私の声を聞いて路地裏まで来てくれた『剣聖』ラインハルト。
スバル「あれだけの事をして爽やかすぎる…」
『イケメンすぎるな』
顔と声と行動と佇まいがこの世界に来て最高のクオリティをしているラインハルト。
いやぁ、イケメンすぎる。
スバルに目配せをすると、
スバルはその場に膝をつき、「へへー」と平伏し、私は左手を心臓の位置に当て、
「このたびは命を救っていただき、心からお礼申し上げる。このナツキ・スバル、その御心の清廉さに感服いたしますれば……」
『剣聖ラインハルト、この度は我らエトワール、スバルを救い感謝いたす』
ラインハルト「そんなに堅く考えなくても構わないよ。向こうも3対3になって、優位性を確保できなくなってのことだ。僕がひとりならこうはいかなかった」
『でも、ラインハルトさんやい、剣聖なんて呼ばれていたけど強いんじゃないの?』
スバル「いや、あのビビりようからしたら3対1どころか10対1でも逃げてそうだったけど……なんだ、このイケメン。本気で身も心もイケメンか。俺ルートのフラグが立つわ!」
ラインハルト「家が特殊でね。その呼び名は僕にはまだ相応しくないんだよ。…呼び捨てで構わないよ。スバル、エトワール」
『そうかい?なら遠慮なく。僕の声を聞いて助けに来てくれてありがとう』
スバル「さらっと距離詰めてくるな。助けに入ってくれたのがお前だけだったの嬉しいかったよ」
大通りには大勢の人がいたにも関わらず、助けに入ったのがラインハルトただ1人という悲惨。
ラインハルト「珍しい髪と服装に名前…君達はどこから来たんだい?」
スバル「テンプレ的には東の国だが…」
『もっと東の方から来たよ』
ラインハルト「大瀑布からかい?すごいね」
スバル「大瀑布…?」
『ああ、私達は大瀑布から来たよ』
『大瀑布』という言葉にハテナが思いつくスバルには後で意味を教えるとして、大瀑布から来たというのを断言する。
ラインハルト「そうか、今のルグニカは平時よりもややこしい状態にあるが…僕でよければ手伝おうか?」
スバル「…それはありがたいけど、予定とかあるのじゃないのか?」
ラインハルト「今日は非番だから問題ないよ。王都が異常ないか見ているだけだし」
スバル「――だったら、人探し願いたい。白いロープを着た銀髪の女の子見なかったか?」
ラインハルト「その子を見つけてどうするんだい?」
スバル「無くしているものを届けるだけさ」
ラインハルト「――すまない。心当たりが無い。もし宜しければ、探すの手伝うけど」
『そこまでは迷惑かけられねぇわ。――でもこの王都で何があったら空に火魔法打ち上げるから助けに来てくれるか?』
ラインハルト「――ああ、分かった」
『何があったら』という言葉に怪しみながらも良い返答をしてくれた。
…正義の塊か。
スバル「ある程度は方針決まったか」
『ああ、ラインハルトには詰所によればお礼できるかな?』
ラインハルト「うん、名前を出したらわかると思うよ。または非番の時は王都をうろついてるから」
スバル「りょーかい。男探しに街に出かけるとか乙女ゲーかよ」
『行こう、スバル。ラインハルト、ありがとね』
スバルの腕を絡めながら路地裏を後にする。
「お気をつけて」というラインハルトの声を聞きながら。
そして、蒼い目が値踏みをするかのように私達を見ていたのを肌で感じながら――。