せっかく女の子に生まれ変わったんだから、僕はただ……お嬢さまを僕好みに育てるついでに愛でて撫で回して甘やかして楽しもうって思っただけなのに!   作:あずももも

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回想編は次回まで続きます。 相も変わらずにリラちゃんの煩悩が全開です。 それで生きているとも言います。


20話 マジメ系ぼっちだったジュリーさまとフリーダムギャルなシルヴィーさま

 

僕たちは百合の楽園を築いていた。

 

………………………………あ、これはウソだ、ウソ。

 

……そう言っとかないと純粋な百合の花がお好きな方々に怒られてしまう気がするんだ。

 

で。

 

そんなこんなでキャッキャウフフな楽園に浸っていたわけだけど……正確には性欲を介さない爛れた生活って感じでつまりはただの百合(偽)な生活を満喫し始めたんだけど、ずいぶんして、ずいぶんと……なまじジュリーさまが構ってくださるものだから、ついつい長らく……心ゆくまで楽しんでいたんだけど、そこでひとつの問題に気がついてしまった。

 

僕のジュリーさま。

 

天使ジュリーさま。

 

女神ジュリーさま。

 

これだけ美しくてかわいくてそりゃあもう婚約者アルベールくんっていう存在がなけりゃあっちこっちから引っ張りだこ間違いなしのジュリーさま………………………………なんだけど。

 

おかわいそうなことに……ほんとの意味でのお友だちが、いらっしゃらない。

 

おひとりも、いらっしゃらない。

 

おひとりも。

 

ぼっち。

 

それを、ご本人が堂々と……事もなげにおっしゃるんだからまちがいない。

 

なにがおかしいのですか?ってお顔をして。

 

………………………………………………………………いや、ぼっちは僕もだけどさ。

 

いやいや、僕の場合はまだいい。

 

いちおう町にいたころにはそこそこの……僕が軟弱だから鬼ごっこ的な遊びじゃなくてかくれんぼとか探索とか秘密基地とかがメインだったけど……友だち、ヒマなときにテキトーにそれっぽいとこに行けば会って、自然と遊べるような友だちは男女ともに、いはしたけど………………………………黒々おっさん。

 

ん? どす黒いおっさんだったっけ?

 

………………………………まぁどうでもいいや、ジュリーさまがいるんだから。

 

とにかく、あーんなスキャンダラスな悲劇ってもんが起きちゃったもんで、しかもよりにもよって僕がそのいちばんの被害者って扱いになっちゃったもんだから、みーんなよそよそしくなっちゃって。

 

おまけに、ジュリーさまとご一緒するためにここに住まわせてもらっているもんだから、おいそれと気軽に町には出向けないし。

 

なんせ、馬車でぼこぼこ1時間くらい?だし。

 

そのうえに、僕がジュリーさまの妹ってことになったわけで、つまりは僕も公爵令嬢(偽)になっちゃったもんだから、そりゃーふつーの神経してる町民、平民なら距離は取る。

 

僕だってそーするし。

 

だって、1回でも怒らせたら自分どころか一族郎党どーなるか分かったもんじゃない世界観だもんなぁ。

 

いくらここの領主さまご一家がお優しいって言っても……それは、直接に会って話して……会えて話せているから分かるんだし、分かったんだし。

 

いくら僕がちんまい存在で年下の子たちに年下扱いされてたっていってもぜんっぜん怒らなかったとしても、……その報復を恐れてか、それとも僕が急変するとか考えてかは知らないけど、僕の扱いはただのちびっこい商人の娘から雲の上のお嬢さまにジャンプしてしまった。

 

やっぱ身分ってすっごいなー、いっつも遊んでた子が誰ひとり、目も合わせてくれなくなっちゃったんだからなー。

 

クモの巣散らすようにさーって逃げられたときは、ちょっと凹んだ。

 

……ま、最大の原因は一家全滅の被害者っていうアレのせいだろーけど。

 

あのせいで、ただでさえこんな状況なのに風評被害まで被っているんだ。

 

おのれ真っ黒おじさん。

 

…………てなわけで僕にはもう友だちっぽい人たちさえいなくなっちゃったわけだけど……それはどーでもいいか、今はジュリーさまがいらっしゃるんだから。

 

………………………………………………………………………………………………。

 

で、ああそうだったジュリーさまがロンリネスな件についてだった、ついつい感傷に。

 

話を戻すと、季節がひとめぐりして、すっかり……そこそこレベルのお仕事まで手伝わせてくださるようになったお父さま(偽)に愛想を振りまきつつ、金転がしとはちがった楽しみを覚えて久しい最近になって、………………………………ようやくに、気がついた。

 

ジュリーさま。

 

事あるごとに僕の部屋に来ては、僕のベッドの上に寝っ転がられて。

 

……こーしてお高いドレスのシワも気にせずに、日中堂々とのんびりぐーたらされるようになったこと自体が奇跡的な進歩なんだけど、それはともかくとして。

 

ふと、気がついた。

 

ジュリーさま、いっつもつまらなそーに……そりゃそうだ、とっくにお好きな本は読み漁っちゃって、今は何回目かのそれら、あるいはあんまりお好きでない本しかないんだから……広げてぼーっと、うとうとと読まれつつ。

 

たいていは、僕の身長にカスタマイズした机のある、ちょい広すぎる僕のお仕事部屋で仕事をしているわけだけども、朝のお世話を終えてさぁお仕事だってときにおもむろに入ってきてはぱふって寝そべって、定位置に積まれたそんなご本ひとつ広げては読まれ始める。

 

書類とか手紙を受け取っては送るためにたびたび他の人たちが出入りしても、挨拶だけしてぬべーっと。

 

んで、僕がお仕事を片づけているあいだは静かーに待たれていて、休憩だったりひと仕事終えて僕もベッドに……正確にはジュリーさまの胸元にダイブしてモフってから、おはなししたり、時間があるときにはお買い物に出ましょうとか景色がいい丘に行きましょうだとか。

 

どー見てもことばを話せる人なつっこいにゃんこ(美人系の金色、とってもふかふかいいにおい。 あのデブ猫とは大違い)な感じになってたジュリーさま。

 

ずぅっと嬉しいなー柔らかいなーいい匂いだなーいつも美しいなーふよふよだなーって。

 

おっぱいに顔うずめてると頭なでてくれるしおへその下にうずめてもやっぱりなでなでしてくれて天国だな――……って思ってたんだけど、で、ここでようやくに気がついたんだ。

 

………………………………あれ?

 

ジュリーさま、お友だちは?

 

お茶会とかぱじゃまぱーてぃーな百合園の開演とかしないの?

 

僕だけじゃなくって、他のお方は?

 

え?

 

いらっしゃらない??

 

だってジュリーさま、むっちゃ社交的じゃなかったっけ?

 

………………………………って思って聞いてみたら、なんと、だ。

 

お貴族さま的な付き合いで、毎週末とかのパーティーやなんやらで、つまりは公爵令嬢としての、政治的な理由でおはなしするお相手はいぃっぱいいらっしゃるんだけど……プライベートで、わざわざどちらかのお家に行ったりするお相手はいらっしゃらないとのこと。

 

……わりと初めのころに聞いていたのにすっかり忘れてたな、そーいや。

 

てなわけで、そもそもとしてどーやって気の合うお相手を見つければ……決まり文句と会場で出される飲食物と情報交換と牽制と……そんなおはなししかしたことがなかったもんだから、見つけられないらしい。

 

じゃあおひとりで遊んでいれば……だって、そこそこでかい町まで1時間なんだから、そこ行けばおひとりでも楽しめるんじゃ?

 

……って聞いてみれば、行ったってなにすりゃいいか分からない……だそうで。

 

まー、お貴族さまがお忍びで遊びに行けるお店なんて限られてるしなぁ。

 

それに、町は……しょせん、中世だしな、歩いても1時間そこらで端に着く広さだし。

 

…………………………………………………………………………………………。

 

……………………やっぱ定年退職後のしなびたリーマンじゃないか。

 

やばい。

 

こんなにもお美しくておかわいくて、幼さの中に女性が垣間見える絶妙なご年齢の、ありていに言えば委員長なJCJKなジュリーさまなのに、どっか残念な感じが、お話しになっている背中からもやもやと浮かんでいた。

 

おいたわしい……。

 

ああ、おいたわしや……。

 

前世の学校とかでもきっといるんだろうし、いたんだろうなぁ、こういう子。

 

まぁ前世のことなんて知識しか覚えてないんだけどな。

 

とにかくこれはまずい。

 

あかん。

 

ジュリーさまの、……心の健全的な成長というものが、お友だちとのキャッキャウフフを通して育まれるはずのいろんなのが、育たずにおとなになられてしまう。

 

それはまずい。

 

非常によろしくない。

 

せっかくの女神なんだから、心まで成長させて差し上げなければ。

 

と、いうわけで適当なお友だちを見繕うことにした。

 

なぁに、もともと……いろんなツテでプロフィールを収集していたんだ、ほとんどうら若きお嬢さま方のだけだけど。

 

だからジュリーさまと、なーんでくっつかないのかなぁって感じのお友だち候補(仮)を、元から集めていたんだ、だから僕の動きは速かった。

 

てなわけで、ご近所(って言っても、馬車で片道2、3日以内……これだから中世ってやつは)、かつ、ちょっとでも文化圏のちがうご家庭だとことばとか文化が変わってきちゃうから、ホントの近場限定で。

 

お貴族さま……ジュリーさまが公爵さまだから公爵さまと侯爵さまと、伯爵さま方くらいまでのお方で、もちろん同世代の同性で。

 

それでいて利害と権力で問題がなさそうなところから、いちおう放った密偵さんたちからの情報を元に素の性格まで調べ上げてからのピックアップをして。

 

んで、意識はだいぶ前に戻るけど……明日いらっしゃるシルヴィーさまは、その中でもそのときのジュリーさまにとってはぴったりなお方だったわけで……あっという間に打ち解けられて、今ではご親友って言ってもいい具合にまで仲良くされている。

 

元々知り合いではあったみたいだしな。

 

というか、大体のご令嬢とは知り合いなんだもん、さすが公爵令嬢。

 

けど、とにかくに………………………………ひとこと。

 

………………………………美しい乙女たちが戯れておられるのって、すばらしいよなぁ。

 

目の保養、心の桃源郷。

 

僕とジュリーさまの(偽)な百合じゃなくって、純粋な百合なんだ。

 

その気がなくともきゃっきゃうふふしていたら百合認定だ。

 

しかもそのうえ、香りと感触は楽しめないけど、その代わりに………………………………すっっごく目の保養になるときた。

 

……………………………………………………………………………………、ふぅ。

 

うむ。

 

あ、で、おんなじ公爵令嬢なはずなのに、公的な場以外ではけっこー……ギャル系?なシルヴィーさまは、ジュリーさまに足りなかったものを与えてくださった。

 

テキトーに……ほんとうの意味でテキトーに、なんとなーくで外で遊ぶっていう感覚を、町に繰り出しては教えてくださって。

 

体力のない僕ではムリなことを、ほんのひと月足らずで教え込んでくださって……あぁありがたや。

 

しかもジュリーさま、昔は……淑女としてのなんとやらって教育をまじめーに受け始める前のジュリーさまは、もともとけっこう外で遊ぶのがお好きな方だったんだから、そりゃー仲がよくならないわけがないわけで。

 

しかも馬車で……3時間ってとこか?な近場にもお屋敷があるから、そこで過ごされているうちはお互いのお家でお泊まり会……嗚呼まさに百合!……っていうものもしょっちゅうされるようになったんだし、いいことずくめ。

 

最後に、おんなじ派閥のお家だから、いっくら仲良くしても問題ないってのも……将来的に、ご結婚のお相手まで近い派閥だから、お嫁に行かれてもきっと仲良くされることまちがいなし。

 

うむ、実にいい仕事をした。

 

あ、もちろん他にも何名かいらっしゃる、新しくできたお友だちさま方もいるけど。

 

けど、シルヴィーさまが……大の親友、ってやつで。

 

あと、僕のこと、なにかと構ってくださるのもまたポイントだ。

 

スレンダー系……最近ちょい大きくなられてきたけど……な、均整の取れたジュリーさまとはちがって、たわわ。

 

うん、たわわ。

 

ぼいんが2個だ。

 

ぼいんぼいんだ。

 

ばいんばいんなんだ。

 

……だからおそばに来られたり行ったりすると、背の高さ的に、僕の上にはふたつのおもちがふわふわと迫ってくるんだから、非常に嬉しい思いができるんだ。

 

こういうときだけは、同性で、小さい体でよかったって、心底思うもんだ。

 

だって、女の子特有のスキンシップの激しさというか距離の近さというか、そのおかげでなにかと抱きしめられるわけで、そうすると自動的に……ぱふっとされるわけで。

 

もちろん頭の上から乗ってくる感じに。

 

………………………………あ、もちろんジュリーさまの美しいふたつの丘も大好きですし、毎日、朝夕晩と楽しんではいます、ほんとうです。

 

………………………………けど、男なら。

 

節操のない男という生きものなら、きっと分かるはずだ。

 

………………………………それはそれ、これはこれ。

 

小さいのも普通のも大きいのも、いいんだ。

 

そこにふたつのやーらかいものが存在するだけで、ただただ嬉しいんだから。

 

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