ドラクエ魔法持ちのTS転生者なんだけど現実世界というのが問題です 作:魔法少女ベホマちゃん
星宮家に仕えているハウスキーパー兼マネージャーの寺田電子は控え目に言ってロリコンである。
特に、清楚系のロリお嬢様に口汚くののしられるのが好きなマゾロリコンである。
誰にとっても幸いなことにいまだバレてはいないが。
その点、星宮イオは黙っていれば清楚であったし、スペックだけみれば深窓の令嬢のようである。ついでに言えば容姿に関してはドストライク。最初から寺田の好感度はゲージ満タンのマックスな状態だった。
そんな星宮イオが"魔法"という神秘の力を使えるというのである。
至高のロリが奇跡の御業を行使できるとあって、寺田の信仰心は天を衝く勢いであった。
寺田電子は誰が見てもわかるとおり、スライムのようにだらしない笑顔を浮かべていた。
彼女自身の名誉のために記しておくが、寺田はなんらロリコン的犯罪行為をおかしたことはない。
せいぜいが、洗濯が終わったあとのイオの服が、確実に良い匂いになっているかを確かめるために、顔を数秒うずめる程度である。
どちらかと言えば、キリリとした美しくも切れ味の鋭い刀身のような顔が通常モードである彼女だが、いまは星宮家が住むタワーマンションの自室に控えているのでなんの問題もない。誰もそのことを指摘するものはいないし、あるいはイオならば魔法的に可能なのかもしれないが、そんなことをするような性格ではないと信じている。
「ああぁ……こころが
言っていることは、意味不明であるが。
さて、寺田は自室のベッドで寝っ転がりながらタブレットの画面を食い入るように見ていた。
内容は言うまでもなく先ほどのイオの様子である。
マスコミの連中がイオに視線を奪われた隙に、寺田は一番近くでイオを撮影していた。
残念なことに、家庭用のハンディカムなので、マスコミが持っているような業務用のものではない。しかし、距離的には最も近くで撮れたので満足している。
「お嬢様はね。足がかわいいのよ。足が」
自分の欲望の視線そのままに撮影していたので、撮りたいところを撮り放題。
輝くような銀の髪も、月のような神秘的な瞳も好きだが、一番好きなところは全体的なフォルムである。小さくて折れてしまいそうなほど儚くて。神が作りたもうた奇跡といわれても信じられる。
正直なところ抱きしめたい。あなたと繁殖したい。
「ハァ……輝いているお嬢様も素敵」
先ほどの
闇夜を照らし出す光源は、イオの身体を蛍のように発光させていた。
「ドラクエの魔法って言ってたけど、これってなんの魔法かしら」
タブレットを使って、ドラクエウィキを見てみる。
「レミーラ。光の魔法か」
ドラクエの魔法を調べると、案外多種多様なことがわかる。
イオ自身は、たいしたことない力であると言っていたが。
蘇生とか、時間を巻き戻すとか、明らかに世界の法則をぶっちぎっている力も散見された。
「そういえば、お嬢様はドラクエ魔法のどこまで使えるんでしょうか」
もしもすべての魔法を使えるとしたら……。
明らかにお偉いさんにお持ち帰りされそうな案件ではないか。
しかし――と、すぐに寺田は思いなおす。
そうであっても、お嬢様ならなんとかしそうな気がする。
だってあんなにかわいらしいのだもの。
神の奇跡に手を出すやつなんて、神罰が下るに決まってるわ。
寺田の瞳は信仰心で曇りまくっていたのである。
そうして一日目の夜は静かに更けていく。
「ああ、お嬢様に
もしも神罰が下るとしたら彼女が最有力候補だろう。
☆
84:名無しの魔法少女観察者
星宮イオ=魔法少女で確定
99:名無しの魔法少女観察者
輝いてんな
物理的に……
130:名無しの魔法少女観察者
異世界の姫様という説は否定されたわけだが、星宮ママンは普通の人なの?
153:名無しの魔法少女観察者
突然変異か何かかもしれんぞ
184:名無しの魔法少女観察者
>>153
突然変異で人が飛べるようになるか!
200:名無しの魔法少女観察者
夜に明かりがないときに、イオちゃんが隣にいると便利そう
230:名無しの魔法少女観察者
ぺかってるな
やっぱり宇宙人かなんかなんじゃ
星宮ママンとは精神的なつながりとかで
239:名無しの魔法少女観察者
すごく威厳のある感じ
この余裕っぷりは、大物だわ
いくら子役してたからって、たくさんのカメラ向けられたらビビるよな普通
260:名無しの魔法少女観察者
やっぱり光る前になんか言ってるな。
詠唱タイプの魔法かもしれんぞ。
読唇術使えるやつ、はよ。
282:名無しの魔法少女観察者
えみぃあ
てきぃら
まみぃら
312:名無しの魔法少女観察者
レミーラじゃね?
ドラクエ魔法の光る呪文
322:名無しの魔法少女観察者
なぜドラクエw
329:名無しの魔法少女観察者
前に空を爆発させたときも『イオ』説あったしな
案外当たってたりして
360:名無しの魔法少女観察者
マスコミの連中が突然黙ったのはなんだ?
読唇カモン
375:名無しの魔法少女観察者
アホ……ドモめ
406:名無しの魔法少女観察者
アバド-ン
433:名無しの魔法少女観察者
ホモドーン?
451:名無しの魔法少女観察者
すまないがホモ以外は帰ってくれないか
485:名無しの魔法少女観察者
ドラクエ限定だと、マホトーン一択だろ
つうかこれで確定じゃね
星宮イオが使ってるのはドラクエ魔法だわ
519:名無しの魔法少女観察者
アホか
ドラクエはゲームだろ
ファンタジーとリアルを混同するのはやめろ
544:名無しの魔法少女観察者
魔法そのものがファンタジーなんですがそれは
555:名無しの魔法少女観察者
ドラクエ魔法のように演じてるって線も考えられるが
べつにそれは重要じゃないな
重要なのは、魔法というのは帰納法的に無いとされてきたということだ
ひとつでも反例が見つかれば、魔法は存在する
ドラクエが実はゲームの世界じゃなくて、本当に実存する異世界だったって可能性もあるだろ
585:名無しの魔法少女観察者
つまり、旧エニックスのやつらは異世界を知るものたち
619:名無しの魔法少女観察者
マスタードラゴンもいるのかな?
621:名無しの魔法少女観察者
申し訳ないが、マスドラは戦犯なのでNG
647:名無しの魔法少女観察者
マスタードラゴンってなんぞ?
654:名無しの魔法少女観察者
知らんのか雷電。
マスタードラゴンとは、天空シリーズの4で初出の神っぽい存在。
天空人のマッマと現地の木こりやってたパッパがセクロスして勇者が生まれたんだけど
掟を破ったとかいうことで、たぶんなんの罪もないパッパはマスドラに殺されてる
マッマのほうは連れ戻されて、勇者はみなしご状態
その後、勇者を育てた村は魔族によって全滅
そんなこんなで、勇者が魔王を倒したらマスドラもにっこり
ここに住む?と最高に空気読めないサイコパスな質問を投げかける
さすがに勇者は断るんだけど村は全滅したままという救いようのないエンド
662:名無しの魔法少女観察者
人間サイコーとか言いながら、グルグルとトロッコに乗り続け
あげく、魔王が復活するまで舐めプしたあげく
天空城が地に堕ちても何もしなかったという大戦犯
676:名無しの魔法少女観察者
なんやそのクレイジーサイコドラゴン
685:名無しの魔法少女観察者
話を戻すが、ドラゴンクエストの魔法かどうかっていうのはたいした問題じゃないよな
未知との遭遇
人間がかつて経験したことのない奇跡との邂逅
イオちゃんかわいい
このあたりを語るべき
714:名無しの魔法少女観察者
イオちゃんのムチプリ力を知りたい
725:名無しの魔法少女観察者
さすがに小学生だし、ムチプリ力はなさげだな
AAクラスだろ
739:名無しの魔法少女観察者
ハーフなら、将来性あるんじゃない?
まあオレは今のままのイオちゃんのが好きだけど
741:名無しの魔法少女観察者
ムチプリってなんぞと思ったらMPのことかよwww
751:名無しの魔法少女観察者
≫739
このロリコンどもめ
白磁のようなうなじと、桜色した唇と
一度聞いただけで脳が破壊される人魚のような声色と
すらりとのびやかで食パンのような太ももが
最高なだけの女の子だぞ
771:名無しの魔法少女観察者
それはただの完璧な女の子なのでは
802:名無しの魔法少女観察者
オレもなードラクエ魔法使えたらいろいろやりたかったわ
1、ルーラを使ってかわいいあの子のお部屋に侵入
2、ベホマを使ってかわいいあの子を治療ポする
3、モシャスを使ってかわいいあの子の姿でムフフする
804:名無しの魔法少女観察者
(犯罪者が)いたぞお。いたぞお。
820:名無しの魔法少女観察者
脳みそがおピンクでございますことよ
824:名無しの魔法少女観察者
ていうかおまえ引きこもりだからルーラで行けるとこねーじゃん
846:名無しの魔法少女観察者
もしもドラクエ魔法だとして
これからイオちゃんどうなるんだよ
パパは心配だよ
879:名無しの魔法少女観察者
早速パパ気取りが現れやがった
カタ乳首の海パン履いた変態に違いない
899:名無しの魔法少女観察者
しかし、彼女の行く末がどうなるかはまったく未知だな
そもそも、こういうことを人類は経験していないわけだし
920:名無しの魔法少女観察者
あんまり言いたくないが、魔女狩りとかが『本物』だった可能性もあるんじゃね?
938:名無しの魔法少女観察者
かつては本当に魔法を使えた者たちがいて、絶滅させられたって考えか
無くはないかもしれんな
ただ、人類はすべてを呪いとするには発達しすぎたわけだし
すべてを科学的に解析できると思えるほどには発達していないわけだ
962:名無しの魔法少女観察者
オレ、今日30歳の誕生日なんだけど
魔法使えるようになるかな
966:名無しの魔法少女観察者
あっ
969:名無しの魔法少女観察者
あっはい(どうやったら魔法使えるんだろうな)
1000:名無しの魔法少女観察者
まずは美少女になります
☆
朝になり、腰のあたりまである銀髪をかきあげ、はふっとあくびをする姿すら美しい少女は誰でしょう。
そう……、たわしです。違います。わたしです。
今日もいい天気だ。中身がわたしでなければ、最高な美少女の日常生活という、宝石もかすむぐらいの輝いた日々だったわけだが、残念なことに平凡を絵にかいたようなわたしでは、いまいちピリっとしまらない。
髪の毛はぼさぼさだし、なんか疲れた顔をしている。
おそらく恒常的にかけている
いまのわたしは、脳みそがポヤンとしていて、いつものメダパニってる頭からは若干解放されている。
要するに、危ないオクスリを常用している人が、オクスリが切れちゃったんで虚脱しているようなそんな感じなのだろう。やべぇなわたし。今日から本気出すって決めたのにな。
重い身体をひきずるようにして、化粧台に座る。
そして、ゆっくり数えるように言う。
――
「ふふ。今日も混乱するほどかわいらしいですね」
今日も混乱して楽しい一日が始まります。
朝ごはんは久しぶりに一家団欒だった。パッパはいなかったけれども、それはいつものことだ。
寺田さんもママンも、そしてユアもいつもどおりの穏やかな朝。
ユアはもしかしたら夜にはもうおねむだったんで、わたしのことを知らないままなのかもしれないが、寺田さんとママンはさすがだな。もうほとんど動揺がないように思える。
普通、身近な人間が魔法使いだと思ったら、もう少し焦ると思うんだが。
それから、いつもだったら学校に行く時間になって、ユアが不思議そうな顔をした。
「あれ、お姉ちゃん。今日は学校にいかないの?」
やはり知らなかったらしい。
ん。これはもしかしてわたしが説明しなきゃいかん流れか?
はー、マジか。
マジか。
まだ何も知らない無垢な妹ちゃんに、お姉ちゃんが最高にイキリ倒していい場面か。
やべえ。ニヤニヤが止まらん。
もちろん、鉄面皮モードなわたしは表情に一切の揺るぎはなかったが。
「えっとね。お姉ちゃんはルーラで行くから大丈夫なんですよ」
「あはは。おかしー。お姉ちゃん、魔法なんて信じてるの? あのね。プリキュアもサンタもいないんだよ」
せやな。
無邪気そうに笑うユアがめちゃんこかわいらしい。
ほんと天使。天使がいる。ひとりっこだったわたしにとって、妹のユアは死ぬほどかわいらしくて抱きしめたくなる存在だ。
この子お持ち帰りしたい。って、ここがお持ち帰りポイントだったわ。
わたし、すでにお持ち帰りしていたわ。
「
わたしが使ったのはトベルーラ。
今回の対象は自分ではなくユアだ。
そもそも、ルーラも仲間全体を連れていく呪文であり、トベルーラもルーラの派生なので仲間にかけることができるのである。実験に使ったのはダンゴムシAだがな。ダンゴムシAはわたしと一時パーティを組んだかけがえのない仲間だ。
いまはもう死んでしまったが……。寿命なのでしかたない。どうでもいい話だが、素早くなる呪文をかけたときはゴキブリ並みの速さでカサカサ動く高速ダンゴムシになって、少々キモかったこともつけくわえておく。
「ええ、なにこれなにこれなにこれ~」
キャッキャとはしゃぐユアがかわいい。
空を飛ぶ姿は幼女な天使で、魔法に対する恐れは見られない。
まだ七歳児だしな。
プリキュアやサンタは半信半疑だっただろうけれど、実際に魔法を体験してしまえば、あっさりと信じてしまう年頃らしい。
「これが魔法ですよ」
イキるお姉ちゃんを許しておくれ。
「お姉ちゃん、魔法使いだったんだぁ。でも、ルーラって……ドラクエ? だよね」
お家にドラクエはないはずなんだけどな、よく知ってるな。
「あのね。スマホに入れるアプリがあるんだよ」
「ああ、そういったものもありましたね」
ユアもお嬢様だからな。小学2年で少々早いが、防犯も兼ねてスマホを持ち歩かせている。チャイルドロック仕様だが、人伝てにドラクエアプリのことくらいは聞いてるか。
「お姉ちゃんはドラクエの魔法を使えるの?」
「そうですよ」
「あんねぇ。わたしは? わたしは?」
ワクワクしている瞳。
しかし――、残念ながら、ドラクエに魔法を譲渡するような魔法は存在しない。
この世界の人間は魔法を知らない。魔法を使う技術を知らないということになる。
ちなみに、わたしがもしも魔法を人に教える場合は最初に強く当たって後は流れでって感じで、たぶん伝達は不可能なように思える。
そもそも、ムチプリ力があるかどうかもわからん一般人に、どうやってムチプリを伝えればいいんだ。言ってみれば、男に女の快感を教えてやるぜっていうようなもので、LGBTでもなければ不可能やろがいと思わなくもない。
もしかして、感覚的なところを教えたりすればそのうち覚えることもありえるのかもしれないが、実際のところはどうなんだろうな。
ただ、いまはユアの輝く瞳を曇らせたくない。
「レベルをあげたらもしかするかもしれませんね」
「そっかぁ。お姉ちゃんはどうやってレベルをあげたの?」
「演技の腕をみがいたりしたら、自然とレベルが上がっていたように思います」
まあ、メダパニ補正もあったけど、それは情動のコントロールであって、いわばなりきり力だからな。土台となる演技力も少しは上がってると思うよ。魔法とは全然関係ないけどな。
ただ、お姉ちゃんは妹ちゃんの期待を裏切りたくなかったのだ。
ヘタレといいたくば、言うがよい。
ストンとユアを下ろし、わたしは寺田さんに向き直る。
「それでは、ユアの送迎をよろしくお願いします」
「かしこまりました、お嬢様」
なんか寺田さんの顔が赤いな。なんだろう。
「姉妹百合てぇてぇ……」
「え?」
「いや、なんでもございません」
☆
寺田さんとユアが登校に向かったあと。
わたしは小一時間ほど自由時間を得ることになる。
家にはママンとふたりきり。
「お母さま。なにか顔がおやつれになっているようですが大丈夫ですか」
「大丈夫よ。ちょっと胃痛がね」
ママンが心臓のあたりをおさえる。
「
ママンの一大事と聞いて、わたしは神速ともいえる勢いで魔法をかけた。
パァっと光がママンの身体を包み込む。
あらゆる負傷と体力を回復する呪文だ。これでダメなら内臓系かあるいはなんらかの病気かもしれない。わたしのベホマがどこまでを射程に入れているかはわからない。
「お母さま。治りましたか。お母さま!」
ママンにすがりつくようにわたしは聞いた。
「ええ、と、特に問題はないわ。ちょっと精神的なものだから大丈夫」
「そうですか」
ほっとしたものの、ママンの顔はまだ青い。
むしろ悪化したような気がするのは何故だろう。
ベホマは何度もかけても意味がない。完全回復の名は伊達ではなく、普通なら欠損レベルのケガも一瞬で治癒するのである。
その昔、ダンゴムシAはダンゴムシAとダンゴムシBに分裂したが、無事生還することができた。うにょうにょとダンゴムシB部分が生えるダンゴムシAは非常にキモかったことをつけくわえておく。ちなみにダンゴムシB部分は普通に朽ちた。
「あのね。あなたが魔法を使うのは今更止めないわ」
長い沈黙のあと、ママンがぽつりと言った。
「はい」
「だけど、いろいろとやりすぎてしまわないように気をつけなさい」
「わかりました」
「本当にわかってるのかしら」
「わかっていますよ。いきなり何が起こるかわからない例の呪文を唱えたりするようなバカじゃありませんし、わたしももう大人です」
「まだ子どもじゃなかったかしら」
「お母さまの前では子どもです」
「変な子」
「お母さまの子ですよ」
ぎゅっぎゅ。
そんなわけで、今日も始まり早々に優勝したわけである。
明日はたぶん更新できたとしても真夜中になります