ドラクエ魔法持ちのTS転生者なんだけど現実世界というのが問題です 作:魔法少女ベホマちゃん
夢を見た。
遠い未来の出来事で、わたしは勇者に対してなにやら講釈を垂れていた。
人間にはふたつの闇があるとかなんとか言ってたな。確か――。
自分の不幸を願うこころ。
他者の不幸を願うこころ。
これに対応して、人間にはふたつの光があるとも言っていた。
自分の幸福を願うこころ。
他者の幸福を願うこころ。
なんという中二病具合だろう。そのときのわたしは、神様っぽい何かで、永遠に等しい時を生きたロリババァだった。サマになっていたのが、逆に痛々しい。
なんかそれっぽい頭のよさそうな言葉をスラスラと述べていた威厳あるイオちゃんだったが、それ客観的に見ると、ドヤ顔ダブルピースしてるだけですから!
いや、本当恥ずかしい。お恥ずかしい。
「はぁ……」
あんな変な夢を見たのも、きっとあの記者会見のせいだろう。
確かにわたしはあんまり頭はよくない。小学校の授業についていけないほどではないけれど、そもそも生まれた時点から神童コースは無理だとわかっていたからな。
それにしたって、かしこさ3はないだろう。
ドラクエウィキを見てみると、腐った死体よりも劣ってた。
わたし、脳みそ腐ってる人に負けてた。
それを全国のお茶の間のみなさんにお披露目しちゃった。
みんなにわたしの恥ずかしいところ、見られちゃった。
死にたい……。
記者会見が終わったあと、わたしは
今日で三日め。体調不良を理由に休んでいる。
が、もちろん体調不良なわけがない。
ベホマとキアリーが使えるわたしに体調不良という言い訳は効かない。
でも恥ずかしい。死にたくなるほど恥ずかしい。
学校にいったら、絶対にかしこさ3を笑われるにきまっている。
中途半端なゴールデンウィークなので、中三日ほど空いているせいか、実際に学校を休んだのは、まだ昨日の一日だけだったが、クラスメイトに会うのが怖い。
もうわたしはベッドの中で一生暮らす。そう決めた。いま決めた! 覚悟完了。
毛布に丸まって、イオつむりの完成だ。
無理にはがそうとすると、
「お嬢様」
「え、寺田さん?」
久しぶりに元マネージャーでハウスキーパーな寺田さんの声が聞こえた。
ドアの前に立っているようだ。
わたしは立ち上がり、ドアを開ける。
「体調はいかがですか」
慈愛の瞳だった。
寺田さんはわたしの嘘を心配してくれている。
バツが悪い気分になる。
「体調はもう大丈夫です」
「それでは、今日は学校に行かれるのですか?」
「……いや、それは」
ふんぎりがつかない気持ち。
わたしだって、このままじゃいけないことはわかっているんだ。
そもそも、魔法を開陳したのはよくて、かしこさ3はダメって道理もない。
でも……、でも
あれからママンは自分に
かしこさの相対的な値を知りたかったからだろう。
結果は94。
ちなみに、ルナも見ていいと言ってくれたが、75だった。IQはルナのほうが高いんだけど、かしこさの数値はママンのほうが高い。
いったいなんなんだろうな。
おそらく、かしこさの値は知的水準だけでなくて、要領の良さとか人生経験から導き出される智慧みたいなのも含まれるのかもしれない。
でもひとつだけハッキリしていることがある。どんな計算方式であれ、かしこさと銘打っている以上、値が大きいほうがかしこく、値が小さければかしこくないということ。
つまり――、わたし、頭わるわるだったんだ。
「お母さまは、わたしの頭の悪さにほとほと愛想が尽きたんじゃないかと思います」
ママンは蒼白な顔になって、わたしにIQテストを受けさせた。
結果は普通だったけれども、それも魔法的な虚偽だと思われたのかもしれない。
きまずい空気。
なにか隙間風が吹いているような関係性。
あれから、ママンの顔をまともに見ていない。
それは、わたしが顔を伏せているせいもあるかもしれないけれど、この部屋をノックしてくれないママンのせいでもあると思っている。
昨日は夜遅くからどこかに出かけて、朝になっても帰ってこなかった。
わたしより仕事のほうが大事なのだろう。
「そんなことありませんよ」
「だって、お母さまは学校をズル休みしているわたしを、一度も叱ってくれませんでした」
馬鹿な娘に愛想が尽きたんだよ。きっと。
「愛娘がショックを受けているのに叱り飛ばす親はいません。わたしには子どもはまだいませんが、子どもが落ちこんでいるのを見て、親は子どもよりも落ちこむものなのです」
「本当にそうでしょうか……」
「そんな、涙うるうるした目で見つめられると……欲情しちゃいます」
「え、欲情?」
浴場の聞き間違いか。
涙で濡れ濡れになった顔がきたねえから、洗ってこいって話か。道理だな。
「えっと、ごほん。ともかく人はそれぞれご自身の才を広げることに努めていればいいのです。お嬢様自身が能力不足だと思われるのでしたら、より一層努力なされればよいだけのことじゃないですか」
「ですが、さすがにかしこさ3だと発展性もなさそうですよね」
「お嬢様」
寺田さんは、腕を伸ばしてわたしをギュっとしてくれた。
安心感が半端ない。寺田さんにはママン成分を補給してきた過去があるからな。
わたしの二番目のママンと言っても過言じゃない。
「わたくしはお嬢様が5歳のときから見てまいりましたが、一度もくじけず努力しつづける姿勢は素晴らしいものがありました。たった一度の敗北、たった一度の失敗で遁走するなんて、お嬢様らしくありません」
たった一度のはいぼく!
それが致命傷なんですが、それは。
「だって、お母さまが……」
そう、ママンはわたしに失望したんだ。
だから、わたしが不貞寝してても関係ないんだ。
「愛しておりますよ。お嬢様のことを」
「では、どうして会いにきてくださらないのですか?」
「その……大変言いにくいのですが」
寺田さんがわずかに言い淀む。
やっぱり、ママンはもう、わたしのことなんて……。
「憲法学の偉い先生に家庭教師をやってもらおうと、ここ数日通いつめてらっしゃいます。既に一線を退いていらっしゃる偉い先生だとかで……その……三顧の礼をもって臨もうと」
「お母さま!」
前々から思っていたけど、子どもに教育詰めこむの好きすぎ!
そりゃ、子どもに対する愛情だとは思うけどさ。
孟母三遷す、だっけ。
孟子という哲学者のママンは孟子の勉強のために三回も引っ越したんだってさ。
「お母さまは教育を愛情だと思っていらっしゃるようですが、わたしの意見を一切聞いてくださらないのは問題だと思います」
「決まってからお話するつもりだったのではないでしょうか」
「それにしたってです」
ママンは人の話を聞かないからな。
あれ、これってどこかで聞いたような話だ。
「親子ですものね」
含み笑いを浮かべる寺田さん。
「そうですよ。親子です」
ん?
「マリア様も、母親としてはビギナーなんですよ。最初からプロフェッショナルなんていません。子は母に育てられてるだけのように思いますが、母もまた子に育てられているのです」
「お母さまがわたしに育てられている、ですか?」
「ええそうですとも。世界を揺るがすような力をお持ちの子を育てる。並々ならぬ精神力が必要でしょう。ですから、お嬢様」
寺田さんがわたしの肩に手をあてて顔を合わせる。
「お嬢様も安心して育てられてください。健やかに成長してください。ご心配なさらずとも、お嬢様は愛されていらっしゃいます」
わたしの周りには天使や女神様がいっぱいいる。
寺田さんは女神様だ。
「わかりまぢだ」
「か、かわいすぎる……」
「ふぇ?」
おっぱいで顔をうずめられていたから、よく聞こえなかった。
涙で胸元を汚してしまって申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
寺田さんは、まったく気にしていないというふうに、ニコリと笑った。
人ができているとしか言いようがない。前世と今世を加算すれば、わたしの年齢は寺田さんを越えてるはずなんだけど、ほんとうの大人って、寺田さんみたいな人を言うのかもな。
わたしは子どもなのかもしれない。
「えっと、というわけで……、とりあえず成長の第一歩ということで学校にいきましょうか」
「はい」
そういうことになったのだった。
ちなみに、スマホでママンに電話をかけて、家庭教師の件はすぐにキャンセルしてもらった。
☆
「おはようございます」
いつものようにルーラで登校する。
「おはよう。今日も増殖はするなよ」
生活指導の先生が笑いながら言う。
冷静に考えたら、小学生相手に増殖ってセクハラじゃね?
それにしても、みんなそんなには反応変わらないな。
クラスメイトでもない学園の生徒の大半は、イオちゃんが登校しても遠巻きに見てくるだけで。
そもそも、かしこさが3だろうが5だろうが、珍獣であることには変わりないんだろう。
わたしも、そんな
わたしが失望されたくないのは――。
「おはようございます。理呼子ちゃん」
「あ。おはよう。イオちゃん。体調大丈夫?」
「はい……お恥ずかしながら記者会見で気疲れしてしまったようです」
「そうなんだ。あれだけ人がたくさんいたら疲れちゃうよね」
理呼子ちゃんはヘニャっと笑った。
めまいがするほどかわいらしい。天使補正かな。
たぶん、理呼子ちゃんはあえてセンシティブなところには触れないでいてくれている。
あんな、特大級のやらかしを見ていないわけないし。
気を使ってもらってるのが申し訳ない。
いや申し訳ないという気持ち以上に。
わたしはあさましくも、理呼子ちゃんの心の内を聞きたいと思ってしまった。
――本当は引いてるんじゃないか
って。
かしこさ3の子なんかと付き合いたくないんじゃないかって。
不確定な灰色より、白か黒かはっきりしたほうがまだ気が楽だったから。
でも、それは理呼子ちゃんの気持ちをぶち壊してしまう行為にほかならない。
いくらわたしが、やらかしイオちゃんとか呼ばれていても、友人の思いやりを台無しにするのがダメなことくらいわかる。
我慢しよう。我慢……。でも、ほんのちょびっとくらいなら。いや、我慢だ。我慢。
「イオちゃん、トイレ行きたいの?」
理呼子ちゃんは小首を傾げて聞くのだった。
☆
今日はルナのやつは休みか。あいつはあいつで忙しそうだもんな。
言ってみれば、学生が余禄であり、逆にわたしとの関係性を築くのがメインといった感じだろう。おそらく、本国の連中と先の記者会見を踏まえて、今後どうするのかを検討しているんじゃないだろうか。うん。たぶんそうだろう。冴えてるね。イオちゃん。
ボーっとしながら考えていると、いつのまにやら授業が終わった。
放課後。帰り支度をはじめるみんな。
わたしも帰ってもいいが、いまルーラで帰宅しても、おそらく家には誰もいない。
どうしようかな。根がさみしがりやなもんでね。
また、匿名掲示板にでも降臨しようかな。
なんか、こう……めっちゃ姫様扱いされる感じがしてゾクゾクしたんだよな。
承認欲求が満たされるあの感覚はクセになる。
そんなこんなで理呼子ちゃんと談笑しながら廊下を歩いていると、
「なあ。おまえバカなんだってな?」
背後から突然、声をかけられた。
振り返ってみると、そこにいたのは――えっと誰だっけ。
クラスメイトじゃないのは確かだ。さすがにエスカレーター組のみんなとは長年いっしょのクラスだったわけで、全員顔も名前も覚えている。まあ――、つい最近まではつながりもありませんでしたけどね。
相手を観察する。
男子生徒。ご丁寧に取り巻きを二匹ほど連れている。顔を覚えるのもリソースがもったいないから、脳内で削除しとこう。
学園の制服を着ているから、この学園の初等部なのは間違いなさそうだ。
他のクラスの子だろうか。
正直、男には一ミリも興味も湧かないから、イオちゃんメモリが消費されることはない。
「えっとどちら様でしょうか?」
「4年の村澄たける。知らないのか?」
「存じ上げませんけど」
「校長の名前も知らないのか? ここの校長はな、うちの爺ちゃんなんだよ」
偉そうにそいつはのたまった。
なるほど、あの校長の孫か。
……でっていう。
「その校長のお孫さんがなんのご用事でしょうか」
「かしこさ3じゃ、わかんねーか。あのな、この学校で一番偉いのは校長だろ。その孫であるオレは生徒の中では一番偉いってわけだ。わかるか?」
こ、こいつまさか。
うそだろ、おい。わたしは半ば驚きを持って確信した。
こいつ
校長は確かに偉いっちゃ偉いが、学園の所有者ではなくて、運営を管理委託されているに過ぎない。つまり、軌道寺理事長のほうが偉いわけで、学校の運営とか権力構造とかなんもわかっちゃいねえ。
それだけなく。わたしはいろいろやらかしてはいるものの、世界に影響力を持ちつつあるセンシティブな存在なんだ。普通だったら、おいそれとちょっかいかけてくるとか考えられない。
まあ……、小学生だしな。
なんか中途半端に権力の味を覚え始めちゃったって感じだろうか。
正直なところ、校長先生の孫でありながら編入組って時点で、おそらくだが。
こいつ、相当な問題児だったんじゃないか。
メンドウくさいなと思いつつも、わたしは素直に応対する。
「校長先生が偉いとしても、あなたが偉いということにはならないのでは?」
「血縁は大事なんだよ血縁は。ドラクエでも主人公はほとんどが王族だろうが」
「まあ、そういう血統主義者がいらっしゃることは否定しませんが……。それで、わたしを馬鹿にしに来られたのですか?」
「そうじゃねえよ。かしこいオレがもっといい使い方をしてやるから、魔法を教えろって言ってるんだよ」
「あなたのおじい様。つまり校長先生に、学園内では魔法を使うなと言われたのですが」
「あー、そんなの学園外で使えばいいだろうが」
「魔法については国としてのポートフォリオがあってですね。個人に魔法を伝授するというのは差し控えるべきだという意見が大半でして、あなたに勝手に魔法を教えるとすれば、わたしが叱られるばかりでなく、あなたにもいろいろと問題が生じるのではないかと思います」
「なに小難しいこと言ってるんだよ」
イラついているようだった。
わたし、変なこと言ってますかね。一応、ママンや大江首相とか、ルナの意見も取り入れて、できるだけマイルドに進めていこうと思いなおしているところなんですけれども。
かしこさ3なのは、大変痛ましい事実だったが、こいつには負けてる気がしないな。
ええっと、名前なんだっけ。まあいいや。覚える気もないし。
「やっぱ、かしこさ3だと話が通じねえよなあ。じいちゃんに言って、おまえ退学させるぞ」
アホである。
魔法を覚えたいのなら、わたしが退学してしまったら元の子もない。
そういえば、奇しくも校長も同じことを言ってたけど、そうなると血の成せる業っていうのも馬鹿にできんものがあるな。まあ、校長先生の場合は同情できるけど、こいつは単なるアホだわ。
さて……、どうしよう。
まあ、できるだけ穏便に済ませたほうがいいよな。
魔法を使って解決するのは、いろいろと問題が多いみたいだし、暴力を振るわれたと主張されたら困るかもしれない。人の往来は少ないとはいえ廊下だし、ちらほらと人の視線はある。
かといって無抵抗に言われっぱなしというのもよくない。主張すべきところは主張しなければ。
問題はこいつに理解する能力があるかってところなんだよな。
うーん。
「イオちゃんを馬鹿にしないで! 謝って!」
ふと、隣を見ると。
げえ。理呼子さんが、めちゃめちゃ怒ってらっしゃった。
「あん? なんだよおまえ」
「イオちゃんはかしこさ3だけど、とっても頭いいんだから」
うっ。
理呼子ちゃん。その術はわたしに効く。
「かしこさ3はかしこさ3だろ。オレが話してるんだから、話に入ってくんなよ。ブス」
アホが理呼子ちゃんを押し飛ばそうとする。
「
とっさに放ったのは、スピードを遅くする魔法だ。
魔法を使って対処するのはマズイだろうけど、理呼子ちゃんが怪我するよりはマシだ。
いま、アホの行動は水の中を行進するかのようにゆったりとした動きになっている。
理呼子ちゃんは、すたすたと歩いて避けた。
「なぁぁぁにぃぃぃをををぉ。よぉぉぉけぇぇぇてぇぇんんんだぁぁぁぁ」
「ぷっ」
あまりの間抜けさに、わたしと理呼子ちゃんは同時に噴きだしてしまった。
とはいえ、このままにしておくと、あとあと問題が生じるだろう。
そうそうに魔法を解除することにする。
今度は理呼子ちゃんに手を出せない位置取りだ。
「女の子に手を出すなんて最低ですよ」
「うるせえ。おまえも暴力をふるったようなもんじゃねえか。さっき言ってたよな。学園内で魔法は禁止だってよ」
「どんなときでも禁止ってわけでもないですよ。例えば国からの要請があった場合や緊急性がある場合は使ってもいいとは言われています。さきほどは、わたしの友人が傷つけられそうになったので、やむなく魔法を行使しました」
「べつにちょっと小突こうしただけじゃねえか。殴ろうとしたわけでもなし。言い訳すんな」
「あなたの主張に反論しているだけですよ」
「いいか。もう一度言うぞ。おまえがオレの言うことを聞かなければ、おまえも、そこにいるおまえも退学させる」
「ですから、あなたにその権限はないって言ってるでしょう」
「あるんだよ!」
「どこに!」
「ここに!」
「はぁ~~~~。誰に与えられた権限ですか。いつ与えられた権限ですか。何時何分何十秒地球が何回まわった時ですかぁぁぁ~!」
「イオちゃん。ちょっとかしこさ足りてないよ」
ぼそりと後方でつぶやく理呼子ちゃん。
チクリと毒針で刺してくるのやめて。
いまは勢い勝負なんだ。小学生の口喧嘩は勢いで勝ったほうが勝ちなんだ。
わかってくれ理呼子ちゃん。
「あ、イオちゃーん。なんかあったのー?」
あ。向こう側からおっぱいがきました。おっぱいがきましたよ。
軌道寺みのりさん。こっちにダッシュしてくるときに、お胸様の存在感がすごい。
揺れる想い身体中感じる。
インパクトっ!
ぷにんという衝撃とともに、わたしは押しつぶされる。
「ふぅ。イオちゃんの抱き心地さいこーっ」
「あの……その、みのりお姉さん。苦しいです。苦しいのがよかったりもするのですが」
「そっか。ごめんごめん。で、どうしたの?」
かくかくしかじか。
「ほう、まるまるうまうまというわけね。わかった。お姉さんに任せなさい」
ドンと胸を叩くみのりさん。
そのときに弾むのがすごい……すごいよ。魔法みたい。もうあらゆることがどうでもいい。
たぷんたぷんに沈んでいく。
すべてはFカップになるんだ……。F以上ありそうだけど。
「えっと、君。村澄校長先生のお孫さんなんだって?」
みのりさんがにこやかに聞いた。
「なんだよ。おまえ」
「わたし、この学園の理事長の娘なんだよね。つまり、君が校長の孫という権力をふりかざすなら、わたしも理事長の娘という権力をふりかざそうかと思ってね」
「なんだよ」
「お姉さんといっしょにお話しようね」
「HANASE!」
まだ四年生。さすがに男女差以上に年齢差のほうが大きい。
ドナドナされていくアホを見つめながら、あいつこれから出荷されるのかなぁと思った。
プロットを書いてたら遅くなりました。
プロットを後追いで書くっていうのも変な話ですけど。