Abyss of Carnation   作:メアリィ

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♠Sexy My sister ?

「……」

 

 

昼下がりのある日、私こと宮村浩平はとても気まずい思いをしていた。

天気予報を見て、明日は晴天だし洗濯物は明日まとめてやろうと考えていたのが昨日の夕方。

 

約2日洗濯物を取り分けて、靴下やパンツなんかはネットに、色落ちしやすいものは後で洗うように別のカゴにわけておく。

何気なく、ただ何気なく手にした下着がやけに違和感があるものだった。

男性用の下着にしてはやけに透けていて、布面積が狭く、そしてフリフリレースの紫色のソレは俺のものではなかった。

 

 

「…いやいやいやいやいや、そんなまさか」

 

 

現実から目を背けるかのように首を横に振って、再度手にしたソレ(パンティ)に目を向ける。

それはまるで、女性物の下着のように思えた。

 

「あー…」

 

当然俺のものでもなければ、俺に彼女がいて彼女が泊まっていった際に忘れたものでも無い。

俺の部屋に入り浸る女性といえばあの子(・・・)しかいるはずもなく──

 

 

「マジ?まふゆ(・・・)こんな下着を履くの?」

 

いくら仲良い兄妹とはいえ、そんな下着をまじまじ見物するような仲でも無い。妹の下着に興味を持たないのが世間一般でいう兄だと思う。

 

 

────が、しかし。

 

 

まふゆが履いていると思われる、いわゆるセクシーな下着となれば話は別だ。

兄目線でもまふゆは可愛くて美人でスタイル抜群な女性だ。さぞかし好意を抱く男性は多いだろう。そんなまふゆが履いている下着となると興味を抱いてしまうのが男の性みたいなもんで。

 

「…………えっ」

 

 

大変申し訳ないが、思わず声が漏れてしまうほどだった。

妹はまだ高校2年生。成人にも満たない女の子がこんな…こんなエロすぎる下着を履いているなんて誰が想像できただろうか。

 

 もしかして彼氏専用に準備した下着なのだろうか?

というかまふゆに彼氏がいるのだろうか?まゆふの性格を考えてみて正直想像いできないなぁ、なんて思う自分と、まふゆの裏の顔を知って尚も親しく接していくことの出来る男性はいるのだろうか。

 

一昨日、まふゆは俺の家で勉強をし、そのまま寝泊まりして行った。

その時に洗濯してそのまま忘れていったのだろう。誤って洗濯カゴに入れてしまったのか、経緯はどうであれ妹の下着に劣情を抱いてしまう自分を責めたてるも、後悔先に立たず。

 

「かといってそれとなく返すのもなぁ……」

 

結論、返しづらい。

今度来た時に「この前忘れていったろ?」って普通に返すことも出来る。だけど劣情を抱いた手前妙に返しづらい。

バレずにカバンの中にしまうというやり方も、いずれかは俺がやったとバレるし、その後に飛んでくるまふゆのコメントを聞くのが末恐ろしい。

 

「(捨てるか?いやしかし…)」

 

当然そんな事出来るはずもなかった。

 

無意識にまふゆが身に付けている下着をまじまじと見つめる。

そして、スケスケスケスケな下着を身につけるまふゆを想像する。

勝負下着なんだろうなぁ……と考え込む俺。

 

「最近の高校生ってこういうのはくんだな。」

 

昔のまふゆは、真っ白のパンツにクマやうさぎがプリントされた如何にも幼稚園児が履くようなパンツではあった。

あの時のイメージしか無いし、今のまふゆが身につけているというのは些か現実味がない。変にAVやら漫画のような設定に近しいシンパシーを感じる。

劣情を抱いたというのはきっとそこから来たものだろう。そう思いたい。

 

「そんななぁ…妹に劣情を抱くなんて、そんな───」

 

馬鹿なことを──。

そう言いかけた時に、扉の鍵が開くガチャ、という音が聞こえる。瞬間真顔になった俺は恐る恐る玄関の方に視線を向ける。いや、向けざるを得ない。

 

「…はい?」

「お兄ちゃんお邪魔するね…」

 

扉を開けた先にいるのは、スケスケ紫勝負下着を身につけている疑惑のある張本人。典型的なボンキュッボンJKがいつもの無表情で遠慮なく上がり込む姿がそこにあった。

 

「お兄ちゃん…なにしてる…の……」

 

一度視線を合わせ、ゆっくりとその合わせられた視線は俺の手元の布地に。

約数秒。

その数秒が、1分にも10分にも…それ以上長い時間のように感じる。

 

「……」

「これ、はー」

 

言い訳したい所だけど、その言葉が出てこず、喉の奥でつっかえる。代わりに出てくるのは額からの大量の水。

 

「…ふーん…」

 

一瞬頬を赤らめたまふゆだけど、直ぐに瞳から、頬から色が消える。

 

「…お兄ちゃんってそういう趣味、あるんだね」

「まて。それは誤解」

「握りしめてるその手は何」

「どこをどう見たら握りしめてるように見える?」

「言い訳?」

 

いつも以上に冷たい言葉、声色。まるで北海道…いや、南極にでもいるかのような寒気を感じ、俺は視線を逸らさず、且つ丁寧に手に持っている高そうな布地をテーブルの上に置く。

何故、テーブルの上に置いたのか俺でもよく分からない。それくらい混乱していたのかもしれない。

 

「…お兄ちゃんって、紳士そうに見えて変態だったんだね」

 

 

そう言って妹は静かに─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

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