ラインハルトが来て形勢逆転かと思われたが、なかなかに苦戦していた。
理由は銀髪がロム爺の手当をしていたからだ。
彼女曰く、「精霊術」を使っている間は本気を出せないと。
『ラインハルト、決め手にかけるんだろ、僕も援護するよ』
ラインハルト「良いのかい?エトワール。少し援護してくれ」
『任された。――繰り出すは竜の拳。滅竜魔法、火竜の鉄拳っ!!』
静かに詠唱し放つ魔法は
滅竜魔法を扱うものは
僕はこの魔法以外にも使えるので、一概にとは言えない。
1発目は避けられるから、2発目3発目と繰り返す。
ククリナイフも避けながら。
エルザ「それ、熱くないの?炎を身に纏うのは思わなかったわ」
『残念ながら、本人は熱くないのよ、僕の魔法は違ってるからねぇ。――風よ、空気よ。来い、風天竜の砕牙!!』
2つの属性を合わせた複合魔法、《
本来ならば2人以上で発動する技。
しかし、僕は時間をかけて1人でも可能になった。
下から上にかけて攻撃するが避けられる。
滅竜奥義でもぶちかまそうとした時スバルの声が聞こえた。
スバル「――ラインハルト、よく分からんがやっちまえ!!」
『ラインハルト、大きいの噛ましたれ』
スバルが指示を出すと同時に僕は後方へ大きく飛びスバル達の近くへ移動する。
ラインハルト「ああ、アストレア家の剣撃を見るが良い…!!」
ちらりこちらに視線を送り、スバルと目を合わせ顎を引き、彼はそう言った。
――直後、盗品蔵の中の空間が引き歪むような感覚がした。
スバル「は?」
大気が歪み、部屋の明るさが一段落落ちたように見える。
……それどころが、先程まで氷魔法の連続で部屋の温度が下がっていたのがもう1つ下がったようだ。
後ろを向くと、銀髪が震えているのがわかる。
いや、これは大気中のマナ不足?
『目を凝らして』みるとマナがラインハルトに寄っていくのが見えた。
……あれ、魔力の元となるエーテルナノがある。
魔力切れ起こしても大丈夫だな。
銀髪の周りに魔力をマナ変換してラインハルトに寄っていかないように結界を貼る。
エルザ「『腸狩り』エルザ・グランヒルテ」
ラインハルト「――『剣聖』の家系、ラインハルト・ヴァン・アストレア」
戦況が変わった。
名乗りを上げた2人はこれから一騎打ちにでも持ち込もうとしていた。
方や血に濡れたナイフ、もう片方はサビすら浮く両片手剣。
それは英雄譚の戦いのような輝かしいものであった。
ようやく、FTの魔法!
詠唱ありで発動しないといけないという謎ルールの元掲載しています(*´ω`*)