鎮守府にて反乱発生!   作:小魔神

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第3話

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「翔鶴姉、提督さんのところに行こうよ。確かに目的も分からないわけではないけどさぁ、こんなのやっぱり良くないよ」

 

 どこか懇願するような声色で瑞鶴は姉の翔鶴に話しかける。

 とはいえ、既に彼女の中で方針は定まっているようではあるが。

 

「瑞鶴、あなたの言うことは最もだけど私は提督のところには行けないわ。それはきっと一航戦の方々も同じだと思う。提督の無事は約束するし、瑞鶴も協力してくれないかしら?」

 

 一方、翔鶴の方は諭すかのように瑞鶴に語りかける。それは自分の考えが瑞鶴のそれとは違うということを暗に示すかのようなものであった。

 

「翔鶴姉・・・。ううん、それはできないよ。やっぱり、私にとっては提督さんの方が大事だもん。翔鶴姉が付いて来てくれないのは残念だけど、私一人でも提督さんの所に行くよ」

 

 フルフルと首を振り、瑞鶴は翔鶴を真っ直ぐ見つめてそう言う。その目は、姉妹の決別を示唆するには十分すぎるものであった。

 そうしてどれくらい見つめ合っただろうか? 一瞬にも長時間にも感じるそれの後、瑞鶴は翔鶴に背を向けてA棟に向かうのであった。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「赤城さん、加賀さん、すいません。あの子を引き留めることができませんでした」

 

「別に気にしなくてもいいわ。あの子にはあの子の信念があるのだから。そうよね、赤城さん?」

 

「えぇ、そうですね。私も瑞鶴さんの考え自体は理解できます。とはいえ、こうして敵同士になったのなら、仕方ありません。なるべく傷つけたくはありませんが、戦うこととは避けられないでしょうね」

 

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「あれー瑞鶴。もしかして提督のとこに行くの?」

 

 A棟に向かう瑞鶴に一人の艦娘が声を掛ける。

 

「そうだけど、もしかして私を引き留めにでも来たの? だったら無駄よ、もう翔鶴姉にも自分の意思は伝えた後だから」

 

 きっぱりと瑞鶴は拒絶の意思を示す。

 一秒でも早く、彼女はA棟に向かいたいのだ。

 

「違うよぉー。私も提督のところに行こうと思っていたから、良かったら一緒に行かない?」

 

「別にいいけど・・・。こんな状況でも相変わらずね」

 

 半ば呆れたように瑞鶴は言う。表面上は平静を装ってはいるが瑞鶴も心のなかでは、不安が、慣れ親しんだ海のように波立っているのだ。

 

「ん? 相手が瑞鶴だからだよ。私も最初は戸惑っていたわ」

 

 ニコリと笑顔を瑞鶴に向ける。

 その笑顔を直視した瑞鶴は、どこか気恥ずかしさを感じる。そして、それを隠すように発言する。

 

「まぁ、私達ってそれなりに縁があるものね。あの時みたいに絶望な戦いかもしれないけど、今回は勝利を掴まないと。瑞鳳も協力してよね」

 

「それでこそ私たちの旗艦様、お互いに頑張ろうね」

 

 二人は決意を新たに、改めてA棟に向かう。

 

「いやー、お二人さん仲がいいね。私も仲間に入れてよ。そこそこ、役に立つと思うからさ」

 

 そんな二人の会話が終わるのを見計らったかのように、声を掛ける存在。

 

「誰・・・って飛龍さん。飛龍さんも一緒に来てくれるの? これなら加賀さんたちにも負けないわね」

 

「いやーそこまで期待されてるのは嬉しい反面プレッシャー。まぁ、できる限り頑張るけど」

 

「それじゃあ飛龍も一緒に行こう。これで仲間が3人ね」

 

 紆余曲折はあったが提督の下に3人の空母が仲間が集った。

 

 一方、瑞鶴は心の中である疑問が生じていた。

 (なんで、瑞鳳って飛龍さんに対しても呼び捨てなんだろう?)

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

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「司令官のところに向かうべきです!」

 

 きっぱりと朝潮は目の前の駆逐艦達にそう告げる。

 それは、彼女自身の信念に基づく発言であった。そう、彼女は司令官に忠誠を誓ったのであって、その他の誰にもそれを向けたことはない。ならばこそ、彼女がその発言をしたのは必然であった。

 

 しかし、他の駆逐艦の反応は芳しくはない。

 

「それなら、朝潮ちゃんが行けばいいじゃない」

「司令官には何もしないみたいだし、むしろ戦うほうが危ないじゃない」

 

 そこには、朝潮を非難する声も少なからずあった。

 無論、彼女たちには彼女たちの言い分があるのだ。そして、それは朝潮のそれとは相容れない。なれば、反発するのは必然であった。

 

 そうして、なし崩し的に場が解散する。

 

 

 

「私だけでも司令官のところに行かないと」

 

 朝潮は一人寮を抜け出しA棟に向かう。

 そんな彼女に声をかける存在。

 

「司令官のところに向かうのかい? だったら私も行くさ。司令官の信頼を裏切るわけには行かないからね」

 

 白い帽子を目深に被った少女はどこか芝居がかったように、同行を申しでる。

 

「雪風も忘れないで下さい。しれぇにはお世話になっていますから、裏切るわけにはいきません」

 

 白いワンピースを着た少女は、ニコニコとした表情を浮かべながら、強い意志を示す。

 

「二人ともいいの? 私もそうだけど仲間や姉妹とも戦うのかもしれないのよ?」

 

「問題ないさ、それに雷や電はともかく暁は私がこうすることなんて、きっとお見通しだっただろうしね」

 

「雪風も大丈夫です。それに多分、同じ駆逐艦ならケガをさせずに倒せると思います!」

 

何はともあれ、また提督側に貴重な戦力が増えることとなった。

 

 

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A()()()()()

 

「司令官、見てください仲間が増えましたよ」

 

 吹雪がジャジャジャジャーンと効果音が付く行きおいで両の手を向ける。

 

「イエーイ!」

 

 北上もそれに合わせて場を囃し立てる。

 

「いや、まぁ知っているけど。ずっとここにいるし・・・」

 

 そう、俺は仲間が増える一部始終を0から10までしっかり見ているのだ。

 

「提督ぅ、こういうのは雰囲気だよー。何となくいけそうに感じるじゃん」

 

 まぁ、さっきまでの絶望感は多少なりとも拭えたのは間違いない。

 さて、改めて集まった面子を確認しよう。

 

 駆逐艦

 吹雪 朝潮 響 雪風 Z1 Z3

 

 軽巡

 北上 大井 阿武隈

 

 重巡

 プリンツ

 

 戦艦

 ビスマルク

 

 空母

 飛龍 瑞鶴 瑞鳳 グラーフ

 

「いや、やっぱり厳しくないかこれ? それに大井と阿武隈はいつからいたんだ、全く気付かなかったんだが」

 

 改めて、味方を見回すことで、こちらの戦力の少なさが改めて実感できる。

 てっきり、30人くらいは味方してくれるのかと思っていたんだが・・・。

 

「提督もまだまだね。北上さんがいるところに常に私はいるのよ。そこのフレンチクルーラーは知らないけど」

 

「フレンチクルーラーって私のことですかっ? ヒドッ、心外なんですけどー。私がここにいるのは、遠征の報告で今朝来ていたからです」

 

 なるほど、二人の言い分は分かった。

 ていうか、阿武隈はともかく大井は結局、ここにいる理由が分からないのだが。ちなみに、北上は大井のフレンチクルーラー発言がツボに入ったのか笑いこけてる。

 

「むぅ、北上さん失礼すぎるんですけど」

「ご、ごめん。あぶ・・・フレンチクルーラーちゃん 」

「キーっ。もう知りません」

 

 二人の馬鹿みたいな会話は捨ておいて、もう一つ確かめないといけないことがある。

 

「なんで、ドイツ艦だけは勢揃いなんだよ。いや、有り難いけども」

 

 日本の艦娘よりもドイツの艦娘の方に信頼されていたのか? 

 国籍で贔屓したりはしていないはずだが。

 

 

「バカなことを言うのね。私、ビスマルク以外にあなたが頼れる存在がいるのかしら? いいのよ、もっと褒めても。オイゲンもそう思うでしょう?」

 

「はい、ビスマルク姉様は最高です、世界一です」

 

「「「はぁ・・・」」」

 

 何となく、ドイツ艦がここにいる理由が分かったような気がする・・・。

 

「ちなみになんだけど、ドイツ以外の海外連中はあっち側についているのか?」

 

 一応の疑問をぶつける。ちなみに質問相手はグラーフ・Z1・Z3の3人だ。あそこで馬鹿なやり取りをしている二人は知らん。

 

「他の連中は、静観を決め込んでいるようだ。本当は私たちもそうしようと思ったのだがな・・・」

「まぁ、そういうことよ」

「ビスマルクが提督を助けるって言って出て行っちゃったからね」

 

 なるほど、どうやらビスマルク様様なようだ。

 あとで、お饅頭でもあげよう。

 

 

 

とにもかくにも、状況は整ってきた。

 さて、これからどうなることやら。

 

 

 

 

 

 

 

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