「待て待て! 待ってくれ! な、なんだかわからねえが、こいつは見逃す! だから俺たちのことは勘弁して……」
スバルを人質にしている男が言う。
少女「潔くて助かるわ。今ならまだ取り返しがつくから、私から盗った物を返して」
「だから悪かったって……へ? 盗った物?」
少女「お願い。あれは大切なものなの。あれ以外のものなら諦めもつくけど、あれだけは絶対にダメ。今なら、命まで取ろうとは思わないわ」
懇願の言葉を繋ぐ少女。最後の言葉だけ、怒気をはらんでいだ。
『…地味に話食い違ってるような気がするんだけど』
少女「……なに?」
少女を注目していた男三人衆は一気にこちらを見る。
『明らか、お前達が持ってる様子無いもの。あるとしたら、先程全力疾走で駆け抜けた金髪の少女だと思うけれど…』
「ああ、そこの嬢ちゃんの言う通りだ」
「あの勢いなら通り3つは超えてるだろうな」
少女「そうなのね…」
私の言葉に続ける三人衆。その言葉に嘘は無いと判断したようでこちらに背を向ける。
安堵をした様子を見せる三人衆、そして焦るスバルの表情。
少女「だけど、見過ごせれるはずが無いのよ」
少女はこちらに手のひらを見せるかと思えば、氷の礫をスバルを人質にしている男以外に放たれていた。
これを好機だと捉えた私は、人質を取っている男のナイフを持つ手を手で落とす。
『しゃがめ!』
その言葉通りにスバルはしゃがんでくれた、空いた空間かできた事で、男の胴体目掛けて魔力を込めて足蹴にする。
「……やって…くれたな」
少女が礫を放った2人のうち1人が足元ふらつきながら立った。私が足蹴にした男も脇腹を抑えながらも立っていた。
少女「パック、出てきて」
パック「なんだい、リア」
少女が声掛けた人?は中に浮かぶ猫だった。
中に浮かんでいるからただの猫では無い、精霊といった感じかな?
「――精霊使いか!」
少女「ご名答。いますぐこの場から立ち去って。そしてら追わないから」
小さく舌打ちをし、男達は倒れている男を担ぎながら、路地表に出ようとする。
「覚えてろよ、クソガキ。次にこのあたりをうろつくときはせいぜい気をつけろ」
パック「この子に何かしたら末代まで祟るよ? その場合、君が末代なんだけど」
精一杯の牽制だったんだろうが、ソレの言い方が軽いながらも辛辣だった。
『ありがとう。お礼といっちゃなんだが、盗人少女の事追おうか?』
少女「そんな事出来るの?」
『了解。魔力で探すのはあまりなのか?あっと、私の名前はエトワール、エトって呼んでね』
少女「魔力…?普通は、体内に有しているマナは感知しにくいんだけど…。私は…サテラよ」
少女は自分の名前を言う時少し躊躇う素振りをしていた。
スバル「俺の名前はナツキ・スバルだ」
『え、そうなんだ。こんな所を全力疾走していたから何があるかなと思い、魔力じゃねぇ、マナ?を覚えいたんだ』
どうやら、この世界は魔力でなくマナを使い魔法を使用しているようだ。
…私、体内魔力なんだけど、『魔力感知』の魔法がマナを捉えたのか。
って事はこの世界の魔法使える…?