしゃるジュリーさま。

 

乱れた髪の毛がお口の辺りとかにもへばりついているのがまた大変によろしくてすばらしくて神々しい。

 

うん。

 

すばらしい。

 

これを、僕の手で成し遂げているというのが………………………………感動を呼ぶ。

 

「……ひゃんっ!! ………………………………あっ、………………………………」

 

おっと、ついつい鼠径部の内側に手が伸びる。

 

いけないいけない、ヤらしいことはしないんだ。

 

それをしたら、僕たちの関係もダメになっちゃうし、なによりも婚約者さまに失礼だもんな。

 

もっとも、ほんとは脚のつけ根の大切な場所の周りにこそリンパ、神経が集中しているから効果があるんだけど、いくらなんでも其処は聖域ゆえ、ぎりぎり聖域には触らないようにして、目でも見ないようにして、けれども必要最小限で最大限まではぬるぬると触って流して差し上げている。

 

………………………………………………………………。

 

そういえば、肉体的にはまっとうな女な僕が婚約者はいるもののまだまだ乙女なジュリーさまをあれこれしたとして。

 

これは、NTRというジャンルになるんだろーか?

 

いや、その理論で行けば僕はそれをした側になっちゃうんだけども。

 

もちろん、ぜったいにしたりはしないけれども。

 

なんて呼ぶんだろーか、そーゆーの。

 

………………………………………………。

 

けど、僕はそういうのは嫌いだ。

 

だから、一線は、越えない。

 

女同士だしな。

 

もちろんジュリーさまは女神でいらっしゃって、僕はガワは幼子な女の子で中身は異世界出身の男なんだけれども。

 

だから越えない範囲で……せめて「微」百合に留めねばならぬ。

 

だって、悪いもんな。

 

アルベールくんに、さ。

 

いちおうは………………………………友だちっぽい関係にもなれたんだから。

 

「………………………………おね、がい、りらぁ。 そろそろ………………………………あ、く、………………………………ひゃ、あんっ!!!」

 

あくまでリンパを流したという、体のよどみを取って差し上げたという、凝り固まった筋肉をほぐし、腸もみとかをして上げた果ての、いちばんいい、純粋な快感で出たお声だ。

 

ヤらしくはない。

 

護衛の人がおひとり、耐えきれずに外に出ちゃったけど、決してヤらしくはない。

 

だって僕は、肉体年齢が最高でも12くらいにしか見られない、実にピュアな「女の子」なんだから。

 

うへ、うへへへ、うへへへへへへ。

 

ええ、ジュリーさま。

 

これは、リンパなんです。

 

みなさん、していらっしゃるんですよぉぐへへへへへへへへへぇ………………………………。

 




ジュリーちゃんとなかよくなった……のはいいのですが、その先には。 なお、このおはなしでは……リラちゃんは、やらしいことはほんとうになにもしていません。 ただのマッサージです。 きれいな心でお読みください。 なにか感じられた方は、リラちゃんほどではないにせよ、煩悩に支配されているのです。
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