鬼滅のIF   作:黒いオオカミ

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PS5高いし、当選確率が・・・


PS5のパワハラ会議

(十二鬼月の下弦のみが集められている。こんなこと初めてだ)

 

 下弦の禄こと、釜鵺は辺りを見ましていた。何かの血鬼術で、空間が歪められ、階段や部屋がおかしなことになっていた。

 ベベン・・・三味線の音が鳴り響くと、自分達の立っている場所が移動した。

 

(移動した! また血鬼術!!)

 

 下弦の壱の魘夢以外は慌てふためく様に周りを見回していると、ふと何かの気配を感じた釜鵺は上を見上げた。

 そこには、20代後半の真っ白い顔に瞳は猫のような縦長、薄い紅梅色の眼。黒を基調とした高そうな着物を纏い、金の髪飾りを付けた女が一人、鬼たちを見下ろすように立っていた。

 

(なんだ、この女は・・・誰だ?)

 

 女は冷徹な眼差しで彼ら鬼を見据えた後、真っ赤な口を開けた

 

「頭を垂れて蹲え。平伏せよ」

 

 女の姿をしているのに、聞き覚えのある声であった。

その瞬間、自分達の中に巡る鬼舞辻無惨の血が反応したからなのか、自分達の主の声を聞いたからなのかは不明であった。ただ、皆踏み潰されたかのように一斉に両手をつき、床に額を押し付けた。

釜鵺が自身は十二鬼月の下弦であることを忘れ、顔中から恐怖からか汗が吹き出し、床に雫を落としていく。不覚にも、この女を誰だと思っていたことを心底後悔していた

 

(無惨様だ!? 無惨様の声! 分からなかった!? 姿も気配も以前とは違う。凄まじい精度の擬態!!)

 

 その他の下弦の鬼たち同様に同じ考えを巡らせて、冷や汗がたれていた。自分自身の非を認めるためか、その空気を変えるためかは定かではないが、下弦の肆は口を開いた。

 

「も、申し訳ございません。お姿も気配も異なっていらしたので」

 

「誰が喋って良いと言った?」

 

「ッ!?」

 

「貴様共のくだらぬ意志で物を言うな。私に聞かれたことのみ答えよ」

 

 零余子の言葉を、無惨は跳ね除け言い放つ。その言葉に零余子は頭を下ろした。

 

「PS5の抽選を当てた累が転売ヤーに殺された。下弦の伍だ」

 

 無惨は一旦呼吸を置き、また言葉を続ける。

 

「私はこの1000年普遍は好きだが、変化は嫌いだ。が、PS5という変化は好きだ。限りなく完璧に近い私でも、エディションの方も当たらなかったが、累が抽選にあたったことに、貴様ら、十二鬼月は産屋敷家や青い彼岸花を見つけられなかったことは寛大な私も水に流そうと思ったさ・・・」

 

 一呼吸を置き、また言葉は続く。ここからが本題と言わんばかりに威圧巻いた口調で話した。

 

「ここ百年余り、十二鬼月の上限の顔ぶれは変わらない。鬼狩り共を葬ってきたのは常に上弦の鬼達だ。しかし、下弦はどうだ? 何度入れ替わった」

 

 確かに、ここにいる下弦は柱や柱に類する隊士を討ち取ったことがない。勝てないのに無理して、勝負に挑んでも犬死することはわかっているからだ。もしくは、自分の地位に慢心し、あぐらを掻いているかのどちらかである。

 そもそも、釜鵺はPS5の抽選があったことは知らないし、Switch派だ。心の底で悪態をついた

 

(そんなことを俺達に言われても・・・)

 

「そんな事をSwitch派の俺に言われても・・・なんだ? 言ってみろ」

 

(ッ!?・・・思考が、読めるのか!? まずい!)

 

「何がまずい?・・・私及び、意見を読者に言ってみろ」

 

 思考を読めることに驚愕している窯鵺に対して、青筋を立てて無惨は明確な殺意を放った。

 蛇に睨まれた蛙のように、窯鵺は動くこともできない中、無惨の手は華麗で白い腕が瞬時に、10m以上はあるだろう肉塊のような生き物に変化し、瞬時に窯鵺を捕まえ、吊し上げた。

 

「お赦しくださいませ! 鬼舞辻さま!! どうか! どうか! お慈悲を!申し訳ありません! 申し訳ありません!! 申し訳」

 

  窯鵺は悲鳴に近い許しを請うたが、無惨は顔色一つ変えずにただ黙って見据えている。赦しの言葉を最後まで聞く前に異形化した腕により、喰らった。

  残るは一瞬の断末魔と血の雨。血の雨は下弦の鬼達に降り注ぎ、服や顔を真赤に汚していく。

 

(なんでこんな事に・・・殺されるのか? たかが、PS5ごときに・・・せっかく十二鬼月になれたのに。何故だ? 何故だ? 俺はこれからもっと・・・・もっと)

 

下弦の参の病葉は、十二鬼月の下弦の参になれたことに慢心しきっていた。後は、上弦になり、柱ですら倒し、強く恐ろしい鬼になることを考えていたのが、今この場で下手をすれば死ぬことになるのだ・・・

 

「私よりも鬼狩りの方が、運がいいか?」

 

 無惨の冷たい声に、下弦の肆の零余子は大きく震わせたが、瞬時に顔を上げ応答する。

 

「いいえ!!」

 

「お前はいつも抽選で当たったチケットやゲーム機をネットで高額で転売して、小遣い稼ぎしているな?」

 

 先程、釜鵺の思考を無惨に見透かされ殺されたにもかかわらず、零余子は気が動転しそうになるのを堪え、真っ青な顔で涙目になりながら、震え声で即座に否定した。

 

「いいえ思っていません! 私は貴方様の為に、少しでも資金になるために蓄えます!!」

 

「お前は私の意見に否定をするか?」

 

 零余子は心の中で、そう思っていたのだ。例え、無惨の意見を否定しても、無惨にとっては、心のなかで思っていたので、忠誠心を語っても、待つのは死のみであった。

 異形の腕が零余子を一瞬にして覆い尽くした。断末魔もあげることさえ許されず、許されたのが、彼女の血肉を食らう咀嚼音だけであった。

 その光景を目の当たりした病葉は、恐怖していた。

 

(ダメだ・・・お終いだ。思考は読まれ、肯定しても否定しても殺される。戦って勝てる筈もない! ・・・なら)

 

 彼はとっさであった。自身は、速さだけなら、下弦で一番である。ここから・・・

 

(逃げるしかない!!)

 

 無限城を飛び回り、駆け抜けた。出口がどこかにあるかもしれない。そんな、一筋の希望を抱いて・・・

 そもそも、彼。病葉は3つの懸念があることを忘れていた。

 一つ目は、全ての鬼には無惨の呪いにより、位置探知の呪いがある。それは、人間の血肉を貪り食えば食うほど、呪いの力は強まるようになっている。

 二つ目に、彼は考えるべきである。そもそも、この無限城は鳴女という女鬼によって、空間の狭間にある状態なので、出口などないのだ。そのため、鳴女を殺さない限り、ここから逃げおおせることは不可能なことを・・・

三つ目に、足の速さはと言ってはいたが、それはあくまでも、下弦の中での話である。上弦や柱や柱に匹敵する隊士にすれば、そんな速度など大したことがないことを・・・

もっとも、一番の彼の死因は、上記の3つでなく、PS5を過小評価しすぎていた点だが・・・グラヒィック、爆速の読み込みスピード、PS4との後方互換、ウルトラHDブルーレイ、コントローラーのデュアルセンス。無論これ以外にも色々あるが、本来なら、これらの機能をすべて入れると13万位するのが、それが5万円で買えるのだ。最も、映像を100%体験するためには、モニターにもこだわらないといけないため、決して5万円という金額では済まないのがネックと言う点であるが・・・

 

「もはや十二鬼月は上弦のみで良いと思っている。下弦の鬼は解体する」

 

 無惨は、何食わぬ顔で平然と病葉の頭だけを持っていた。

 こればかりは、意識のある病葉は何が起きたのか理解できない様子で、眼孔を大きく広げていた。

 

(そんな!? やられている!? 琵琶の女の能力か!? いや、琵琶の音はしなかった。ぐうぅう・・・な・・・ぜだ。体を再生できない)

 

 無惨によって殺された鬼は、例え鬼の再生力があっても、再生ができなくなる。

 彼、病葉にとっては、無惨によって殺され、初めて、それを理解したのだ。

 残るは下弦の鬼2人。魘夢と下弦の弐の轆轤だけである。魘夢は下弦の壱だからなのか、もとから異常だからなのか。この状況を楽しそうに心待ちしていた。

 

「最期に何か言い残すことは?」

 

 病葉の頭を投げ捨てると、無惨は残っている二人の鬼に尋ねた。轆轤は顔を上げ、必死に無惨に訴え始めた。

 

「わ、私はまだお役に立てます! もう少しだけ、御猶予を頂けるならば、必ずお役に!」

 

「具体的にどれ程の猶予を? お前はどの様に役に立てる? 今のお前の力でどれ程の事が出来る?」

 

 無惨が問いかけると、轆轤は一瞬言葉に迷った。先程、表面上しか言っていない零余子は殺されたのだ。当然、実行不可能なことを言えば、すぐに殺されるのは当たり前だ。なら・・・

 

「110円(55万円)を!! 貴方様のお金から、110円を頂ければ、私はアマゾンで必ず購入してみます。エディションではないPS5を必ず手に入れます!!」

 

 轆轤含む鬼達は、例外を除いて、お金なんて不必要だからである。彼がどんなに頑張っても、110円などと出すのは不可能なため、自身の主である無惨から、出してもらおうという算段であった。

実際無惨は、貿易商で稼いでいるのだ。最も、稼いでいる目的は、青い彼岸花や医学書や研究道具を仕入れるためなのだから、無惨からしたら、いきなり自身のお金を頼りにされているのだ。しかも、送料額分もだ・・・

 

「何故私がお前の指図で金を出さなければならんのだ。甚だ図々しい。身の程を弁えろ」

 

 無惨からしてみたら、11倍くらいボッタクリと言っても過言ではないほどの金額を要求しているのだ。無惨ではなくとも、怒られるのは無理もないのだ。

 

「違います! 違います!! 私は、私は」

 

「黙れ。何も違わない。私は何も間違えない。全ての決定権は私にある。私の言うことは絶対である。お前に拒否する権利はない。私が正しいと言ったことが正しいのだ。お前は私に指図した。死に値する」

 

 一瞬にして、轆轤は物言わぬ死体となったのだ。

 

「最期に言い残すことは?」

 

 どうせコイツも出来もしないことを言うのか、心にもないことを言って、その場しのぎの発言を言うのだろう。無惨は内心そうおもっていた。

 だからこそ、先程と同じ質問を魘夢に投げかけた。

 

(こいつも殺される。この方の気分次第ですべて決まる。俺は、最新のエックスボックスを待たずに死ぬ)

 

 最後が近いことを感じていたため、薄れゆく意識の中そんなことを思っていた。

 

「私は夢見心地で御座います。貴方様直々に手を下していただけるなんて。他の鬼の断末魔を聞けて楽しかった。幸せでした」

 

 無惨は眉をひそめていた。この鬼からは、決して、その場しのぎのような発言ではないことは、心を読める無惨にとっては、いともたやすく分かるからこそだ。

 

「人の不幸や苦しみを見るのが大好きなので、夢に見る程好きなので、私を最後まで残してくださってありがとう」

 

 無惨は目を細めると、肉片を針のように尖らせ、魘夢の首筋に打ち込んだ。

 そこから無惨の血が、魘夢の身体の中に流れ込んでいく。最も、血を与えられた魘夢はのたうち回っていたが

 

「気に入った。私の血をふんだんに分けてやろう。但しお前は血の量に耐え切れず死ぬかもしれない。だが、順応できたのならば、更なる強さを手に入れるだろう」

 

 無惨にとっては、コイツなら自身の役に立つと判断したのだ。

 

「耳に花札のような飾りを付けた鬼狩りの首とPS5の抽選券を持ってくれば、もっと分けてやる」

 

 無惨は魘夢に命じると再び琵琶の音が鳴り響く。襖のようなものが現れ、魘夢は元いた場所へと戻された。

 魘夢は地面に叩きつけられた反動と血を与えられたことにより、動けなかったが、彼の頭の中に浮かんでいたのは、耳に花札のような飾りを付けた少年がPS5を持っている姿であった。

 

「うふ、ふふふ、は、柱と、この子供を殺し、PS5の抽選券を奪えば、血を戴ける・・・夢心地だ・・・!」

 

 

 

『ねぇ、月彦さん。PS5の抽選って、当たったかしら?』

 

「あぁ、麗さん。PS5が手に入る目処が立ったよ」

 

 先ほどとはうって変わって、冷酷非情の無惨ではなく、愛する娘と愛する妻への対応をする無惨であった。

 

『そう。これで、〇〇も喜ぶわ。まさか、誕生日にPS5を欲しがるだなんて』

 

「あの子も時代には乗っかるのだよ。きっと・・・」

 

『そうね。だけど、月彦さん。〇〇を甘やかしてばかりダメよ?』

 

「ふふ、分かっているよ。麗さん。取り敢えず、おやすみ」

 

『ふふ、おやすみ。月彦さん』

 

 無惨は黒電話を置くと、無惨はふんっと鼻で笑った。

 

「私が遊ぶために買ったんだ」

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