鬼滅のIF   作:黒いオオカミ

1 / 2
裏図書室さんの【一発ネタ】下弦映画上映マナー会議【映画応援】
https://syosetu.org/novel/238439/
をリスペクトした作品です。許可は得ています。

映画見に行って、初回限定版とか貰っています。かなり、面白かったです。まぁ、できれば、映画公開前に投稿できたら、一番ですが・・・


映画マナーのパワハラ会議

(十二鬼月の下弦のみが集められている。こんなこと初めてだ)

 

 下弦の禄こと、釜鵺は辺りを見ましていた。何かの血鬼術で、映画館の空間が歪められ、階段や部屋がおかしなことになっていた。

 ベベン・・・三味線の音が鳴り響くと、自分達の立っている場所が移動した。

 

(移動した! また血鬼術!!)

 

 下弦の壱の魘夢以外は慌てふためく様に周りを見回していると、ふと何かの気配を感じた釜鵺は上を見上げた。

 そこには、20代後半の真っ白い顔に瞳は猫のような縦長、薄い紅梅色の眼。黒を基調とした高そうな着物を纏い、金の髪飾りを付けた女が一人、鬼たちを見下ろすように立っていた。

 

(なんだ、この女は・・・誰だ?)

 

 女は冷徹な眼差しで彼ら鬼を見据えた後、真っ赤な口を開けた

 

「頭を垂れて蹲え。平伏せよ」

 

 女の姿をしているのに、聞き覚えのある声であった。

その瞬間、自分達の中に巡る鬼舞辻無惨の血が反応したからなのか、自分達の主の声を聞いたからなのかは不明であった。ただ、皆踏み潰されたかのように一斉に両手をつき、床に額を押し付けた。

釜鵺が自身は十二鬼月の下弦であることを忘れ、顔中から恐怖からか汗が吹き出し、床に雫を落としていく。不覚にも、この女を誰だと思っていたことを心底後悔していた

 

(無惨様だ!? 無惨様の声! 分からなかった!? 姿も気配も以前とは違う。凄まじい精度の擬態!!)

 

 その他の下弦の鬼たち同様に同じ考えを巡らせて、冷や汗がたれていた。自分自身の非を認めるためか、その空気を変えるためかは定かではないが、下弦の肆は口を開いた。

 

「も、申し訳ございません。お姿も気配も異なっていらしたので」

 

「誰が喋って良いと言った?」

 

「ッ!?」

 

「貴様共のくだらぬ意志で物を言うな。私に聞かれたことのみ答えよ」

 

 零余子の言葉を、無惨は跳ね除け言い放つ。その言葉に零余子は頭を下ろした。

 

「上映中。映画の盗撮をおこなっていた累が映画館に追い出された」

※ 盗撮は犯罪です

 

 無惨は一旦呼吸を置き、また言葉を続ける。

 

「2020年10月16日に、鬼滅の刃 無限列車編が公開された。私が問いたいのは1つのみ。何故に下弦の鬼はそれほどまでに鑑賞マナーが悪いのか。漫画が、アニメや小説化だけではなく、劇場で公開されたからと言って終わりではない。より売上に貢献し、よりSNSやツイッターにバズるのが始まり」

 

 一呼吸を置き、また言葉は続く。ここからが本題と言わんばかりに威圧巻いた口調で話した。

 

「映画館が入れ替わりになっていこう、映画上映前のマナーに関するお願いが増えてきた。そのマナーを守り、礼儀正しく最期まで鑑賞したのは、常に上弦の鬼達と鬼殺隊の柱だ。しかし、下弦はどうだ? 何度劇場を追い出された?」

 

 確かに、ここにいる下弦は映画の上映マナーに関するモラルが悪い。まぁ、理由は簡単である。鬼殺隊の隊士もモラルが悪いのがいるからだ。連中もモラルが低いのに、自分達がしっかりとマナーを守るのは可笑しいと考えているからだ。

 そもそも、釜鵺は映画館で、映画を見る派ではない。DVDやブルーレイで見る派である。彼は、心の底で悪態をついた。

 

(そんなことを俺達に言われても・・・)

 

「そんなことを映画館で、お金を落とさない俺達に言われても・・・なんだ? 言ってみろ」

 

(ッ!?・・・思考が、読めるのか!? まずい!)

 

「何がまずい?・・・私及び、映画マナーを守る人間に言ってみろ」

 

 思考を読めることに驚愕している窯鵺に対して、青筋を立てて無惨は明確な殺意を放った。

 蛇に睨まれた蛙のように、窯鵺は動くこともできない中、無惨の手は華麗で白い腕が瞬時に、10m以上はあるだろう肉塊のような生き物に変化し、瞬時に窯鵺を捕まえ、吊し上げた。

 

「お赦しくださいませ! 鬼舞辻さま!! どうか! どうか! お慈悲を!申し訳ありません! 申し訳ありません!! 申し訳」

 

「貴様は劇場内で騒ぐのはマナー違反だ!」

※ 劇場内では、騒ぐのは辞めましょう

 

  窯鵺は悲鳴に近い許しを請うたが、映画館から追放された。

 

(なんでこんな事に・・・殺されるのか? たかが、映画マナーごときに・・・せっかく十二鬼月になれたのに。何故だ? 何故だ? 俺はこれからもっと・・・・もっと)

 

下弦の参の病葉は、十二鬼月の下弦の参になれたことに慢心しきっていた。自身は映画館で、映画を見たことを友達に話して、マウントを取りたかった。それが、映画館から追放されたら、マウントが取ることができなくなると考えていた。

 

「お前は上映よりもお喋りするのが楽しいか?」

※ 上映中のお喋りは辞めてください

 

 無惨の冷たい声に、下弦の肆の零余子は大きく震わせたが、瞬時に顔を上げ応答する。

 

「いいえ!!」

 

「お前はいつもおしゃれなインスタ映えするカフェで、友達と映画のネタバレを話して楽しいか? それを聞いている奴がどれくらい不快なのか考えないのか?」

 

 先程、釜鵺の思考を無惨に見透かされ殺されたにもかかわらず、零余子は気が動転しそうになるのを堪え、真っ青な顔で涙目になりながら、震え声で即座に否定した。

 

「も、申し訳ございません。今度からは気をつけます!!」

 

「なら、何故に貴様は周りの配慮に欠けることを散々やってきたのだ?」

※ 映画のネタバレは出来るだけ、辞めましょう

 

 

 零余子は心の中で、そう思っていたのだ。例え、無惨の意見を否定しても、無惨にとっては、心のなかで思っていたので、忠誠心を語っても、待つのは退場のみであった。

 異形の腕が零余子を一瞬にして覆い尽くした。断末魔もあげることさえ許されず、許されたのが、映画館から無理やり退場されたのみだ

 その光景を目の当たりした病葉は、恐怖していた。

 

(ダメだ・・・お終いだ。思考は読まれ、肯定しても否定しても殺される。戦って勝てる筈もない! ・・・なら)

 

 彼はとっさであった。自身は、速さだけなら、下弦で一番である。ここから・・・

 

(トイレに逃げるしかない!)

 

 病葉はすぐさま、トイレに駆け込もうとした瞬間であった。

 

「上映中に席から立つのは、ルール違反だ!」

※ トイレなどは、上映前に出来るだけ済ませておきましょう

 

 無惨は、何食わぬ顔で平然と病葉の首根っこを持っていた。

 こればかりは、意識のある病葉は何が起きたのか理解できない様子で、眼孔を大きく広げていた。

 

(そんな!? 退場されている! 琵琶の女の能力か!? いや、琵琶の音はしなかった。)

 

「最期に何か言い残すことは?」

 

無惨は残っている二人の鬼に尋ねた。すぐさま、下弦の弐である轆轤は顔を上げ、必死に無惨に訴え始めた。

 

「わ、私は売上に貢献します! もう少しだけ、御猶予を頂けるならば、必マナーも守ります!」

 

「具体的にどういう風に売上に貢献するんだ? お前ごときにどういう風にできるんだ?」

 

 無惨が問いかけると、轆轤は一瞬言葉に迷った。先程、表面上しか言っていない零余子は殺されたのだ。当然、実行不可能なことを言えば、すぐに殺されるのは当たり前だ。なら・・・

 

「お金を! お金を頂ければ、私は売上に貢献致します! 鬼滅グッズを沢山買って売上に貢献します!」

 

 轆轤含む鬼達は、例外を除いて、お金なんて不必要だからである。彼がどんなに頑張っても、映画代とグッズ代のお金を出すのは不可能なため、自身の主である無惨から、出してもらおうという算段であった。

 実際無惨は、貿易商で稼いでいるのだ。最も、稼いでいる目的は、青い彼岸花や医学書や研究道具を仕入れるためなのだから、無惨からしたら、いきなり自身のお金を頼りにされているのだ。

 

「なぜ、私がお前の指図で金を与えなければならん。はだはだ図々しい。身の程をわきまえろ」

 

「ち、違います! 違います! 私は・・・」

 

「黙れ。何も違わない。私は何も間違えない。全ての決定権は私にある。私の言うことは絶対である。お前のような、他人の金を当てにするようなやつに権利はない。私が正しいと言ったことが正しいのだ。それと貴様は血なまぐさいぞ!」

 

「そ、それは・・・食事を少々」

※ 映画を見るときは、匂いがするものは控えましょう

 

「貴様は、映画に見るのに、匂いのする食事をしたのか? 食事をするにしても、モンダミンやファブリーズで、ニオイ消しをしない?」

 

「そう言われましても、この時代にはファブやモンダミンもないのですが・・・そ、それに、食事は人間を食べるため、匂いがするのは仕方」

 

 一瞬にして、轆轤は映画館に追い出されたのであった。

 

「それに触れるな貴様・・・最期に言い残すことは?」

 

 どうせコイツも出来もしないことを言うのか、心にもないことを言って、その場しのぎの発言を言うのだろう。無惨は内心そうおもっていた。

 だからこそ、先程と同じ質問を魘夢に投げかけた。

 

(こいつも追い出される。この方の気分次第ですべて決まる。俺は、映画の鬼滅の刃や他の映画も二度と映画館で見れないんだ)

 

 映画館で映画を二度と見れないと感じていたため、薄れゆく意識の中そんなことを思っていた。

 

「私は夢見心地で御座います。貴方様直々に映画マナーが悪い鬼を追い出すなんて。他の鬼の断末魔を聞けて楽しかった。幸せでした」

 

 無惨は眉をひそめていた。この鬼からは、決して、その場しのぎのような発言ではないことは、心を読める無惨にとっては、いともたやすく分かるからこそだ。

 

「ポップコーンやチェロスを食べながら、映画館で大好きな映画を何度も見ることが、夢に見る程好きなので、私を最後まで残してくださってありがとう」

 

「気に入った。私の財布のお金をふんだんに分けてやろう。但しお前は鬼滅の映画を腐るほど見ることになる。お前は飽きるかもしれない。だが、順応できたのならば、更なる売上に貢献するだろう」

 

 

 

「月彦さん、いいの? 映画 鬼滅の刃 無限列車編。前も見たのに、初回限定版も貰ったのに、娘のために、また行ってくれるなんて?」

 

「別に構いませんよ。私も映画版の方は何度見ても、飽きませんから」

 

「やった! お父さん大好き!!」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。